Wnn開発の裏話と言い訳け

Wnn開発の裏話と言い訳け

    • 「是非、開発側からの自己評価をせー!」と言う声がありますので、あえて「開発した側の裏話 (当然ここで言える事だけ)」 と「自己評価」と「言い訳け」をさせていただきます。
    • 今後ともこのページの内容も充実させていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。 1997-10-21 更新。

Wnn誕生のいきさつ

  • Wnnの開発の歴史などについては、Wnn関係用語集の中で非常に詳しく述べられています、そちらをご覧ください。 私も知らないことが詳しく書かれています。 開発を開始したのは1985年でその時は私も沢山、類似のものが出ているので既に開発タイミングとしては遅いのではないか、と実は反対した方なのですが、本命のGMWと言うウインドウシステムのコンセプトの一つが国際化だったのでその最初のインプリメンテーションが日本語と言うことでしぶしぶ? 開発がスタートしました。
  • 開発初期の生々しい紹介記事を発見しました。 著者は当然の事ながら、Wnnの名前の由来になった中野さんです。 現在でも良く言われている産学協同の原点を見る思いがします。
  • いつだったか正確な時期は忘れましたが、それなりに開発が一段落した頃、主要なメンバーが集まって、たしか中華料理屋で丸いテーブルを囲んでビールを飲んでいたとき、誰からともなく、フリーソフト(当時はPDS-パブリックドメインソフトウエア)で行こうと言う話になって、その場でアット言う間に決まってしまいました。 これが現在のWnnの誕生の直接のキッカケです。 もしこの時、クローズなものにすると言うことであったなら、現在のWnnは存在しなかったと思います。
  • それで1987年にWnn2として世の中に誕生したのでした。 それからも、順調に進んだわけではなくて、担当する技術者が一人になってしまったこともあり、苦難の道程でした。

Wnn95

  • 幻の「Wnn5」に引き続き「Wnn6」を開発しましたが、これは UNIX ワークステーション用で、従来のものを商品化しただけでそんなに大きな変更はありません。 むしろPC用に開発した「Wnn95」が大変でした。 元々Wnn6にはPC用のクライアントを同時に開発していましたので、それがベースになっています。 基本的なコンセプトは従来のWnnユーザに便利なように考えられています。 従って Mule のキーバインドが入っているのです。
  • その他は、開発している自分自身に便利なようにしてあります。 当然開発者は同時にユーザそれも技術者としてのユーザですから、PCを使う人全員を対象とするのではなくて、技術者を主な対象としてあります。 このため、英語を使う機会が多いために「日英まるごと変換」などのアイデアが生まれてきました。 これの究極がこのあと述べる「eWnn」なのです。
  • それなりに自信を持って送り出したWnn95ですが、某MS社が同様のものを出してきて、MS社は自社のOSにバンドルしているので、こちらは非常に不利です。もっと明確に違いの出る機能が必要と痛感しています。
  • 変換効率に関しては数字の上ではWnnが勝っていますが、体感的にはほとんど変わりません。 ただ、長期間使っていると、MS-IME の方は変な変換をする確率が高くなります。 これは、変換をするときには必ずしも正しい変換結果で確定している訳ではありません。
  • 時々と言うか、よくやるのは間違った変換結果で思わずリターンキーを押してしまって確定する場合です。
  • Wnnには「じわじわ学習」とか「すぐ学習」とかが設定できて、1度や2度間違ってもそれは学習しないようにしていますので、このような事は起りにくくなっています。
  • しかし、これはある程度使い込まないと分かりませんし、設定の画面も分りやすいとはとても言えませんので、この辺の改善は必要です。 また、使い初めには、物覚えが多少悪いという印象を与えるのも、問題です。
  • この他にも、変換の最初の時にディスクからかなりのデータをアクセスしなければならないので、ノートブックなどCPUの遅いマシンではかったるい印象を与えます。その次からは速くなるので問題はないのですが、初期の印象が良くないのは問題です。 これは最新のバージョンではかなり改善されてますので、ダウンロードして使ってみてください。
  • この他にもワンキーでFEPのON/OFFが切り替えられるとか、入力画面で自動的にFEPがON/OFFするとかの機能があるのですが設定が分かりにくいせいか、あまり使われていません。この辺の改良も必要と思っています。

eWnn

  • 上で言ったように、eWnnは「技術者がうれしい」ような機能と言うことと、Wnn全体のコンセプトである「国際化」の両方から生まれました。 最初の発想はスペルチェックです。 いつも不安を抱きながら、またあるときにはこの方がふさわしい言葉のはずがスペルに自信が無いので別の言葉にするような事が頻発していました。
  • しかし、スペルチェックだけではワードにも入っていますし、どこにでもあります。 また綴りが正しくても同じような言葉は多くあってどれが正しいのか分からないと言うこともあって、ディスクの消費は物凄く大きいのですが、本格的な辞書をつけたのです。 おそらくこの辞書の価値だけでもeWnnの小売価格で十分元がとれると思います。
  • しかし、FEPでアルファベットを入れるという従来に無い操作を行うわけで、この点がもっとも気掛かりでありました。 従って、いかに自然に、違和感無くアルファベットが入れられるか? と言う点にかなりの時間を裂いています。 当然 Last 10 minutes で直したところも多くあります。 今の「minutes」と言うのもスペルに自信がないのでeWnnを起動して入れました。 (^ ^;
  • ちょっとした、例えばボックスに記入するときにもスペルチェックが使えるのは本当に便利なものです。最近ではWebのCGIで何かを記入しなければならない場面が多くなっていて、こう言うときにも威力を発揮します。
  • 日本だけでは心もとないのでアメリカにいる日本人にも使ってもらいましたが、結構と言うか予想より良い評価をもらっています。 現在でも簡単な文法チェックは付いてはいるのですが、もっと本格的な文法チェックを望む声も多く、実は私もその一人なのですが、そう言う方向に持っていきたいと思います。