今月のひとこと 2026年 2月1日号
激動する政治情勢と衆議院解散
突然の衆議院解散で状況が急変してきました。なぜもっと早く国会を開いて、その冒頭で解散しなかったのか不思議でしょうがないです。いずれは解散しなければならないのですから、先にやった方が良いと思ったのですが、なかなか自民党内部で話がまとまらなかったのでしょう。
さらには、これも突然降って湧いた話で、中道改革連合ができました。これにもいろいろな報道がありますが、少し議席が減るというものから、かなり減るという話まで様々です。いずれにしても、立憲民主党が公明党に吸収されたのは間違いないと思います。新政党の綱領が公明党寄りになっているからです。立憲民主党の議員がこれを説明するのは非常に大変で、野田共同代表も時々言葉に詰まっています。以前とは反対のことを言わないといけないので、これは大変だと思います。
政策の一貫性がないので、政治的信頼性が一気に落ちたのではないでしょうか。自民党の方も高市人気は高いですが、自民党そのものの支持率が低く、なかなかすっきりとは行かないような感じです。来週の投開票が怖いというか、楽しみというか、見物だと思います。どういう結果になるのか、いずれにしても各小選挙区は接戦になると思います。
それにしても各党すべてが消費税減税を訴えていますが、世論調査では消費税減税に賛成する人はあまりいないようです。消費税そのものはあまり良くないと思いますが、ここまで来たのでこれをなくしていくというのは別の問題が出てくるのではないでしょうか。10%以上にするのは論外ですが、これ以上下げるというのもいろいろな副作用が出てくるのではないかと思っています。
唯一「チームみらい」が消費税ではなく社会保険料の減額を主張していますが、私もそれに近い考えです。社会保険料があまりにも高すぎて、税金を含めた国民負担率が50%近くになっているのはちょっと異常なので、これを35%ぐらいまでに落とすべきだと思っています。ただその代替財源がどこにあるかというのは難しい問題です。
いずれにしても、日本が成長しないのは最大の問題で、これの責任は今までの政府、日銀、民間会社にあると思います。各民間会社はみんな内部留保に貯め込んでしまって投資しない。確かに投資する先がないというのも分からないではないですが、そこは頑張ってやるのが経営者たるものだと思います。今の経営者は経営者の仕事をしていないと思います。だから報酬が低いのは当然で、今でも高すぎると思います。失敗を恐れて全然投資しないので、これはやはりソフトバンクの孫さんあたりを見習って、どんどん失敗しても良いのでやっていくべきだと思います。
これがある意味うまくいっているのは中国だと思います。中国のロボットメーカーは100社以上もあるらしいですし、電気自動車のメーカーも100社以上あるらしいです。政府としてはこれを競争させて、最後に残るのは2、3社だと思いますが、その残った2、3社が非常に競争力の高い会社になるのではないかと思います。やらされている方は大変ですが、やらせる方としては非常に良い状況になっているのでしょう。
AIバイブコーディングの進展と実用化
先月号で延々と触れたAIの話ですが、その後もAIのバイブコーディングを進めて、ほとんどのツールは完成して使用に耐えるようになりました。ただ完璧にできたかというと、仕様上ちょっと妥協したところもあって完全ではないですが、一応実用的に使えるようなツールがいくつもできました。
実際のソフトウェア開発の世界では、何万行もあるような巨大なシステムもAIで作られているようですが、完全なバイブコーディングというのはなかなか難しいでしょう。やはりどうしてもレベルの高いソフトウェアエンジニアが必要になってくると思います。最初の計画段階ではもちろん、最後の詰めでちょっとしたことを詰めるのにやはりAIでは難しくて、人間の直感というか、人間が見ればすぐ分かることが、AIではなかなか分からないということになります。
最近では、バイブコーディングで簡単なツールであれば一発で動くようになりました。なので、何か出来合いのツールを探して使い方を調べて使うよりは、自分でやりたいことを例えばPythonでコーディングして作ってしまうということの方が早くて効率的なような気がします。少し慣れが必要ですが、ローカルで自分専用のツールを一発で作ってしまうということの方が良いのではないかと最近は思っています。そういう場面では積極的にツールを自作するようになりました。
急速に進化するAIの性能と画像処理能力
いずれにしても、この半年でAIはものすごく進歩したという感じがします。私が使い始めてもだいたい半年ですが、その間にAIの使い方を私が習得したということもあり、実際のAIの性能も格段に上がりました。ChatGPT-5.2に上がりましたし、その後で出てきたGoogleのGemini 3も性能が格段に上がり、特に画像の処理がすごいと思います。
地味にすごいと思ったのはレシートなどの読み取りです。レシートを一枚一枚、これを画像に直すのは非常に面倒ですが、これを動画で撮る。長いレシートはそのままずっと動画でパンしていくと、何十枚でも動画でずっと撮っていって、これをGeminiに投げて、それでデータを読み取らせると、これがびっくりしたことにきれいに読み取ります。ただし一種のハルシネーション(幻覚)が入って、読み取れない数字も適当に入るという問題がありました。これはちょっと気を付けないといけませんが、ほかのAIではなかなかできなかったことがこれで一発で読み取れたのにはびっくりしました。
それまではGoogleの画像処理APIを使ったりいろいろやっていたのですが、なかなか精度が上がりませんでしたが、これは一発でした。もう一つ、これは失望というかびっくりしましたが、手書きの日記がたくさんあるので、これを読み取らせてみると、内容と似ても似つかない創作ばかりが出てきて、一応文章にはなっていますが、元の私が手書きで書いた日記と全く違う文章が創作されていました。
最近の新聞で出ていた話題で、学術論文にAIを使うことがだんだん増えてきて、少なくとも10%ぐらいの論文でAIの痕跡が検出されたということです。調べものをしたりして論文を書くということはAIを使うと非常に楽になると思いますが、驚いたのは10?20%の研究者がAIに論文そのものを書かせるということを是とするという結果が出ていて、まあそうなるのかもしれないという気もしました。その他の人でも調べものをしたりするのにAIを使うのは基本的にOKだということです。まあ従来、Google検索などをやって色々調べてものを書いたりしたことがあるので、それと同じような感覚だと思います。検索の代わりにAIを使う人も結構多いです。
ローカルLLMの可能性と2026年問題
前月号でも触れましたが、これから進展しているのはローカルLLMだと思います。少し前にAIパソコンという言葉が流行りましたが、その時はクラウドAIの方の性能アップが非常に大きかったので、そちらに流れましたが、最近はローカルで動くLLMが再び注目されています。
私が使っている中クラスのGPUとWindows 11という普通のPCですが、これでもGPT-4o-S-20Bが動きます。これは蒸留してもう少しサイズを小さくすることも可能みたいですので、それならノートPCでも十分動くのではないかと思います。これで驚くのは、グローバルな検索が必要なような質問に対しては非常に曖昧で、ハルシネーションが激しいですが、例えばコードをチェックするようなそういう業務では、たったこれだけのリソースでAIがちゃんと動くのは驚異的なことだと思います。さらに蒸留と言われているようなやり方でデータ圧縮すれば、もっと小さい、低レベルのPCでも動くということになります。しかし考えてみれば、そんな多少高性能とは言え、デスクトップPCで本格的な高性能なAIが動くというのは、考えてみれば驚嘆すべきことではないかと思っています。これもおそらくひと月ごとに性能がアップしているのではないかと思います。
最近言われているのは2026年問題で、これは何かというと、2026年を境にAIはだんだんバカになっていくということです。この理由は、今までは学習に使うデータは人間が生成した高品質なデータを片っ端から学習したのですが、もうほとんどこれらの学習が終わってしまって、後は人間が生成した品質の高いコンテンツが枯渇して、そのコンテンツを元にAIが作り出した低レベルのコンテンツが大部分を占めてしまい、それを学習したAIの性能アップが低下していくということです。なので一時言われたAGI(汎用人工知能)とかASI(超人工知能)とか言われていたのは、ちょっと別の次元の話ですが、これからAIがどんどん進歩していくというのはどうもそうではなさそうというのが最近の認識みたいです。
GPT-5.2やGemini 3以降は、私自身もあまり進歩がないような感じがしています。それまでは日進月歩していたので、余計に進歩がしていないというふうに感じるのかもしれません。GoogleのGeminiは性能の進歩というより、横への応用の広がりと言っても良いと思うのですが、AIそのものの性能のアップというよりはそれの応用が広がっているということです。特にGoogleは自前でGoogle検索とかGoogleの色々なツールがたくさんありますので、それをつないでいくということになっています。現在は特にGmailとの連携を進めているようです。Googleが持つドライブとかスプレッドシートとかドキュメントといったものと連携をしていくようです。
AI各社の競争とAIの忖度問題
かたや似たようなものを持っているMicrosoftのOfficeは意外とAIとの親和性が良くないようです。MicrosoftはCopilotというのを持っていますが、これ実際はChatGPTですから、何もわざわざCopilot経由で使う必要もないという感じもしますし、CopilotがWordとかExcelとうまく連携しているような感じもあまりしませんので、Microsoftとしてはちょっと厳しいのではないかと思います。
あとはMicrosoftのイメージ、特に私的にはイメージがあまりよくありません。似たようなことはGoogleもMicrosoftもやっているのですが、なぜかMicrosoftのイメージが非常に悪いです。これは余計な広告がやたらと多いせいです。Googleも広告を出しているのですが、わりと控えめなのですが、Microsoftはそこらじゅうに広告が出てくるので、仕事にならないというか、何のためにPCを使っているのか分からなくなる時があるので、私から見るとMicrosoftはなるべく使いたくないなという感じがします。使うと広告の嵐になってしまうという気がして、同じならGoogleにしたいという感じがしています。
あとはClaudeというちょっとマイナーなAIがあるのですが、これはOpenAIを辞めた技術者がやっているところで、性能的には非常に良いと思います。特に長文の読解とかコーディングとかは良いとされていますし、生成する文章も非常に良い文章だと言われています。少し料金が高いのとマイナーであるということで、私もあまり使っていません。なので一般的にはOpenAIとGoogleの争いになっているというふうに思います。
今話題になっているのはAIの忖度問題で、これは以前から私自身も気になっていました。AIに自分の主張を述べて、これで良いかと聞くと、必ず肯定的な回答をします。否定的な答えはあまりしません。ここで否定的な答えを出すと評判が悪いですので、肯定的な回答を割と多く出す傾向にあります。
なので、ここは気をつけて聞かないと忖度されて行き先を間違うということになりますので、気をつけないといけないという研究がなされています。だから聞くときに自分が作った、自分の意見だと言うと忖度するので、他人が作ったという風にプロンプトに入れた方が良いというような話もあります。私も時々AIが生成したコードを直して、それをもう1回チェックしてもらうのですが、最初の回答は大体これでOKですという回答ですが、その後にここを直したら良いというのが、だらだらだらと続きます。これ元々AIが生成したんじゃないのと言いたくなるのですが、特にOpenAIの場合は、だいたい回答の最後の方に大事なことが出てきます。
いずれにしてもAIとどうやって付き合っていくかというのは、以前のGoogle検索をどう使いこなすかというようなこと以上に重要になってくるのではないかと思っています。
今月の読み物は 本文が長くなってしまったし、適当なものがなかったので、休刊です。 昨年に一度紹介しましたが、テーマに合うので、再掲しておきます。
知能とはなにか ヒトとAIのあいだ (講談社現代新書 2763) 新書 2025/1/23
田口 善弘 (著)
チャットGPTに代表される生成AIは、機能を限定されることなく、幅広い学習ができる汎用性を持っている、そのため、将来、AIが何を学ぶかを人間が制御できなくなってしまう危険は否定できない。しかし、だからといって、AIが自我や意識を獲得し、自発的に行動して、人類を排除したり、抹殺したりするようになるだろうか。この命題については、著者はそのような恐れはないと主張する。少なくとも、現在の生成AIの延長線上には、人類に匹敵する知能と自我を持つ人工知能が誕生することはない、というのだ。
その理由は、知能という言葉で一括りされているが、人工知能と私たち人類の持つ知能とは似て非なるものであるからだ。
実は、私たちは「そもそも知能とはなにか」ということですら満足に答えることができずにいる。そこで、本書では、曖昧模糊とした「知能」を再定義し、人工知能と私たち人類が持つ「脳」という臓器が生み出す「ヒトの知能」との共通点と相違点を整理したうえで、自律的なAIが自己フィードバックによる改良を繰り返すことによって、人間を上回る知能が誕生するという「シンギュラリティ」(技術的特異点)に達するという仮説の妥当性を論じていく。

































