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2012年6月4日
ヨーロッパ再燃で、株価もドンドン下がって、これを書いている辞典での日経平均で8250円、今日だけで180円余りの下落です。 ギリシャの再選挙で政治が決まらないと、先が見えないようです。 ギリシャはEUを離脱するにもEUベースの債務がありますから、自国通貨のドラクマに戻っても、債務の返済は、ますます苦しくなるでしょう。 行くも地獄帰るも地獄で、どうしようもない。 ここは、EU統合で一番利益を得たドイツが、ギリシャの債務を解消して、ギリシャのEU離脱がもっとも望ましい解決方法だと思います。
しかし次の問題はスペインで、これも予断を許しません。 最悪シナリオは、ギリシャが破綻して、その余波でスペインも破綻の瀬戸際になると言う事で、いくら債務残高が高いと言っても、自国内での国債消化と、対外純資産がプラスの間は、日本も世界レベルで見ると、優等生なんでしょう。 その証拠にまた円高に振れ始めました。 この間の円高是正局面では、これで一気に円安に振れるのかと身構えた方も大井と思いますが、EU問題再燃で、また元に戻ったと言うことです。 BRICS も成長が落ちてきて、以前のようなデカップリング論(短期的には当たった)みたいな、楽観論も最近は一切聞こえてこず、まったくの五里霧中になってしまいました。
PCの世界も、ついこの間まで5万円PCと言っていたのに、最近はさらに下がって、3万円PCです。 デスクトップは1-2台買いましたが、ノートブックを10年ぶりで購入しました。 送料無料で、31800円と言うのが効きました。 他になにか必要なのかと調べて見ましたが、何もなし。 それで、実際に購入してみると、確かにこの金額で自宅に届きました。 ここでその3万円PCの レノボ [IdeaPad Z575] のレビューを行ってみたいと思います。 デザインにIBMの名残があり、好きではなかったですが、懐かしく思いました。
まず、大きさと重さ。 結構大きく思いです。 ガンメタルグレー、(W×D×H)mm 376x250x32.3-34.5mm バッテリー・パック、を含む本体質量 約2.6kg この機種は本来ゲーム用らしいので、大きさと重さはあまり重視していないようです。 横幅が大きいので、テンキーを含むフルキーボード仕様になっています。 テンキー付には慣れていないので、すぐに端のキーを押してしまいます。 画面に対して少し左寄りで向かわないといけないです。
ポインティングデバイスはタッチパッド。 何かおかしいと思ってよく使ってみると、スマホでおなじみの2点ポインティングで、画面のサイズの変更もスマホのように2本の指で出来ます。 アイコンがこの操作で大きくなったり小さくなったりは少し気持ち悪いのですが、再起動でデフォルトに戻るようです。 IBMゆかりのThinkPadではないためか、スティックはありませんでした。
CPUはAMDの1.5GクワッドA8-3500M。 ターボブースト時2.4GHzになるようです。 ビデオ・チップも AMD Radeon HD 6620G で、W7のスコアでこれが最低で、4.5でした。 他はそれ以上。 ビデオRAMはメイン・メモリーと共有の最大2GB。 この辺がコストダウンと性能が少し低い理由だと思います。
問題のディスプレイ は、 LED バックライト付 15.6 型 HD 液晶 で 1,366×768ドット。 縦が800を切るのは少ししんどい。 画像を見るだけなら問題ないですが、ビジネスで使うとなると、この辺が、コスト相応と言う事になります。 いろも少しダイナミックで、コストダウンはこの辺が一番効きますから、すこし我慢をしないといけないところです。
ディスクは、 500GB(5400rpm)。 アプリを入れるためか、Dドライブもパーティションを機ってありました。 光学ドライブは、CD/DVD/CD-R/Blu-ray DVDスーパーマルチ・ドライブ。 Blu-rayが使えると今はじめて分かりましたので、やってみたところ、CPRM対応のディスクはDLも読めましたが、それ以外は駄目でした。 DVDはみな読めるようです。DVD/CDは書き込みもOKみたいです。 本体をよく見たら、メディア・カード・リーダー (SDメモリーカード、マルチメディア・カード、メモリースティック、メモリースティックPro、xDメモリーカード)も付いていました。
外部インタフェースは、ワイヤレス ※8 802.11 b/g/nが付いていました。 本体前面に、ワイヤレスLAN ON/OFFスイッチが付いているので、間違ってワイヤレスで情報漏えいと言う事にはなりにくいようです。 もちろん 10BASE-T/100BASE-TX の有線LANも付いています。前面にはステレオスピーカーが付いており、マイクとカメラも内臓です。 もちろん外部のヘッドフォンとマイクのジャックは付いていました。
コスト的には問題ないのか、Bluetooth Bluetooth v2.1 + EDR準拠 が付いてました。 全部テストしていませんが、まあまあ使える範囲だと思います。 他には、アナログビデオコネクタ(VGA)が付いているのと、HDMIポート、USB2.0×3、eSATA/USBコンボ×1があり、PCカードのスロットはありませんが、接続には問題がないようです。
これらを見ると表示画面に多少の不満はあるものの、デジカメやビデオの編集や保存にはまったく問題のない仕様となっており、これが3万円そこそこであるのは、驚きのなにものでもありません。
今月の読み物は、武士の家計簿 ―「加賀藩御算用者」の幕末維新 (新潮新書) 磯田 道史 著 ¥714。 今月は、3万円PCのレビューで紙面を取ってしまいましたので、他の話題は来月に回します。
映画になっているので、ご覧になった方も居られると思いますが、改めて原作を読んでみると、なかなか興味深いです。 このような古文書が古本屋で売られていたり、その中身が詳細な家計簿だったり、その家計簿から暮らしぶりを再現したことで、江戸時代後期の武士の暮らしが、一層身近になりました。 いわば現在の高級サラリーマンの暮らしぶりで、収入は多いものの、支出も多くて、借金に借金に重ねる、現在のサラ金地獄に通じる実態が明らかになります。 さらには、明治維新と言う大変動なかで、どうやって生き残っていったのか、興味は尽きません。
【Amazonコメント】
東京・九段の靖国神社に立つ「大村益次郎」像の建立に力があったのは、加賀前田家の「猪山成之(しげゆき)」という一介のソロバン侍だった。幕末の天才軍略家と一藩の会計係の間に、どのような接点があったのか。「百姓」から軍略の才一つで新政府の兵部大輔に上りつめた大村と、ソロバン一つで下級武士から150石取りの上士にまで出世した成之の出会いは、いかにも明治維新を象徴する出来事だが、著者は偶然発見した「金沢藩猪山家文書」から、その背景をみごとに読み解いている。
猪山家は代々、金沢藩の経理業務にたずさわる「御算用家」だった。能力がなくても先祖の威光で身分と報禄を保証される直参の上士と違い、「およそ武士からぬ技術」のソロバンで奉公する猪山家は陪臣身分で報禄も低かった。5代目市進が前田家の御算用者に採用されて直参となるが、それでも報禄は「切米40俵」に過ぎなかった。しかし、120万石の大藩ともなると、武士のドンブリ勘定で経営できるものではない。猪山家が歴代かけて磨きあげた「筆算」技術は藩経営の中核に地歩を占めていく。
本書のタイトル「武士の家計簿」とは、6代綏之(やすゆき)から9代成之(しげゆき)までの4代にわたる出納帳のことである。日常の収支から冠婚葬祭の費用までを詳細に記録したものだが、ただの家計の書ではない。猪山家がそれと知らずに残したこの記録は、農工商の上に立つ武士の貧困と、能力が身分を凌駕していった幕末の実相を鮮明に見せてくれる。220ページ足らずとはいえ、壮大な歴史書である。(伊藤延司)
【著者からのコメント 2003/04/02】
東京・神田の古書店で、加賀藩士がつけた「家計簿」が発見された。饅頭ひとつ買っても記録した詳細なものである。天保13年(1842)から明治12年(1879)年まで37年分が残されており、金沢城下の武士の暮らしぶりが手にとるようにわかる。
家計簿をつけたのは加賀藩御算用者(おさんようもの)・猪山直之。藩の経理係であり、将軍家から前田家輿入れした姫様のそろばん役を務めていた。仕事が経理であったため、自分の家でも緻密に家計簿をつけていたらしい。彼は、年収の2倍をこえる借金を抱え、年18%の高利に苦しんでいた。妻の実家に援助してもらい、お小遣いも現在の貨幣価値で5840円におさえられていた。しかし、天保13年に一念発起して家中の家財道具を売り払い、債権者と交渉して借金の整理に成功。「二度と借金地獄に落ちるまい」と、それ以後、家計簿をつけはじめた。
その後、猪山家は家運が急上昇。江戸時代の武士社会では、猪山家のようなソロバン役人は低く見られていたが、維新の動乱期になると、会計技術者は兵站係として重宝された。直之の子、猪山成之は明治政府の軍事指揮官・大村益次郎にヘッド・ハンティングされて兵部省入りし、のちに海軍主計となって東京に単身赴任する。その年収は現代の3600万円にもなった。一方、金沢に残された成之の従兄弟たちは政府に出仕できず、年収は150万円。明治士族の厳しい現実である。
本書では、なるべく、猪山家の人々の「声」を掲載することにした。幕末明治から大正にかけて、激動期を生きた家族の肖像写真をそのまま見て頂きたいと思ったからである。
あなたは猪山家の物語に何を想われるであろうか。