今月のひとこと2012年8月号


「今月のひとこと」の目次
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2012年8月2日
株価も8500円を切ったかと思うと取り戻して、様子見の相場になって来ています。 ギリシャの次はスペインが火を噴いて、スペインはギリシャに比べて大きいので、どうなるのか、予断を許しません。 本格的に暑くなってきましたし、夏休みだし、少なくともお盆明けまでは、動きがないでしょう。

ECBがマイナス金利を本気で検討し始めたようです。 ゼロ金利は当たり前で、金利を払ってまで預けようと言う事になってきているんですね。 長らく世界経済の周回遅れと言われてきた日本は、ハッと気がつくと、周回遅れどころか、1周先を走っていたんです。 これからも金利は下がることはあれ、上がることはないのではないでしょうか。 アメリカの経済もそろそろ怪しくなって来ました。 大丈夫大丈夫、と言って来ましたが、そろそろ息切れ。 大統領選挙の年は政策的に景気が良くなる、と言われてきましたが、もう大統領選挙どころではなくなってきたのではないでしょうか。

原子力規制委員会もやっと委員の人選がきまりそうで、チグハグな民主党ですが、ここはキチンとやって欲しいと思います。 本来は、これが機能してからの原発再稼働なんでしょうが、順序が逆になりました。 これだけ暑いのに、関電の需給率は80%ぐらいで、関電も努力はしているんでしょうが、少しサバを読み過ぎと思います。 誰かが言ってましたが、一度停電にすれば良い。 東京でも起きたんだから、大阪でもやったら、少しは状況がはっきりすると思います。 いずれにしても、あの再稼働は一時的で有るべきでした。 あの時の総理大臣の判断はおかしいと思います。

日本の監査体制は、それにしても、何時まで経っても良くなりませんね。 と言うか監査が出来ない国民性なんでしょうか。 未だに300万人が死んだ、あの太平洋戦争の真相と責任の追求ができていない国ですので、先ほどの公聴会で、電力会社の社員が、誰も死んでいない、と発言したのは、ある意味で正しい視点です。

最近の大津のいじめ自殺事件にしても、オリンパスにしても、原発にしても、うまく監査すると言う事ができていません。 うるさい、邪魔というかんがえなんでしょうか。 いじめ自殺に関しては、現場を監査する教育委員会がまったく機能していない。 本来は、ここが現場の不作為や見逃しをチェックするはずです。 オリンパスでも(一般の会社でも同じですが)、現場の執行部を監査管理するのが取締役です。

先日、大手子会社の現職監査役に、取締役と言うが、何を取り締まるんですか、と聞いたら、分からんと言う答え。 本来は執行部とその長である社長を取り締まるんですが、単なる組織の上位層になってしまっている。 国で言うと、総理大臣が社長で、議員が取締役なんです。

これが機能しないから、監査役と言う日本独特の役職があって、これも機能しないので、監査委員会を作るとか言う話になっていて、キリがない感じです。 それより取締役を本来の取締役の機能を果たす方がハッキリすると思います。 そのために執行役員制度を新設したはずが、単に取締役の予備軍になってしまっています。 しかも、社外取締役の義務化も見送られたようで、我が国にはなじまないと言う言い訳で、結局なにも変わらないままです。

原子力行政も同じ。 虜とか、原子力ムラとか言いますが、基本的には監査がキチンと出来ない国民性なんでしょう。 この国民に原子力は扱えない、と言うのも、説得性のある議論だと思います。 国会や原子力はそれはそれでも良いとして、少なくとも民間のまともな会社組織はキチンと監査が機能するようにして欲しいと思います。

今月の読み物は、暑いので水に関連したお話です。 深海の使者 (文春文庫) 吉村 昭 著 ¥680。
太平洋戦争中に、ドイツとの往復に潜水艦が使われたと言うのには、どこかで少し聞いた様な気がしましたが、吉村昭によって小説になりました。 何ヶ月もかけて、狭い潜水艦の中で過ごしながらドイツとの往復をしたのは、本当にすごいです。 閉所恐怖症の筆者としては、想像するだけで息苦しくなります。 技術将校が自決する場面では、同じ技術系の人間として、いろいろ考えられさせられました。

潜水しながら世界の反対側まで行けるような、最新式の潜水艦も敗戦ののち、処理されてしまいました。 あれだけ爆撃を受けながら、よくぞ作ったものだと思います。
お盆と敗戦日を迎えて、一読あれ。

出版社/著者からの内容紹介
第二次大戦時、杜絶状態にあった日本とドイツをつなぐ新連絡路をひらくため、数次にわたって大西洋に進攻した日本の潜水艦の、いきずまる苦闘を描く力作長篇小説
内容(「BOOK」データベースより)
太平洋戦争が勃発して間もない昭和17年4月22日未明、一隻の大型潜水艦がひそかにマレー半島のペナンを出港した。3万キロも彼方のドイツをめざして…。大戦中、杜絶した日独両国を結ぶ連絡路を求めて、連合国の封鎖下にあった大西洋に、数次にわたって潜入した日本潜水艦の決死の苦闘を描いた力作長篇。
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