今月のひとこと2012年10月号


「今月のひとこと」の目次
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2012年10月2日
やっと秋らしくなって来て、今日は秋晴れですが、10月になったので、本欄を書いています。 中国問題を直接の契機として、またアメリカの景気ダウンの影響もあって、株価も下落傾向です。 日経平均8800円も切ってしまって、しばらくは我慢の期間です。 中国の経済状況もどんどん下がっていて、今までは高度成長で何とか国民の不満を抑えていたのが、経済が下降傾向だと、その不満が急激に噴出してきそうです。 尖閣問題もこう言う側面も大きいと思います。

野田首相も、個人としてかチームとしてかはよく分かりませんが、言葉と実行がバラバラしている感じです。 以前から気にはなっていましたが、心からの言葉を聞いたことが無い。 新左翼のアジ演説を思わせる話し方も気になる。 尖閣問題も、これが全てとは思いませんが、こちらから胡錦濤との立ち話を要求しておいて、尖閣について言われて、その2日後に閣議決定したと言う話も、もう少し何とかならないか、1週間ぐらい延ばすとか)と思います。 柳条湖事件のその日にやるのも、中国側から見ると、攻撃(チャージ)しているとしか思えないのでしょう。 次の 韓国大統領とも関係が悪化して、確かにいろいろ理屈はあると思いますが、他人の神経を逆撫でするところがあるのではないでしょうか。 少なくともTVで、例えば谷垣前総裁との話など、いろいろ聞いている感じでは、良い気持ちはしません。

立ち話であっても何でちゃんと相手の胡錦濤を見ないで、下を向くんでしょうか? 確かにずっと向いていて、たまたま下を向いた写真が出たと言う言い訳が聞こえてくるようですが、そんな写真を撮られたら、一国のトップとしてはアカンのです。 既にその前の首相が下むいて胡錦濤と面談したことが問題になっているんですがら、気を付けるべきでしょう。 何であの写真だけが報道されるのか、それも疑問ですが、現に出ているので問題は大きいです。 ちなみに、北朝鮮を初めて訪問した小泉元首相は、相手をまっすぐ見ています。 一瞬たりとも下や横を向くことは無いです。 少なくともそう言う報道映像は無いです。

ライフログが最近盛んになって来たようです。 以前に、VAXの開発で有名なゴードン・ベルが始めたと言う話を聞いていたのですが、最近また日経本誌で紹介されていました。 ゴードン・ベルは1999年から研究を開始したとの事で、10年以上の経験があるのですね。 著作や論文は勿論のこと、走り書きやクレジットカードの明細、航空券の半券、写真などあらゆる物をいつもスキャンすると言うか、デジカメで撮っているんでしょう。 目の前の光景を20秒に1枚写真に撮るそうです。

実は私もライフログとは意識していませんでしたが、以前から記録を残すことを意識していました。 メールや写真は20年分あります。 作った資料もDOS時代を含めて全部残してあります。 ゴードン・ベルのように航空券の半券は非常に重要なもので、これにより、日記を付けていなかった時代の行動がだいたい分かるようになりました。 クレジットカードの明細は勿論、領収書は全部残しています。

日記は一番重要なライフログですね。 すでに20年分溜りました。 先日これが行方不明になって、びっくりして探しまくりました。 日記はメールにして自分に送っていて、更に幾つかの別アカウントに送っているので、完全になくなることは無いのですが、途中の1年分ほどがスッポリ抜けている。 最後は、メールの生ログからメールを復元して、検索しましたが、見つからない。 よくよく考えてみると、その時期は出張が多くてメールをタイミング良く出せない環境だったので、手書きの手帳に書いていました。 手書きの手帳は、それを失くしたり、盗まれたりしたら、それでオシマイなので、やはりメール方式に戻しました。

古くは手書きの日記。 直近では、スマホを使ったライフログ。 10年ほど前に時刻付きのメッセージをPCで書くことを考えましたが、タイミングよく書けないので、記録した時刻に意味がなくなって、止めてしまいました。 今日のようにスマホで、リアルタイムでメモできたら、時刻のタイムスタンプも意味があるかも知れません。 ・・・・なう、と言うのがそうでしょう。 だから、フェイスブックやツイッターなどもライフログの有力なツールとされています。

先日買ったデジカメはGPS付きのものを選びました。 時刻は勿論、その場所、方向も記録できるので、後で復元できます。 撮影した写真を地図の上で示してくれます。 24時間限定ですがGPSによる移動ルートの記録も出来ますので、どの道をどう通ったのかわかります。 車も、エンジンをON/OFFした場所をメールで送ってきますし、必要とあれば、10分単位で場所をメールで送ってきます。 以前は、GPSロガーを持っていましたが、持っていくのを忘れたり、バッテリが切れたりで、その内に使わなくなりました。 スマホでもアプリで場所を記録できるのですが、常にGPSを起動しておくと、バッテリが直ぐになくなるので、実用的ではなかったです。

今月の読み物は、天狗争乱 (新潮文庫) 吉村 昭著 ¥860。 水戸天狗党が筑波山に立て籠ってから、越前敦賀を目前に投降し、その後は悲惨な運命を辿る、延々たる小説です。 上記のライフログみたいに、延々と続く行軍を緻密に再現しました。 武田耕雲斎の肖像画が、先日見に行った高橋由一展で展示されていました。 思わず見入ってしまいました。 顔にぶつぶつが描いてあり、天然痘の跡みたいです。 最後は、死刑353人、遠島136人、追放180人、水戸藩渡し125人、その他10人。 水戸藩渡しは大半が獄死。

当時の攘夷尊王論は、TPPや中国問題を想起させます。 また、如何に戦争をして白兵戦を行うのが、みんな怖かったのか、良く分かります。 大砲は使っていましたが、ある意味で、のんびりした時代だったのです。 この後の日露戦争で、本格的な近代戦になり、更には太平洋戦争では本当に悲惨なものになりました。

内容(「BOOK」データベースより)
桜田門外の変から4年―守旧派に藩政の実権を握られた水戸尊攘派は農民ら千余名を組織し、筑波山に「天狗勢」を挙兵する。しかし幕府軍の追討を受け、行き場を失った彼らは敬慕する徳川慶喜を頼って京都に上ることを決意。攘夷断行を掲げ、信濃、美濃を粛然と進む天狗勢だが、慶喜に見放された彼らは越前に至って非情な最期を迎える。水戸学に発した尊皇攘夷思想の末路を活写した雄編。



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