今月のひとこと2014年12月号

2014年12月1日
あっと驚く異次元金融緩和第2弾と衆議院解散。 良くも悪くもフットワークが軽いと言うか、決断が早いと言うか。 黒田金融緩和で、これで消費税アップは決まりと思って、本欄でも紹介し、黒田さんもそう思っていたはずで、これでダメ押しと言う感じでしたが、どっこい安倍政権と言うより安倍総理が大技でひっくり返したと言うことでしょう。 消費税3%アップ時から安倍総理は迷っていたし、2%は更に迷っていた。 迷っていたと見えるより、本人は夏頃から上げない方向になっていたんではないでしょうか。黒田2次金融緩和で、これは財務省の方向に乗ってしまうと言う危機感で、それに対抗するのが解散だったわけです。 世の中では大義の無い解散とか言ってますが、内実は対財務省プラス日銀に対する解散なのですね。 法律に経済条項があるから、それで増税を延期したら良い、と言う評論家も居ますが、これは政府の中の政府と言われる財務省や自民党内の増税派の力を過小評価したものだと思います。 1年半後の増税時の経済条項外しは、海外の評価では無くて財務省や自民党増税派への約束です。

それにしても公明党は、軽減税率にこだわりますね。 逆進性の是正にもならない上に手間はかかるし、何で固執するのか分かりません。 2%アップで結局は1%は軽減税率の財源になるなら、最初から1%アップにしておけば良いと思うんですが謎です。そんなこんなで株価は急上昇し、そのまま時々利益売りで下がるものの、アメリカ市場が好調なこともあって、17000円をキープしています。 年末には18000円になるとの見方も多いようです。総選挙の結果が見逃せません。 結果次第では株価は大きく動くでしょう。 前回の総選挙は自民党の大勝でしたが、得票率はその前の大敗した時とあんまり変わらずで、与党と野党の選挙テクニックの差が現れただけでしょう。 今回も野党はまったく準備が出来ていなくて、本来は野党は政権を取るために解散を求めていくはずが、今回はそれに反対と言う、奇妙なと言うより野党の準備不足、不甲斐なさがハッキリしたと思います。

原油価格も大幅に下がり、円安の日本としては有難い限りですが、政界経済が冷え込んできていることや、日本の物価上昇に寄与しにくくなっていることは、3%成長、2%物価上昇を掲げる安倍政権にとっては、痛し痒しのところでしょう。

このところの円安で、日本のGDPは中国の半分になり、一人当たりGDPではとうとう24位まで下落しました。 北欧の国に次いで3位だったころが夢みたいです。 円安は世界の中の国や個人の価値が下がると言うことです。 力が落ちてるので、お金をばらまいたり、輸出がやりやすくなったりで、がんばって自国通貨を上げてね、ということですから、円安の今が頑張りどころ。 日本が復活して、名実ともに円高を享受したいと思います。

水素で動く自動車が市販されました。 トヨタが発売した燃料電池車(FCV)「ミライ」は、政府の補助金を入れると500万ぐらいで買えるそうです。 しかし燃料を入れる水素ステーションがほとんど無いので、実用は無理かも知れません。 本欄でも紹介したように水素を液体に反応させてしまって、ガソリンを入れるように水素を入れる方法もいずれは実用化されて、この時には本当に水素社会が成立すると思います。

最初に水素の話を聞いたときには、水素を発生させるために莫大なエネルギーが必要で、結局その時にCO2も発生し、単に問題が自動車から水素発生場所に移動しただけでは無いかと思ったのですが、水素は原油の生成過程で大量に発生し現在は捨てているようですので、これを集める。 また、石油製品から大量に、ガソリンをなどを生成するより効率よく発生できるようです。 さらには検討中だが、現在の状況では実現が難しいと思われる原子炉の一種の専用のガス炉で大量に作ることが出来るようです。 いずれにしても完全にCO2フリーではないですが、原理的には原発なみのCO2フリーが実現できます。

今月の読み物は、「反日」中国の文明史 (ちくま新書) 平野 聡著 Kindle版 ¥750 新書 ¥907

お勧め度 ★★☆ 時間あったら読んでみてください。

反中国を煽るような本も沢山ありますが、ここは冷静に歴史を振り返ってみたらどうでしょうか? 意外に中国の歴史は知ってるようで知らない事も多いです。 漢字にしても、何故漢字のような表意文字がこの地域で残ったのか? 多民族国家である中国や日本のような周辺国は、ヨーロッパなどとは異なり、言葉が全く違っていて、それを統一的に意思疎通するために、漢字が発達したと思います。 文字は同じで意味は取れるが、それぞれ別の発音、喋り方をしていたと思います。 日本でも音読みと訓読みを分けることで、いわば中国語と日本語の相互乗り入れが可能になりました。 高校時代の漢文の授業は苦痛で、何故こんな読み方をしないといけないのか分かりませんでしたが、要するに中国語をリアルタイムで日本語に翻訳して読んでいたんです。

こう言う観点でも、中国が膨張主義で、南蛮夷敵の発想をするのかが良く分かります。 こう言う極めて深い底流のなかに、共産党の自己保身が重なっているのではないかと思っています。 現中国政府の言う歴史は、本当の歴史と意味が全く違いますが、本当の歴史を勉強して未来に繋げていくべきですね。

 

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