今月のひとこと 2020年4月号

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2020年4月1日号

東京に比べて何故かずっと遅くなった桜の開花も、やっと始まったと思ったら、どんよりした天気と、それよりも何よりもコロナの蔓延で桜どころではなくなりつつあり、外出もままなりません。

コロナには最初から気になっていたので、2月のに入ったあたりから、外出は控えていたので、もう2ヶ月も外出していないという事で、だんだんストレスが溜まってくる状況です。 大阪もひどいことになっていますが、それよりも東京がひどいことになっていて、下手すると東京のロックダウンをしないといけないくなるのかも知れません。 実際的にも政治的にも、そんなことは不可能じゃないかと思いますが、やはり前の3連休で、ちょっとは自粛した関西と自粛が緩んで、桜がちょうど満開になった東京の差が出てきたんじゃないかと思います。

世界も状況も中国は酷いと思ってたんですけど、もっと酷いのがヨーロッパで、もっと酷いのがアメリカになってしまいました。 アメリカは中国のせいだということを言っておりますが、CDCみたいな強力な組織があるアメリカは、もう少ししっかりしてほしかったと思います。

日本に CDC を作れという話もあるみたいですが、CDC は軍の一部のような組織なので日本で、ああいう組織が定着するとはちょっと思えません。 しかし、少なくとも司令塔をちゃんと作らないといけないと思います。

最近のいろんな不祥事、原発事故から民間会社の問題から最近の電力会社の問題が全てガバナンス不足のために起こっているような気がしてしょうがないです。 笑い話で、世界で一番強い軍隊を作るには、アメリカ人の将軍とドイツ人の将校と日本人の兵隊を連れてくればいい、という話がありますが、この話はそれを象徴していますね。

アメリカも最初トランプが割と楽観的なこと言っていたのですが、途中から急に戦時大統領だと急に言い出したんですが、これは多分に選挙を意識した発言でしょうが、時すでに遅しで、ニューヨークはほとんどやられてしまって、セントラルパークに野戦病院のテントが広がると言う状況になっています。 これと同じことが東京で起こらないことを祈るばかりです。

コロナ以後は世界が一変すると言いますが、最大の変化は中国ではないでしょうか。 ここまで低成長になってしまうと中国の社会不安を制御できなくなるんではないか、 どうなるのかよく見えないですが、ここで変な混乱が起きると日本にも大きな影響があると思います。 コロナ以後の新しい世界はどうなるのか分かりませんが、少なくとも閉塞感があった世界が、何かしら新しい方向に向かうのであろうと期待します。

とうとう5G の運用サービスが開始されるようです。 オリンピックに間に合わせると言う号令のもと突き進んできたのですが、ハッと気がつくと、オリンピックは1年延期。 しかしこれで胸をなでおろしている人もいるのかもしれません。世界の5G推進力も少しは落ちるのではないでしょうか。

昔の人間としては、ああいう映像を無線で伝送するというのは非常に勿体ない感じで、罪悪感すら感じるくらいです。 初期の頃は 9600 BPS とかいうレベルで通信をやっていたので、それに比べると100万倍も速いスピードアップになるわけです。

最近は、だんだん慣れてきたのでテレビ放送や、音楽をストリーミングで見たり聞いたりしています。 テレビはデジタル放送電波と比べると放送の電波が来ないところでもスマホの電波は来ているのでテレビが途切れるということはあまり無いようです。 テレビもずっと見ているわけでは無くて、音声を聞いてるだけなんですが、それでも半日使って、300メガとかいうレベルなので、そんなに大きなデータ量ではないと思います。

5G になったとして、スピードが上がってもストリーミングのスピードは変わりませんのであまり変化はないし、一本の映画を何秒でダウンロードできるか、という話が多いですけども、特に映画を一気にダウンロードすることは、あんまりないと思います。 実際はストリーミングでダウンロードしながら見たり聞いたりするというのが多いんじゃないかと思いますので、5Gになったからと言って何かあまり画期的なことが起こるわけではないんじゃないかと思います。

4G/LTEで、現在のようになった時は素晴らしく変化があって、いろんなことが何でも出来るようになったのですが、これからはそういうことはなく、例えばスタジアムで何万人もいるところで、その観戦者がすべてスマホを使えるというような所では威力を発揮するのかもしれません。

今月の読み物は政治もので「安倍晋三と社会主義 アベノミクスは日本に何をもたらしたか」朝日新書 鯨岡仁著 ¥891

【内容紹介】
異次元の金融緩和、賃上げ要請、コンビニの二四時間営業まで、民間に介入する安倍政権の経済政策は「社会主義」的だ。その経済思想を、満州国の計画経済を主導し、社会主義者と親交があった岸信介からの歴史文脈で読み解き、安倍以後の日本経済の未来を予測する。

相変わらず硬い読み物ですけども、要するにここで言ってるのは日本の保守と言っても考え方は保守ですが、経済政策的には、リベラルであり、伝統的に社会主義政策をとっています。 その結果としてリベラルを標榜してる野党は何もできずに自分たちの政策を安倍政権に持っていかれていて、存在感が無くなっています。

面白いのは、自民党でも超保守と言われる人もMMTを推薦し、リベラルである令和新選組もMMTに関しては同じです。 アメリカでは民主党の大統領候補はみんなMMTを支持しています。如何に日本がねじれているかが良く分かります。 それで良いでは無いかと言う意見もありますが、アメリカやイギリスのような2大政党制にはならずに、自民一党制となってしまいます。 これもこれで良いのでは無いかと言う意見もありますが、あまり健全では無いと感じます。

アメリカの共和党は本当の保守で、小さな政府だから減税減税と言ってるわけです。 小さな政府に反する社会保険制度も、善し悪しは別にしてその観点から反対しているわけです。 方や民主党はリベラルで大きな政府を標榜、増税をして政府がお金をたくさんとって、それを皆に配分するというのが左派のリベラルの政策です。 翻って安倍政権を見てみると消費増税はするし、あまり減税とかはやらないし、基本的に大きな政府政策をとって政府が面倒を見るということになります。

もともと日本は保守と言っても、そういう方向性があったのですけども、そのために今の健康保険なり年金が曲がりなりにも、整備されてて世界の中では割と良く整備されてるほうだと思います。

しかし、労働法制みたいな規制が強い政策を取るというのは、少しおかしいです。 基本的には経営側の労務費コストを減らしたい方向とそれと規制を強くする、全く違う方向がたまたま一致したのでこうなってしまったと思いますが、本来はもっと労働市場を活性化して、労働人口の流動化を図らないといけないのでは無いかと私自身は思っております。

そういうこと色々考えながら読むと、この本もそれなりに頭の体操になるということであります。


 

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