今月のひとこと2018年3月号

2018年3月1日

最近は暖かい日が多くなったと思っていたら、突然の春の嵐です。 カミナリも鳴って、夜中に目が覚めました。 明けても強風が吹いて、しかしこれで春の訪れが確実になりました。

株価は為替の影響が少なくなったのですが、今度はアメリカの金利の影響が大きくなりました。 大きく下がると個人らしい買いが入り、日銀のETF購入も巨額ですので、なかなか底割れと言う状況にはなりませんが、スルスルと上がって行く状況でも無いようです。 しかし変動は大きく、日経平均の200円や300円の変動では驚かなく無くなりました。

仮想通貨のビットコインは完全な投機商品となってしまって、しかしその影響は大きいのか、とうとう主要経済指標の一つになってしまいました。 100万円近辺で上下を繰り返し、毎日大きな変化になっています。 デイトレをやっている人には堪えられない状況でしょうね。 上がっても下がっても利益を得るチャンスは転がっていると思います。 9時から3時までPCにかじりつかないといけないですが、これで毎日結構な額の利益を得ることが出来ると思いますが大変ですね。

今朝の新聞の大きなニュースは、新幹線の台車の製造不具合でした。 何となく違和感のあるのは、責任のほとんどを現場の班長に被せていることで、製造指示書に書かれている事の検査がないと言うのはおかしいと思います。 また、その設計もそれで良かったのかと思います。

元々の設計で 7mm しか厚みが無いと言うのも、感覚的には如何に強度の高い材料を使っても薄すぎるような気がします。 それを 3mm 削って 4mmにしたので破断したとのことですが、元々の 7mm の設計時の安全余裕はどれくらいあったのでしょうか。 推測ですが車両の軽量化が進んでいて、台車の設計もギリギリの所まで削ったせいではないでしょうか。 鉄道車両と言うのは製造メーカーの競合がほとんど無いところらしいので、この台車と言うマイナーな部品に関しては、あまり関心が無かったのでは無いか? 経験の浅い設計者が設計して、管理者もほとんどチェックせず承認していたのではないかと思います。

元の鋼材も大丈夫か? と思います。 最近では材料製造の偽装が多くありますので、コストダウンの影で、品質の低い部材が使われていたのかも知れません。 近年の傾向としては、材料の高性能化に伴い、材料の実力に依存して設計する場合が多いと思いますし、最近の若い設計者は、現場を全く知らず、CADの画面上と強度計算だけで設計する場合がほどんどで、ちょっと現物を知っていたら、強度計算もともかく、感覚的に大丈夫かと思って、見直すところですが、これがスルーする。

日本のものつくりの最近の傾向として、部材から製品までの各段階で品質を作り込むと言うことが徹底してきて、最終検査が疎かになって、儀式化している傾向もあります。 日産問題は、国の制度がおかしいのですが、一方でこのような最終検査を軽視する傾向もあると思っています。

もっとも隣の国のように取り敢えず最終検査で撥ねたら良い、ダメなら捨てるか修理すれば良いと言うのも問題です。 ある時に組み立て工場を見学したときに、ラインの不良率は何パーセントかと聞いたのですが、2種類あって検査で撥ねる前と後。 通訳を介していたので、これを理解するまでしばらくかかりました。 検査前で聞くと5%とのことで、これでは工場が機能しているとは思えませんでした。

今朝の新聞の情報だけでも川重での鋼材の入荷時の検査、製造完了時の検査、JR西の定期検査、問題発生時の対応など、問題が山積みです。 これにマイナーな部品である台車と言う要素が組み合わさった出来事だと思います。

最近は量子コンピュータの話題が多くあります。 量子コンピュータが実用化されると、マイナンバーなどでも使われている暗号が容易く解読できてしまい、その役割が果たせなくなりますが、今調子でいくと、10年後には暗号技術の世界も様変わりしていると思います。

量子コンピュータは2000年代にハードウェア開発に大きな進展があり、2008年に個々のイオンをレーザー冷却して捕捉することが出来、個々の量子もつれ状態にあるイオンをマニピュレーションする、イオン・トラップ型量子コンピュータの研究が進展ました。 2011年に突如として、カナダの企業D-Wave Systemsが量子コンピュータ「D-Wave」の建造に成功したと発表して話題になりました。 本欄でも紹介しました。 D-Waveは量子ゲートによるコンピュータではなく、量子焼きなまし法による最適化計算に特化した専用計算機であり、発表当初のものは128量子ビットでありました。 D-Waveが本当に量子コンピューティングを実現したものか否かは疑問となっていますので、少し割り引いて見た方が良いと思います。

2016年5月IBMは5量子ビットの量子コンピュータをオンライン公開し、 2017年5月、IBMは 16量子ビット・プロセッサを開発したとアナウンスしました。 中国のチームが光量子コンピューターの開発に成功し、初期の古典的コンピューターを超える量子計算能力を初めて示したと発表し、世界の同業者による実験の2万4000倍以上に達しているとのこと。 2017年9月、東京大学のグループは、究極の大規模光量子コンピュータ実現法を発表し、開発はドンドン進んでいるようです。 直近では20量子ビットのものが発表されています。

一方、量子コンピューターには、その原理からして発生するノイズを解決する必要があります。 つまりノイズを訂正する「 量子誤り訂正」が必要不可欠となりますが、それなりに高品質な量子ビットが数百個必要になります。 原状で10数個の量子しか実現できない中で、数千、数万の量子をコントロールするには、技術のシンギュラリティが必須となるでしょうが、原状では量子コンピュータは実現不可能と言う意見もあります。

この量子コンピュータの進展に対して新しい暗号技術が開発されてきています。 国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)は、格子理論に基づく新暗号方式「LOTUS」格子暗号、を開発したと発表しました。 量子コンピュータでも解読が難しい、耐量子計算機暗号として開発され、現在広く使われているRSA暗号や楕円曲線暗号は、ある程度性能の高い量子コンピュータを使うことで、簡単に解読できることが数学的に証明されているがこの暗号は、量子コンピュータでも解読は難しいとされていますが、新しい解読アルゴリズムが開発されるかも知れません。 通常のコンピュータで処理できるので、10年後ぐらいには、マイナンバーカードの暗号もこれに変わっているかも知れません。

今月の読み物は、「ブロックチェーン技術の未解決問題」 単行本 2018/1/18

松尾真一郎 他 (著) ¥ 2,592 Kindle版 ¥ 2,400

まだ全部読み切れていませんが、パラパラと斜め読みした感じでは、一般的なブロックチェーンとは? とか言う概説書では無くて、しかしコーディングレベルの細かい話でも無くて、ちょうど良いレベルの本です。 少し内容が古いと言う指摘もあるようですが、新聞の記事よりもう少し深く知りたい方には良いと思います。

【商品説明】より

ビットコインのコア技術である「ブロックチェーン」に注目が集まっている。

現在は主に仮想通貨としての用途に限られるが、実はその対象範囲は広く金融に限らない。

一番の特徴は「非中央集権」にある。従来のシステムでは、どこか1カ所で全データを集中管理し、安心安全を維持していた。 例えば銀行の預金では、勘定系システムの中にすべての預金データが管理されている。 ブロックチェーンはそうした常識を打ち破った。すべての履歴を全ノードに保有することで、1人の管理者が支配する構造を変えた。

ブロックチェーンはさまざまな分野で応用が考えられており、今後、次々と新サービスが登場するだろう。 ただし、ブロックチェーン技術の成熟度は高くない。インターネットでいえば黎明期程度にすぎないとの指摘がある。 そこで本書では、現時点のブロックチェーンに残されている問題を詳しく解説している。

著者は暗号などを専門とする日本の研究者たちである。

彼/彼女らは、ブロックチェーンの可能性が大きいからこそ、今そこにある懸念にあえて警鐘を鳴らす。ブロックチェーン技術者必携の1冊だ。

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