今月の一言 2006年3年号





「今月のひとこと」の目次 毎月一回はその時々のトピックスをお送りしています。

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3月4日
今月はあまりにもばかばかしい話だったので、触れないでおこうと思ったのですが、やはりひとこと言っておかないと気がすまなくなりました。 民主党にはそれなりに期待していたのですが内情がバレバレでがっかりしました。 前原代表も京都なので、党首になる前は集まりで見かけたことがありますので親近感もありました。 問題のメールは、もしあれが単なる文書だったら怪文書で片付いてしまったと思うのですが、メールの形式を取っていたので信用したのでしょう。 またあれを持ち込んだ西澤フリー記者は周辺の話をちりばめて信用性を増したようですが、これはまったくの騙しの手口そのものでしょう。

今回の事件で嫌な感じは、政治の側面を外すと、ITの雰囲気をちりばめた詐欺事件と同じです。 なんで文書なら信用しないでメールなら信用するのか。 若い民主党でも、ITオンチであることを暴露してしまいました。 メールなんていくらでも作れるし、またそれを印刷したものと言うのはどんなもので作れます。ワープロかエディタで修正もしくは最初から作っても問題なく作れます。 また今回の件でもっと稚拙なのは、ToとFromが同じアドレスであったと言うこと。 こんなのは簡単に直せるので、ホリエモンのメールをどこかから入手してきて、そのデータを適当に入れ込めば、もっと信憑性が高く見えるものを作ることは容易です。

これのみならず、ITの世界では本欄でも、よく紹介しますが、とんでもなく複雑な騙しのテクニックがあって、これに比べたら今回のメールはあまりにも稚拙な冗談としか思えません。 日本国の第1野党の党首もしくは国会対策委員長が、これに騙されると言うのは、これから政権党になって、その中でIT政策を担っていくとしたら、あまりにも寂しい対応でした。 もっと巧妙に作られた偽メールならどうするんでしょう。 まあ、そこまで行ったら与党の妨害があったとか何とかで、うやむやになっていくんでしょうが、本来の姿ではありません。 圧倒的与党の中で、4点セットも予算もにも抵抗できないとして、堀江メールで逆転を狙ったのかもしれませんが、もしそれが嘘だったら、と言う観点が見えてきません。

よく情報は官僚や与党が握っていて、野党には調査能力が無く不利であると言うことをよく言いますが、今回の事件で本当に調査する気が無いのだと言うことが良く分かりました。 言い訳にしているんですね。 議員には税金からお金をつぎ込んで、片手間でやるんではないのですから、これくらいの調査はしないと話にならないと思います。

少々ナーバスになっていたところに、今月の読み物でご紹介する素数を思い出しました。 本欄でも過去に取り上げたことがありますが、昨年末にまた新しい素数が発見され、それも分散コンピューティングで行った結果と言うことを思い出して、今回ご紹介します。 昨年の12月15日に ミズーリ州立大学のDr. Curtis Cooper と Dr. Steven Boone が43番目のメルセンヌ素数を発見しました。 その 発見された素数は 230,402,457-1 で、 9,152,052 桁となり、Electronic Frontier Foundationの $100,000 賞金が出るとの事です。 ちなみtに上記のリンクをクリックすると、約9Mバイトの数字を見ることが出来ます。 しかし9Mバイトがほんの一瞬で見えるということはすごいな、と改めてITの進歩を時間した次第。 前回に紹介した時はなかなかそうなっていませんでした。

また、面白いのは、インターネットを介した分散コンピューティングによって素数を探すプロジェクト「Great Internet Mersenne Prime Search (GIMPS)」によって発見されたと言うことです。 皆さんも簡単に参加出来ますので、GIPMSのサイトに行って処理ソフトをダウンロードするだけで、PCの空き時間に計算してくれます。 GIMPSは1996年から、これまでに9個の素数を発見しているそうです。 運がよければすぐに発見できて、発見者の名誉と賞金を手に入れることが出来ます。 素数がどのようなパターンで現れてくるかは未だに数学上の未解決の謎とされています。

今月の読み物は、「博士の愛した数式」新潮文庫、小川 洋子著 ¥460税込。 書評で先に知っていたのですが、どうと言うこともない小説ですが、ほんわかして心が温かくなる不思議な読み物です。 今年は初めからライブドアとか4点セットとか偽メールとか、メダルの取れないオリンピックとか、いろいろありましたが、それに対する清涼剤的にも余計に印象に残りました。 80分しか記憶が持たない数学者とお手伝いさんとその子供、数学となぜか阪神タイガースと江夏。 そこらに数論の話が出てきます。友愛数とか完全数とか忘れていた懐かしい数字が出てきます。

ちなみに友愛数の一番小さいのが小説に出てくる220と284で特別の関係を示しています。現在でも550組も発見されています。 完全数は、流石に23個しか発見されていなくて、その2番目の数字が28で、これが江夏の背番号と言うわけです。 この他にも、突然にオイラーの等式が出てきます。 著者は不恰好と言ってますが、確かに綺麗。 パイと虚数とeがこんなに綺麗に収まるとは、自然の不思議さをつくづく感じます。 オイラーの等式や公式をについて知りたい方は、吉田武 著の大ベストセラー『オイラーの贈物』(海鳴社, 1993 ¥3,150税込)をご覧ください。 教科書なのでパラパラとは読めませんが。 オイラーの等式は「人類の至宝」,「人類史に残る不朽の名作」。

「BOOK」データベースより
代数、幾何、解析。数学の多くの分野は唯一つの式に合流し、そしてそれを起点に再び奔流となって迸る。ネイピア数、円周率、虚数、指数関数、三角関数が織りなす不思議の環:オイラーの公式。ファインマンは「これは我々の至宝である」と嘆じた。本書は、この公式の理解を目標に、数学の基礎を徹底的に解説して、三万部を越えるベストセラーとなった独習書『オイラーの贈物』の完全文庫化であり、増補改訂版である。記述は極めて丁寧かつ平明であるため、意欲溢れる中高生の副読本としても好適である





“今月の一言 2006年3年号” への1件の返信

  1. 野球ワールドカップ開幕

    初戦の中国戦で快勝した日本。
    いよいよというか、間もなく野球シーズンの到来です。
    無類のトラキチである私にとっては、
    大変楽しみな日々が始まろうとしているのですが、
    少々悩ましいことでもあるのです。
    それは、おかげさまで誠に多忙であるということです。

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