今月のひとこと2008年5月号





「今月のひとこと」の目次 毎月一回はその時々のトピックスをお送りしています。

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5月5日

株価もやっと少しは上がってきて、4ヶ月前に戻ったようです。 しかしこれからの北京オリンピック後がどうなるか、今度の洞爺湖サミットがひとつのポイントとなるでしょう。 しかしパンダを借りる話が最大の具体的な外交交渉であれば、経済はまたもや冷え込むでしょう。 幸か不幸か、サミットではサブプライムや、先ほどの中国経済などがメインとなって環境問題は、米国が一転して環境規制に方針を転換したこともあり、それなりに進展を見ることが出来るでしょう。 その中で、すでに京都 議定書の段階で省エネがかなり進んでいた日本のこれからが問題となるでしょう。 キチンと現状を報告して、横並びにならないと、京都議定書方式では経済に決定的な悪影響が出るでしょう。



最近は、ITの世界も話題がなくなってきましたので、3回目ですが、またビデオの話です。 この前から触れているように、AVCHDフォーマットでSDカードにハイビジョンが録画出来るようになりました。 SDカードも16Gbが6000円台で買える時代になってきました。 ノーマルのDVDのほとんど4枚分が入る計算です。 この倍の32Gb になると、ブルーレイが入ります。 こんな時の、撮影済みのビデオの管理をどうしたら良いのか、いろいろやってみました。 今回はその報告です。



撮ったビデオの保存や編集をどうするか? まさかSDカードのまま置いておくわけにも行かずに、PCでハードディクスに置くか、パナソニックのレコーダーに置いておくかです。 SDカードも上記のように安くなってきたので、そのまま置いておくのも手ではあります。



PCの場合はそのままコピーしておけば良いでしょう。 最近は1テラ以上のディスクが安価に売られていますので、かなり保存できると思います。 ただ、後で述べますが、AVCHDフォーマットの処理が大変で、PCは単に格納するだけ、後は将来の技術進歩に期待、と言う感じです。 SDカードのAVCHDフォーマットを読めるパナソニックのレコーダーですと、手軽にコピーできます。 また少しかったるいですが、編集もそれなりに出来て、フォーマット変換も空き時間に自動で出来ます。



PCによる保存はまあ良いとして、編集はUlead VideoStudioを使ってみました。 以前にMpeg2のTV録画を編集したことがあるので、それの最新版を買ってみました。 AVCHDフォーマットを読めると言うのがうたい文句でしたが、確かに読めるがそれ以上でもそれ以下でもない、要するにトータルとしては使い物になりませんでした。 内容の編集はそれなりに歴史があるので良いのですが、レンダリングが遅くて、20分ほどのビデオを処理するのに2時間ほどかかってしまいましたので、それより長いビデオの処理をする気になりません。 20万も30万もするPCを買えば多少は早くなるのでしょうが、いずれにしても専用のハードウエアが無いことにはどうしようもありません。



少なくともビデオカメラそれ自体はリアルタイムでエンコーディング・デコーディングが出来ているわけであり、うまくハードを作ればこれ位は出来るはずです。 ソフトだけならパナソニックのビデオカメラの付録のソフトの方が簡単でよい感じがします。 出来ることは限定されていますが、通常の使用にはこれで十分。 しかし、このシフトの欠陥は、読み込むデバイスがSDカードだけなので、一度PCにコピーしてしまうと、2度と取り込みが出来なくなることです。 どうしても、と言うなら一度SDカードにコピーして、そこから取り込みを行えば良いでしょう。





ここらで、ビデオレコーダーの比較をしたいと思います。 以前に報告したように、東芝の VARDIA RD-S600とパナソニックの DIGA DMR-XW100 を比較します。 良い点と悪い点に分けて紹介します。



VARDIA RD-S600の良い点: CMカットのプレイリストを自動でワンタッチで作成・再生出来るので便利。 さらに編集をプレイリスト方式で出来るので速いし、変更も容易。 シーンの切れ目も細かく調整できる。 編集画面が使いやすい。 フォルダがあるので、整理がラク。



VARDIA RD-S600の悪い点: HDからDVDへのダビング中に予約録画が始まるとダビングが中断。 RWならやり直しが利くが、-R だと1枚がオシャカになる。 もっとも嫌な欠点。 W録だが2つ目の録画が始まるともうひとつの再生が出来なくなる。電源を入れた後の立ち上がりが遅い。 待っているとものすごく長く感じる。 ネットアクセスがLANで可能だが、遅すぎて使い物にならない。 WANからは使えず。 メール通知機能も貧弱。



DIGA DMR-XW100 の良い点: 立ち上がりが何しろ速い、電源がの入り切りがはっきりしていない。 AVCHDフォーマットを読め、その後のフォーマット変換が出来る、それも空き時間に自動でやる。 予約番組の検索がやりやすい。 LANはもとよりWANからのアクセスが、電源の入り切りに関係なく可能なのはすごい。 例えばディスク容量がいっぱいになったら、WANで削除して空きを作れる。 RD-S600 の欠点をほぼ解消。 W録時でも再生は可能。 DVDへのダビングが優先。



DIGA DMR-XW100 の悪い点: 編集機能が弱い。 カットしたシーンは削除するみたいで、復帰が不可。 間違って消してしまうと後が大変。 常にバックアップを持っておかないといけない。 フォルダが無く、まとめ表示。 ディスクの残容量が分かりにくい。 電源が入っているのか、切れているのか分かりにくい(そう言う区別をしないのが設計思想かも知れない)。



特に、外部のWANからのアクセスは、どんな仕掛けになっているのか分からないが、これはすごい。 特にダイナミックDNSを使っているわけでもないし、ファイアーウォールに穴を空けるわけでもない。 録画した番組のタイトルの変更は出来ないが、削除は可能。 予約も可能だが、重複したときなどの処理がまだうまくいかない。 要するに発展途上だが、なかなか面白い。 当然にLANでも同じように使える。 東芝のネットワークは機能は豊富だが遅すぎるのと、WANで使えない。 予約もすべてのパラメーターを指定するメール方式で、余程でないと使えない。



このように、ビデオカメラの流れは完全にSDカードになっています。 軽いし衝撃にも強い。 原価は安そうなので、将来はもっと小さく、安く、高級デジカメ程度にはすぐになるでしょう。 SDカードも 32Gb が数千円になるのも時間の問題で、こうなるとディスク記録方式のビデオカメラの出る幕はなくなるでしょう。



昨日見ていたTV通販で、カセットレコーダーが6800円で通販番組で紹介されていました。 えらいものを売りつけるな、と思いましたが、高齢者向けで、昔のカセットが使えると言う触れ込み。 散歩にも持って行けるというが、どでかい物を腰にぶら下げては無いだろうと思いました。 半導体を使ったものなら、録音出来るものでもペンダントぐらいになりますので、それの方が良いはずですが、小さすぎるのか、高すぎるのか。 6800円で衝動買いを狙っているのでしょう。



今月の読み物は、恐怖の存在 上下 ハヤカワ文庫 マイクル・クライトン著 酒井昭伸翻訳 各¥987税込。 地球温暖化をテーマにしたものですが、あまりにも政治的になりすぎている、と言う主張があります。 それもあってか、クライトンらしくなく読みづらくて、特に上は人物描写もイマイチです。 いろんなデータを使って本当に温暖化しているのだろうか? と疑問を呈します。 特に他でも問題になっている海面上昇ですが、年間何mmの上昇といっても、波や潮汐の影響があるので、そんな事はなかなか分からないはずです。 いずれにしても、議論の多い読み物です。



『ジュラシック・パーク』などで知られる著者の最新作。世界中を舞台とするスケールの大きな冒険小説だ。



2003年、太平洋の島嶼とうしょ国家バヌアツが、地球温暖化による海位上昇によって、海抜1mの国土が水没するとして、CO2排出量が世界最大の米国を相手に訴訟を起こす。この訴訟を支えるのは環境保護団体の米国環境資源基金(NERF)。費用はNERFを支援してきた富豪ジョージ・モートンが受け持つ。



「地球温暖化」に懐疑的だが…



だが、NERFは温暖化に世界の注目を集め、金儲けするために、環境テロリストと結び付いていた。高度にネットワーク化されたテロリストたちは、人為的に落雷・洪水・津波などの大規模な気象災害を起こそうと目論む。モートンの顧問弁護士エヴァンズと秘書のサラ、大学教授のケナーらが命がけでその凶行を食い止めるというのが本書のストーリー。



本書執筆のため、著者は3年の月日をかけ、環境問題の関連書を大量に読んだという。本書では、ケナー教授ら登場人物のセリフの中で、温暖化に否定的な見解が随所に出てくる。その内容は「地球温暖化なんてものは存在しない」「現在の温暖化傾向がどの程度まで人間の活動によるのかはわからない」「CO2が温暖化の原因とは言い切れない」……といったものだ。様々な資料から拾ったデータも数多く掲載しており、単なるフィクションとは割り切れない。



当然ながら、本国の米国では2004年11月の刊行後、「誤った記述がある」「『温暖化懐疑派』と呼ばれる人たちの意見を基にしている」などと、批判的な論評が相次いだ。科学者らによる具体的な反論は現在も続いている。



メディアに煽あおられ、情報を鵜呑うのみにするのではなく、冷静に真実を見極める姿勢を持つことが重要だとの著者の訴えはもっともではある。だが、同様に、温暖化そのものを否定するような本書の記述をそのまま受け入れるのも危険だ。本書の科学的な正誤を評価することはできないが、読後は何とも後味が悪かった。



数々のヒット作を生み出してきた著者の話題作だけに、社会への影響は非常に大きいだろう。「チーム・マイナス6%」「クールビズ」など、国内でも一般にようやく浸透してきたCO2排出削減の動きが鈍らないことを願うばかりだ。



(日経エコロジー 2006/01/01 Copyrightc2001 日経BP企画..All rights reserved. より)






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