今月のひとこと2008年6月号





「今月のひとこと」の目次 毎月一回はその時々のトピックスをお送りしています。

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6月1日
株価も上昇傾向ですが、落ち過ぎた分だけ戻っていると言う事でしょう。 経済は外部状況の悪化でなかなか立ち上がらないようです。 実際に上がってくるのは、来年以降になるのではないでしょうか。 底割れの危険はひとまず去ったと言う事でしょう。 中国の奥地の地震の影響も良く分かりません。

土曜日の新聞の第一面に、通販サイト サイバー恐喝、と言う大きな活字が踊っていました。 方法は、本欄の2005年12月3日号で紹介したボットネットと思われます。 数万台のPCから同時に一つのサーバーアクセスしたため、1Gbyte/s のサーバーの根ってワークに、6Gbyte/sでアクセスが集中したため、他の正規のユーザがアクセスできなくなり、これを解除するための金銭を要求したとの事です。 サーバーは中国に有るらしくて、日本からは手出しが出来ないようです。 被害が大きい割にはあまり知られていなくて、警察庁が実施した意識調査でも、知っている、と回答した者は3.7%にとどまったとの事。


















先日、TVを見て
いたら、俺たちに明日はない、と言う昔の映画があって、思わず見てしまいましたが、そこでは隣の州に逃げ込めば、地元警察は居ってこれない、と言うシーンがありました。 昔は州境、現在では国境、似たようなロジックで面白いと思いました。

ボットネットの話に戻ると、最近はインターネットに常時接続が多くなったので、あなたのPCも知らない間に、ボットネットに乗っ取られているかもしれません。 従来のウイルスは、症状が顕在化するので、それと分かりますが、症状が出なければ分かりません。 症状を出ないようにしておいて、思うがままに操るのがボットネットです。 電源を入れたPCの負荷が勝手に大きくなると、ひょっとしたら、乗っ取られて、どこかのサーバーに攻撃を掛けているのかも知れませんよ。

このような性質を平和的に自覚的に利用したのがいろいろ出ています。 最初は本欄でも紹介したように、地球外生命体を探す SETI@home プロジェクトと、暗号を解読するプロジェクトとかがありました。 最近では、地球温暖化で地球気象のシミュレーションを行うプロジェクトが人気を集めています。 探してみると、一般的に多数のPCを集めて大きな計算を行う汎用のプラットフォームが出来ていました。 この中の一つのプロジェクトに地球気象のシミュレーションがありました。

良くニュースで、50年後に何度平均気温が上がるから、炭酸ガスの排出を削減しなければならない、と言う様な文言が出てきますが、ここで使われている何度アップと言うのは、シミュレーションの結果で得られたもので、実際にやってみるわけには行きませんので、要するに計算値という事です。 地球気象や将来の温度上昇と言うのはいろいろな条件で決まるので、なるべく地球を細切れにしてそれぞれの部分で計算を行うのですが、細かくすればするほど精度は上がりますが、計算量が膨大になって行きます。

地球気象のシミュレーションには、物凄く大きなコンピュータが必要になります。 少し前までは日本がトップを走っていて、「地球シミュレーター」と言うスーパーコンピュータが稼動しています。 各国とも、国の威信をかけて大きなスパコン開発競争をしています。

この計算を、いつもはほとんど遊んでいる個人のPCで分担してやろうと言うのが、このプロジェクトで、別名グリッドコンピューティングとも言われています。 たんぱく質の同定とかいろいろなプロジェクトがありますが、地球温暖化プロジェクトは、将来の温度上昇の分布や、降雨量の分布などが見えて、なかなか面白いです。 ただ電気を食いますので、電気代にご注意ください。

今月の読み物は、プリンシプルのない日本 (新潮文庫) 白洲 次郎 著 ¥500(税込)。 近年白洲次郎が見直されています。 政治家ではありませんが、東北電力の会長をやりながら、吉田首相の相談役となり、現実の政治の世界に影響を与えました。 近年の閉塞感が漂う中、スパッとした物言いが人気を集めているのでしょう。 居宅(東京都町田市)を訪問するツアーもあり、引き込まれる不思議な魅力を持った人です。

「風の男」、そして「占領を背負った男」―戦後史の重要な場面の数々に立ち会いながら、まとまった著作は遺さなかった白洲次郎が、生前、散発的に発表した文章がこの一冊に。「他力本願の乞食根性を捨てよ」「イエス・マンを反省せよ」「八方美人が多すぎる」など、日本人の本質をズバリと突く痛快な叱責は、現代人の耳をも心地良く打つ。その人物像をストレートに伝える、唯一の直言集。 「BOOK」データベースより

著者略歴 白洲 次郎
1902(明治35)年、兵庫県芦屋の実業家の次男として生まれる。神戸一中卒業後、イギリス・ケンブリッジ大学に留学。帰国後は英字新聞記者を経て商社に勤務するが、’43(昭和18)年、日本の敗戦を見越して鶴川村(現・東京都町田市)で百姓となる。’45年、吉田茂に請われて終戦連絡中央事務局参与となり、日本国憲法成立などに関与。その後、貿易庁長官に就任、通商産業省を誕生させる。以後、東北電力会長などを務め、’85年逝去。妻は白洲正子(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) 「BOOK著者紹介情報」より


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