今月のひとこと2008年9月号





「今月のひとこと」の目次
毎月一回はその時々のトピックスをお送りしています。


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9月6日

猛暑の夏も少しはマシになってきました。 そんなところに降ってわいたのが福田首相電撃辞任。 成りたくて成ったわけではない首相の最後は、新聞の記事で見た、成り際が汚ければ引き際も汚いと言うことでしょう。 アメリカの大統領選挙も共和党にアラスカ州の知事を新たな副大統領を迎えて、俄かに活気付いたようです。 マケイン候補もうまい副大統領を連れてきたと感心しました。 これでクリントン支持者も取り込めるし、保守層も安心するし、一石三鳥ではないでしょうか。



そうこうしているうちに、アメリカで悪い経済統計数字が出てきたことを切っ掛けに、全世界株安に突入しました。 ついこの間までは、アメリカは意外にしっかりしている、底堅い、と言われていたのですがそうでもなかったと言う所でしょう。 中国のオリンピック後もオリンピックはGNP比では2-3%程度だし、地域も北京に限定されていると言うことだったのですが、これからどうなるかは予断を許しません。



中国は共産主義と言うより、独裁的な方がこのような場合には気になるのですが、今までの所は、この独裁がマイナスの面よりプラスの面が強かったので、トータルではうまく行っているように見えます。 道路にしても、立ち退きは強制的で速やかです。 日本みたいに10年もかかると言うわけではありません。 あっという間に町の真ん中に大きな道路が出来てしまいます。 経済のコントロールはこれとは全く違うでしょうが、決断は速やかに行えると思います。



ITの最近の話題はあんまり無いのですが、パナソニックからまた新しいBDレコーダーが発売されたので、その話題です。 何回か本欄でも取り上げましたが、全体のバランスではパナソニックが良いし、その映像圧縮技術が発展していくのでそれが面白いと思っています。 従来の機種では、4倍の圧縮(HEモード)でしたが、今回は5.5倍の圧縮(HLモードが新設)を実現しているそうです。 圧縮後の映像品質はまだ検証されていませんが、従来の4倍ですと、2時間の映画が少しの事で通常のDVD-Rに入りません。 しょうがないので両面のDVD-DLにするのですが、生板が高いのと、今度は2枚分ですから大幅に余ってしまいます。



新しい機種ではアクトビラに対応しているようです。 要するにビデオ・オン・デマンドサービスで、ネットワークでダウンロードして映画やアニメが楽しめます。 ただ アクトビラ ビデオ・ダウンロードは、2008年12月以降サービス開始予定との事。 いずれにしてもレコーダーに落とせるのは良いですね。



パナソニックのDVDレコーダーは画質も良く、なにしろ電源をいれてからの起動時間が速い、ほとんど数秒で使えるようになります。 しかしそのために欠点も目に付きます。 最大の欠点は、録画予約した番組の番組情報を見ることが出来ない点です。 カスタマサービスに電話したら、クレーマーと間違えられて、えらく丁寧なおばさんが電話してきましたが、要するに「すみません」としか言ってくれなくて、他社では当たり前の機能が何故ないのか? この疑問に対しては要領を得た回答がありませんでした。 コストアップになるとか、良く分からない説明でした。



他には、これは公にする欠点では無いかも知れませんが、NHKのBS放送を受信していると、設置の連絡をお願いします、と言うメッセージが、ちょうど字幕が出るところに出て、一種の嫌がらせがあるのですが、これが他社のDVDレコーダーに一度録画して、追っかけ再生をすると見えなくなるのですが、パナソニックではそれも録画されています。 他社の期首でも最新のものは、NHKからの要請でそうなっているのかもしれません。



他は、みんなから言われている、リモコンの使いにくさ。 コストダウンになるとは思えないのですが、蓋を付けて2重構造になっている。 設計としてはめったに使わないものは蓋を開けて操作しろ、と言うことなんでしょうが、ちょっとした事、例えば番組のタイトルを表示する、みたいな機能がイチイチ蓋を開けないと操作できない。 その代わり?外部のボタンが大きい。 大きければ使いやすいだろうと言う事か、と言うのは一般の見方です。



HDに圧縮モードで録画できるのはW録のときは片方のみ。 これは圧縮エンコーダーが1組しか無いためで、片方はまったく圧縮なしのDRモード(DVDのDRとは違う)で録画するのはしょうがないでしょう。 ここから威力を発揮するのが、使っていないときの、DR画像から圧縮画像への変換が出来ること。 圧縮エンコーダーを作った人は余程エンコーダーが遊んでいる事が気になったのではないでしょうか。



DRで録画して、空き時間に圧縮して、それをそのままDVDに焼くと高速で4-5倍速で焼けます。 この使い方が最も良い使い方ではないかと思います。 だた最初はDRで録画するので、HDの容量は少し多めに必要になります。 ただ何故か分かりませんが、このDVDはDVD-RやDLやパナソニックですからDVD-RAMは使えるのですが、DVD-RWは使えません。 何の意味があるのか不明です。



短命で終わるかと思ったDVD-RAM ですが、このように意外に延命していて、量販店でも沢山売っています。 高速の書き込みも可能になってきました。 次世代はBDで決まりました。 こう言うときはいつも思うのですが、技術の高いほうが勝ちます。 コストは後から付いてくるので、コストが安いからと言うのはいつかは消えていくと思います。 BDの生板も安くなってきましたので、これと圧縮技術を組み合わせると、1枚のBDに4-5番組を入れることが出来ます。 これは以前にMP3が出来たころ、CDを10枚以上持ち歩いていたのですが、MP3に圧縮して1枚のCDに入ってしまいました。 これの延長線がiPodでありiTuneであるわけです。



記録媒体の方の、SDメモリも物凄く安くなりました。 ギガバイト当たりで1000円ははるかに切っているのではないでしょうか。 この間デジカメ用に1Gバイトのメモリを買ったら1,000円以下でした。 要するに1メガバイトで1円と言う一昔前なら想像すら出来なかったレベルになっています。 映像の圧縮は一筋縄では行かないので、MP3の時ほど劇的ではないですが、圧縮すなわちLSIと記録媒体すなわち半導体メモリの組み合わせはますます進化するでしょう。



一番最初に出会ったディスクと言うか記録媒体は、5インチのペラペラのFD。 これが256キロバイト。 今で言うと 1/4円相当。 これが3.5インチになって、1.4メガで終わりました。 次は、大きな10インチのディスク。 ドカンとラックから引き出しになっていて、固定円盤とカートリッジになっていて、それぞれ10メガバイト。 これでも物凄く有難かった。 同時にDBに使えるように大型のディクスを入れましたが、これが80メガバイト。 要するに10メガの円盤が8枚入っています。 電源を入れると地下鉄の列車が走るような音がして、大型冷蔵庫ほどの大きさがあって、一度故障するとヘッドが取り替えられて、20万円が飛びました。



本格的なディスクは、当時は一世を風靡した富士通のイーグル。 8インチで20-30キロもあって取り付けたり外したりするのが大変で、これで86メガ。 その後156メガになりました。 3.5インチのフルハイトの最初に使ったのが、170メガバイト。 わざわざロスの北にあるシミバレーというところにある会社まで何度も納期交渉に出かけた事を思い出しました。 こんな事を思い出していると隔世の感がありますが、30年ほど前の話です。



今月の読み物は、進化しすぎた脳 (ブル-バックス) (新書) 池谷 裕二 著 ¥1,050税込。 全体が講義風になっているので、最初は違和感がありましたが、最後まで読むとまあまあかなと言う感じです。 脳が体を作っているのではなくて、体が脳を作っている、というのはなかなか面白い。 高機能の声帯がまず出来て、それをコントロールするために脳の機能が増えた、また声を出すことによって抽象的な考えや思想を脳がハンドリング出来るようになった。 脳だけ取り出して、培養液の中で育てて、外部は全てシミュレーションをするという様なお話がありますが、これは一時的には行けるのでしょうが、長期間では脳が死んでしまうのではないでしょうか。



しかし、こんな複雑なものが自然の進化の果てに出来たと言うのは本当に信じられない。 余程の偶然に遭遇しないと出来るとは思えませんね。 意識とは何か、コンピュータに意識を持たせるにはどうしたらよいのかが提起されています。 脳には1000億のニューロンがあるそうです。 30年前にインテルのグローブ氏の話をコムデックスで聞いたときに、CPUのトランジスタが10年後に10億になる、と言う話を聞いてあと2桁で脳に匹敵すると思ったのですが、1つのトランジスタが1つのニューロンに対応するはずも無く、まだ

何桁かの差があるように思えます。 これだけの数で、消費エネルギーは電力換算で、20Wだそうです。 少しのトランジスタしかないCPUがチンチンになってファンを回さないといけないのはまだまだ自然の進化には対抗できるほど技術力が低いということでしょう。



出版社 / 著者からの内容紹介

『しびれるくらいに面白い!』 最新の脳科学の研究成果を紹介する追加講義を新たに収録!

あなたの人生も変わるかもしれない?

『記憶力を強くする』で鮮烈デビューした著者が大脳生理学の最先端の知識を駆使して、記憶のメカニズムから、意識の問題まで中高生を相手に縦横無尽に語り尽くす。

「私自身が高校生の頃にこんな講義を受けていたら、きっと人生が変わっていたのではないか?」と、著者自らが語る珠玉の名講義。



メディアから絶賛の声が続々と!

『何度も感嘆の声を上げた。これほど深い専門的な内容を、これほど平易に説いた本は珍しい』――(朝日新聞、書評)

『高校生のストレートな質問とサポーティブな池谷氏の対話が、読者の頭にも快い知的な興奮をもたらす』――(毎日新聞、書評)

『講義らしい親しみやすい語り口はもちろん、興味をひく話題選びのうまさが光る』――(日本経済新聞、書評)





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