今月のひとこと2010年7月号




「今月のひとこと」の目次
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2010年7月3日

今日は朝から大雨で、出かけるところを中止して、これを書いています。 参議院選挙も後半戦になってきて、消費税の議論などが盛んになってきていますが、結果の数字ばかりで、ざっくりとしたシナリオが無いのが気になります。 社会保障費が毎年1兆円ずつ増えていくとのことですが、単純に消費税になおすと2%となり、5%の消費税アップも2-3年で消えて行くと言う事になりますが、この辺の説明が無くて、単に5%アップと言う話ばかりです。

おまけに最近では、400万以下の所得の場合は、還付するとのことですが、今日の朝刊で各紙が載せていましたが、半分が還付になってしまって、もし消費税を10%として、半分を完全に還付すると、均すと5%となり、歳入としては現状と同じと言うことになります。 いい加減な話が多いので、有権者はみんな眉に唾をたっぷり付けているのではないでしょうか。

経済の世界もぱっとせず、株価もどんどん下がっています。 結局、日本はいろいろ言われていますが、世界の中で見ると、一番マシなので、円高になってしまって、本当に価値が上がっての円高ではないので、株価が下がって、さらには地価も下がって、要するに日本が衰弱死する方向に行っているのですが、銀行などは国債買いに走ると言う構図です。 国債は最近は大幅な値上がり、つまり利息は下落しています。 最近の個人向け国債の固定金利は、0.15%で1000兆円借りても利息支払いはたったの1.5兆円。 これならいくら国債を発行しても心配ないと言うのが政治の認識ではないでしょうか。

あまり好ましくないのですが、以上のようなメカニズムで、しかも国際的にも圧力はあまり無くて、妙な安定があるのが現状でしょう。 しかしこのメカニズムが逆転を始めると、他の国の債務が減っていく、景気が良くなっていく、相対的に日本の価値が下がってくる、円を売る、円安になり、こうなると日本の底力が残っていたら、輸出で稼いで景気は好転する。 と言うシナリオになります。 国内消費が云々されますが、日本の輸出はGDP全体の20%しかありません。 これが少し良くなっただけで国内的には目に見えた良い効果があるということは、一昨年ぐらいを思い出せば良く分かると思います。

管総理のブレーンと言う経済学者の大阪大学社会経済研究所 小野善康所長が、先週に立て続けにテレビ出演していましたが、例の増税したら景気が上がると言う理屈の元らしいのですが、増税してそのお金を「政府が正しく使えば」と言う条件で景気が上向くとの理屈。 マクロの話とミクロの話が入り乱れているので、良くわかりませんでしたが、マクロ的に見ると、既に国債と言う形で民間のお金は歳入を超えるほど大量に調達されて、それが正しくかどうかは分かりませんが、預金に回さずに何らかの形で使われているのです。 これに数兆円のお金を足したところでたいした差はないと思うのです。 しかしポイントは、成長はしない、本当に貧しい人が居ると言う前提で、年収200万クラスにお金を配って、消費を上げようと言うことみたいです。 これと現在議論中の消費税と何の関連があるのか、良くわからないところです。

いずれにしても、「政府が正しくお金を使う」と言う前提自体が実現不能で、これが本当に実現できたら、何もしないで景気は上向くし、みんな平和に暮らせるでしょう。 何か前提のすり替えみたいなことを感じました。 まあ民主党ならではの大きな政府指向の話でした。 アメリカ人なら絶対に認めない論理ですね。 最近ではかなり変化しましたが、特に連邦政府を全く信用していない国で、州毎に軍隊を持っていたり、武器の所有が憲法で保証されて いる国ですから。

トヨタも出資した、米国カリフォルニアのテスラモーターズが1000万円(おそらく現地では6万ドルぐらいの普通の値段)の新しい車を出すそうです。 現車種は、1800万円(12.8万ドル)の屋根が開くロードスターで100km加速が4秒だそうで、ポルシェも真っ青です。 新しい車種からはパナソニックのリチュウムイオン電池が使われるようです。 航続距離も400km近くあり、車としての完成度がどれくらいかが気になるところですが、ロータスエリーゼがベースになっているので、そのレベルだと思えば良いでしょう。

気になる車重ですが、なんと 1235kgしかないそうで、この中に450kgの電池を含んでいます。 元になったロータスエリーゼが800kg程度しかなかったので、エンジンがモータに置き換わったと考えるとほぼバッテリ分だけが重くなった計算です。 もっともカーボンファイバーなどを多用して、車重軽減の努力は大変なものがあったと思いますが、これだけの設計をして、この値段は驚異的です。 世界で1000台以上売れたそうです。 売上を計算すると約130億円。 ファーストラウンドのファンドが75億円ということですので、出足は車と同じく急加速ですが、事業としてはこれからでしょう。

普通のガソリンエンジンのスポーツカーより性能が良いと言うことで、現状のガソリン車はどうなって行くのでしょう。 クラッチも変速機もなくただアクセルを踏むだけ。 それで良いとも言えるし、物足りないのは単にガソリン車をいままで乗っていたからか。 生まれてから既にインターネットがあった世代が成長して、ものの考え方が変わったように、初めて乗る車が電気自動車だったら、その後の考え方も変わるのかもしれません。 ガソリンエンジン車が、すべてクラシックカーになってしまうのでしょう。

今月の読み物は、 咸臨丸、サンフランシスコにて (角川文庫) 植松 三十里 (著) です。 映画のシナリオのような出だしで、なかなか面白いと思います。 メインテーマになっている、日本人水夫の墓ですが、サンフランシスコの 280をダウンタウンから行くと、乗ってすぐに左側みたいです。 Fストリートをエルカミノを横切って左です。 サンフランシスコはよく知っていると思っていましたが、ここは知りませんでした。 ダウンタウンから移転して、ダウンタウンにはお墓は禁止されているそうです。 最初に行った時から、確かにこの辺りはお墓の多いところだと感じていました。 よく見かけたのは、ゴールデンゲート国立墓地でここは軍人のみ、日本人墓地からもっと南で、左に380を行くとサンフランシスコの空港があります。

Googleで捜すといろいろわかりました。 写真も出てきました。 場所はよく見てみると、入り口を入ってまっすぐ行くとロータリーがあるのでその右斜め前に3基並んでいるのがそれと思われます。 ストリートビューは、墓地のなかまでは入らないので、良く見えませんが。 EarthではMapよりもう少し分かりやすいです。 お試しあれ。 写真クリックでMapの現地が表示されます。 写真はいずれもGoogle ストリートビューより引用。

内容紹介: 安政7年、遣米使節団を乗せ出航した咸臨丸には、塩飽衆の吉松たち日本人水夫も乗り組んでいた。書き下ろし後日譚も併載し、歴史の渦に消えた男たちの運命を辿った歴史文学賞受賞作が大幅改稿を経て待望の文庫化!

内容(「BOOK」データベースより) : 安政7年、条約批准のため遣米使節団が江戸湾を出航した。勝海舟が艦長を務める「咸臨丸」には、瀬戸内の塩飽衆・吉松たち日本人水夫が乗り組むが、悪天候に悩まされ、病気も蔓延する。アメリカ人水夫との対立、士官・中浜万次郎への反発など不穏な空気の中、果敢に太平洋横断に挑んだ彼らを思わぬ運命が待ち受けていた。書き下ろし後日譚「咸臨丸のかたりべ」を併載し、第27回歴史文学賞受賞作品が大幅改稿を経て、待望の文庫化。



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