今月の一言2011年6月号

「今月のひとこと」の目次
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2011年6月1日
国債の各付けの切り下げが見込まれたり、債券が下落傾向にあることなど、「直ちに悪影響は無い」ものの、先行きが不安定です。 株価もやっと戻ってきましたが、これと言う手掛かりもなく、またズルズルと下がっていくのではないかと思います。

インフレになるなると言われながら、過去10年はデフレが続いています。 日本の国力が落ちている割には円高で推移し、これではますます国力が落ちると思うのですが、他の国がもっと悪い、と言うことなのでしょうか、一向に円安には振れないようです。 震災復興に増税であろうが国債であろうが、国つまり国民として負担しないといけない財源が必要なのですから、今年から来年にかけての特に国債の価格の推移には注意すべきでしょう。

これだけの財政赤字が積み上がると、 預金封鎖は政治的には不可能、IMF管理はもっと先となると、赤字の解消には、超インフレしか手段が残っていません。 一度、国債の価格が下がる、つまり長期金利が上がると、あとは勢いがついて、一気に超インフレに向かうのかも知れません。 いずれにしても、このままの国債発行残高では、長期金利が1%上がるだけで、約10兆円の金利負担になります。 まあここまで行くには長期金利が上がってから数年はかかりますが、現在の5%の消費税アップでは、社会保険関連の増分を吸収するだけで、赤字の解消にはなりません。

財政赤字の解消には、あと20%ぐらい消費税を上げないとダメですが、一気に上げると景気を更に冷やして、税収が落ちると言う悪循環に陥っていしまいます。 増税で成長戦略みたいな事を言っている政権下では、まともな赤字解消は出来ないと思います。 少なくともここ5年以内にはインフレ傾向が出てくると思います。

先ごろ亡くなった、田中好子さんのキャンディーズがブームですね。 実は私も数か月前にキャンディーズのCDを買っていたのです。 若い頃には、8トラックのカーステレオで聴きながらすっ飛ばしていました。 後で調べると、キャンディーズのCDの売れ行きは、ずっと以前からハイレベルであったようです。 何も私だけが買ったのではなかったんです。 ずっと歌っていたような気がするんですが、活躍したのは5年足らず、 オリコントップにはならずに、唯一なったのは、解散が決まってからの「微笑がえし」だそうです。

この間TVで見たミキちゃんは、思いっきりおばさんになっていましたし、自分もそれだけ歳を取ったのだと思いますが、やはり絶頂期に引退すると言うことの重要さと難しさを感じました。 伝説の山口百恵もそうですが、まあ良くああ言った絶頂期に辞めると言う決心が出来るものだと感心しています。 どこかの政治家や経営者のようにいつまで経ってもしがみついているのは見苦しいだけですね。 スーちゃんのおかげで、しばらくは40年前にタイムスリップしました。

伊藤穣一氏が、先日新聞を見ていたら、MITのメディアラボの所長に就任したとの報道。 MITのメディアラボは、数多ある大学の組織の中では遥か雲の上と言う感じがしますし、本人もビックリとのことですが、やはり日本のコンテンツが意識されたのではないか、と思います。 彼とは10年以上前に、何かの講演を一緒にやったときに出会いました。 彼はちょうどデジタルガレージを創業した頃で、ベンチャーの雄と言う感じで、講演に先立つ控えの間で少し話しました。

話していくうちに、私がカーネギーメロン大学に寄贈したマルチCPUのワークステーション(現在のPC)を独占して使っていた学生に繋がる人間だとわかりました。 当時、ロスに関係する日本人が居ると言う話を、その学生から聞いたことがありました。 それで非常に印象が深くて良く覚えていました。 彼はアメリカの大学を出たのか、英語がものすごくうまかった印象があります。 てっきりアメリカで生まれ育ったのか、と思いましたが、なんと京都生まれでした。

このニュースは、その後新聞記事にもなり、最近では週刊誌にインタビュー記事が載っていましたので、それなりに評価されているのでしょう。 私にとってみるとノーベル賞より意義が高いと思いました。

東京電力は、それに引き換え迷走しています。 結局、やってられないよ原発所長の業務命令無視は総理大臣のこれまた一言で不問に付されてしまい、何がなにやらわからなくなっています。 最初は、東電がベントと海水注入を躊躇ったとみんなが感じ、私もそう感じましたが、結局は、東電はそこまでの気力もなく、淡々とマニュアルに従って、行動し、そこに政府が要らないお節介をしたのが真相みたいですね。 3月12日の朝の段階では時すでに遅かったのですが、バンとベントして、ドッと海水を入れたら一発で解決と言うブログ記事を見たのですが、ベントしようにも電気が無くてベントできなかったんです。 その後の海水注入は報道されいるとおり、総理大臣の空気を察して東電が止めたのでしょう。

1年半毎の定期検査が、いずれにしても、義務付けられていますから、来年の3月には全ての原発が定期検査に入り、その再稼働は極めて難しいと思います。 そういう事に言及して浜岡を止めたら良かったんですが、止めることばかりで、その後の対策がありません。 このままでは来年の夏は大停電になると思います。 特に関西電力管内は40%が原発ですから、その影響は極めて大です。

脱原発先進国と言われているドイツも、原発の無いイタリアも、フランスの原発の電力を買っているんですから、あんまり浮かれて自然エネルギーと言うのも考え物です。 ドイツでも太陽光は1%ぐらいしかないそうです。 特に太陽光は、夜にはどう考えても発電は出来ず、その稼働率は12%だそうです。 片や原発は、定期検査がありますが稼働率は70%程度。 風まかせの風力が意外に健闘しています。 適地がどれくらいあるのか分かりませんが、太陽光より良いですね。 しかし景観破壊とか渡り鳥との衝突、低周波ノイズなどの問題があり大規模には成り得ないようです。 最後は国定公園の規制と温泉地との折り合いが問題ですが、地熱発電。 それでも全部合わせて20%行けば物凄く良い方だと思います。 太陽光は良くても数%だと思います。

東電が公開している福島第一発電所の、リアルタイム(実際は中国の放送と同じで20ー30分遅れ)映像を見ることが出来ます。 また、東電管内だけですが、いわゆる「電気予報」も見れます。 これ見ながら節電せよとのことでしょうか。

電力の使用状況グラフ(当社サービスエリア内)

ふくいちライブカメラ 福島第一原子力発電所1号機~4号機の映像をリアルタイムで配信しています。

今月の読み物は、地震つながりで、三陸海岸大津波 (文春文庫) 吉村 昭 著 ¥460。 非常に短い小説になる前のメモみたいなものですが、現在の状況と非常に良く似ているのでビックリします。 明治、昭和と大きな地震と津波があったことが良く分かります。 これを1000年に一回だとか、想定外だとか言うのは、単にリスクに目を瞑っていただけと思います。 またこの地域は40年ぐらい毎に大きな津波を経験していると言うことです。 一読あれ。

明治二十九年、昭和八年、昭和三十五年チリ地震 人々に悲劇をもたらす大津波はどのようにやってくるのか。前兆、被害、救援の様子を体験者の貴重な証言をもとに再現した震撼の書。

明治29年、昭和8年、そして昭和35年。青森・岩手・宮城の三県にわたる三陸沿岸は三たび大津波に襲われ、人々に悲劇をもたらした。大津波はどのようにやってきたか、生死を分けたのは何だったのか―前兆、被害、救援の様子を体験者の貴重な証言をもとに再現した震撼の書。 内容(「BOOK」データベースより)

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