今月のひとこと2012年3月号

「今月のひとこと」の目次
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2012年3月2日
株価も年度末を迎えて、やっと上昇機運になってきましたが、寄付きで上がって、その後は利益確定で落ちると言うパターンが、ずっと続いています。 大手は冴えないのですが、中小型株は元気で日経平均が下がっても、ここだけは上がっています。 取引き数が少ないので、時々ドカーンと上がったり下がったりします。 中国辺りから買いや売りが入っているのではないでしょうか。

それにしてもエルピーダは突然でしたね。 最近まで台湾の会社に支援とか新聞に出ていましたが、えらく小さな会社だったので、不思議に思いましたが、こう言う伏線があったのですね。 経営としてはこう言う状況には個人的には絶対に陥りたくないですね。 350円ほどあった株価が今日は5円か6円で、単位株が最低100株なので最低投資額は500円から600円です。 こうなると1円違うと20%ぐらい上下しますから、完全にマネーゲームですね。 ちなみに買いの指値は1円が最多です。

少し前に、アインシュタインの光速の限界を突破したと話題になって、ニュートリノが高速を超えたと言うニュースが一般紙にも大きく取り上げられ、TVでも特別番組がありましたが、結局は計測に使った時計の同期ミスと言う事になりそうです。 正式な発表は、あまりに格好が悪いので、少し時間を置くと思います。 確かに、だれもやろうとしなかったニュートリノの速度を量ってみようと言う女性の大学院性(だったと思う)の発想は逆転の発想で、得てしてこう言うところからノーベル賞級の成果が出てくるのですが、柳の下のどじょうになってしまったようです。 最大の反証は、例の運でノーベル賞をもらったと言われている小柴さんが観測した、超新星からのニュートリノの到達時間が光より遅かった(距離があるので年単位)と言う事実があり、何らかの測定技術上の問題と想定されていました。

実際の測定は物凄く大掛かりなもので、GPSからの情報を補正して、両者の時間を正確に合わせて、ヨーイドンで計測するんですが、この差が確か数十ピコ秒単位で、電子回路で、目の前で計測するのも結構大変です。 報道によれば、このGPSとの通信を行う機器のケーブルが緩んでいたとの事で、単に緩んでいても問題ないとは思いますが、実際は外れていたのかもしれません。

私も分野はまったく異なりますが、実験屋の端くれでしたので、得られたデータが本当に正しいのか、この検証が大変でした。 素性のハッキリしているものを測って、いわゆるキャリブレーションをしないといけないのです。 ニュートリノの問題は、ニュートリノを地球の中を通して送っているので、他の例えば光子(つまり光)を使ってやってみることが出来なかったんですね。 しかしもう少し確証を得る方法はあったのではないかと思います。

最近のニュースで、懐かしいと思ったのは、スバルサンバーの生産中止です。 一世を風靡したスバル360も懐かしいですが、サンバーは学生時代に、何しろ60日間に渡って日本一周をした車なので愛着もヒトシオです。 学生時代の友人のFさんと2人で、サンバーの荷台に敷いた1畳分のスペースで寝袋に包まって寝ていました。 まあ超お手軽キャンピングカーです。 当時はオートキャンプ場なんて無かったので、どこでも停めて寝ました。 またしゅっ中故障したり、パンクしたりするので、修理はお手の物になりました。 エンジンをバラスのでさえ、手探りでできるようになりました。 と言うか、エンジンルームがえらく狭く出来ていました。

このサンバーは、中古の5万キロのものを15000円で買ったのですが、旅行の後は、解体して、サンドバギーとして、学校の中を走り回っていました。 そのままほおって置いたら、知らないうちに処分されていて、無くなっていました。

昨年の3.11で強烈に思い出したのは、東北の田老の海岸です。 当時はあんまり意識しませんでしたが、大きな水門を通って海岸に出たことを思い出します。 珍しく銭湯に行って、確かスーパーで買い物をしたような記憶があります。 その後、有名になった高田松原の堤防の上で何かおやつを食べたような記憶があります。 カメラが壊れていて、写真がほとんど残っていないのが残念です。

先日の新聞記事で、PLCがハッキングされ、工場やインフラ設備がダウンする可能性があると言う報道がありました。 元PLC製造会社に居て、若いころにはPLCの設計もした当方としては気になる記事でした。 ネットに繋いでいなくてもUSBメモリなどからもハッキングは可能ですから安心は出来ません。

ハッキングの警告をだしているにも関わらず対応が出来ない事に業を煮やしたセキュリティ会社が、その手口を公表して大騒ぎになりました。 最近はサイバー戦争と言うような概念でも対応が必要とされています。 少し前ですが中国政府が主導したとされる大規模なサイバー攻撃がアメリカの主要な省庁にかけられたことがありますが、ロシア、中国は最大の攻撃国です。

かたや日本は、サイバー戦争ですら憲法9条の制約で・・・ みたいな、ほとんど冗談みたいな意味の無い議論になっているようです。 サイバー戦争ぐらい世界でトップの実力を持って欲しいものです。 ブロードバンドやスマホの世界的普及国ですから、逆にこれらを攻撃されたらひとたまりもありません。 サイバー戦争と言う言葉が嫌いなら、サイバー防衛なら良いのではないですか?

今月の読み物は、サイバー・クライム [単行本] ジョセフ・メン 著, 福森 大喜 監修, 浅川 佳秀翻訳。 読む前にはもっと技術・技術したものを想像していましたが、意外に捜査モノ風で、特にネットギャンブルの業界とロシアからのサイバー攻撃の実態と摘発のルポを中心としています。 もちろん技術的な話も出てきて、特に現役のサイバー犯罪を担当している監修者のインタビューが面白いです。 某府警本部のほんもののサイバーコップとも合ったことがありますし、講演もお願いしたことがあります。 20年近く前には、本欄でサイバー犯罪に使われるハッキングの実態を掲載したところ、物凄くアクセスが増えたことがあります。 当時は国内にはあまり情報が無く、たまたまアメリカのコンピュータセキュリティの学会に出席したので、その時の話を掲載しましたので珍しかったのだと思います。 流石にモロのハッキングツールを配布しているサイトは紹介できませんでした。
しかし技術的にみると面白いものが多く、これはちょっと使い方を変えるとハッキングツールになるぞ、と言うソフトも一般に散見されます。 こう言うのはシステムのメンテンスというか、トラブル解決に便利な物が多いです。
また、ETからの通信を大量のPCを使って行うSETIプロジェクトや、暗号の解読をこれまた多数のPCで行うようなプロジェクトは沢山あり、これはボットとほとんど同じで、原子力を爆弾にするのか発電につかうのかぐらいの区別でしかありません。 また機会があれば本欄で紹介して行きます。 いずれにしても、本書は少し高いですが、ワリと翻訳もこなれていて、読みやすいので是非一読を。

内容(「BOOK」データベースより)
ソニー事件は氷山の一角に過ぎない。今後間違いなく我々に襲いかかる“サイバー攻撃”“ネット詐欺”の全貌。ロシア・中国を拠点に国際化する凶悪なネット犯罪者たちの全貌に迫ったノンフィクション。
PART1:  カリフォルニアに住むコンピュータ・セキュリティの専門家、バーレット・ライアンは、インターネットを使った脅迫に曝されていたスポーツ・ベッティング企業を救ったことがきっかけで、同社の幹部らと関係を深めていく。その後の調査によって、犯人グループがロシアとその周辺国に住んでいることを突き止めたバーレット。だが、アメリカ捜査機関の腰は重く、しかもベッティング企業の正体がマフィアの資金源であることに気づき、苦悩を深めていく……。
PART2: バーレットから情報提供を受けたイギリス・サイバー犯罪対策庁(NHTCU)捜査官のアンディ・クロッカーは単身ロシアに乗り込む。お世辞にも外国人に優しいとは言い難い現地の捜査当局との関係構築に腐心しつつも地道に捜査を進めるアンディは、ついにグループの一味と目されるハッカー「bra1n」の逮捕に着手する。犯罪者と政府関係者の癒着、迫真の逮捕劇、そして裁判の行方……。






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