今月のひとこと2012年4月号





「今月のひとこと」の目次
毎月一回はその時々のトピックスをお送りしています。
本家の http://www.masuda.org/ もよろしく

絵や写真をクリックすると、そのページに行けます


2012年4月1日
株価はドンドン上がって、今日の日経では外国人の持株比率が過去最高になったそうです。 日本もどんどん外国と言うか、隣の国に買われているのでしょう。 バブルのころの日本の資産でアメリカ全体を買えるという話も、今は昔です。 いずれにしても震災後1年にしてやっと株価は元に戻ったと言うことでしょう。 後は実体経済をどうするかです。

今日のTVでも言っていましたが、これだけ原油価格が上がり、円高も収まって来たのに、未だにデフレ傾向が収まらないのは、日本のビジネス体質そのものに問題があるのではないかと言う事です。 東電の値上げを肯定するわけではないですが、あの無神経さと言うか、図太さを企業、特に中小企業が持って、値上げに入らないといつまで経っても、苦しいままで、さらにデフレ化する状況から抜け出すことは難しいのではないでしょうか。

昨日つまり3月31日の夜の12時に、ドコモのDopa/movaが停波しました。 FOMAの前のバージョンで20年続いたそうです。 12年前にデータ通信のDopaを使ってビジネスを始めたので、Dopa停波は特に感慨無量のものがあります。 昨年にはアナログTVが停波しましたが、これも子供のころからTVを見ていたので、それなりに感慨はありました。 ネットの関連機器は20年経っても使えていますが、電波モノは20年経つと使えなくなります。 プラチナバンドの明け渡しとは言え、時代の趨勢ということでしょう。

来月、再来月に天体ショーが連続してあります。 先日は木星、月、金星が並んで見える現象がありました。 来月は、5月21日の金環日食。 日本のほとんどのところで見えるらしいので、後は天気しだいですね。 時間は朝なので、東の開けているところ、また見える中心が太平洋に偏っているので、なるべく東に行って、東側の開けたところが良いようです。

6月6日には金星の日面経過が全国で見られます。 金星の日面経過とは、太陽-金星-地球がほぼ1直線状となり,金星が黒い点となって太陽の前を横切っていく現象です。 言うなら、金星版の金環日食といってもよいでしょう。 金星、地球、太陽の関係から起きるのは大変まれで、今回のように通過全体を見れるのは、数百年は起きません。

さらに、8月14日の未明には、ほぼ全国で金星食を見ることが出来ます。 金星が小さいので月による金星の掩蔽と呼んでもよいでしょう。 これは月が金星の前を横切って金星を隠してしまう現象であり、今回は月の明るい側から金星がもぐりこみ,暗い側から出てくることになります。

地上は、電力がどうの、何とか税がどうのとうるさいので、しばらくは夜空でも見上げて俗事はしばらく忘れてみませんか?

今月の読み物は、「日本のもの造り哲学 」単行本 藤本 隆宏著 ¥1,680。 少し重いですが、元もの造り屋としては、読んで置かないといけないと思います。 まえがきでもあるように、少しくどいし、繰り返しが多いし、3分の2までは、かなり我慢して読みました。 残りの3分の1、さらには最後の章は我が意を得たりです。 要約すると、日本は「擦り合わせ屋」、中国などは標準品を持ち寄る「モジュラー屋」で、日本の生きる道は、擦り合わせ一辺倒から脱して、儲かるモジュラー屋を育成する。 プロデューサー的な人材や企業が必要になってくる。 この中で、日本の得意な擦り合わせも生きてくるのではないか、と言う事です。 この辺りの結論には大賛成です。

商品の説明(「BOOK」データベースより) 日本のもの造り哲学
ものづくり経営研究センター長を務める東京大学大学院教授・藤本隆宏氏が「もの造りの現場から発想した企業戦略」を論じた書。ここ10年ほどで浮上した日本製造業の危機を煽る諸説やその間に続々と流入した“ヨコ文字の経営手法”には違和感があると言う。日本のもの造り企業に足りないものがあるとすれば、それは己の組織にマッチした戦略だと指摘。もの造りの現場すべてに存在する「設計」を軸に見直しを図り、打開策を見いだせと言う。

「製品とは設計者による基本情報がモノ(媒体)と結びついたカタチである」と考えれば、マーケティングから生産、販売に至る道筋は「設計情報が循環する過程」だと言える。顧客が消費しているのは、基本的には設計情報なのだという考え方に立って、良い製品とは然るべき「アーキテクチャ(設計思想)」を内包するモノだと解説する。

企業には設計情報を上手に創造し、さらに媒体とベストの状態で結合させる技量が求められる。これを著者は「もの造りの組織能力」と呼ぶ。組織能力にはそれぞれ個性があり、個性とアーキテクチャには相性が存在することを示す。強い製造現場を持ち、高い収益性を確保している企業の多くは、独自の組織能力と設計思想のバランスが良いと指摘している。




このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください