2014年 元旦 あけまして、おめでとうございます。
昨年の巳年は特に経済の転換点であったようです。 株式相場は、相場の転換点で、1929年の巳年は米ニューヨーク証券取引所で株価が暴落、1953年にはソ連首相、スターリンの重体が伝わり朝鮮戦争による特需が終わるとの観測から株価が急落、バブル景気が頂点を迎え12月に3万8915円の史上最高値をつけた1989年も巳年でした。 昨年の本欄を読み直すと、こう書いてありました。 辰年と巳年の相場格言は、「天井」で、今年の午は尻下がり。 最後の大納会が天井になるかどうかですね。
まさかの安部首相靖国参拝で、米国の反応のサプライズはあったものの、今のところは大きな波乱もなく、このまま4月の消費税アップに行き着くのかも知れません。 3%アップのうちの2%分に相当する経済対策を打ったものの、サスガに今年は良くて現状維持、普通では尻下がり。 一時は18000円の予想もあった昨年も、5月のレベルにやっと戻ったと言う事でしょう。 原発再稼動も普天間も動き出したので、あと少しの我慢だと思います。 小泉発言で揺れた原発再稼動ですが、日本の国の大きさを冷静に考えてみると、単純な原発ゼロは成り立たない事は分かると思いますが、軍備と同じで、なければ良いが、なくすことは出来ないということだと思います。 普天間も同じで、なければそれに越した事はないですが、現実的には辺野古移設は不可避だと思います。 原発問題での一番の問題点は、再処理した高レベル廃棄物ではなくて、抽出したプルトニュウムの方だと思います。 これがどんどん溜まる。 英国とフランスと国内に50トンほどあるようです。 このプルトニュウムを使う予定だった高速増殖炉の「もんじゅ」は、技術的にモノにならないし、もし出来たとしても時間的に間に合わないと思います。 「もんじゅ」を活用して高レベル廃棄物を核種変換して、無害なものに変えると言う技術を開発しようと言う話になっているようですが、「もんじゅ」をそのまま動かすよりは、こっちの方がまだ現実的だと思います。 溜まったプルトニュウムの使い道は、ウラン燃料に10%ほど混ぜるMOXしかないわけで、せいぜいこれで使い切らないといけない事になります。 詳細なデータはないのですが、100万kW級原発の年あたりのウラン燃料消費量は30t程度らしいので、日本の再稼動原発を 100万kW 20基とすると、年間に600トン必要となり、現時点で50トンほど溜まっているプルトニュウムは1年で消費できそうです。 ネットの世界では昨年からビッグデータの話題が盛んになってきています。 以前は「データマイニング」と言うような技術がありましたが、ネットの時代になって様変わりしました。 ニューメディアと言っていた時代とネットコンテンツの時代の差と似ているようです。 これだけ大量のデータがあると、量は質を変革する、で全く違う技術に変化しました。 これのハシリで覚えているのは、Twitterを解析して、株価の騰落を予想する、と言うベンチャービジネスが、何かの賞を取った事です。 その時は、ホンマかいな、と思ったのですが、それがビッグデータと言う技術でまとまった感じです。 クラウドならではのビックデータですが、問題も多くあります。 クラウド関連で年末に話題を呼んだのは、バイドゥの日本語変換ソフト「Baidu IME」。 クラウド変換を自動的にやっていたのが問題視されて、デフォルトではこれをOFFにする事で決着したようです。 この「Baidu IME」は、何かのソフトをインストールする時に、余程注意しないと勝手にインストールされてしまいます。 これに劣らず、最近のソフトは気をつけないと、どんどん勝手にソフトをインストールしてしまいます。 時々調べて削除するようにしないと、こんなソフトだらけになってしまいます。 WindowsのデフォルトのIMEの変換効率の悪さにはほとほと手を焼いている所ですが、Google IMEも同じようなもので、一度使ってみて、クラウド変換をしている事が明白だったので、使うのを止めました。 ネットで検索する言葉はそのまま変換されるので、便利ではあるのですが、変換はサーバーがらみで行っているようなので、オフライン時では不便だし、セキュリティ上はもっと問題です。 特に Baidu IME は何をしているのか、全く分からないので、即アンインストールしました。 いずれにしても、無料の正体不明のソフトはインストールしない事が大切です。 さらには、アメリカによるネットの盗聴が問題とされ、ケータイの通話まで盗聴されていると言う事で、世界に衝撃を与えました。 エシュロンと言う盗聴システムは以前からあって、通常の無線通信、電話通話、ファックスなどは、盗聴の対象とされてきましたが、さらにはネットも大規模に盗聴されていると言う事でショックを与えました。 大手の接続プロバイダがデータを提供していたと言うことにも増して、海底ケーブルの光ファイバーに直接アクセスする技術を使って、プロバイダも知らない間に、光信号のまま盗聴していたと言う事がわかって驚きが広がりました。 元々インターネットは、ネット技術者間の情報共有に使われていたので、セキュリティが低いと言うよりは、セキュリティがなかったのです。 これをコンピュータウイルスが攻撃して、データ漏洩が起き、これを防ぐために、主にPCのセキュリティレベルを上げる事を最重要視してやってきたのが今までの流れだと思います。 しかし、これからは、また再びオリジナルのインターネットに近くなって、セキュリティの壁を低くするような方向に向かうのではないかと思われます。 しかし繋がる端末の数が桁が違うと言うより、10桁近くも違うので、また新たな世界が現れ、それに伴って新しいビジネスも生まれることでしょう。 ますます目が離せないですね。 ここまで高速なるとは思わなかった無線通信も当たり前になり、全端末が世界規模でひとつに繋がると言う、20-30年前には全くの夢物語、SFの世界だったのが、現実になってきているのは、驚嘆する以外のなにものでもありません。 今月の読み物は、たまたま映画を見たせいで思い出して読んでみた「 細雪」 (中公文庫) 谷崎 潤一郎 ¥1,150 ★★★(是非読むべし) |