今月のひとこと2014年10月号

2014年10月1日
株価は一気に活況を呈してきました。 IT関連では短期間に2倍になった銘柄が珍しく無いようです。 香港が騒ぎになったり、御嶽山が噴火したり、いろいろ切っ掛けはあるようですが、総じて上昇傾向にあることは間違いないようです。 御嶽山で亡くなられた方のご冥福をお祈りします。

次の株価の大きなタイミングは消費税の増税判断でしょう。 上げるにしても上げないにしても、その影響は大きいと思います。 各種の経済指標は良くない数字が出てきていますので、ますます判断に迷うところではありますが、大勢は上げる方向となっています。 一つの政権で2回も立て続けに、しかも倍増すると言うのは前代未聞の事です。 これで政権が倒れなかったら、20%への道は開けたと言うことになると思います。 しかし例えこうなっても政府の債務残高は減らずに、1%の利率アップで10兆円が飛ぶと言うリスクは抱えたままです。

民主党などは無責任に批判しますが、経済成長率を金利上昇率より常に上回る(通常はあり得ない)と言う、非常に難しいナローパスしか日本には残されていません。 成長は無理だと言う論調もありますが、成長以外に財政赤字への処方箋は無いと思います。 もしくは少なくとも国民が持つ国債の利率をゼロにするか、残高をゼロにしてしまうと言う、戦後の悪夢を実現しない限り答えは無いと思います。

ヨーロッパもかなりおかしくなってきて、日本化が囁かれていますし、中国も地価の下落が止まらず、日本からの投資も大幅に減って、習政権としては、これ以上対日本に強硬になって、事態が悪化するのを防ぎたいでしょう。 APECと言うタイミングで何とかしようと言うことで、対韓国とは言え朝日新聞のいわゆる従軍婦問題の取り消しもあって、主導権は日本に移りつつあります。 安倍政権の粘り勝ちと言うことでしょう。

最近話題のiPhone6に目もくれず?、GoogleのNexus7 を購入しました。 7インチが適当だと言うのと、電話機能はガラケーにとどめを刺すので、タブレット機能に絞り込みました。 結果的に、単体の値段ではiPhone6のフリーSIM版の方が安かったのですが、他のデータとの互換性などで同じAndroidにしました。 初期に買った10インチのタブレットに比較して、速度はもの凄く速くなったし、Andriod 4.4のおかげで使い勝手も良くなりました。

リーSIMチップは、LTEの3日間の平均で100メガ制限と言うAsahiネットを使いましたが、一長一短。 月料金は900円であるものの、最初に手数料として3000円がかかります。 SIMチップチップ込みで売っているものもあり、選択はなかなか難しいと思います。 ちなみにAsahiネットは、安売りのプロバイダだと思っていましたが、電話すると必ず担当者が出てきて、割に的確な応答をするので、それ以来使うことにしています。 NTTの回線を使うとプロバイダが別途必要なので、その時に使います。

格安LTEは容量制限をかけることで、料金を安くしているのですが、会社によっては、1日制限だったり、3日制限だったり、ちなみにIIJは少し高いですが、クーポンになっていて、使わなかった分は繰り越しが出来るようです。 同じような値段でもOCNは電話関係会社らしく050の電話番号が付いてきます。

このタブレットで何をするかと言うと、電子書籍を読むことにあります。 本は紙と決めていましたが、最近は老眼になって、夜寝るときに読むのがつらくなってきましたので、照明が不要な文字を大きく出来る電子書籍にトライしてみました。 タブレットを横にしても、電子書籍リーダーでは自動回転が効かずに横に寝て読めました。 一応音声に変換して読んでくれるので、目が疲れたら、耳で聞くことも可能ですが、システムに付属の音声変換はレベルが低く、耳障りです。 青空文庫では、著作権の切れた読み物を無料で読むことも出来ます。 夏目漱石などはほとんどここに収録されています。

本は紙と決めていましたが、週刊誌的に読み飛ばすものなら、電子書籍の方が後に本が残らずに処分する手間が省けます。 また他の同じIDのスマホやPCでも読むことが出来るので、場所に応じた読み方が出来そうです。

今月の読み物は、彰義隊 新潮文庫 吉村 昭著 Kindle版 ¥720 単行本 ¥810
★★★ 幕末に興味のある人は是非読むべし

吉村文学の最後の歴史小説だそうです。 タイトルは知ってましたが、あまり面白く無さそうと今までは読んでみませんでしたが、読む本が無くなったので、渋々? 読んでみました。 結果は、もの凄く面白かった。 筆者も言っているように、彰義隊そのものは読み物にはなりにくく、面白くないのですが、戊辰戦争の盟主となり、皇族でありながら朝敵になってしまった上野寛永寺山主・輪王寺宮能久親王の生涯を描いたもので、幕末の歴史の別の断面を見ることが出来ます。

和宮の婚約者で、婚約を破棄された有栖川宮の徳川に対する思いが慶喜に対する態度に現れていると思います。 和宮降嫁で、結果的に幕府は損をし、和宮も不幸になり、良いことは無かったのはなかったのでしょうか。 西郷と和宮を通じた朝廷軍と幕府のパイプになったことは間違いなく、慶喜の嘆願も和宮が仲介しています。 しかし、これを受け取った元婚約者の有栖川宮の気持ちはいかばかりだったのか。

東京の特に上野界隈の地理には疎いのですが、この辺りの事をよく知っている方には、輪王寺宮の逃避行の跡を詳細に追うことが出来ると思います。 逃避行の経路は、この小説の取材時に明らかになったものだそうです。

【Amazonの書評より】
皇族でありながら、戊辰戦争で朝敵となった人物がいた──上野寛永寺山主・輪王寺宮能久親王は、鳥羽伏見での敗戦後、寛永寺で謹慎する徳川慶喜の恭順の意を朝廷に伝えるために奔走する。しかし、彰義隊に守護された宮は朝敵となり、さらには会津、米沢、仙台と諸国を落ちのびる。その数奇な人生を通して描かれる江戸時代の終焉。吉村文学が描いてきた幕末史の掉尾を飾る畢生の長篇。

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