今月のひとこと 2019年11月号

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2019年11月2日
株価は落ちるかと思えばなかなか落ちずに、とうとう2万3千円近くまで来ました。 先月の本欄では2万3千円とか4千円が不思議でなくなるような気がする、と書きましたが、どうも2万3千円はいきそうな感じです。 各企業の決算はあまり良くないのですけれども、何故上がっていくのか不思議という感じで、一種のバブル状態になってるんではないかと思います。

消費税が10%になりましたけども、あまり変化がないと言うか駆け込みが少なかったと言うか、そもそも消費の力そのものが弱いのか、なんとなく釈然としない状況です。 消費税アップによる落ち込みを防ぐというよりは、もっと消費拡大の努力をしないといけない、つまりアクセルを踏まないといけないのではないかと思います。 いずれにしても世界の景気も悪くなってることですし日韓関係も悪くなって、全体に力弱くなってます。

最近のIT の話題で大きなのは量子コンピューターです。 一般新聞でも大々的に取り上げられて、特集が組まれています。 Google がどのような計算をやったのかは、はっきりしないのですが、一般のノイマン型のコンピューターでは時間がかかるとされる問題を短時間です解いたということです。

問題の量子ビット数ですが54量子ビットをチップで実現したそうです。 いずれにしても量子コンピューターの問題は量子を直接使っていることへの本質的に関わるのですが、非常に不安定と言うかエラーが多いと言うことがあります。 量子そのものの揺らぎに起因するので、しょうがないんですが、これをいかに取り除くか克服するかと言ううのが最大の問題です。

従って Google の結果というのはこの問題をわずかな時間、200秒と言われていますが、これぐらい克服できたということだと思います。 いずれにしても言われるようにすぐにも明日にも RSAの暗号が無効になるとかいう話は無くて、実際の計算に使えるようになるには、まだまだ越えなければならないハードルが多いと思います。

量子コンピューターは絶対温度0度付近でないと動作しないので、そんなにあちこちにできるものではありません。 今のスパコンレベルの設置台数になるということになると思います。

ずっと以前、何十年も前にさる有名な数学者がの講演を聞きに行ったのですが、その時には大型のコンピューターはそんなに普及しない、何故かと言うと多くの素子が必要なので故障する。 初期の真空管を使ったコンピュータのENIACも常に真空管を交換していたと言うことです。

世界に数台、今のスパコンぐらいのレベルでしか存在しないだろうという予言をされておりましたけれども、その後マイコンが発達し半導体の信頼性というのは非常に高いので、このようにたくさんの非常にハイパフォーマンスのコンピューターが世界中に存在することになったと思います。

量子コンピューターはそういうレベルではなかなか浸透しないでしょう。 少なくとも我々が生きてる間は存在しないんじゃないかと思います。 だから、もし存在するとすると常温レベルで半導体の上で実現できるような回路が考案されればあ存在すると思いますが、それでも一般の計算をするには非常に不便だと思います。 やはり現在のコンピューターが一番通常の計算には便利なんじゃないかなと思います。

今月の読み物は、「日本史の内幕 – 戦国女性の素顔から幕末・近代の謎まで」 中公新書 磯田道史著 \924

あまり読むものもなくなってきたので、気楽に読めるものを選んでみました。 雑多な日本史の中のトリビアものだと思いますが、まあ気楽に少しの時間で読めると思います。

【週刊文春 2017.11.30 号 より】
来年のNHK大河ドラマ『西郷(せご)どん』で時代考証を務める、気鋭の歴史学者の最新エッセイ集が絶好調だ。映画化もされた『武士の家計簿』を始め、既に数々のヒット作のある著者だが、本書は刊行から2週間弱で10万部を突破。その後もペースの落ちない異例のロケットスタートぶりだ。

「著者のテレビ出演が増えたことや、『応仁の乱』から続く中公新書の歴史ものの好調もあってか、歴史の本をあまり手に取らないような読者にも幅広く届いている印象です」(担当編集者)

江戸や幕末の民衆の暮らしを史料から細やかに想像し、徳川家康や坂本龍馬といった大人物たちの意外な一面を掘り下げ、井伊直虎のようにややマイナーな人物にも光を当てる。天災の記録を現代の災害対策と結びつける、アクチュアルな発言でも知られる。そんな多面的な「磯田歴史学」のエッセンスが、いい意味で学者離れした、滑らかな文章で詰め込まれている。

「一篇が数ページのエッセイに、史料や史跡の研究に基づく新たな発見が惜しげもなく盛り込まれる。アウトプットは柔らかでも、インプットは骨太。それが著者の持ち味です」(担当編集者)

前書きで著者は、古文書にきちんと向き合うことの大切さを熱く語っている。本書はまさにその実践の成果。歴史学への入門書であると同時に、日本史に一家言ある人に気付きを与える一冊にも仕上がっている。
評者:前田 久

【内容紹介】
豊臣秀吉と徳川家康が転機を迎えた「史上最強のパワースポット」とは。秀頼は本当に秀吉の子なのか。著者が発見した龍馬や西郷の書状の中身は。「昭和天皇を育てた男」の和歌集に秘められた思い――。当代随一の人気歴史家が、日本史の謎の数々に迫る。古文書の中から見えてくる、本当の歴史の面白さがここに!

【目次】
第1章 古文書発掘、遺跡も発掘
油酒樽に詰まった埋蔵金
羽生君、「殿」を演じる
一八四〇年豪農の豪華な旅
昭和天皇を育てた男
など

第2章 家康の出世街道
浜松に史上最強の霊地
三方ヶ原の戦いの真相
真田の首に語りかけた言葉
水戸は「敗者復活」藩
など

第3章 戦国女性の素顔
「築山殿」の元の名は
美女処刑と信長の死
「直虎」を名乗った者は
秀吉は秀頼の実父か
など

第4章 この国を支える文化の話
信長と同時刻生まれの男
江戸期の婚礼マニュアル
我々は「本が作った国」に生きている
昭和初年の美容整形
など

第5章 幕末維新の裏側
西郷書簡と日本の歯科
「民あっての国」、山田方谷の改革
会津で戦死、若き親戚を弔う
など

第6章 ルーツをたどる
隠された「宇喜多」姓
黒田家は播磨から流浪か
忍者子孫たちとの交流
中根東里と司馬遼太郎
など

第7章 災害から立ち上がる日本人
江戸の隕石いずこに
山頂で富士山卵
熊本城サグラダ・ファミリア計画
など


 

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