今月のひとこと 2022年11月号

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今月のひとこと 2022年11月3日号


先日、日経新聞を眺めていると「キーエンスが最高益」という文字が目に入りました。上海封鎖の影響が和らいだので4月から9月の利益が最大になったということで、以前から大したものだと思ってるのですが、こういうファブレスの会社で利益を50%も出すというのは素晴らしいことだと思います。

この記事によるとこの結果は「精緻な社員評価」でやって成果と行動をきちんと評価するということをやっているようです。 これと似たようなことをやろうと思って仕入れと売上の差の粗利に自動的に比例する給与システムを作ったことがありますが、最初に担当するテーマによって、不公平が出てくるわけですが、この不公平をどうやって解消するかというのはポイントで、この記事によっても公平性を重視と書いてます。

しかし、これはなかなか難しく、管理と言うかガバナンスがよほど強力でないと出来ないと思います。 私の場合は、非常に大きな利益が見込まれそうな案件い対しては、その分担を決め、場合によっては複数人数で分担する、という事をやっていました。 これが結構難しい。 この辺をちゃんと突き詰めていくとキーエンスにになるのでしょうが、これには管理職も担当者もどちらもレベルが非常に高くないと駄目だと思います。 しかし今までこれをずっとキープしているキーエンスと言うのはサスガにたいしたものだと思います。

これと対をなすと言うか別のやり方としては、稲盛さんのアメーバがあります。 これもなかなか興味深いやり方だと思いますが、両方やることも不可能ではないでしょう。 いずれにしても小集団でやるってと言うのは良いと思いますが、そこのリーダーがよほどしっかりしてないと。その小集団がうまく回らないと思います。 現実には街の食べ物関係の店というのは、典型的な小集団だと思いますが、そこの店長がアルバイトだったりするので、なかなかうまくいかないんじゃないかなと思います。 上手く回ってる店は非常に良く行っていると思います。 この辺と稲盛流アメーバがどう絡むのかこれ調べてみたら面白いんじゃないかと思っています。 誰かが既にやっていそうですが。

これと対極にあるといっても良いところにあるのが日本電産の永守流だと思います。 ずっと右肩上がりの成長を遂げてきて利益も売り上げも伸びてるというのが自慢でしたが、少し前からもだんだん右肩下がりになってきて、最近は後継者問題で揉めています。後継者となった人も大変だと思いますが、一度後継者として認めたら多少の事には目をつぶって引退すべきだと思いますが、永守さんにはそれが出来なかったと言うことでしょう。

永守流は永守さんにしかできないので稲盛さんみたいに稲盛塾で広げていくということはなかなかできないのでしょう。 稲盛さんは本人も得度していまいたが、最後は何か宗教家みたいになっていきましたが、長期的に見るとああいうことは非常に重要なんであろうと思います。 中国では非常に人気が高いのは中国にはそういう精神的なことはあまり重視しない傾向にあるせいだと思います。

永守さんも著書で書いているようですが、若いころに立石一真さんに支援してもらったので、いつも持ち上げていますが、一真さんが社員を前にして、一日中同じことを繰り返し言ってたとあります。 この辺は稲盛さんに通じるところがあるのでしょう。

永守さんは大学経営にまで手を出していますが、日本電産がまだあまり知られていない時に一度お話を聞いた時に、日本電産というのは誰も知らない、特に就職の時に親に聞かれて日本電産と答えたら取り合ってくれなかったという話を聞いたことがあったらしくて、その時から社会的な影響力に気が付いたらしいです。 京都の北のほうで講演をされた時に「天橋立大学」という架空の大学名を出されて、誰も知らない大学には誰も来ない、日本電産同じと力説されていましたが、その流れが今の京都先端科学大学に至ったのではないかと想像しています。

最近は物価の上昇特に食料品の上昇が激しいです。これをもってインフレがやってきたという論調がありますが、本当かなっていう懐疑的な面もあって、一部の物価はものすごく上がってるのですが、他はそんなに上がってるとは言えず、黒田日銀総裁によると全部均しても2%超えるか超えないかではないかと。 それで金融緩和を継続するんだという言い方です。

しかし、これで賃上げはどうなるかとだということだ思います。 どちらにしても日本の経営者はもっとしっかりして欲しいと思います。 特にトップである日経連は、実際に動ける訳ではいとは言え、もう少しちゃんと言葉を発するべきでしょう。 私が新人だった頃には、経団連が日本の将来を考えるとある程度の賃上げをしないといかんと言うようことも堂々と言っていましたが、今はそういうことあまり聞こえてきません。

経営者はみんな臆病になってしまって、内部留保を貯め込むだけになっています。 社会保険もどんどん上がっているので人件費経費が上がるので、その気持ちも分からないではないですが、もう少し積極的になってもいいんでいいんではないか、賃上げの数パーセントぐらいは内部留保で負担できるはずなので、もし担保できない状況になったら日本全体が沈没すると言う事なので、その会社がどころの話ではないと気が付いて欲しい。 かつては財界総理と言われた経団連も出身企業の顔色を伺うのでなく積極的に発信してほしい。

まだ日本商工会議所の方が積極的な発言が多いような印象があります。いずれにしてももうすでに金融緩和はやり尽くし、財政出動も国債発行に限界があり、国の経常収支も貿易赤字で減少に転じるんではないかということになり、世界最大と言われている日本の国の対外保有資産がマイナスということになったら、これは日本が完全に終わってしまうということになります。 もう MMTどころではなくなり国債発行も何もできずに本当に国家破綻するんではないかと思います。

国債だけなら個人の預貯金を全部吐き出せばチャラにはなりますが、あまり意味はないし、それより対外資産の減少が気になります。 特に今は円安ですから海外でドルで持ってる資産は日本に持って帰ると価値が大幅に出ますので、これをうまく使って国内投資をどんどんやるということだと思います。 動けない年寄りの経営者を若い人に変えて元気をつけて、立ち止まるのでは無く、思い込みでもなんでも先に進んでみることが大切でしょう。

若いベンチャー経営者は何も知らずに、突然やってて、基本知識がないので無茶苦茶をやってしまって、お金があるからと言ってタワマンを買ったり超高級車を乗り回すみたいなことを、少なくとも以前はそういうことがたくさんありました。 もう少しそこは勉強してちゃんとした投資をやってほしいと思います。 私も学生時代にはベンチャーを夢見た一人ですが、その頃に比べて今のベンチャーへのエンジェル投資自体は厳しいと言いながら当時に比べると格段に良くなっていますので、これで何もできないというのはおかしい話で、歳を取ってくると生物的な寿命の限界が来ますので、あまりリスクを見込むか難しいんですか、若い人は生物学的なリスクはないので経営リスクをどんどん取ってほしいと思います。 その中からもっと素晴らしいビジネスが出てくると思っています。

暗号資産関係の株価指数がどんどん下がってるみたいです。 ただ一番最初にスタートしたビットコインは、まだ300ドルくらいあるみたいですが、他の特に最近出てきた NTF なんかは眉唾だと思ってましたが、最近は1/10になったとかの話が多いです。

コンピューターで作った絵画(らしいもの)に対して、それを電子的に認証してコピーできないようにするということだったのですが、そもそも本当に元になる絵画(らしいもの)が美術的価値を持つのかは疑問だと思います。 最近どこかの地方自治体がアンディ・ウォーホルの箱を5つか6つを3億円で買ったというのが話題になってますが、あれとまあなんとなく似てるような気がします。

ウォーホルのマリリンモンローでもキャンベルの缶であろうが、あれがそんなに価値を持つとは私はあまり思えないです。 見てて面白いと思うが、そこまでの価値があるとは思わないんですが、これをどう思うか、それを NTF で裏付けしようということですが、現時点ではあまりうまくいってなくて、ちょっと景気が悪くなると一気に価格が下落するというのはそういうことを示してるのではないでしょうか。 また暗号資産が、結局は電力を爆食いするという環境問題に対して逆行してるという、何か皮肉なことになっていて、そういう点でも疑問符が付いてしまいます。

Amazon のタイムセールで安く手に入ったので、いわゆるスマートスピーカー Amazon Echo を買ってみましたが、結果的にはなかなかよく出来てると思いました。 外観もファブリックを使ってプラスチックそのままでもないし、画面は普通のスマホを横にしたものですので、見慣れている形だと思います。

問題の操作はほとんど音声で、スマホのアプリからも操作は出来るみたいですが、この音声操作が意外に良くてきています。 Alexa と言えば反応するのですがかなり遠くで言っても受けてくれます。 以前はこんなものは単におもちゃで、大したものではないと思っていましたが、意外と何かmpがをしながら操作したい時にはなかなか便利です。

おまけに例えば音楽を聴きたい時でも、単に音楽といえば以前の音楽の続きを流してくれるのですが、ジャズとかクールジャズとか指定すれば、ちゃんとそれをかけてくれます。音楽サービスを複数契約してると、その中から最適なのを引っ張ってくれるということになりますので、バックグラウンドミュージック的に聞くには非常に良いのではないかなと思ってます。

もともとバックグランドミュージックで使えないかということで試しに買ってみたのですが意外と使えるように思います。 ただ欠点はここまでできるのであればという欲が出てくるのですがスマートハウスみたいなリモートのコンセントを使って連携して動かすことができるのですが、この連携がイマイチまだ未完成と言うか、できていません。 他の IOT機器だと、この辺の作り込みが、もう少し出来ていて、何らかのイベントがあればそれに関連して複数動作が連続して出来る、というのがあるんです。 電気つけてと言うとリモートコンセントをオンにするぐらいが関の山だと思いますが、もう少し進歩すると期待しています。

それにしても音声認識は凄いですね。 以前に本欄で触れたことがあると思いますが現役の頃に5年ほどをプロジェクトとして取り組んだのですが、全くうまくいきませんでした。 マイクをちょっと変えたり、話し方を変えたりしたら全く認識しなくなりました。 その時に目指したことが完全に実用できてるので、これは驚嘆すべきことだと思います。

アレクサ同士を会話させるのが YouTube でありましたが、どこまで本当に会話してるのか、どこがやらせなのか分かりませんが、それっぽいなと思って見ていると面白いです。

最近話題になったのは人工知能に自意識を持たせることができたというニュースがありました。 これの証明として、いろいろな細い会話を1時間ほどして、これで自意識の証明だと言っているのですが、確かに会話の内容は極めて細い普通の人間でもなかなか対応できないような会話をしてるのですが、これで本当に自意識があって反応しているのか、はたまたテンプレートを使って回答してるのかどうか分かりません。

面白いのは「お前はテンプレートを使ってやってるんではないか」という質問をすると「イヤ、そうではない」という回答が返ってくるというデモンストレーションです。 しかし会話だけで自意識を持ってることの証明というのは意外と難しいと感じました。我々人間自身の会話でも、風呂飯寝るみたいな大した会話はぜずに単に鸚鵡返し返事している場合が多いです。

これの証明した出来てないの論争を見ているとゲーデルの不完全性定理を連想しました。 一つの論理体系の中では、証明できない命題が存在すると言う事ですが、証明するためには上位のメタ論理体系が必要とのことで、これを当てはめると、メタ意識みたいなレベルでやらないと証明にはならないのでしょう。 本当の自意識を持った本当の人工知能がひょっとすると生まれるかも、もしくは生まれているかもしれない現在では、これを証明する方法を確立しておかないといけないのでしょう。

コンピュータはチューチングマシンのころから優れて数学問題だったので、この自意識問題も数学的に決着すべきだと思います。 現場のAIプログラマレベルの論争に本格的な数学概念を入れて議論するともっと面白くなると期待しています。

今月の読み物は、本文が長くなりすぎたので、またお休みです。 本を読む時間がなかったというのが本当ですが、最近本読むよりこういうネット記事を読む時間の方がだんだん多くなってきました。


 

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