今月のひとこと 2023年2月号

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今月のひとこと 2023年2月号


コロナもやっと収まりつつあるみたいです。 、中国国民のほとんどがコロナ感染したので集団免疫ができたのか、心配された中国での感染爆発は思ったほどではなかったようです。 他の民主主義国での自然免疫獲得が全て失敗したのですが、さすがに強権国家では自然免疫は達成できるようです。思ったほど新たな変異種も出てこなかったようで安心です。

中国が多少へこむのを期待するのが半分、中国に立ち直ってもらわないと世界経済が持たないと言うのが半分の複雑な気分だったのでは無かったでしょうか? 自然免疫が切れた頃に、また感染が蔓延するのではないかと心配です。 日本では5類にしようという話にもなっていますが、毎年インフルエンザは結構流行しているので、今後はインフルエンザとコロナとの2種類のワクチン接種を毎年するようになるのでは無いかと思っています。

最近またテスラが非常に話題を集めています。 自動車の値段を上げたかと思えば、今度は大幅に下げたりして中国では大騒動になってるみたいですが、日本でも高い時に買った人は不満に思ってると思います。 いずれにしてもテスラというのは EV自動車 としての品質や性能の面と、それ以外のエンターテイメントを含む新しいコンセプトの乗り物と言う二面があると思います。

EV自動車というのは基本的に従来のガソリン車と同じ自動車あって、私は乗ったことが無いのですが、色々噂を聞いていると、自動車としての出来はイマイチだと思います。 外装も昔のアメ車と揶揄されていた品質らしいですし、内装も値段の割に貧弱で、所々汚れていることもあるそうです。 基本的に店舗がないのでメンテナンスがあまりが行き届かなくて出張修理に来るということらしいですが、これがなかなか予約が取れず料金も高いと言う事らしいです。

自動車としてそのものの作りとしては、例のギガキャストで車台をエイやとダイキャストで作ってしまうらしいです。確かに車自体はがっしりして車体の剛性は上がるとは思いますが、乗り心地の面では多少車体がよじれてショックをいなすほうが良いのではないかと思います。 それと基本的に修理ができない、もしくは非常に高くつくということがあるらしく、高額な修理では新車を買った方が良いと言う話もあります。 しかしボルボが中国資本のせいか、採用したとの話もあります。

通常の自動車と見た場合には、どこまでレベルが高いのか低いのか、よく分かりませんが、新しいコンセプトの自動車としてはなかなか面白くて、全てがタブレットで操作出来ることがあって、車自体のバージョンアップも可能で、オプションの追加も通信でできるということです。

そもそもハードウェアと言う製品づくりの観点では、一度製造してしまうと、それがすべてでその後に発生するのは不具合だけであって不具合は治さないといけない事になって、自動車だとリコールと言うことになります。 テスラの場合は、すべてが発展途上で常に新しい機能が追加され、システムとの考えと似ていると思いますが、問題は自動車は非常に危険で、ちょっと間違えると人命に関わるというものであることを、忘れてはいけないとと思います。

失敗したらやり直したら良いというのはイーロンマスクの基本コンセプトみたいですが、これは私が10年ぐらい前に中国の現地工場へ行った時に言われた事と同じです。 この時に日本はゼロデフェクトで不良品ゼロを目指していました。 中国の工場では、何か問題があれば取り替えるか、やり直してたら良いと言う事で、その違いにショックを受けました。 これと同じことをテスラは自動車でやろうとしてるのですが、自動車は人命に関わるものなので、そこは同じに考えるわけにいかないと思います。

何年か前のテスラの自動運転のビデオがやらせだ、という話が出ていますが、何年か前では当然これはシナリオに沿ったコマーシャルフィルムだと、私は思っていました。 ビデオを見ていると、フりーウエイ280から東の方に曲がってテスラ本社の玄関で降りて、駐車場までは自動車が自走していくというようなシナリオですが、これが何年か前に実現していれば革命的です。 現実にはレベル2の自動運転も怪しいと言う事です。

テスラの自動運転は 「フル・セルフ・ドライビング」 と言っているようですが、実際にはレベル2の自動運転です。自動駐車の比較デモを見たのですが、これすら他の競合自動車に比べても貧弱で、まともに駐車出来ませんでした。 自動ハンドルも手を添えていないと駄目なのですが、これのセンシングがトルク方式になっているので常にハンドルに力を掛けていないと駄目で疲れます。 他の自動車メーカーは、だいたい静電方式にあるので触っているだけで良いのです。

トルクを掛けていると車のハンドルは反対側に修正しようとしますので、適当な重さの重りをぶら下げると、直進で釣り合うわけです。 その適当な重さの重りは、ちゃんと Amazon で売っていました。 これは先日死亡事故を起こした時に、そのドライバーが重りを使っていたという記事があったので、それで探してみるとちゃんと売っていました。 静電式の場合は濡れタオルをかけておけばいいとかいう話がありますが。

いずれにしてもテスラの宣伝と裏腹に実際の自動運転性能は低レベルだと思います。 少なくとも日本においてはカーナビのルート案内すら非常に酷いそうで、テスラユーザーは、カーナビはスマホを使っているそうです。 一般的に国産でも特に輸入車のカーナビのルート案内は非常に怪しく、とんでもない所を目指したり、同じルートをぐるぐる回るような経験はしたことがあります。 テスラはそれに輪をかけてダメみたいです。少なくともカーナビのルート案内をちゃんと出来ないのに、何故レベル3とかレベル4が出来るのか、これは不思議でしょうがないです。 だからテスラ車の自動運転に関しては良いイメージが先行しすぎていると思いますし、今のままでは自動運転は夢のまた夢になりそうです。

イーロンマスクは生産出荷した全車自動車からデータを集めて、あと何億km ものを学習をすれば、うまくいくというのがと言ってるみたいですが、そういうことでうまく行くのか信じられません。信号を一つとってもカメラだけのセンシングは難しくて、特に前に車がいるときは見えないわけですから、それをどう判断するかと言うのは、単にカメラで信号を認識したら良いというものではないと思います。 人間は何億 km も走らなくても、延々と学習しなくても、ちゃんと運転できるわけですから、単なるディープラーニングの学習だけの問題ではなのでは無いかと思います。

人工知能の話で最近話題を集めているのは ChatGPT です。 従来の検索にとって代わると、Googleが危機感を露わにしたことで話題を集めました。 基本的に英語なのですが日本語バージョンもあって、日本語は時々エラーになってしまうらしいのですが、英語の場合は完璧に通常の会話ができるようです。 おまけにソフトウェアのコーディングもできるらしいので、コンピューターウイルスを作り出すことも可能である事が問題になっています。

通常の検索より一段も二段も上なのですが、いずれにしても知性があるわけではなく単なる情報をネットでくるということだけなのです。 学問と言われている世界では、文献を読むことが重要な仕事ですので人間が文献を探して読み込むことと、AI が文献をネットで探してくるのと、どう違うのかと言われると難しい点があります。 日本語でやってみたら、応答に少し時間はかかりましたが、うまく行きました(写真)。

いつも思うのですが日常会話でも、そんなに複雑な会話をしていないので、適当に返事を返すと会話が成り立っているような気がします。 以前に本欄でも紹介しましたが、30年ぐらい前にパソコンが流行りだした頃に「人工無能」というフリーソフトがあって、何か話しかけると適当にでたらめな答えを返してくるのですが、意外と会話が成り立ってるような感じがして、非常によく覚えています。 だから今の AI に関しては、それとは全く違うと思いますが、専門的になればなるほど文献を読み漁ることとどう違うのかというのが、常に疑問に思います。 検索したら、現在でも立派に人工無能は生きていたのですね(写真)。 少し進歩していました!!

人間の知性というのは一体何なのかという根源的な問題を突き詰められるのではないかと思います。 ゲーデルの不完全性定理みたいに、今の論理学の中では知性があるのかないのかの判断はできないのかもしれないです。 もう一段上のメタ論理がないと判断ができないのかもしれないです。

今月の読み物は、志向を変えて、「平安京の下級官人」講談社現代新書 2022/1/19 倉本 一宏 著 Kindle版 (電子書籍)¥979 新書¥1,034

この時代の文献がこんなに沢山あるとはビックリしました。 当時生活した人々が生き生きと描かれていて親近感が出ます。 古文書の記述が延々とあるのですが、ところどころ筆者のコメントと言うか印象が入っているので救われます。 テーマ毎に分かれているのも読みやすい。 人の名前が頭に入らないのが辛いです。 あまりゆっくり読むと挫折します。

平安のお役人もつらかった?
古記録から浮かび上がる庶民たちの人生!
五位以上の貴族と六位以下の下級官人たちの埋めがたい格差、下人同士の闘乱、平安京を彩る諸芸の人びと。
平和で優雅な時代の苛酷な日常を描き出す一冊。

・上級貴族の邸第は一町四方、下級官人は四分の一町四方が標準
・下級官人は、家に築地塀を築いたり、檜皮葺にすることは禁止
・親が下級官人であれば、出世は事実上閉ざされていた
・任官を切々と訴える書家の申文
・官符を偽作した七十六歳の涙
・清少納言の兄の殺害事件
・道長邸で盗まれた二千両
・下級官人たちの抗議の訴え
・疫病に襲われた平安京の感染対策
・鴨川洪水の被害
・死穢は三十日の忌み


 

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