今月のひとこと 2023年4月号

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今月のひとこと 2023年4月1日


コロナもやっと落ち着きを見せてきて、あまり厳密にマスクをする必要もなくなってきました。 しかし人の多いところではコロナ以前からマスクをしてたこともあって人混みでは常にマスクをするようにしています。 これで風邪をほとんど引かなくなったと思います。

コロナもやっと収束したと思ったら昨年から、おそらくあと2年は続くであろうウクライナ戦争が始まり、さらにアメリカの FRB の急速な利上げの副作用として、アメリカの銀行が破綻し、おまけにスイスの銀行も実質的に破綻をするという、リーマンショックの時にこういう問題は解決され規制も強化されたはずなのに、また同じような状況になっています。

みんなは大丈夫だとは思っているのですが、リーマンショックの時も最初の異変から1年ぐらいで本当のショックがやってきたので、今回も大丈夫だと思いながらも身構えて疑心暗鬼になってるところもあると思います。

シリコンバレーバンクはどこかで見たことがあると思って、思い出しているとサンフランシスコの101号線の南へ向かって、マウンテンビュー辺りの左側に小さな銀行が、ぽつんと建っていて、そこにシリコンバレーバンクと看板が上がっていたように記憶しています。 流石にシリコンバレーだけあってとシリコンバレーの名前を冠した銀行があるなと、記憶にありましたが、その後は急激に成長して、行内の体制が追いつかずに、こういう状況になったのだと思われます。

アメリカの金融緩和が遠因になっているのは間違いありませんが、日本も金融緩和を延々とやっているので、そういう類の副作用が出ると思っていましたが、未だに顕在化していません。 それで逆に海外からは信用されて、この経常収支が赤字の状態においても円高に振れているという状況です。

石油が上がったことで貿易収支が赤字になり、さらにそれに引きずられて経常収支が赤字になって国として一時的とは言えトータルで赤字になっています。 日本の国としては世界最大の債権国でありますし、経常経常黒字がずっと出ていたので、いくら国債を出そうとも海外から見れば、ビクともぜず円安には触れないはずであったのですが、急激な円安に振れてしまったということが一時的にありました。

依然として世界最大の債権国であるので、そう簡単に永続的に円安に振れることはないと思いますが、日本の国の富が経常黒字が減って、広い意味の外貨準備が減っていくと、国が滅びることになると思います。 個人金融資産が2000兆円もあるので、まだしばらくは大丈夫ですが、これが減少していくと、人口減ち相まって国が滅びるんではないかと思っています。

ムーアの法則で有名なゴードンムーアが、ハワイの自宅で94歳で死去しました。 本欄の1996年の初期の記事で https://blog.masuda.org/19960801/3818 COMDEXに行ったときに、当時のインテル社長のアンディグローブの講演で2011年には10億トランジスタのCPUが出てくると言われてビックリしたのですが、これもムーアの法則で見てみると自然な延びで、実際にもそうなっています。 一時は微細加工の限界が原子サイズになるので、ムーアの法則も適用できないと、限界説もありましたが、その後も半導体はどんどん進化していて、留まるところを知りません。

ムーアは、中学生の頃におもちゃの実験セットで黒色火薬などを作って遊んでいる内に科学に興味を持ち、高校時代にはニトログリセリンを作ったこともあったらしく、私も中学生のころに黒色火薬を作って、誤って爆発させてしまい、危うく左手を失うところでした。 未だに傷跡は残っています。

その後サンノゼ州立大学、バークレー校、カリフォルニア工科大学で博士号を取得した、とのこと。 ウィリアム・ショックレー博士に誘われてショックレー半導体研究所に入社。 その後退社し1957年にフェアチャイルドセミコンダクターを設立した。 ノイスと共に会社を去り1968年7月18日にインテルを設立し、翌8月に従業員第一号としてグローヴを採用した。 私は1972年に就職した会社の図書室でマイクロチップの8008の記事を見て衝撃を受けたことを覚えています。 その時は個別部品でCPUを組み立てていたので、とうとうチップになったかと感銘をうけました。

当時の会社はシリコンバレーに研究所を持っており、ここに電卓の先駆けとなるビジコムからチップ化の話が持ち込まれたようですが、技術が無くて断ったら、その案件がインテルに行って、インテル発展の切っ掛けになったそうです。

CPUの次の飛躍がどうも始まったようで、私が注目していた技術ジャンプがあったようです。 最初のジャンプは Deep Learning でこれにより音声認識の性能が飛躍的に向上し、人間と変わらなくなりました。 今回のChat-GPTを始めとする大規模言語モデルは、このDeep Learning の延長線上にあるとは言え、規模と言う面で、飛躍的に性能が向上しています。 所詮は文章のつながりを学習するだけとは言え、人間も同じような学習の上で知能を発揮しているわけですので、根本的な創造性のところは異なりますが、80%は学習の結果なので同じと言えば同じです。

最近、規模の拡大が想定外の性能向上をもたらすと言われています。 Deep Learning も開発者の意図するところ以上の性能を発揮しました。 今話題となっているGPT-3のニューラルネットワークのパラメーター数は1750億個、発表されたばかりのGPT-4は5000億から6000億と言われています。 さらに学習データの量は、GPT-3の3,000億トークン程度から、10兆トークン程度になると予想されています。

こうなってくると開発者の意図の想定を超えた性能を発揮するようです。 文章を全部絵文字で表すとかは、全く想定外の結果です。 人間の脳髄も単純な神経シナプスが何十億と言う数で意識が芽生えているので、今回のAIもここまで規模が大きくなると、AI意識かどうかはわかりませんが、何らかの性能ジャンプがあると思います。 以前から次の技術ジャンプはどのようにして起こるのか、ずっと注視してきましたが、そのジャンプの少なくとも始まりであることは間違いない様です。

GPTに代表される大規模言語モデルは、今のところ何が出来るのか探っている状態でしょう。 他方デスクトップPCでも使える言語モデルも登場していて、自前の特定の学習データを入れて使うと言うような応用もあるようです。 例えば学習指導要領は小学校編だけで3,366頁におよぶので、これを学習させ質問Botを作ったと言う例があります。

大学の入試試験を解かせると東大合格レベルだとか、司法試験を受けさせると合格レベルだとか、記憶に頼る試験に関しては、優位にあると思います。 他方、本欄もGPTで書かそうとしたのですが、なかなかうまく行きませんでした。 他のGPTで作ったと言う記事も、斜め読みするだけでAIが作ったと言うのが分かります。 これは当然で、新しい情報は学習しようがないので、文章がもっちゃりした、一般的な記述が目につきました。

さらに知らないと言う事を回答しないので、エープリルフールではないですが、言語モデルのデータだけを元二平気でうそを並べます。 そのウソも、完璧に近いもっともらしい話に出来上がり、ウソと見破るのが難しいです。 AIの悪用を恐れてGPT-4以上の開発を一時停止するように、AI界の重鎮やイーロンマスクが声明を出しました。 一種、生命科学の研究制限のようなものでしょう。 止めることは出来ませんが、開発を遅らせて、その間に対応策を講じる時間を得ようと言う事です。

実は、このBlogもBPTで造ろうとしたのですが、GPT-3 は2021年までのデータしかなく、もちろんのことAIが自分で新しいことを書ける訳でもなく、すくなくともネタは入れてあげないと作文してくれません。 さらに今月の読み物の「李王家(りおうけ)の縁談」の解説を書かそうとしたのですが、2021年にはこの本は出版されていないので、過去の恐らく韓国で出版された李王家に関する資料があって、林真理子はそれの翻訳者のされてしまっていました。 出来が良いだのと勝手な解説も創作していました。 全くのデタラメで、即没にして自分で書きました。 世間で言われている程ではないです。

一方、作詞などは人間が作っても、何処かで聞いたような文句が並ぶので、これはAIが作っても大差ないと思います。 そのまま使うのはあまりなので、下書きとして使って、人間が推敲するのがベストだと思います。 いずれにしても、生産性は大幅に上がります。

今月の読み物は、林真理子さんの『李王家(りおうけ)の縁談』文藝春秋 2021年11月25日 1,760円

梨本宮伊都子(なしもとのみやいつこ)娘の方子(まさこ)妃の結婚相手探しに奔走し、韓国の純宗(スンジョン)皇帝の弟で、日本に留学中の李垠(イウン)という青年がいた。日本の皇族と同じ地位を約束されていたので、結婚させたが第1子が韓国で死亡し、その後の関東大震災で避難生活を余儀なくされた。

伊都子はイタリアで生まれたので、この名が付いた。 母親は鍋島 榮子(なべしま ながこ)。鹿鳴館では戸田極子と共に鹿鳴館の華と呼ばれた。 お陰で美人に生まれついた。

秋篠宮家の長女・眞子さんのご結婚に伴い「皇族の結婚」が注目されているが、タイミングが重なったのは「本当にたまたま」らしい。 戦前の皇族・華族の結婚問題を描いた。伊都子は16歳の時からほとんど毎日、日記を書き続けた。この日記や資料が元になっている様子で、現実感があります。

韓国の将来の皇帝となる人物との結婚は、将来に問題が出るのを分かっているはずですが、地位に拘って踏み切っている。 この辺の感情も日記を元にしているので、物語なのだが実際の状況とはそんなに変わっていないと思います。 日本政府の韓国併合方針とも合致したので、その方向に動いたのか。

ワクワクしながら読むものでは無いですが、皇族・華族フェチの方はどうぞ。


 

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