今月のひとこと 2024年12月号

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今月のひとこと 2024年12月2日


トランプ 政権は政権発足前にもかかわらず人事 をどんどん発表しています。 前回政権の時は政権発足後も 人事がほとんど 決まらなかったように思いますが、 今回はかなり経験を積んだみたいで、次々と決めています。 一見とんでもない人が任命されているようですが 実際はどうなっていくのかよく分かりません。 例えば今話題になっている前政権の時にトランプが任命した FBI長官ですが、人気は10年と決まっているのですが、交代するようなことを言っているようです。 確かに どうなるかわからない 不確定と言うのが トランプの最大の懸念であり、対外的には武器になっているようです。

日本の株価はあまり 冴えませんが、まあこんなものなんでしょう。 上がったり下がったり少しのことで上下に振れるようです。 しかし全体として 経済的には非常に良いようです。 悪い時には悪い悪いと言われているのですが、良くなるとあまり言わないような気がします。 税収はかなり 上振れしていて、これも財務省的には都合が悪いのか、あまり言わないみたいですが、上振れは一桁兆円であることは間違いないです。

国民民主党の 103万円の壁 問題ですが、所得的には実際は効果はほとんどないと思いますが、 控除を178万円にあげると効果あります。 かなりの税収減になるということですが、 反対にそれぐらいの税収はアップするんではないかと思います。 今年でもそれの半分ぐらいの税収アップになっていますので、そんなに大騒ぎすることではなのではないかと思います。

いずれにしても増税や社会保険料の値上げで、今や国民負担率は50%超になっています。 通常のサラリーマンです と社会保険の半分は会社持ちになっていますが、 国全体で考えると個人と会社の両方の国民負担率は50%超になっています。 これはいつも言っていますが 江戸時代の四公六民と言われ、40%は領主に年貢として収めると言うことを超えています。 当時は 社会保険とか 医療保険はなかったし短命だったので、その分は 割引で考えないといけないと思いますが、基本的には負担率は高くなっています。 世界でもっとも成功した社会主義国と言われる所以です。

最近 気がついたのですが、 高額医療費はよく知られていて、これの手続きは面倒なのですが、これがマイナカードで一発でできるというのは、 マイナーカードの威力だと思います。 しかし、それ以外に身障者の医療補助と言うのがあって、 これはあまり知られていないと思いますが、これは1回の受診について 500円のみ負担ということです。 処方箋で薬局に行って薬をもらって、また500円かかるということですが、基本的にいくらかかってもワンコイン 500円で済むということで、 これはすごいなと思いました。

さらに月に6回 3,000円を超えると それが 割り戻されるということで、 月にいくらかかっても医療費は 3,000円以上はかからないということです。 これを毎月やれば年間3万6000円なるので、高額医療のとの関係がよく分かりませんが、いずれにしても 最大年間で これしか かからないということになると思います。

日本の 社会保険 特に 医療保険は素晴らしいと思います。 しかしこれを目当てに外国から短期間で来日して、これを使って医療を受けるというようなことが頻発してるようなので、これは何とかしないといけないと思います。 マイナカードの保険証化の目的の一つに これもあるのではないかと思っています。

IT の話題ですが、 AI はもうすでに かなり 浸透して、検索してもまず AI の回答が先に出るようになってきました。 AI の回答は時々 怪しいことがあるので、それ の実際の出所をチェックしないといけないと思います。 時々 妙なハルシネーションが起きている時があります。

Google の NotebookLM というのがあるのを思い出して、やってみました。 OpenAIなどでは、元の文章をプロンプトで張り付けないといけないのですが、これは、文章のファイルをいくつも先に指定しておいて、その上で指示をだせるので、使い勝手が良くなりました。 試しに前回の本欄の手直し前の原稿を要約させたら、なかなかうまくまとまりました。 引用しようと思ったのですが、長いので止めました。

現在の AI の中心的技術として LLM がありますが、 これの内部動作を解析した人が居て、人間の脳髄に類似した動きをしているとの報告です。 LMM は何億 パラメーターとか言われているように、パラメータの数でその規模が決まります。 少ない パラメータでも性能を発揮するようなものも 最近開発されているようですが、基本的には大きなパラメータの数が必要とされています。

そのパラメーターの領域を研究した人がいて、それが脳の領域と似たような動きをしているということらしいです。 脳も基本的にはパラメーターに相当する シナプスの塊ですので 、これの領域を色々研究されてきましたが、それと似たような動きをLLMがやっていると言うことらしいです。 ということはLLMのパラメータの数が脳のシナプスの数と似たようなところに来ると本当に人間のと同じ自意識が芽生えて人工頭脳 という名前にふさわしいものになるのではないかと思います。

ちなみに人間の脳は100億個の神経細胞と14兆個のシナプスがあると言われています。 一方のLLMは、現時点で2兆個のパラメーター数のものが作られています。 その差は1桁未満。 数年で人間に追いつくと言う根拠になっていると思います。 常に30年後完成と言われる核融合発電よりは遥かに実現性が高いと思いますし、社会的は影響も大きいと思います。

自然の生命の成り立ちは数の関数になっていると思います。 一番小さいのはまだよく解明されていませんが、 クォークから原子が出来、電子が集まり 分子になる時に、また物理的性質が現れて、その分子が集まると細胞になり、自己増殖する生命体になり、進化が始まります。 進化の果てに 人間が生まれ、人間の脳髄もその進化の先端にあって、自意識が生まれ、自分自身と自身の環境をコントロールできるようになったというのが、現状だと思います。

これから人類が進化するのかという疑問に対しては、おそらく止まってしまうのではないかと思います。 なぜなら人間は環境も 制御できるので、従来の進化のきっかけであった環境の変化ということに対しては、強くなっきているし、逆に言うと マイナスポイントとしては、 超長寿になってきたので、 従来は進化過程で振り落すような、長寿に関わる病気、 癌などが医療の力で人工的に解決して、進化に頼らずに済ませられるようになった。 人間ぐらいの複雑な生命体になると突然変異による進化というのは、あまり考えられず人間の種類というのは非常に少なくて、人種という違いもありますが、もはやこれは生物学的にはもう1種類だと考えられます。

後にあるのは自然選択による進化ですが、これも 先ほど言ったように 医療の力で やってしまうので、自然選択による進化はあまり考えられません。 ただ 極端な症例によっては、遺伝病というのは依然としてあるので、あまりそこの自然選択 というのは効いていないのかもしれません。


今月の 読み物は長編です 「不毛地帯(一)」 新潮文庫 2009/3/17 山崎 豊子 著

超長編なので、本当は まだ読み終えてないのですが、 最初のシベリア抑留の話 のところは終わりました。 凄惨な話ばかりで、本人への取材は当然してると思いますが、さすがに文筆家の文章というのはすごいものだと感心しました。 その後の商社に戻ってからの活動に関しては、ちょっとステレオタイプ的なところがあって、あまり面白くないのですが、この辺までやって読み終えたところです。

拷問、飢餓、強制労働――地獄のシベリアから生還した男。
商社マンの孤独な戦いを通じて戦後史を活写する記念碑的長編。

大本営参謀・壹岐正は、終戦工作に赴いた満州でソ連軍に抑留される。
酷寒のシベリアで、想像を絶する飢餓と強制労働に11年にわたって耐え抜き、
ついに昭和31年、帰還を果たした。
その経歴に目を付けた近畿商事の社長大門の熱心な誘いに応え、
第二の人生を商社マンとして歩むことを決意。
地獄の抑留生活の傷も癒えぬまま、再び「商戦」という名の新たな戦いに身を投じる。

目次
一章 出会い
二章 壊滅
三章 社長室
四章 シベリア
五章 運命
六章 濁流
七章 戦犯
八章 地の果て
九章 門出
十章 祖国へ
十一章 再出発
十二章 春雷

登場人物
壹岐正…軍の最高統帥機関の大本営で参謀をつとめたのち、シベリアで抑留される。帰国後、近畿商事に入社。
大門一三…近畿商事の社長。軍人上がりの壹岐を独断で採用。だが、次第に老害が目立つようになり……。
里井達也…近畿商事のナンバー2。大門社長の右腕。壹岐に激しいライバル心を燃やす。
鮫島辰三…近畿商事のライバル会社、東京商事のエース社員。仕事で壹岐とたびたび対決する。
秋津千里…壹岐と戦前からの知己、故秋津紀武中将の娘。陶芸家。

著者の言葉
「不毛地帯」とは精神的飢餓状態を意味しています。昭和四十年以降、経済成長は異常な勢いで進行し、確かに物質的には豊かになりましたが、あらゆる人間の欲望が金銭で解決できると思いこんでしまったために、精神的には全く頽廃してしまった、それは政治のみならず教育問題にまで及び、大人の世界ばかりか子供の世界にまで蔓延していますね。日本全体が不毛地帯と云っても過言ではないと思いますが、いかがでしょうか……。(「戦後の日本人の歴史」より)

山崎豊子(1924-2013)
大阪市生れ。京都女子大学国文科卒業。毎日新聞大阪本社学芸部に勤務。その傍ら小説を書き始め、1957(昭和32)年に『暖簾』を刊行。翌年、『花のれん』により直木賞を受賞。新聞社を退社して作家生活に入る。『白い巨塔』『不毛地帯』『二つの祖国』『大地の子』『沈まぬ太陽』など著作はすべてベストセラーとなる。1991(平成3)年、菊池寛賞受賞。2009年『運命の人』を刊行。同書は毎日出版文化賞特別賞受賞。大作『約束の海』を遺作として 2013(平成 25)年に逝去。


 

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