今月のひとこと2010年6月号


「今月のひとこと」の目次
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2010年6月6日

政治の世界もまさかの大逆転で、それもやっと一段落して、一応の方向性は決まったと思います。 有権者が選択したのだから、と言う論調が目につきますが、何も総理大臣まで選んだわけではありません。 こういう事を見ていると、やはり国のリーダーは国民が直接選挙をする大統領制にしないと、その人の考えや政策が十分にチェック出来ません。 またこれにより強いリーダーシップが取れると思いますが、現在の仕組みでも同じような選挙方法が取れるでしょう。  衆参同日選挙で信を問うのがもっとも分かりやすい、リーダーシップが取りやすい方法ではないでしょうか。  



市場の動きもなかなか面白かったです。 首相の辞任では動かず、幹事長の辞任で上昇したとの事。 市場というのは多数のリアルタイムの投票みたいなものですから、一瞬にして評価が出たと言うことでしょう。 本欄でも以前に述べたように、選挙は重要で数がすべてを支配すると言う事は本当ですが、結果としての数であるべきで、最初から票と言う数を取りに行くばかりでは、理念が生きてこないと思います。 前首相のように単に言葉だけで思いを述べるのだけでなく、それを実現する目玉となる政策とのセットでないといけないでしょう。



前回は、オープンカーの話で、今回はその続編のハズでしたが、いろいろ面白い話題が出てきたので、アッさりと延期して今回は盛りだくさんです。



宇宙航空研究開発機構(JAXA)がH-IIAロケットで打ち上げた金星探査機「あかつき」です。 戻ってくる「はやぶさ」が話題になっていますが、注目すべきは、あかつきに小型相乗り衛星として「IKAROS(イカロス)」が打ち上げられた事です。 イカロスは、超薄膜の帆を広げ太陽光圧を受けて進む太陽風ヨットです。 この帆の一部に薄膜の太陽電池を貼り付けて、これで発電をすると言う事ですが、なにより嬉しいのは、太陽風ヨットであることです。



太陽からの主に光の粒子の圧力を受けてヨットのように宇宙を帆走するのです。 ロマンがありますねぇ。 普通の水上のヨットもロマンがありますが、宇宙でしかも太陽風とは、何とも言えないロマンがあります。 理屈の上では、光速まで加速できるのですが、質量があるので、その10%にも行かないのでは無いかと思います。 いずれしても、これが実際に作られて、ロケットで打ち上げられて帆走していると考えると何とも言えない感慨があります。



何十年も前に、この話を本で読んでいたので、なんとか思い出してみると、SF作家アーサーCクラークの短編集「太陽からの風」(早川書房)の表題作でした。 現物は探したが出てきませんでしたが、 カバー解説文から抜粋すると、赤道上空22,000マイル。今、男たちは太陽ヨットレースのスタートラインに並んでいた。途方もなく大きな円形帆は、惑星の間を吹く風を受けて、いっぱいにふくらんでいる。レース開始まであと3分。これから地球を2周してその加速で地球から脱出し太陽の風を背にまともに受けながら、月へ向かうレースが始まる…男たちの夢とロマンを乗せ、宇宙を疾駆する太陽ヨットレースを描いた「太陽からの風」



日本語入力で、PCのWindowsに付属しているMS-IMEにイライラしていませんか? 思った変換が出来ない、例えば「京滋」みたいな単語でも出てきません。 ずっとイライラしていたのですが、最近ひょんなことから、GoogleがIMEを提供(もちろん無料で)していることを発見しました。 早速インストールしてみると、これがまああまあで、少なくとも今までのイライラはかなり低減されました。 インストール時間も少なく、再起動も必要なく、XPでも7でもOKでした。 流石にGoogleで、Web上の単語はすべて出てくるそうです。 また、ケータイでも実装されているような、予測に基づく単語候補も出てきます。



半角の設定(記号を半角にするとか全角にするとか)も便利です。 ただIMEのON/OFFの切り替えキーの設定とかは、まだ不便で設置ファイルを書きなおさないといけないようですが、これも近々に改善されると思います。 ATOKをインストールするとシステムエラーが頻発して、これ以来はATOKは絶対にインストールしない、また有料でしかも結構な値段がする。 その反動でWnnのPC版を作ったのですが、なかなかバージョンアップに追ていけなくて、結局イライラしながらMS-IMEを使い続けていました。 けれどこのGoogle IMEですっきり解決しました。



今月の読み物(今回は読まなくて良いですが)は、我、知事に敗れたり―2009年9月堺市長選 (単行本)木原 敬介著 ¥1,575 です。 シャープの誘致とかでそんなに失敗もないのに何故市長選挙に負けたのか、前から不思議でしたし、堺市はいろいろ関係があったので興味があり、読んでみました。 結論から言うと、大した内容の本でもないので、わざわざ高いお金を出してまで買うべきものでは無いと思いました。 ダラダラと恨みつらみを書いているだけで、政策としては、LRTが中止されたことが最後まで未練がましく記述されています。 この木原さんと言うのは民間から大阪府に再就職した人ですが、やはり役人が合っていたのだと思います。 お役人らしく、一つづつ政策を積み上げていくやり方で、確かに本人の言う様に、実績は着実に上がってきている、どこが悪いのか? と言うことでしょうが、良い悪いは別にして大阪府知事が言っているのはもっと大技で世の中を変えると言う事で、これは相手が悪かったとしか言いようが無いですね。



また、堺市が政令市になった事が長年の夢で大きな成果としていますが、何で大阪府の中に政令市と言うような、二重権力体制みたいなものが必要なのか良くわかりません。 堺市の立場なら、権限が大きくなる政令市は意味があるのでしょうが、大阪府の立場から言うと、アンタッチャブルがひとつ増えたことになります。 大阪府知事のターゲットは大阪市と堺市で、これを解体する大技が大阪都構想でしょう。 政令市は府と同格と言う事で、大阪府の担当はこの2市を除く他の地域と言う住分けになって、政令市内では、府と市の二重行政となってしまいます。



大阪府では、まず水道事業の一本化を目指したのですが、結局一本化出来ず、最後は大阪都構想で大技をかけたと言うことでしょう。 どっちが良いとか正しいとか言う事では無くて、チェンジ・変革をして欲しいとみんな思っているので、残念ながら前堺市長の言い分はよく分かりますが、議論のレベルが違うのと、時代が変わってきていると言う印象を強くもちました。



著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

木原 敬介

1939年、大阪府豊中市生まれ。大阪大学法学部卒業。伊藤忠商事を経て、1964年大阪府採用。美原町助役、大阪府地方課長、堺市助役、大阪府税務長、大阪府企業局長、大阪府水道企業管理者を歴任。2001年堺市長当選。二期八年間在任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)







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