今月のひとこと2012年9月号


「今月のひとこと」の目次
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2012年9月3日
株価も、やっと9000円を超えたと思ったら、すぐに8000円台に逆戻り。 超薄商いらしいし、最近の株式は、全く流行りませんね。 Face Bookも売出価格の半分まで落ちたらしいし。

先日の日経だったか、Face Bookの データセンターの話が載っていました。 東京ドーム10個分だそうです。 ここにFace Bookが自分で設計して、公開しているサーバーが、何万台と入っているとのこと。 1日当りの写真のアップロードが3億枚との事。 電気代だけでもすごい金額になるし、問題はその冷却。 外気で直接冷やしていると言うのがウリになっているほど。

日銀も景気見通しを下方修正しているし、震災復興だけでは海外のヘコみを取り戻すには力不足なんでしょう。 中国も実態はかなり悪そうだし、インドも落ちてきている。 もっとも、元々が8%とか6%とかの成長だったので、ヘコむのは当たり前ですが、それに頼ってきた特に日本としてはしんどいところです。 台湾の世界最大のEMSにシャープも支援を仰いでいますが、いっそのこと完全に買収されてしまったほうが良いのかも知れません。 液晶命でずーっとやってきたシャープも、最後の賭けに失敗したんですね。 亀山が出来過ぎた。 好事魔多し。

電卓をやっていた頃、シャープは液晶そのものに手をつけて、その液晶を中心に、基盤一枚で出来るようにして、他の会社を駆逐した。 この頃から、設備でものを作ると言うDNAが有ったのか、生まれたのかは分かりませんが、今から考えるとその当時から、この路線は惹かれていたように思います。 縁があったら、ひょっとしてシャープに就職しててたかも知れんので親近感があります。 液晶テレビ一本でやりだした頃から、少し危ういと思っていました。 他の家電はそんなに強くないですから、TVがコケたら全部コケると言う構図が現実になってしまったようです。 個々には面白い家電もあるんですが、やはり家電は総力戦ですから、少ししんどかったのでは無いでしょうか。

電気と来れば、やはり最大の問題は、原発ですね。 しかし最近の原発の報道を見ていると、普天間の「最低でも県外」を連想するのは私だけでしょうか? 「最低でも脱原発、出来たらゼロ」みたいな風潮を政府が醸し出している感じがしました。 普天間でも同じですが、確かに原発はゼロにした方が良い、これには誰も反論は無いでしょう。 ただし、そのためには何を犠牲にしないといけないのかが、明確になっていません。

原発ゼロは、いわゆる正論です。 正論には正面切って反論するのは出来ないです。 国の安全保障とエネルギー安全保障は言葉も中身も似ています。 私の正論は、エネルギー安全保障の立場、自然が与えてくれたエネルギーを無駄にしない、国際的な原子力政策に責任を持つ、観点で、安全な原発を開発して、有効に使っていくべきだと思っています。

それと政府が言っているエネルギー政策(政策と言えるところまで行ってませんが)ですっぽりと抜け落ちているのが、家庭における都市ガスを利用した燃料電池です。 この議論は、震災前の自民党政権の時に盛んに行われて、補助金まで出たんですが、何故か最近はこの話を聞きません。 意図的に避けているとしか思えません。 先日TV番組で仙谷氏がこれに触れていました。 だから知らないわけでは無いと思います。

日本の電力消費のざっくりと半分は家庭です。 家庭が自足自給したら、電力問題はあっという間に解決するんです。 それが太陽パネルでは、体の良い詐欺みたいなものですから話になりません。 電池も置いたら? と言う話がありますが、自動車のバッテリぐらいで、どれくらい賄えると思っているんでしょう。

燃料電池の開発を促進して、原則的に家庭は自足自給。 これに補助金を付ける。 新築のマンションも設置を義務付け、既存のマンションにも設定を推進する。 他方、電力会社の電気料金は高く設定する。 これで3000万世帯ぐらいに普及すると、原発は要らなくなります。 しかし原発は10-20%程度保持して、火力を減らしていくべきです。 自動車を年間1000万台も作れんですから、年間300万台を作ったら10年で3000万台になります。 不可能な話では無いです。 国内向きの産業なので、太陽光パネルよりも遥かに、景気に寄与するでしょう。

燃料電池はCO2を出さないという話もありますが、燃料電池のための水素を都市ガスの主成分であるメタンから取り出す時に発生します。 メタンはCH4ですから、Hの水素取り出すと、残りはCで、これが炭酸ガスになります。 固体化してどっかに捨てられたら良いのでしょうが、これにもエネルギーが必要でまたCO2が出ます。 私はCO2撲滅論者では無いですが、減炭素はやらないといけないと思います。 何でも過ぎたるは及ばざるが如しで、一気に大量に使うと何かしら問題が出ると思います。

発送電の問題がクローズアップされていますが、大量の電力を送るから大変なので、「地産地消」、「自給自足」すれば、大規模な送電線は要らないと思います。 風力などの、いわゆる再生可能エネルギーはわずかですから、送電線がないのは問題ですが、それなりの送電線があれば良いと思います。 それと電力会社はあまり情報を出しませんが、配送電ロスがどれくらいあるかです。 個々の電線とか変電所とかで見るとわずかでしょうが、トータルで見ると結構大きいのでは無いかと思います。 その為に、超電導のロスレスの送電線を開発しているので、送電ロスがごく僅かであれば、ここまでする必要は無いと思います。

今月の読み物は、先月に引き続き吉村モノです。 新装版 赤い人 (講談社文庫) 吉村 昭 著
読み応えがあると言うか、心が重くなる。 100年前まで、こう言う囚人による強制労働が行われていたんですね。 冬の北海道で、素足で戸外作業をすると言うのも壮絶。 シベリア強制収容所でももう少しマシとさえ思われます。 だから当然凍傷にかかって不具になり、いずれは死んでいく。 監獄を矯正のためでは無くて、懲戒のためだと言う考えがあったのです。 従って、どうせ死ぬならと脱獄が多く発生します。 この小説の後で「破獄」が書かれたのも、偶然ではなさそう。 緒形拳主演で映画にもなりました。

赤い人は直接では無いですが、これと同じ設定で「北の螢」と言う映画がありました。 ご覧になった方も多いと思います。 主題歌を森進一が歌っていました。 仲代達矢主演。 てっきり吉永小百合が出ていたと思ったのですが、岩下志麻でありました。 仲代達矢の月潟剛史典獄(赤い人では月形)が歌うぶらぶら節が、吉永小百合の長崎ぶらぶら節と繋がっているので、そう思ったんでしょう。

内容説明
明治14年、赤い囚衣の男達が石狩川上流に押送された。鎖に繋がれ苛酷な労働を課せられた囚徒と看守達の敵意に満ちた命がけの物語。
内容(「BOOK」データベースより)
明治十四年、赤い獄衣の男たちが石狩川上流へ押送された。無報酬の労働力を利用し北海道の原野を開墾するという国策に沿って、極寒の地で足袋も支給されず重労働を課せられる囚人たち。「苦役ニタヘズ斃死」すれば国の支出が軽減されるという提言のもと、囚人と看守の敵意にみちた極限のドラマが展開する。






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