絵や写真をクリックすると、その関連ページが参照できます 2014年3月1日 株価の戻りが遅いと言うか、想定通りと言うか、経済アナリストはいろいろ言いますが、このまま4月の消費増税に突入しそうです。 その後の展開も、6月には戻るとか年内はかかるとかいろんな意見がありますが、結構時間がかかると思います。 その結果、10%は見送りになると思っています。 このまま、あと2%アップしたらガタガタになってしまうような気がします。 夏の内閣改造で、麻生さんが残るかどうかで、決まると思っています。 EUもだんだんと日本化しつつあり、デフレに突入の可能性が高くなってきました。 EUは過去はうまく危機を乗り切ってきましたが、じわじわとくるデフレに対応できるのでしょうか。 日本にも影響が大なので気になるところです。 あれだけ円高円高と騒いでおきながら、いざ円安になると、その効果は物価押し上げと一部の海外展開をしなかった、もしくは遅れていた国内生産の比重が高い企業の利益アップにしか効いていないように見えます。 円高の時に中小企業の社長から円高がすべての元凶みたいなことを言われて非常に違和感があって、未だによく覚えています。 国内の中小企業は、それなりに影響はあるのでしょうが、直接の影響は無いはずと思っていましたが、やはり実際に円安になってみると、その効果は限定的であることが明確になってきました。 そもそも自国通貨が高くて文句を言い、安くなって安心すると言うのは、どこかおかしいと以前からの自説ですが、特に原発が止まって燃料費がアップしている現時点での円安は、貿易赤字の原因になります。 もっとも、燃料費のアップはたいしたことは無くて、その試算が過大だとか、円安だけの効果だという話もあります。 いずれにしても、従来言われていたような、円安万能論には限界があると言うことで、これからは適正な為替水準に落ち着いていくと思います。 原因はともかく貿易黒字が急速に減ってしまって、貿易赤字が定着しそうです。 日本は世界最大の債権国ですから、その配当とかを入れた経常収支は、依然黒字なので、当面は問題ないですが、これも減りつつあって、最終的に外貨準備が減り始めると、国富が減少すると言うことで、国債の価値に疑問符が付いて、価格の下落つまり長期金利のアップと言う事態になってくると、これは大変なことになります。 長期金利は日銀の異次元緩和で、低いままです。 一時は乱高下しましたが、最近は落ち着いてきて、しかしこの間見た広告では、変動住宅ローンが0.6%で、びっくりしました。 1%を切った時点でもびっくりしたのですが、その内に0.8%になり、最近は0.7%で、これが底かと思っていたら、さらに下がりました。 これは実際の金利ですから、銀行が調達する金利はもっと安いことになります。 経済とITの狭間の話題は、何と言ってもビットコインでしょう。 年明けからビットコインの新聞記事が増えたなと思っていたら、取引所が閉鎖と言うことで、大きなニュースになりました。 仕組みがイマイチ明確ではありませんが、暗号化技術で良く使われる、公開鍵と秘密鍵の鍵ペアを使った仕組みのようです。 公開鍵を使って振り込みを行い、秘密鍵で引き出すと言うことらしい。 しかし、これだけでは特徴の一つである匿名性が保たれないので、何らかの仕掛けがあると思いますが、技術的には大したものでは無いと思います。 今回の問題は、この鍵ペアが破られたと言うことでは無くて、取引所のサーバーがハッキングされたと言う良くある話だと思います。 もし鍵ペアが純技術的に破られたとしたら、これは大問題で、世の中が根本的にひっくり返る可能性があります。 同じシステムを住基ネットはもちろん、ネットバンクでもセキュリティの高いビジネス口座にも中心的に使われています。 あれだけ大騒ぎして本欄でも取り上げたSTAP細胞が怪しくなっているようです。 論文に掲載の写真が取り違えていたと言うそれ自体は大きな問題ではないのですが、発表から1ヶ月経っても、実験の再現がどの研究所でも出来ていないようです。 ネットを見ると、「いや、1ヶ月では結論が出ない」、「STAPの特徴は短時間に培養できるはず」、「特許も取っているから」、「特許取っても正しい保証は無い」、「特許を完全に押さえないといけないので、論文には全部書いていないはず」、「全部書いていない論文なんて意味が無い、追試が出来ることが論文の必須条件」などなど憶測が渦を巻いています。 本欄で先月取り上げたように、過去の常温核融合事件と展開が似ているので、同じ展開にならないように祈ります。 世界中で追試は行われているはずですが、今までで5-6カ所の否定的な結論しか出ていないようです。 総本山の京都大学IPS細胞研究所の追試とその結果を知りたいものです。
今月の読み物は、「世界は分けてもわからない」講談社現代新書 福岡伸一著 ¥ 819 1980年代、E・ラッカーという高名な生化学者が、癌化におけるリン酸化カスケード理論、「まず司令塔の酵素があり、それにより酵素が次々にリン酸化し、最後に細胞のリン酸化が起きて、細胞が癌化する」を提唱した。ラッカーの研究室はその仮説を実証すべく、蛋白生成、酵素反応、電気泳動の実験を膨大な数行うのだが、誰もその理論を立証できなかった。 現在では、これは正しいとされ、これを元に夥しい数の新薬が作られていて、ノーベル賞級の研究だったのですが、以下のような前代未聞の捏造事件で、その名声は地に落ちてしまいました。 ある時、大学を卒業したばかりのマーク・スペクターという若い研究者が研究室に入り、彼が実験をすると、今まで誰も証明できなかったカスケード理論を立証するデータを次々に生み出していきました。スペクターの実験は彼のみしか成功しないものが多く、彼は「神の手を持つ実験者」と皆からみなされるようになった。 スペクターの努力により、ラッカー教授のリン酸化カスケード理論は完璧に近いものに完成し、あの超一流学会誌「cell」にも論文が載った。 しかし、ひょんな偶然から、彼の実験はすべて捏造ということがばれ、スペクターは行方不明となる。 スペクターは天才実験者ではなく、天才詐欺師であったのだ。 自分のサイトを検索してみたら、4年前にも紹介していました。 こちらも、ご覧ください。 ★★★ 是非読むべし
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