今月のひとこと 2023年5月1日
コロナも本格的に下火になってきてきました。 感染者は多少増えてるみたいですが、 例年冬になると 100万人規模のインフルエンザ感染者と、それに伴う死者が出るのでコロナもインフルエンザ並みになったということではないでしょうか。 おかげで 3年ぶりで夏祭りも開催できることになりましたし、先日は 江戸時代からの伝統行事である藻切り行事という、実際は水路掃除ですが、これも行われました。 しかし終わった後の宴会はさすがに中止になりました。
本欄で以前からお伝えしてるようにChatGPTが急激に存在感を増してきまして、とうとう政治家までが、それについて言及するようになってきました。 どうもインターネットで出遅れたのでこの AI に関しては先に行こうということで、あまり 規制をかけないでおこうという意図が働いてるようです。反面 EU などは規制をしようと言うころみたいです。
役所では非公開情報は入れないというようなルールで使って行くようですが、本当にこれは守られるのかどうか。 役所の文章をChatGPTで要約ないしは翻訳をすれば必然的に役所内部の情報が出て行くことになるので、これは非常に危ういんではないかと思います。
お知らせとか 簡単な文章作りでしか使えないので これによる効率アップはわずかなものだと思います。いずれにしても役所とか特に日本の企業は、いわゆる DX が遅れているので、多少は行き過ぎは覚悟してでも取り組んでみたら良いと思います。 しかし問題が出たら羹に懲りて、となるので困ったものです。
日本の企業なり役所なり 組織では DX が非常に遅れている感じがします。 家に帰るとスマホとか AI とかどんどん使っているのに、職場に行くと全く使われない、使えない、みたいなことになっています。 これはひとえに 窓際の給料の高い人がやりたくないだけ、もしくは怠慢であると思います。 そこの部門長がやれと言って、やる気になればすぐできることだと思いますが、それに対して何かあった時の責任取るのが嫌だとか、やり方が自分自身分からないみたいなことがあるのではないかと思っています。
結果的に一番 デジタルに弱い人 つまり紙ベースでしか物事が運べない老人のために全てがその水準に引き下げられるということが起こっています。 以前に農協で生産物の管理をするという話があって、この時にマークシート+OCR方式のシステムが導入されました。
この時に言ったのはマークシートも良いが各生産者は自分で管理をしている。それと マークシートを使うとどうしても二重帳簿になる。 二重帳簿どうしても、そこで恣意 が入ってきて捏造が起きるという風に言って」、紙ベースとネットでの2系統の入力をしてくれと言ったのですが、結果的に 一番レベルの低い紙ベースに統一されて結局 真面目に管理してる生産者は二重手間になるという本当に日本の衰退がの原点がここにあるような気がしました。 さらには最近頻発している検査記録の捏造問題も、根は同じところにあると睨んでいます。
ChatGPTの1つの負の側面 というのは、スパコンや量子コンピュータを使うまでもなくパスワード破りが容易になったと言う点です。 通常の6桁とか 8桁ぐらいですと数分で解けてしまう。 もっと長いと何日もかかるみたいですが可能は可能です。 どれだけ時間とコストをかけるかと言う事のトレードオフになります。
パスワードは厳格であればあるほど良いというわけでもなく、それの機密の保持時間との関数だと思っていますので、1時間 持てば良いのもあるし、1週間手間と費用をかけて 解析すべき価値のあるパスワードもあるので、それぞれに応じて パスワードを作れば良いと思います。
私はだいたい3種類のパスワードを頭の中に入れておくことにしています。 一番低レベルは無料サブスクリプションで、特に漏れても問題のないもの。一つのフレーズを決めて 使い回ししています。 次は、そのサービスによって思い出せる変化文字を 16桁ぐらいの数字の中に埋め込んでいます。これですと16桁の数字を覚えておけば後はそのサービスから類推できる文言を追加すれば、パスワードができるという仕掛けです。 ほとんどのサービスで違う パスワードが生成できます。
一番厳格なのは例えばインターネットバンキングなどのログインパスワードです。 通常は2重認証がされていますので、あまり神経質になることはないのですが、パスワードは全ての種類の文字が含んだ長いものになっていて、これは必死に覚えます。 作るコツはパスワード生成 というアプリがあるので、このアプリで桁数を決めて次々とランダムにパスワードを出させて、この中で自分が覚えられそうなのを選ぶのです。どうしても覚えられない思うのはパスして、覚えられそうなのを選択すれば覚えることができます。
このランダムで生成されるパスワードの解読は、 AI でもなかなか時間かかるので、そこまで手間暇かけて解読したいと思う人がいるかどうか、だと思います。いずれにしても愉快犯的にやる人はいてるので リスクはゼロにはなりませんが、かなりの確率で特にプロの詐欺師は彼らは、やはりコスパを優先しますので そういうのには効果があると思います。
ChatGPTに使われているのは ニューラルネットです。これを 多層でやったのが 深層学習と呼ばれるものですが、これの動きが、 実際まだよく分かっていないようです。 なぜこうなるのか 最初に開発した人から見ると、こういう高性能化は起きないはずである、規模を大きくしても、効率悪くなって性能は落ちるはずですが、現実には性能は落ちずに、逆にどんどん上がっています。
面白いのは、数理科学と言う数学の一分野として人間が自分で作り出したものであるにもかかわらず、 その動きがよくわからないという自然科学みたいな場面が出てきているのが非常に興味深いです。
一番 基本的なところは 0と1の ブール代数で動いているのですが、これは一番上の、今で言えば AI の深層学習になるとよくわからないという話になってきます。 ChatGPTはその上に構築した大規模言語モデルですが、これも、そのサンプル数が増えてきて何千億となってますが、どんどん増えるに従って、また新しいのが出てくるのではないかと思っています。
否定的に言われる方は、言語の統計的処理してるだけだから 大したことはないというですが そもそもそのベースになっている深層学習があの仕組みがよくわかっていないという問題。 それと、例えば人間の脳ですと 一番ベースのニューロンの働きは分かってるのですが、それを100億 1000億と集めて脳になると自意識が発生して、全く違う方向になるということを考えると、今の深層学習も規模をどんどん大きくしていくと自我が発生するんではないかなというふうに思います。
すでに 人工知能を組み込んだアバターを25個 ほど実際の生活場面を模擬したゲームに投入したところ、それぞれが個性的な動きをし出したと言う報告もありますので、もう二桁三桁と上がると、状況が一変するのでは無いかと半分期待、半分恐怖を感じています。
現在のChatGPTは過去のデータから引用するので、あまり新規の創造的なものはない、という話ですが、記憶が必要な例えば 司法試験などには、強いと思います。 医学試験にも合格したというとか 東大入試やハーバード入試もにも合格できるレベルであるという報告もありますので、この辺になると 本当に人間は確かに創造性はあるのですが、本当にそれを発揮してるのはどの程度か、
ひょっとしたら10%とかいうレベルでは 残りは全部過去の知識をベースに動いてるのではないかと思いますので、あまり想像性があるから人間の方が優れてるというのは、特定の才能のある人は については言えるかも知れませんが、一般に関しては 大学教育まで受けてるわけですから、教育の成果として、日常生活があるということを考えるとあまり AI と変わらないなと。
ひょっとしたら AI が推論機能をもっと発展させると、それもカバーしてしまうんではないか。いずれにしても 今日の時点でChatGPTで書いた文章はもっちゃりしていて、一読してそれと分かりますが、もっと発展するでしょう。
今のChatGPTは分からないとは言わず、とりあえず何かの回答を返してくるので時に完全な嘘になります。 試しに皆さん 自分の名前をChatGPTに入れたら全然違う ストーリーの人物像が出てくると思います。 特に日本の場合はデータ不足なので、余程有名でない限り まともには出てこずに、全く違うものが出てくると思います。
先日の日経新聞を見てると米国のパロアルト研究所がスタンフォード大学に譲渡されたと言うベタ記事を見つけました。 研究所では Altoというコンピューターが開発されて、これは現在の性能的にも機能的にもパソコンとは変わりないのですが、縦型表示でモノクロながらA4サイズの書類をそのまま表示できるという、衝撃的なものでありました。
私も衝撃を受けてその後のコンピュータ開発につながりました。 同時にこれを見ていたのが、アップルのスティーブジョブズ でこれに触発されて、初代のマックを作ったようです。 次のLisaは失敗しましたが。 彼の 起業した自宅ガレージ とは非常に近いので、近くの大学の傍にある研究所 という感じだったと思います。
これでスタンフォード大学から始まった 最初のシリコンバレーの隆盛が、1つの時代を終わったんだ、という感じがして非常に感慨深いものがあります。 パロアルト研究所持ち主のXeroxはビジネスが下手だと言われました。 イーサネットもマウスも発明したのに、その成果がビジネスとしては現れませんでした。 結果的に良かったのか悪かったのか。
当時の PC はキャラクター ベースでネットワークもありませんでしが、今では高度な計算機能 高精細な表示 それと 高速のネットワークを備えたものでになっており、 当時、 私が SPC スーパー パーソナルコンピューターと名付けたのですが、Alotコンピュータは正にそれでした。
当時のネットワークはイーサネットで当時は3Mbpsしかありませんでしたが、その後 10メガ、100メガと来て、現在では1ギガ、用途によっては10ギガ まで伸びてきています。 当時のイーサネットはコントローラーがなく、ある意味出たとこ勝負の通信方式だったので、伝統的な通信屋さんには非常に評判が悪かったです。
某NTT出身の技術者に「イーサネットは嫌いだ」とはっきり言われたことをよく覚えています。 しかし、 結局ローカルネットワークは、自動車にまで搭載されたイーサネットが席巻したということになります。 イーサネットが出てきた頃に エバンジェリスト?として あちこち講演に行きました。 ある時は青山の防衛省、当時の防衛庁ですが、そこに イーサネットを説明に行きました。 いかにも現場の陸軍人言う感じの方が前の方で聞いておらてました。 本当にこれ 理解されているのかなというふうに思いましたが、まあいずれにしても、当時興味を示した自衛隊まあ大したものだと思います。
もともとインターネットがアメリカの国防省がお金を出して作って核戦争でネットワークが分断された時にも生存性が高いようなネットワークということで開発されたものです。 それの現場 レベルの通信がイーサネットであるということで、直接は関係ないのですが、同様に発展してきたということになります。
初期イーサネットは同軸ケーブルを使って同軸の心線に針を差し込んで繋ぐと言うスタイルの配線をやっておりましたので、私も当時の職場の天井に上がって、黄色いので イエローケーブルと言われてた同軸ケーブルを自分で張ったのを覚えています。
それから50年近く経ちましたが、コンピューターはどんどん相互につながり、当時のSFでしかあり得なかった 全世界のコンピューターが高速無線でつながっているということは夢のようです。
話が長くなったので今月の読み物は休みです。