今月のひとこと 2025年6月号

井伊直弼
井伊直弼|日米修好通商条約,安政の大獄,桜田門外の変

今月のひとこと 2025年6月2日

昨年の4月あたりからフォローしてきた 日本製鉄の US スチール買収が佳境を迎えました。 完全子会社にするという話が決まった、と言う報道があったのですが、 結局は トランプ大統領が最終承認をせずに中途半端になっています。 しかし日本製鉄も良く 頑張りました。 森社長が頑張ったのと、USスチール側がどうしても買収してもらわないといけない状態になっていた事が大きいと思います。

第一次トランプ政権時代の国務長官だった ポンペオ氏までアドバイザーに迎えてまでやって、土俵際 で何とか 持ちこたえたという感じですね。 この結果で日本製鉄さらには日本企業の政治力が如何ほどのものか分かると思って、ずっと注視してきましたが、大したもんだと思います。 まあ 日本製鉄としては、 どんどんお土産を渡す羽目になってしまいましたが 、これはある程度想定していたことなんでしょう。 最後の段階で黄金株 とかいうウルトラCが出てきましたが、これは意外に日本製鉄から出た話らしいですが、如何にも小手先と言う感じで、ウォールストリートのトップの面々が多数居る政権内では採用されなかったようです。

日米貿易交渉を見ていても連想するのは江戸時代のペリーやハリスとの通商交渉です。 明治政府の刷り込みで、必要以上に江戸幕府側がディスられていますが、ペリーが砲艦外交で脅して、その後にタウンゼント-ハリスと井伊直弼の間で交わされた日米修好通商条約 が不平等条約として有名ですが、思うより不平等ではなかったと言うことです。 トランプが日本はタフネゴシエーターと言うくらい、当時の江戸幕府も、朝廷の攘夷論との狭間で苦労して、しかしキッチリと交渉をまとめました。 現在は関税で脅されての交渉ですが、江戸幕府を見習って、したたかな交渉を期待しています。

WTO協定には「政府調達協定(GPA)」という協定があります。これは先に述べた「政府調達」の事業で、国内産業を過度に保護したり、外国企業を差別しないようにしたりするものです。

トランプ 政権の政策の方向性が良く分かりません。 貿易が問題だと言うのは貿易赤字が「悪」と言う点を除けば、中国をWTOに入れたのが間違いの始まりで、中国以外は為替操作とか補助金とかの不公正は少ないと思います。 問題は中国です。 サプライチェーンにしっかりと入り込んでいて、不公正極まりないやり方で、おまけに行儀も悪い。 ここを何とかしないと、いくら関税を弄っても難しいのでは無いでしょうか。

もっと同盟国を大切に連携して共同して中国に対応しないといけませんが、ちょっと交渉しただけで、対中国の関税は30%、中国側は10%、日本の自動車は24%で、一体どっちを向いているのかと言いたくなります。 現時点では対中国交渉はトランプの負けです。

今となっては遅きに失しますが、TPP をきちんと 発動して、中国包囲網を作っておけば良かったのと思います。 日本としては珍しくリーダーシップを発揮してTPPをまとめましたが、 今となってはアメリカは入らないので、ASEANとEUを参加させて、アメリカ抜きでTPPをまとめていくべきです。 すでにイギリスは入っていますので、他の国も十分可能性はあります。 現TPPの参加条件を緩めなければ、中国は入れませんが、中国はいろいろ理屈を付けて入ってこようとするでしょう。 RCEPというのもあるので、中国はこちらをメインに進めてくるのではないでしょうか。

こうなるとロシアと中国さらには北朝鮮がブロック化しますので、それへの対応も必要でしょう。 しかし中国も胡錦涛返りが伝えられますし、ロシアも連邦国家なので、何時崩壊するかもしれません。 しばらくは予断を許さない状況だと思います。

宇宙ヨット実験のイメージ図(提供 JAXA)

NATOもアメリカが抜けたら力が半減しますが、憲法上の問題はあるとしても日本も何とか参加して対ロシア防衛網を構築すべきでしょう。 こう言う構図では中国とロシアさらには北朝鮮が結託して対抗してくるでしょうが、いずれも日本と国境を接していますので、いずれにしても対応は必要になります。

最近パッとした話が少ないですが、イカロスの話題です。 金星探査機あかつきと相乗りで、2010年に打ち上げられた ソーラーセイルを主推進装置とした宇宙ヨットです。 2019年ごろから通信が途絶えたり、復帰したりを繰り返しましたが、2025年5月になって、全く通信が出来ない状態になってしまって、とうとう追跡を諦めたようで、プロジェクト終了となりました。

プロジェクト終了は残念ですが、宇宙ヨットが今も宇宙を航行していると想像するだけでワクワクします。 14mx14mの帆を広げて、帆には太陽光パネルが貼り付けられて、動力とし、帆自体は太陽光の圧力を受けて加速します。 光の圧力は僅かなので、加速も僅かですが、光速に近いところまで加速できます。

太陽から飛んでくる太陽風で推進する方法もありますが、イカロスは太陽風でなくて、太陽光で加速するらしいです。しかし太陽光はわずかで、全体で0.1gしかかからないようです。 そのため、太陽光パネルで発生した 電力でイオンエンジンを動かして、その推進力も利用しているようです。

こういう風に光や粒子を受けて 宇宙を航行する ヨットみたいなことは、私の感覚的には大好きなので、ずっと前に SF でそういう話があったのですが、実現したというので 当時 非常に感動したことを覚えてます。

051ファミリーワンチップマイコン ■限定特価品■
D8751H

IT関連の話題ですが、現在一番多く使われているマイクロチップ というのがインテル発祥の 8051 とのこと。 今なお現役で、1000種以上のバラエティーがあるとのこと。 私もこれが出た時に使ったのですが、非常に 使い勝手が良かった。 その後は当たり前になりましたが、当時は非常に珍しいと思ったのは、ピンにアナログとかデジタルの 入出力があって、それが設定によって切り替えられるということです。

如何にピンをうまく使うか、部品をみんなピンに繋いでしまって、後はタイムシェアで切り替えて使うのです。 例えば表示とキーの入力。 表示していないタイミングで、キーをスキャンすれば、一気にキー入力と表示が出来てしまいます。 こういうのは、当時の伝統的なハード屋さんでは手に負えず、かといってソフト屋さんにも出来ず、の状態でした。

問題は、まずチップが入手できないこと。 なんとか 代理店に交渉しても数個しか入らない。 さらに大きな問題はPROMに書き込んで動作するのですが、この書き込み機が特殊で入手が出来ない。 その後開発して作って商品化しましたが、当時は取りあえず書き込み機を入手するのが最大の仕事でした。

PDP-11/20の本体というかプロセッサ。実際にはこれに外付けで磁気テープドライブやらパンチカードリーダ/ライタやらも加わるので、3ドア冷蔵庫並みの高さのラックに収められている事が多かった 出所:Computer History Museum

最初のマーケットはアメリカだったので、現地でソフトウェアを修正しても書き込めない。 現地の会社の VP にお願いしたのですが、どこから聞いたのか、真夜中の飛行機で到着する人が持ってるという情報を仕入れてきて、空港の 到着ゲートで待ち受けて、その人間から無理やり半分で 借りてきたみたいですが、これで作業が 前に進んだというような 逸話があります。 もっともこの VP は日本人ですが、 その後事故で亡くなってしまって、 アメリカのビジネスがあまり成長しない一因にもなったと思っています。

さらに記事で見つけたのが PDP/11 まだ 現役で動いてるような感じですが、これは当時としては、スタンダードなミニコンで、 大きな存在でした。 その後 出てきた マイクロチップは みんな PDP/11のコマンドセットを 踏襲してるような気がします。 メインフレームに相当する上位機種は、標準となったVAXです。 性能は現在で言うと一番性能の低いマイクロチップより遅かったと思います。 公称1MIPS。 MIPSなんて言う単位は最近は使いもしません。

標準機になっていて VAXで動くか動かないかというのが当時ありましたが、だいたい1億円 したので 憧れの機種でした。 大きさも大きかったのですが、 何処かに残っているのでしょうか。 サンタクララのコンピューターミュージアムにはあるのではないかと思います。 一度休館日に行ってしまって、もう一度行きたいと思うのですが行く機会がありません。

知能とはなにか ヒトとAIのあいだ (講談社現代新書 2763)

今月の読み物ですが 「知能とはなにか ヒトとAIのあいだ」 (講談社現代新書 2763) 新書 ? 2025/1/23 田口 善弘 (著)

最初は通常のそもそもAIとは? という話から始まる書籍 だと思って読み(聞き)始めたのですが、 ニューロネットとの関係から始まって、人間と AI との関係について 非常に面白く 解説されていました。 最初の予想に反して非常に面白かった。 現在のLLMは 単なる統計処理 であり、AGIには別のアプローチが必要であるというのはこの筆者の立場ですが、 今日の日経紙にも記事があって、ここではLLMのようにデータを教え込むのでは無くて、AIが自ら学習する方式でないとAGIに到達しないとなっていました。
おそらく、もう一度シンギュラリティがあるのでしょう。 最初はディープ ラーニングで音声認識が高度になり、次のLLMであたかも人間が会話するようなツールが出来ました。 3回目でやっとAGIに到達できる方式が確立するのではないでしょうか。
オープンAIは新しい概念の携帯端末を開発するそうです。 現状のスマホは完成形に近づいていて、次は全部音声で操作するもので、表示は無いそうです。 しかしPCとスマホが共存する様に、新携帯端末、スマホ、PCが共存するようになっていくのでは無いでしょうか。

【Amazonより引用】
チャットGPTに代表される生成AIは、機能を限定されることなく、幅広い学習ができる汎用性を持っている、そのため、将来AIが何を学ぶかを人間が制御できなくなってしまう危険は否定できない。しかし、だからといって、AIが自我や意識を獲得し、自発的に行動して、人類を排除したり、抹殺したりするようになるだろうか。この命題については、著者はそのような恐れはないと主張する。少なくとも、現在の生成AIの延長線上には、人類に匹敵する知能と自我を持つ人工知能が誕生することはない、というのだ。
その理由は、知能という言葉で一括りされているが、人工知能と私たち人類の持つ知能とは似て非なるものであるからだ。
実は、私たちは「そもそも知能とはなにか」ということですら満足に答えることができずにいる。そこで、本書では、曖昧模糊とした「知能」を再定義し、人工知能と私たち人類が持つ「脳」という臓器が生み出す「ヒトの知能」との共通点と相違点を整理したうえで、自律的なAIが自己フィードバックによる改良を繰り返すことによって、人間を上回る知能が誕生するという「シンギュラリティ」(技術的特異点)に達するという仮説の妥当性を論じていく。
生成AIをめぐる混沌とした状況を物理学者が鮮やかに読み解く
本書の内容
はじめに
第0章 生成AI狂騒曲
第1章 過去の知能研究
第2章 深層学習から生成AIへ
第3章 脳の機能としての「知能」
第4章 ニューロンの集合体としての脳
第5章 世界のシミュレーターとしての生成AI
第6章 なぜ人間の脳は少ないサンプルで学習できるのか?
第7章 古典力学はまがい物?
第8章 知能研究の今後
第9章 非線形系非平衡多自由度系と生成AI



今月のひとこと  5月号

今月のひとこと 5月2日号

米ホワイトハウスのレビット報道官

トランプ政権が100日 になりました。 それにしてもトランプのニュースが出ない日がないぐらい いろんなことをやったと思います。 めちゃくちゃだとか 狂ってるとかいう話が いろいろありますが、トランプないしはトランプ政権がやろうとしてることと、トランプが実際やってることの乖離が激しいのではないかと思います。

それにしてもレビット報道官はすごいですね。 原稿も見ないでバーっと喋る。 答えたくない時でも、関連の話をバーっとやって、さらにどうでも良いことを、もう1フレーズ喋る。 英語も聞きやすくて、英語教室の題材にもなっています。 ちなみに、眉毛が太いメーキャップはMAGAケーキャップで。トランプ政権の女性は同じ化粧をしています。

成し遂げたいと思っているのは、バンス副大統領に代表される 40歳前後の若い 経済学者や政治家がやりたいと思っていることは、アメリカをもう少し 工業国に戻したい、ものづくりが出来る国にしたい、ということだと思います。サプライチェーンがほとんど 中国に依存してしまっていて、アメリカだけではモノは作れない、アメリカの力の源泉の軍備が作れなくなってしまっている事が大きいみたいです。

おまけに巨額の貿易赤字で、その赤字が競争相手国の中国に流れていて、 中国がその貿易黒字を使って対アメリカの 軍備をどんどん増強しているという非常に矛盾した状況で、 これを何とかしたいということだと思います。

歴史的に、アメリカの工作機械メーカーは不安定な需要に対し、受注残(発注を受けたものの納品していないもの)を蓄積することで対応していた。これにより、需要回復時に日本メーカーが迅速に新しい発注に対応した一方で、受注残があったアメリカのメーカーは対応できなかった。

そのためにはアメリカの産業構造を作り変えないといけないと言うことです。 確かにIT 分野ではアメリカは強いのですが、IT だけでは戦争はできないし、特に軍艦を作れなくなったのは大問題だと言うことで、 世界1位はダントツの中国、2位は韓国か日本で、これに協力するように言われています。

この目的を達成するのに関税一本槍でやっているところに問題があると思います。 また関税がうまく機能すれば、国家の歳入も増え、所得税はゼロに出来るかもしれないと思っているようです。 このような話をして、関税で一時的に国内経済が悪くなっても、少し我慢すれば、所得税ゼロまで行かなくても、共和党の党是みたいな大幅な減税が可能であると言うことです。

減税はともかく関税をかければアメリカに製造業が戻ってくると言うことですが、これだけ 複雑に入り組んでしまった グローバルなサプライチェーンの中で関税1本槍で達成出来るのかどうかが疑問です。 他方の中国は実態はともかく、表面上は平静で、全く動じていないように見えます。 これが民主主義国と専制主義国の差で、中国も不動産問題もあり、社会的には大変な事になっていると思いますが、政府が抑え込んでいるのだと思います。

貿易交渉としては過去の日米交渉は非常にうまくいったと思いますが、それが遠因となって失われた30年になるのではないかとも思いますが、日本の国内政策もあまり良くなかったと思います。 特に日本との貿易交渉は、ここ何回もやっていて 第一次トランプ 政権時代にもガンガンやっていて、お互いよく分かっているので交渉として やりやすいので 日本をトップに持ってきたということでしょう。

【クイズ】世界で1番「付加価値税(VAT)」を高くかけている国はどこ?

トランプ大統領のやり方はあまりにも 極端なので、 全世界に拒否反応が起きていて、トランプ大統領の政策は譲歩を重ねています。 関税の引き下げや、昨日にサインしたという ウクライナの鉱物資源の共同基金に関する契約も、アメリカは かなり 譲った印象があります。 一時は過去の軍事支援も返済しろという話だったのですが、それは引っ込めてしまいました。 ウクライナや世界が望んでいた 「ウクライナの安全の保障」ですが、これが入らなかったのはしょうがないのですが、アメリカが関与してるところに ロシアはなかなか 再侵略しにくいであろうということで納得したのでしょう。

カトリック教の葬儀に出席した時の 2人の話する写真は、最初 私は AI で作ったフェイクかと思いましたが、画角からして意図的な写真だと思いますが、なかなかよくできた写真です。 2人でガチンコで喋れるというのは、ゼレンスキーも英語は母国語ではないので以前の口論の時も 母国語でないので問題だという話もありました。

関税は少し猶予が出来たし、少し戻りつつあるのですが、相互関税は適用されてるみたいなので当面は何とかしないといけないのですが、追加関税の計算に問題が出てきたようです。 輸入額を分母に、赤字額を分子に持って来て計算しているのですが、分母の数字は 輸入額では無くて、小売り額で計算したので、2倍ほど数字が異なるようです。 それで日本の関税を計算したら 10%ぐらいになるそうです。 10%ぐらいなら、輸出業者は何とかなりそうと言う話になっています。

関税とは何か?仕組み、種類、トランプ相互関税政策までやさしく解説

先日の新聞で働く高齢者ということで 80歳ぐらいのおばあさんがマクドナルドで配膳の仕事をしていると言う記事がありました。 最高齢は 93歳 だそうです。 これを見て20年ほど前にアメリカのマクドのカウンターで おばあさんに注文したことを思い出しました。 サスガはあまりかと思いましたが、日本でも同じようになってきたと言うことでしょう。 あの時に違和感があったのは ディズニーランドで 大学を出たぐらいの若者が 切符のもきりをやっていたことで、サービスがビジネスの重要な分野になっていると、後で思いつきました 。 またある時は 飛行機のスチワーデス(最近では客室乗務員)が非常な高齢のおばあさんで荷物を持ってもらうのが心苦しかったので、自分で持ちましたが、そういう時代が日本でも来るのえしょう。 それなりのところでそれなりに働くというのは当たり前になってきたような気がします。

消費税の食品消費税 ゼロ の議論が進んでいますが、 消費者としては非常にありがたいと思うのですが、 この消費税は誰が負担するのかということが、あまり議論になっていない気がします。 要するに 仕入額控除の還付の問題です。 現在、 問題になってますが トランプ 関税でもやり玉が上がっていますが、輸出に対する消費税の仕入額還付です。 消費税をゼロにすると食品にも言えるので、 詳細は分かりませんが 小売店が食品消費税 ゼロで売った場合にそれの仕入額控除がないので、 これを輸出と同じように 還付されるのかもしくは 小売店が負担するのか、食品として 仕入れていれば仕入額控除がゼロになってしまいます。

どこかの段階で 食品として扱われている場合に その差額はその会社が負担することになるのではないかと思います。 今では10%と8%の2種類で、差は2%なので、問題は表面化しないと思いますが、10%になるとあまり無視出来ないのではないかと思います。

最近やっと自覚してきたのですが 店頭価格でプラス消費税と表示してあるのですが、消費税では無くて、単なる 消費税相当で、その分の値上げです。 消費税を 払っているのは、消費者では無くて 小売店が払っています。 だから消費者から徴収するのは消費税相当分であって、単なる値上げです。 以前の国会議論で消費税は預かり金ではない、 預り金を預かってそれを税金として支払うのではなくて、 預かり金的性格を持っているということになっています。

92歳で週4日勤務をこなすマックの人気クルー「民ちゃん」

輸出に関しては、値上げをしなくて10%の仕入額控除分を 還付してもらうと言う輸出 補助金になっているということです。 要するに日本国内の輸出以外の企業は一律10%の消費税を払っているのに、輸出企業は払わなくて良いと言う、実質的な輸出補助金になっていると言う理由です。 そもそもフランスでこの消費税、VATが考案されたのは、GATTが出来て、あからさまな輸出補助金が出せなくなったので、VATが考案されたと言う歴史もあります。 ちなみにアメリカは小売税はありますが、仕入控除はありません。 従って還付もありません。

さらに問題は、この還付金がいくらあるのか、公表されていません。 国会でも公開を要求していますが、財務省が拒否しています。 カウント出来ないと言うのが理由でした。 全額が社会福祉に使われている、と言うのが政府の見解ですが、還付、戻し税はそんなに小さな金額ではないので、言われているように消費税は大きな財源では無いようです。 かなりの部分が輸出補助金として、特に自動車会社、特にトヨタに流れているようです。

トランプの非関税障壁議論と食品消費税ゼロで、この財務省が触れたくない仕入控除還付の問題が大きくなりそうです。 それにしても企業の負担を含めた国民負担率は上がる一方です。 収入の部分だけでも、累進課税の所得税を10%としても、住民税10%、健康保険10%、将来戻る年金20%、これだけで50%、さらに使うときには消費税10%、自動車税やガソリン税がかかってきます。 死んでしまうと、多少の不動産があると相続税50%。 一体何パーセント払うと良いのでしょう。

安倍晋三実録 単行本 2023/6/21 岩田 明子 (著)
安倍氏に最も食い込んだ記者による「安倍評伝」の決定版! 「回顧録」で明かされなかった肉声をふんだんに収録。 暗殺前夜も電話で話した、20年間の取材の総決算!

【目次】
第1章 第三次政権への夢
第2章 雌伏の五年間と歴代最長政権
第3章 慰安婦問題と靖国参拝
第4章 トランプと地球儀俯瞰外交
第5章 拉致問題解決への信念
第6章 習近平との対決
第7章 生前退位と未来の皇室像
第8章 スキャンダルと財務省
第9章 岸家と安倍家の葛藤

古い発行ですが、たまたま 読んだ時に 第一次 トランプ 政権の話が安倍さんの話として出てきたので、それを面白くて読みました。 この時も トランプは今と全く同じことを言っていて、今読んでも違いが分からないくらいです。 それを 安倍さんがうまくいなしていました、 しかし 当時もトウモロコシを無理に輸入させられたような記憶がありますので、 それぐらいはやらないといけないのでしょう。

win-win とか言っていますが、何かアメリカに「何とかしてください」 みたいな態度があまりにも露骨なので、交渉団 代表には、もう少し 毅然とした態度をとっていただきたいと思います。 もう少し日本ににプラスになるようなこと、国益 ジャパン グレートアゲインをよろしくお願いしたいと思っています。


今月のひとこと 4月号

今月のひとこと 4月1日号

トランプ旋風が収まりません。 どんどん 新しい話題が出てきて、最近は大統領 3期目の話が話題に上っているようです。 これは以前から言っていたようですが、憲法は 明確に3選を否定していますが、可能なシナリオは以下のようです。 まず 次の選挙で例えば バンス 副大統領が大統領に立候補して当選する。 その上で 副大統領にトランプ氏を指名して、その後に 大統領は 辞任する。 そうすると自動的に副大統領は大統領に昇格するという シナリオです。

トランプ大統領は現在 78歳で任期が終わる頃に 82歳なので、その後 4年間ということは 86歳までやるということで、これは可能なのかどうか、 またその時に国民の支持があるかどうか、 だと思いますが現在はこういう シナリオが囁かれています。

ウクライナ 戦争の調停に乗り出したのは良かったのですが、 なかなか思うようにいかないようです。 アメリカはロシアのウクライナ侵攻にあまり文句をつけない。 反対に ロシアはアメリカのイスラエルによるガザ侵攻にあまり文句を付けないと言うような、暗黙の取引 ディールがあるのではないかと思っています。

それにしても良い悪いは別にして、 イーロンマスクの動きはすごいです。 効率化省を作った時には、 評論家の一人はどうせ 大したことはできない、単にポーズだけなのでは と言うようなコメントがありました。 しかし 現実はとんでもないことになっていて、どんどん人を解雇する。 どう言うやり方で人を解雇出来るのかよくわからなかったのですが、 最初は担当閣僚に話をつけたんだと思いました。

後で担当閣僚から文句が出て トランプ大統領が担当閣僚が一番の責任があるんだということを言ってマスクを抑えたということがありましたので、 おそらく各省の人事担当に直接 大統領からの指示だと言って押し込んだんではないかと思います。

日本では人事採用解雇というのは人事部が行なっており 現場ラインにはあまりその権限がありませんが、 アメリカでは ラインの部門長がその権限を持っていて、最初は非常に不思議だったので聞きました。

要するに 俺はお前の採用解雇の権限を持っているんだということを見せないと部下がきちんと働かないと言うことを聞いてびっくりしたことがありますが、おそらく アメリカではかなり下の方の現場に人事権限があってそこに働きかけると、解雇ができるんではないかと思います。 実際に 事実上の閉鎖に追い込まれた部門があるので効力はあると思います。 もとツイッターの X を買収した時にかなりの 解雇が行われたので、その時の経験が生きているのだと思います。

日本でも同じようなことやったはずで、例の「2位ではダメなんですか?」プロジェクトでしたが、ほとんど 経費 カットはできずに人の解雇などはとんでもなく出来なかったですがアメリカでは それが良い悪いは別にして、実行できているのはすごいことです。 非常に ダイナミックなアメリカと日本では10万円の商品券とか某TV局のパワハラ騒ぎとかチマチマした話に終始している気がします。

今朝の日経新聞によると 中国の軍艦の 造船能力はアメリカに対して500倍の差があるそうです。 確かに トランプ大統領が言うように 製造業を底上げしないといけないのでしょう。 単なる製造業労働者の問題だけではないのかも知れません。 日本もアメリカに対して 造船技術の供与を申し出ることを考えたみたいですが、アメリカの大きな空母や戦艦を作る能力はなくて、結果的に自ら諦めたようです。

前回に続いて、また windows 11 の話題です。 最近 Microsoft は マイクロソフトアカウントと OS を完全に結合するという方針を進めているようです。 従来から Microsoft アカウントがあったのですが、強制ではありませんでしたが、これからは強制にシフトしつつあるようです。

Rufus

Windows 11をインストールする時にはインターネットに接続して Microsoft アカウントを取得することが 強制されます。 しかし、筆者を含めて、これに反発する人はネットに繋がらなくてもインストールできるような方法をいろいろ考えてきました。 しかしそれも最近の発表では禁止されるようになったみたいです。

一つの方法は レジストリに インターネットに接続しなくてもインストールできるようなフラグがあるのですが、 これを立てるコマンドがあります。 このコマンドを 無効にするようです。 しかし 手動でフラグを立てれば良いだけの話ですが、レジストリを弄ったり、インストール時に作業するのは、なかなか難しいと思います。

もう一つは Rufus というツールを使うことです。 このツールは非常によくできていてインストール時のローカルアカウントでのインストールや非対応のPCへインストール、 各種のマイクロソフトによる広告宣伝とかその他の設定を最初から無効にすることができます。 ほとんど手間もかからず、非常に便利なツールです。 これも いずれは使えなくなるのではないかと囁かれていますが、現時点では使用可能です。

Windows 11でローカルアカウントを作るのはどうしたらいいかというと、 一旦 Microsoft アカウントを作ってしまう。 アカウントそのものは、非常に便利な点もありますので これは作っておいた方が良いと思います。 勝手にパソコンのデータをバックアップコピーして、それも 5ギガバイトしかないので、すぐに一杯になってしまって、その後は有料になると言うことで、強制的に料金を徴収するシステムになっています。

必要な時だけ マイクロソフトアカウントにログインして使って、ファイルの ミラーリングはバックアップはやらないということを設定すれば良いのですが、これは意外と面倒で、わざと面倒にしていると思いますが、これにめげてはいけません。

Microsoft アカウントを持っておくのは無料だし悪いことではないので、インストール時に作っておいて、その後は OS の中でローカルアカウントに切り替えれば良いと思います。 これもすぐにはわからなくないようになっているので、勉強が必要だと思いますが そういうやり方が一番効率的ではないかと思います。

ローカルアカウント

なぜここまで マイクロソフトアカウントが嫌われるのか。 同じようなことは Google でもあって、Android スマホでは アカウントが無いとスマホはほとんど使えません。 これに対するマイクロソフトアカウントということになると 非常に強い拒否感があります。

統計によると パソコンに最初からデフォルトでインストールされてるEdgeブラウザは、最初からインストールされているにも関わらず、これを使ってる人は20%以下だそうです。 PCに不慣れな人でも、わざわざ Google Chrome を自分もしくは販売店の人かインストールして使ってるということになりますので、驚異的な数字だと思います。

Edgeは使ってみると分かりますが Chrome よりは体感的にも 高速です。 エンジンは Chrome と同じものを使っているので変わらないですし、便利な拡張機能も同じように使えます。 体感的にも高速になっていますので 使って良いと思うのですが、あまりにも広告とかが多いと思います。 押しつけがましい広告などがどんどんどんどん出てきて、非効率的です。

特に PC は仕事や作業で使う場合が多いので、それに対して広告をどんどん送りつけられて 作業効率が低下します。 それに対してGoogle Chrome はそんなに広告が強いわけでありませんし、 パスワードの漏洩とかを教えてくれたりして非常に有益な点でもあります。 Microsoft はあまりにも商業的な方向に舵を切りすぎてると感じます。 これがMicrosoftが嫌われる原因だと思います。

今月の読み物は、「物価から見る江戸の暮らし 江戸のお勘定」MdN新書 2021/8/6
大石 学 (監修) 4.2 5つ星のうち4.2 (48)

最近は米の価格が1年前と比べると2倍になり、高騰しています。 この辺を江戸時代の物価と比べてみると言うのが本書です。 コメの最大単位は1石ですが、ざっくりドラム缶1本と考えてよいでしょう。 1俵は60㎏で3俵で1石。

コメの比重があると思って調べたら、精米前と後で比重1を行ったり来たり。 籾は1以下で水に浮きますが、精米後は水に沈みます。 従って平均で比重1とざっくり考えても良いと思います。 また1石は10升なので、正確には180リッターですが、ドラム缶は200リッターと少し違います。

コメ1石は、江戸時代には1反の田んぼから採れます。 現在では2石以上採れるようです。 1石の値段がざっくり1両、現在でこれもざっくり10万円とみて良いでしょう。 これで計算すると2㎏で1,000円強。 現在は4,000円するので4倍です。本書では1.4升で3,000円だそうです。 どっちにしても今の米価は高すぎます。

江戸時代の米の生産性はどんどん上がっていたので、幕府はなんとか これを止めようとしていました。 何しろ 武士の 報酬は全てコメまたはコメ換算で支払われていましたので、米価が下がると 収入が減るということになります。 これを上げたいので、減反政策と言うのは、江戸時代からずっと考えられてはいたわけで、ここに至って本当に 増産に転じないといけないようになってきました。 こういうことを考えながら 江戸時代の物価を現在の値段に直して考えてみるのも面白いのではないかと思います。

〈本書の内容〉
序章江戸時代のお金
第一章江戸のお値段【生活篇】
家賃/水道代/湯屋/髪結/飛脚/駕籠/按摩/歯磨き粉・房楊枝/おしろい・紅/着物/売薬/寺子屋ほか
第二章江戸のお勘定【食事篇】
米/そば/すし/ウナギ/てんぷら/カツオ/マグロ/豆腐・納豆/獣肉/居酒屋/酒/枝豆/卵/冷や水/焼き芋/団子/ところてん/甘酒/料理切手ほか
第三章江戸のお勘定【娯楽篇】
居合抜き/見世物小屋/芝居/寄席/相撲/瓦版/浮世絵/貸本屋/富札/朝顔・万年青/虫売り/花魁遊び/岡場所遊びほか
第四章江戸のお勘定【意外篇】
就活/商売の株/武士の身分/不倫の対価/牢屋の小遣い/元祖会いに行けるアイドル/伊勢神宮での祈禱/排泄物ほか
第五章江戸のお勘定【再生篇】
質屋の利息/献残屋/古着屋/古紙回収/古傘買い/鋳掛・焼継ぎ/雪駄・下駄直しほか

〈本書の特長〉
時代劇や時代小説、古典落語などに出てくる江戸時代のモノの値段。「長屋の家賃」「銭湯の入浴代」「初ガツオの売り値」「吉原で遊ぶお金」にはいくらかかったのか。かけ蕎麦一杯の値段をもとに、現代の円に換算。江戸っ子たちの財布の中を知れば、ドラマや小説がもっと楽しくなる。


今月のひとこと 3月号

今月のひとこと 3月1日号

トランプ旋風が吹き荒れています。 そもそも 正式就任の前からどんどん 政策を打っていて、 就任後は特に動きが激しいと思います。批判している暇もなく次から次に繰り出します。 政策そのものには賛成も反対もあるのですが 、これだけの実行力があるのはすごいです。

バンス 副大統領も 単なる アジテーターだと思ってたのですが、よくよく 話を聞いてみるとなかなか素晴らしい資質の持ち主 みたいです。 トランプが MAGAとか言ってるだけなのですが、 それの理論武装や具体策はバンスが 全てやってるみたいです。 次期大統領はバンスになってしまうのではないかと思います。 見方によっては トランプよりもさらにトランプ らしい政治家だということです。

イーロンマスクの動き もすごいです。 どうやってあれだけのことができるのか、まだ結果が全て出てるわけではないので、どこまで実際に動けたのか分かりませんが、 少なくとも1 省庁を事実上の閉鎖に追い込んだのは間違いないと思います。 おそらく 閣僚が全てトランプ任命者なので、そちらに働きかけて ああ言うことが出来たのではないかと思いますが、 いずれにしても、あの巨大なアメリカ政府を動かすというのは、すごいことだと思います。

私が元々仕事をしていた会社は大した大きさではなかったのですが、それでも組織再編を含む改革は非常に大変です。 IBM という大きな組織がありましたが、巨像も踊るで有名になったルイス.ガースナーにより作り変えられてしまいました。 こういうのは一体どこから来るのでしょうか。 邪魔者を放逐した日産は、その後はまた元の黙阿弥に戻ってしまいました。

トランプ大統領はゼレンスキー 大統領を呼びつけて、明日来るからとか、まさに ビジネス ミーティング そのものの雰囲気でした。 ウクライナが早々と鉱物資源を差し出すようなことを報道されていましたが、 実際には断ってしまったみたいです。 ウクライナの最後の切り札だと思うので、 これを差し出してしまうと何も残らなくなるということです。

トランプ大統領が ウクライナの安全を保障するわけではない、 何もしないと言っているのは問題で、これを中国が聞いて喜んでいるのではないかと思います。 これで台湾と 尖閣はアメリカが守らないという事になります。 日本は核保有国 三国に囲まれていて、 しかも一番強大な 中国が目の前にあって、地政学上の窮地にあるはずなのですが、 やってることは、献金のキックバック 問題とか、 高額医療の上限の切り下げとか、アメリカのダイナミックさんに比べると非常にある意味で 平和だと思います。

先月号 で紹介した 森永卓郎のザイム真理教の本が売れるということが背景にあるのだと思いますが、 財務省解体のデモが起きてるようです。 特にそのスポンサーの影響は受けないはずのNHKが報道しないのはケシカランと言うネットが飛び交っていますが、 NHK のスポンサー的なものは政府 なので、政府に反することはできないのでしょう。

フジテレビの問題もありましたし 一般の民放はやはり スポンサー問題があるとは思いますが、 NHK に関しては、そのために 視聴料を払ってるのですが、そのへんが払う価値がないのではないか。 これも イエローマスクがアメリカ政府を大改革するということの延長線上にあって、日本では財務省解体に繋がっていくのでしょう。 我々も若い頃はデモをやってましたが、最近の日本では デモは ほとんどないのではないかと言う感じでしたが、財務省解体で 1000人規模のデモがあったようです。 日本もまだまだ元気だと思いました。

大蔵省を分割して金融庁を作ったみたいに、今度は歳入庁ぐらいを作って、社保庁と一緒にするというような案が前から出てるのですが、それすらなかなか実行されないのは、やはり 役人の力が強いからでしょうか。 日本版トランプ、イーロンマスクが登場しないとダメなのでしょうか。

とうとう消費税がやり玉に上がってきました。 前大統領時代にも言っていたようですが、今回は関税と絡めて トランプがとうとう 消費税をやり玉にあげて来ました。 本欄でも以前に取り上げたことがありますが、 消費税は事実上の補助金、見方を変えれば関税と同じだということです。

最初はフランスでVATとして始まったらしいのですが、 この時は意図したのかしなかったのか分かりませんが、輸出補助金として有効であるとの認識が出来たようです。 今も トヨタなどの輸出企業は 何千億円もの 還付金を得て、実質的に補助金になっています。 これを トランプが捉えて関税と見なして、相互関税を課すと言っているのです。

アメリカは州ごとに率が変わる売上税 しかありません。 売上税は最終の小売事業者が支払うだけで、途中の事業者は支払い義務がありません。 従って還付金もありません。 そういう意味では非常に不公平だということですが、アメリカだけが売上税で他の世界のほとんどの国が消費税ということになっていますので、消費税は高いところも 安いところもあるのでその差はやはり 補助金とみなされるべきだと思います。

インボイス 騒動 以来、消費税は一体何か? ということが いろいろ 議論されました。 その結果、 消費税は間接税ではない、消費者は消費税を払っているわけではない、小売店が消費税を預かっているわけではなく、 消費税10%は単なる値上げである、ということがハッキリしたわけです。 と言うことは、例えばトヨタが仕入れる 部品などは 単に10%値上げされたということですが、輸出すると、その分が帰ってくるというのは不公平なところだと思います。

免税業者が 消費税分10%を請求しても別におかしくもないのです。 単なる 10%値上げですから。 だんだん消費税に対する認識が深まってきましたが、良くないと思うのはやはり 付加価値に課税するということです。 付加価値ですが~所得税を二重に取っているのと同じです。 しかも給与などの人件費に対しても間接的にかかってくるし、赤字でもかかってきます。 そのために、なるべく給料 上げないように作用するのは間違いなく、現に日本の給与水準は上がっていません。

トランプの良いところは、これで日本の消費税をあげる議論は無くなったと思います。 これからは いかに下げるか、もしくは いかに維持するかみたいな話になっていくのではないかと思っています。

こちらの生活はもっとチマチマしていて、最近 PC を一新しました。 年末にから色々 部品を買い揃えてやっと2月に組み立てて、それから Windows 11をインストールしたのですが、これはなかなか 一筋縄で行かない。 Windows 10で動くのはだいたい Windows 11 でも動くような気がしましたが、そもそも windows 10 でかなり際どい 動かし方をしていたアプリばかりなので、それを windows 11 でトラブった理由の大半です。

アプリに関しては、単純に設定の問題とか色々ありました。 特に Adobe に関しては以前からずっと使ってるのを使ってたのですが、 今回 リセットされたのでライセンス料 払わないといけないようになりましたが、あまり使わないのに価格が高いので、その代替えをどうするかということで時間がかかる。

Microsoft のオフィスもだんだんサブスク化しているので、インストール型のものは、まともにやると結構高くつくので 、それも何とか安くあげるということになりました。 ネットを見ていると、多くの人がいまだに20年前のソフトを使い続けているのがよく分かって、私にもそのようなソフトウェアが多くあります。

パワーポイント2003を簡単な文書作りに良く使っていました。 シンプルで使い勝手が良かったのですが、これは動かなくなったなりました。 しかしマイクロソフトのサポートページでちゃんとその対策が書かれていて、レジストリの エントリーを付け足すとちゃんと動き出しました。 エクセル はいろんなフォーミュラーが追加になってるので、 これは最新を使った方が良いと思いますが ワードとかパワーポイントは2003ぐらいが一番使いやすいです。

一番古いのはおそらく 30年ぐらい前の Windows 95 時代だと思いますが、 その時の ソフトウェアをまだ 動かしています。 当時はレジストリも無く、良くやったようにそのままコピーしてそのまま起動すれば動くということになっていて、まだ動くのが不思議です。

AI に関して言うと検索の結果として AI が引用する場合が増えましたが、かなりいい加減な結果しか出てこないので、全く信用出来ません。 ちょっとした HTMLの とか PHP のプログラムをする場合、 チャット GPT に質問すれば、 コードを出してくれます。 時々おかしいのはありますが、 だいたい動く確率は高いです。 プログラムの知識を持たないと 引数のところなどを変更しないといけません。 だからソフトウェア技術者にとっては非常に便利なツールではないかと思います。 ゼロからコーディングするのでは無くて、 だいたいのところを出してもらって、あとは修正していくという感じで行くのではないでしょうか。

面白いなと思ったのは パワートイズですね。 これにはいろいろ含まれているのですが、キーボードの配置を変える機能が付いていて、これが割と安定して動くのでびっくりしました。 もともとレストリーのキー配列 部分をいじってやってたのですが、危ういところがあるので、出来たらこういうツールが欲しかった。 いつも IME のオンオフに不満を持ってたのですが、 今回も 右のAltキーに割り当てました。 その横の Windows キーも間違えてよく押してしまうので、 これも同様に 割り当ててしまいました。 安定して動いてます。

今月の読み物は、巨象も踊る 単行本 ? 2002/12/1 ルイス V.ガースナー Jr. (著), 山岡 洋一 (翻訳), 高遠 裕子 (翻訳)

【以下アマゾンより転載】
 1990年代初頭、ダウンサイジングの大波に呑まれた巨象IBMは、ルイス・ガースナー氏の大胆な改革、戦略の大転換によって、数年にして復活をはたし、再び業界のリーダーに返り咲きました。本書は、会長兼CEOとして陣頭指揮したガースナー氏が、みずからの改革を余すところなく描いた「生きた経営書」です。
 舞台はIBMですが、本書に描かれていることは、コンピューター業界に特有のものではありません。また、10年前の昔話でもありません。まさに苦境から抜け出せない今日の日本企業が耳を傾けるべきものです。IBMは復活にあたって具体的に何をしたのか。それが本書の中身です。奇をてらったカタカナの新語も、美文で固めたビジョンや戦略も登場しません。ガースナー氏の主張は、至ってシンプルかつ明快です。
 「実行こそが、成功に導く戦略のなかで決定的な部分なのだ。やりとげること、正しくやりとげること、競争相手よりもうまくやりとげることが、将来の新しいビジョンを夢想するより、はるかに重要である」(第24章「実行」)。
 そして、この実行にあたって重要な指導力(リーダーシップ)について、繰り返し述べています。その背景には、経営幹部やリーダーの指導力、実行力こそが、企業の浮沈を左右する最大の要因であるというガースナー氏の経験に裏打ちされた強い信念が読みとれます。
■日本再生のヒントは、本書に学べ
 IBM再生の物語を読み進めていくと、おのずと日本経済の再生に思いを致さざるを得ません。バブルが崩壊した日本と軌を一にするように急落したIBMは、93年4月のガースナー氏のCEO就任後、瞬く間に変貌を遂げ、90年代半ばには再建に成功。日本経済とまったく別の道を歩んでいます。IBMは何を実行し、日本企業と日本経済は何を実行できなかったのか――。一企業と一国経済を同列には語れないにせよ、指導力の欠如、あるいは着実に実行する幹部、リーダーの不在など、かつてのIBMとの共通点は少なくありません。
 日本経済と日本企業が大きな決断を迫られている今日、IBM再建の経験をまとめた本書は、まさに時宜にかなった一冊と言えましょう。


今月のひとこと 2025年2月号

今月のひとこと 2025年2月1日号


今月最大の話題というのは、やはり トランプ 政権発足でしょう。 事の是非はともかく トランプ大統領というのは有言実行 で言ったことは必ずやるようですので、その点はすごいと思います。 また 細かくあげている政策もそんなに妙なものは、多くはないのですが、所々 センセーショナルなものについて 報道されるので、 そんな感じがしてるのかもしれません。

もともとウクライナ 戦争を24時間で終わらせるというのが半年になり、 それもどうなるか良く分かりませんが 少なくとも 中東の紛争を停戦に持ち込んだのは、もともと バイデン 政権が動いていたこともあるでしょうが トランプ 政権がダメ押しをしたと思っています。

最近の大きな話題は中国製のDeepSeek騒ぎです。 昨年の8月ぐらいに発表されていたのですが、今年の1月になって無料で開放したことから 話題が沸騰しました。 それも非常に少ない 費用と短時間の開発で、おまけに使っている半導体チップが最先端ではなく中国には 輸出が認可されている古いタイプだったということで 非常に注目を浴びました。

しかし数日にして評価が一転し、 結局は オープン AI のChatGPT の API を使って、そこからデータを抽出して、先生として AI で言う「蒸留」を行い、中国側に生徒を作ったということらしいです。 従って 非常に安い 開発費と低性能な半導体で実現することができたということが本当のところみたいです。 従って一時言われたような、中国は新しい手法によって 極めて短時間に極めて性能の良いものを作り出したということではないようですし、ChatGPTを使う場合の契約条件違反と言うことで、司法当局が動き出しています。

さらに問題になっているのは ChatGPT で 当初 問題になった不適切な質問に対して回答してしまう。 例えば コンピューターウイルスを作れと命令するとウイルスを出力してしまうということが、あったのですが、 DeepSeek は答えを出してしまう。

ChatGPTでは、今ではそう言う質問をしても答えられないと回答するのですが、DeepSeekは回答してしまうし、 半面 中国の政治状況や 習近平に関する話題などに関しては答えないようになっているということです。

しかし Chat GPT レベルの AI が中国で既に出来てしまったと言うことは、 ここから 不適切な出力がどんどんされるようになり、規制がかからないということになると思います。 従来 言われてたような AI に規制をかけるべきだ、という議論に対しても既に抜け穴ができてしまったということになると思います。 この点では規制をしない派のトランプ 政権の見方が良かったと言うことにもなります。

最近、飛行機事故が連続しています。 つい先日韓国で起こった 着陸失敗の事故。 今回はアメリカのワシントン・ ポトマック川でのヘリと飛行機の衝突事故。

前者は不可解なことが多くて良く分からないですね。 なぜ着陸やり直したのか。 やり直しは良いとしても、 なぜ 故障のある 飛行機を急回転させて逆向きに着陸させたのか。 さらに非常に 丈夫な障壁があってそれに衝突してしまった。 ということで 妙な点がいくらでもあります。 すぐ横には 海水面もありましたので、海水に着陸する手もあったのかもしれませんが、 いずれにしても 未だによくわからずに、フライトレコーダーのデータも途中から消えていたそうで、 結局 闇の中に埋もれてしまいそうです。

アメリカの事故は、これは最初に聞いた瞬間から、 これはヘリが悪いと思いました。 ポトマック川の上は市街地を飛ばなくて良いので 軍用機の通り道になっていたみたいです。 おまけに定められた高度の2倍ぐらい上を飛んでいて 飛行機と衝突したということです。 軍用機なので、戦場では何があるかわからないので、 これぐらいのことで衝突していては話にならないと思いますが、その後の報道でもやはりヘリの一方的な過失であるという風になっています。 素人同然の新国防長官がオタワタしながら 記者会見してるのが面白かったですね。

IT 分野の話題としては 昨年の10月になりますが 6年ぶりに新しい最大の素数は発見されたと言うことで、従来より 1600万 桁あまり多い 4100万桁 ぐらいの大きさということですが 、これだけ巨大になると素数 そのものを入れておくだけで メモリーが膨大になります。

私も 以前似たようなプロジェクトに 参加したことがありますが、全世界のパソコンが参加して、それぞれ 計算していくという方法です。 今話題の NVIDIAの元従業員が主導して 世界17カ国に渡る コンピューターを使って発見したらしいです。

発見されたのは2の1億何千万乗 マイナス 1というようなメルセンヌ素数で、これ以外にも素数はあるはずですが、 発見する手立てがないので、 この2の N 乗 -1 をひたすら計算するということにしかならないようです。

同様の手法は 宇宙 生命体を発見するために宇宙から来る電波を解析して、そこに人工的なものがないかどうかを調べる計画(SETI)があって、それも同様の手法で実行されています。 他にもたくさんのプロジェクトも進行中ですので、まあ自分のパソコンは 普通は遊んでいるので、後は電気代を負担することであればいくらでも参加できると思います。

本欄でずっと取り上げてきた USスチール買収 の顛末ですが、完全にスタックしてしまって、 今は法定闘争に入っています。 あとは トランプが 心変わりして買収を認めるしかありません。 しかし ただでは済まないので 買収 条件がものすごく吊り上がるのではないかと思います。 現在でも買収条件は非常に高額になっているので、 これでも買収としては高過ぎて事業として成り立たないのではないかと言われていますが、 なおかつ、これ以上となると、 もう買収の意味がなくなってくるのではないかと言う感じになってきます。

反面、 新日鉄は中国との関係が従来から非常に強いので例の宝山製鉄所も 以前の日鉄が指導して作ったものなので、中国とのつながりが非常に大きい。 その辺がアメリカの安全保障とどう絡むのかというのが ポイントになっているのではないかと思っています。

今月の読み物は最近亡くなってしまった森永卓郎さんの 「ザイム真理教」です。
最初 この本の広告を見た時には、かなりマユツバだと思っていましたが、 このザイム 真理教 という言葉がだんだん 広まってきて、本書も知名度が上がってきたような気がします。 森永卓郎さんは他にも 日航事故の陰謀論とか色々書かれて、亡くなる前には 10 何冊も本を書いたということで、すごいパワーだと感心しています。 このザイム真理教 も最初に出版しようとした時はどの出版社にも見向きもされなかったそうです。 それで 早々と無料に近い形で読めるような出版・発表になってきたのだと思います。 まあ 気楽に 読み飛ばせば良いと思います。

やさしく、やわらかく、面白く
日本経済に警鐘を鳴らす本
ザイム真理教はいかにして生まれ、
どう国民生活を破壊してきたのか? 
最近、ネットの世界では「ザイム真理教」という言葉が頻繁に使われるようになった。財務省は、宗教を通り越して、カルト教団化している。そして、その教義を守る限り、日本経済は転落を続け、国民生活は貧困化する一方になる。
本書では、なぜザイム真理教が生まれ、それがどのように国民生活を破壊するのかというメカニズムを述べていこうと思う。

今月のひとこと 2025年元旦号

今月のひとこと 2025年 元旦号


あけましておめでとうございます。

昨年は動乱の年でした。 アメリカも日本も韓国も ヨーロッパも揺れ動きました。 今年はその動きのが実際にどうなってくるのかが現れる年になるので気を抜けません。 特にアメリカは体制が、ごそっと変わる可能性があり、それが世界にどう影響するのかを見ていく必要があると思います。 既にトランプ当選が決まった段階で中東ではいろんなトランプ就任を見据えた動きになっていて、シリアはあっさりと崩壊してしまいました。

トランプはディープステート(闇の政府)として、現体制をひっくり返そうとしているのでFRBも FBIも CIAもみんな改編されるのではないかと思っています。 もし CIA が改編されると、今まで秘密裏に行っていた 中東などへの支援とかが変化し、もうすでに シリアは崩壊してしまいましたが、そういう動きがあちこちで目立ってくるでしょう。 トランプ政権の中で イーロンマスクの動きをよく見ておかないといけない。 役割が以前の日本の民主党の財政カットみたいな話になっていますが、どうもそうではないのではないか、ということです。

日本の財政を仕切っているのは 財務省の主計局ですが、そう言う 立場になるのではないかという推測も成り立ちます。 そうすると、 日本の財務省が日本を実質的にコントロールしてるように、イーロンマスクも アメリカをコントロールできるようになるのではないか、トランプのやり方やディープステートの話を総合すると、そう言う見方も大いに出来るでしょう。 そういう見方の中で アメリカの民主党は トランプとイーロンマスクの間に隙間風が吹いてるんではないかという噂を流してるようです。 実際そうかも知れません。 表面的に報道されている以上のことが、これから徐々に起こってくるのではないでしょうか。

韓国の騒ぎは、とんでもない話で、何とも言いようがないですが、大統領代行も弾劾され、代行の代行もまた弾劾されるのでは無いでしょうか。 少なくとも野党はそういう戦術をとっています。 こっちのほうが余程国政の混乱を引き起こすと思いますが、どうなんでしょう。

戒厳令を発布した尹大統領の真意は、未だに良くわからないところがありますが、 おそらくトランプ当選と来年のトランプ大統領就任を睨んだ動きではなかったのかという風に思っています。 まだまだ謎が多いと思いますが、少なくとも一国の大統領が如何に気まぐれとはいえ、何の考えもなく戒厳令を発布することはない。 野党党首の裁判スケジュール、大統領夫人の捜査進捗、アメリカの動きなどが関連した事件だと思います。

日本は総裁選とその後の総選挙で与党が過半数割れという変動はありましたが、ヨーロッパなどと比べると、大した変動ではなかったと思いますし、これから来年度の予算が決まればあとは、参院選挙に向かってまっしぐら、ということで 来年の参議院選挙 がどうなるかということでしょう。 与党が大負けすると おそらく連立政権ということになるのですが、これもまた不安定になる一方だと思います。

以前から 本欄で触れてきた 日鉄の USスチール買収の話は、なかなかうまく行かないようです。 結局、認可を担当していた 対米外国投資委員会 CFIUS の決定で先行逃げ切りを図ったのですが、委員会では決めきれずに バイデンに下駄を預けてしまいました。 バイデンは労組の反対を受けて反対だということを明言してるので、トランプ 就任までに滑り込みで何とかしてしまおうという戦略は成り立たなくなりました。

日鉄の政治力をこれで見ていたのですが、流石に アメリカの大きな政治の中では、力を発揮出来ませんでした。トランプ 政権の国務長官だった ポンペイオ も引き込んだのですが、今のトランプには通用しなかったようです。

自動車業界も大変動でとうとう 日産がホンダに買収されるという結果になりました。 ルノーに買収されて以降、最後はゴーンを追い出して、ルノーからの独立を果たしたのですが、結局 自力ではどうにもならずに、ギブアップ という感じです。 ただ日産とホンダは 外から見ていても全く違う会社なので、これがうまく行くのかと言うのは疑問です。日産に就職しようとして東京本社に押しかけた身にとっては残念な結果です。

以前にネットサービスを巡ってソフトバンクと東電が連携すると言うプロジェクトに関わったことがありますが、最初から全く合う感じがしませんでした。 アップルとIBMの連携も同じだったと思います。 今回の騒動を見ていて、それらを思い出しました。

連携が発表されると日産の株は上昇しホンダは下落したというのが それを象徴してると思います。 日産は最近本当に新しい車が出てこなくなって、私は EV はあまり好きではないですが、一時は日産からアリアが出てきたので、その気になっていたのですが、結局1年経っても2年経っても出てこずに、ポシャってしまったという感じです。

軽四 EV も 出足は良かったのですが、最近では 売り上げがどんどん落ちているそうです。 日本では軽四 EV がベストだと思っていましたが、なかなか後が続かないようです。 ホンダも N-VANのEVを出したのですが、 これも運送会社用の特殊な車なのであまり パッとしないと思います。

いずれにしても短距離のコミューターとしての EV はありえる話だと思っています 特にガソリンスタンドがどんどんなくなる 農村地区で、普通充電が使えるところは良いとは思っていましたが、いかんせん価格が高すぎ、足を引っ張っていると思います。 ホンダ^は何と400万近くします。

私はずっと若い頃はずっとホンダに乗っていたのですが 途中から乗る車がなくなってしまって 他の車種になりましたが 、ホンダはとうとう 軽四の会社になってしまって 軽四 以外はあまりこれといったものが出なくなったのは残念です。

ショックだったのは10数年前に大阪でモーターショーが開かれた時に、アメリカ向けには 数千万円の NSX が発表され、 日本は S 660という 軽四のスポーツカーを出展していました 確かにずっと前の S600とか S800という時代があったので、それと似たようなことだと思うのですが、アメリカは NSX で 日本は軽四か、とあの時は愕然としました。 S660の出来は非常に良かったと思うのですが、環境対策とか何かでもう製造はできなくなったようです。

本欄でも度々取り上げているように、今年は、AI がとうとう本格化します。 オープン AI のChatGPT が3とか4とかにアップして、今度はo3 が出てくるようです。 これで本格的な 汎用人工知能、AGI というらしいですが、これが今年にも実現するのではないかと言われています。 今年はダメでも来年、再来年には確実に出てくると思います。 これは 人間と基本的には同じレベルの AI で、今まででも LLM による AI の社会に対する影響が大きかったのですが、それに比べてさらに一層、大きな影響、それも悪影響が出てくるのではないかと言われています。

考えてみるとインターネットも出現した時には非常に便利なツールで社会的には影響も大きく、良い影響があったのですが、30年ぐらい経ってみると、悪用されたり、詐欺に使われたり、そのマイナスの部分が非常に大きくなってきています。 AI もそれと同じで今もマイナスの部分も議論されていますが、これからそれがどんどん大きくなって行くのでしょう。

対策はインターネットではファイアウォールで守ったりしていますが、それでも スパムメールなどで内部に入り込んでハッキングされるような例が多発しています。 AI に関しては 有効な技術的な手段があまりないので、非常に危険だとの議論は一般に行われています。 だんだん 周りのものが信じられなくなってきています。

ネット環境では既にフェイクが乱れ飛んでるわけですが、さらにそれを輪をかけたディープフェイクがどんどん出て来て、一体どれが本当か嘘かわからなくなって来ています。 2025年 が本当の意味での AI 元年になるのではないかという気がしています。

今月の読み物は「地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団 」講談社文庫 2022/9/15 森 功 著

フェイクはフェイクでも、こちらはリアル世界のフェイクの物語。 自分のものではない 不動産を他人に売りつけるという詐欺ですが、大手建築会社がこれに引っかかって何十億円もの損失を出したので話題になりました。

東京五反田の土地を巡る地面師たちの挙動にはボロがいっぱい出てるのですが、それをキャッチできなかった買い手側にも大きな問題があります。 大手会社で一流の弁護士と司法書士がついてなおかつ事件になるというのは、やはり地面師たちの演技勝ちだと言うことでしょう。

【紹介ページより】
「積水ハウスが地面師に55億円以上を騙し取られた」というニュースに日本中が驚いた。そもそも、地面師とはなんなのか。「不動産の持ち主になりすまし、勝手に不動産を転売して大儲けする」詐欺集団で、いま日本中に跋扈している。騙されるのは、デベロッパーや不動産業者などの「プロ」たち。被害者の中には積水ハウスを筆頭に、信じられないような大手が含まれている。その複雑で巧妙すぎる手口をすべて書く!

あの積水ハウスが、なぜ巨額の地面師詐欺に引っかかったのか?
あなたの土地を地面師たちが狙っている!

「積水ハウスが地面師に55億円以上を騙し取られた」というニュースに日本中が驚いた。
そもそも、地面師とはなんなのか。
「不動産の持ち主になりすまし、勝手に不動産を転売して大儲けする」詐欺集団で、いま日本中に跋扈している。
騙されるのは、デベロッパーや不動産業者などの「プロ」たち。被害者の中には積水ハウスを筆頭に、信じられないような大手が含まれている。
積水ハウスは五反田駅前の旅館「海喜館」の土地建物を70億円で購入したが、なんとその土地取引は完全な「なりすまし詐欺」。被害があまりに巨額だったため、この事件が会長追い落としのクーデターに利用される後日談もあった。また、飛ぶ鳥を落とすあのアパグループも、赤坂溜池の駐車場を12億円で買ったつもりが、これまた地面師詐欺で全額減損処理を余儀なくされた。
名だたるプロがコロッとダマされる地面師の手口は実に巧妙で複雑だ。詐欺集団の実態とその犯行の内実を知ることしか、詐欺から身を守る方法はない。

《本書より抜粋》
「あなたたちは、どちらの方ですか」
積水ハウス工務部の担当者たちは、パトカーから降りてきた警察官にいきなりそう誰何された。
まったく事情が呑み込めない。まさに面食らった。
「ここは持ち主からうちが買いとったんです。それで、測量を始めたところですが・・・」
二人の工務部員のうちの一人が、警察官にそう説明した。
すると、そこへ通報した弁護士が割って入った。
「あんた方、何を言っているんですか。私こそ持ち主の依頼でここへ来ています」
すでに旅館の土地建物の売買契約を済ませていたはずの積水側にとっては、まさに寝耳に水だ。
「何を言っているんだ。支払いも済ませているんだよ。何の権利があって邪魔するんだ」
だが、弁護士も負けていない。
「依頼人はこの旅館を売ってないんだから、測量なんか絶対にさせないよ」

なぜ、こんなことに・・・迫真ドキュメント!