今月のひとこと 2024年5月2日
円安がどんどん進んでいます。 つい最近 日銀 政府が為替介入したようですが 一瞬効いてすぐに元に戻ってしまいました。 今日もまた ちょっと動いたみたいで、 ひょっとしたら第2弾を打ったのかも知れません。 5兆円ぐらいを使ったということですが 原資 となる ドルがトータルで24兆円ぐらいしかないようなので、 そう何度も発動できるわけでありません。 ただこのドルは 全部ではないものの、以前に80円ぐらいだった 円高の時に買ったドルなので、日銀としては 大儲けだと思います。
いずれにしても ETF にしろ 何にしろ 日銀は市場が下がった時に買い込むので、それが上がった時には 大儲け ということになります。 日銀の債務超過の恐れはよく出てきますが、 こういうプラスの面と言うのはあまり報道されないようです。
アメリカは 利下げをする様子はないですから、 このまま円安で行くのでしょう。 私は常々 円安は国力の低下を意味しているので反対だったのですが、 以前は円高は悪、 円安にして欲しいという声が経済界から非常に多かったのです。
アベノミクスも基本的には円安政策で一時的に成功したわけですが、 ここまでの円安は即 国力低下ですので、GDP でインドに抜かれるとか 給与 で 韓国より下になったとか、為替の問題もありますが基本的には日本の国力が落ちてるということであります。
こういう点に関して一番 責任があるのは経済界だと思います。 ついでに賃上げも出来ない労働界も同罪です。 かつて経済 一流 政治三流と言われてましたが、 経済もとうとう 三流か四流になってしまいました。 過去30年間 何も投資せず何もせず、じっと 内部留保 だけをため込んで、コストカットし、給料も上げずにずに、ずっとやってきた経営者に最大の責任があると思います。 またそれを許した労組側も同罪だと思います。
高い報酬をもらっていながら、何もしなかったというのは犯罪に近く、報酬の大半を返金させても良いくらいです。 この様な報道は、特に経団連の会報誌とも言える日経新聞は絶対に記事にしません。 また中国寄りでもあり、中国に甘い記事が多い。
超大手の現役の役員というの人と一緒に仕事をしたことがありますが、 全く分かっていないと言うか、経営者というよりはバランスシートの意味 そのもの が分かっていないんじゃないかと感じました。 単なる中間管理職が役員という肩書きになっただけ。 これでは日本も衰退します。
私が個人的にあまり好きではないが尊敬する人は 稲盛和夫さんです。 稲盛さんは若い頃には経理の本 まで出版していて、もしやろうとすれば 経理も自分でできると思います。 さらに稲盛教とまで言われる非常に高いレベルでの理念を語ることも出来るという 幅広い人で尊敬に値します。 老齢になってもJAL再建みたいな力技も発揮できるのは凄いです。
おそらく 時代は違いますが 松下幸之助 も 似たようなところがあったんじゃないかと思います。 似たようなところで日本電産の永守 さんがいますが、 彼は100円の伝票でも自分で処理すると言うように下の方はできると思いますが、 上の方はどうも怪しい。 理念的なところが非常に怪しいんじゃないかと思ってます。 そのせいか、大学を作ったりしていますが、 日本電産も中国に入れ込みすぎてガタついているようです。
ユニクロの 柳井さん は私の業界とは外れてて分かりませんが ニコッともしなくて厳しい人ですが、 もう 我が道をドンドン 突っ走るという感じです。 ソフトバンクの孫さんは タイプが違いますが、やることがどデカい。 中国人的だと思います。
ある時に ソフトバンク のプロジェクトと関連しましたが、時間軸が全く違う。 私が当時所属していた会社と私の時間感覚は 一桁 ぐらい違いましたが、 その私ですらソフトバンクとは一桁違うと思いました。 すごい馬力というか違う世界を見ました。 会ったことはありませんがイーロン・マスクと似たところがある感じです。
良い悪いは別にして何もしないで済ませた経営者が多すぎたと思います。 今の 経団連の会長にしても 何言ってるか さっぱりわからない。 経団連 なんだから 細かいことは良いとしても理念的なことをきちっと語るべきだと思います。 同友会の小林さんの方が多少マシだと思いますが、もう少し 理念を語って 財界を引っ張って欲しいと思います。 それが出来ていない 30年の結果が現状になってると思います。
今日の日経新聞に出てましたが、いつもよく見る「大機小機」のコラムで 岸田政権の少子化対策は全然 意味ないんじゃないかということを書いてました。 私も全く同感で、単に子供の親に対してバラ撒いているだけなので、対策になってないんじゃないかと思います。
少子化対策はやはり 結婚をしたい、子供を育てたいと思うような 税制 なり 仕組みを作らないといけないと思うのですが 、今の税制は暗黙のうちに 女性は家に居る、男性は働きに行ってそれを養う という事を前提にした 昭和時代の税制になってるので、異次元のと言うなら、これをまず直すべきだと思います。
社会保険にしても3号保険者 とか共働きにペナルティを与えるような仕組みが生き残っています。 所得税に関しては 一度検討はされたみたいですが子供を含めた 家族全体で割り算して 所得税を計算するというのが一番良いと思いますが、何か問題があったのか反動が会ったのか、沙汰止みになっています。
社会保険の増収に関しては非常に熱心で例の103万円の壁というのがあるのですが、 来年が再来年には70万円の壁に落ちるみたいです。 こうなると もうほとんどの人が社会保険料を払うということになります。これは 逆の意味では前進 なのかもしれませんが、いずれにしても 少子化を防ぐ、給料を上げる、 引いては国の GDP を上げると言うことに繋がらないと意味がないです。単なる保険料値上げではすぐに限界が来ると思います。
あまり 今 報道されていませんが 6月の所得税 減税問題。 これが大問題です。なぜ 6月に減税を実施するかというと、通常ですと今年の年末調整で減税で還付されるのが普通ですが、 これを半年前倒しして6月にやりたいという非常に見え透いたバラマキですが、これの制度が非常に複雑怪奇で、現場の地方自治体や源泉徴収をする民間企業の会計担当者は疲弊しまくっていて、疲労で倒れる人が続出していると言います。
6月の賞与で減税して還付するのは良いとして、6月で還付しきれなかった分は次 月に更に残ったら次の月とずっと繰り越して、最後は 年末調整で処理して、それでも残った分は調整金 か何かで処理するということらしいです。
私もちょっと調べましたが非常に大変です。 普通の典型的なパターンでも大変なんですが、賞与の高い大手企業では6月で還付が完了すると思いますが、問題は中小など還付する所得税が少ない場合です。 さらに 例外がたくさん出てくると思うので、その例外を何時どう対応するのかというのは、政府の指針も無く、やってみないと分からないので担当者は疑心暗鬼になっています。
最近の例ですが消費税のインボイス。 これも実施してみると問題が山積みで、やっと今、落ち着いた感じですが、非常に現場は混乱しましし、今でも インボイス処理のための労力というのは 消費税を上げた利益以上の労力がかかるんではないかと言われています。 しかもこの労力は全て 民間や現場が負担しないといけないわけです。
これに追い打ちをかけたのが今年の1月からの電子帳票保存法です。 これは最初から無理だろうと思ってましたが、 その後の実施方法の改正で、ほとんど 骨抜きになって、特に中小企業は 従来とあまり変わらないやり方になりました。
しかし民間、特に中小企業の DX が進展しなくなるのが心配ですが、もう少し長期的に じわじわ 10年ぐらいかけてやることをやらないといけないと思います。 あまりにも性急なやり方とインボイスが同時に実施されたので、現場は全く ついてこれなかったのだと思います。
結局、単に骨抜きになっただけで、何もやらないということになってしまって理念のDX化は頓挫しました。 日本全体としては残念なことです。
イスラエルパレスチナ問題 で ニューヨークのコロンビア大学に警官 隊が突入したと報道がありました。 その突入した運動の拠点になった建屋はベトナム反戦運動の歴史的な建物らしくて、私もそれを聞く前にも ベトナム反戦運動を連想しました。
イスラエルはナチスのホロコーストがあったので、世の中から同情を集めて非常に良いイメージが出来ていたのですが、実際は昔からの本性が顕在化したのではないかと思います。 こういう本性があるので、 おそらく世界的に嫌われて 迫害されていたのではないかという気がします。 ベニスの商人で表されてるような面があったのでしょう。
単にネタニヤフ 政権だけの問題ではなくて、国民世論全体が パレスチナを殲滅しろとの意見らしいので、政権がどうのこうの首相がどうのこうのという話ではないみたいなのです。 おそらく これでベトナム反戦 みたいなのが広がって行って 苦境に陥るんじゃないかと思います。 イスラエルを最大限 支持してきたトランプ陣営にも逆風が吹いていて、もしトラも確トラもだんだん後退しているのではないでしょうか。
今月は 尺が長くなってしまったので、ITの話はありません。
今月の読み物は「星落ちて、なお」 文春文庫 2024/4/9 澤田 瞳子 著
最近は 最近は Audible にハマり、どんどん読めるというか聞けます。 だいたい1冊10時間ぐらいなのでまあ2-3日あれば1冊読めるというか聞けるということになって、非常に捗ります。 他の作業をしながら聞けるのが非常に良いです。
河鍋暁斎の娘の話です。 暁斎は「きょうさい」と読みます。 狂斎とかけてあって、確かに一般人では無いです。 しかも非常に器用で、何でも描ける。 葛飾北斎を目標にしていたらしくて、北斎漫画とおなじものも描いています。 この様な常人では無い父親を持った娘は大変で、その話です。 ちなみに腹違いの兄も絵師になりましたが、父親に追いつけなくて、少々おかしくなってしまいました。 建築家のジョサイア・コンドルが入門。コンドルは暁斎からイギリスの暁斎を意味する「暁英」の号を与えられる。
洋画界の敵役として橋本雅邦がでてくるのも面白い。
明治大正の動乱を真っ直ぐに生き抜いた
女絵師・暁翠の一生。
第165回直木賞受賞作!
巨星・河鍋暁斎の娘として、
明治大正の動乱を真っ直ぐに生き抜いた
女絵師・暁翠の一生。
不世出の絵師・河鍋暁斎の娘・とよは
暁翠の画号をもつ女絵師。
父亡き後、仲がよいとは言えぬ
腹違いの兄・周三郎(暁雲)と共に、
洋画旋風の中、狩野派由来の父の画風を守ろうとする。
明治大正の激動の時代、家族の生活を担いつつ、
絵師として母として、
愚直に己の生を全うした女の一代記。