今月のひとこと2010年9月号





「今月のひとこと」の目次
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2010年9月4日

今週になって、やっと少し曇ってきて雨も少し降って、気分的には涼しくなりました。 天気予報でも、植物の水枯れに気をつけてください、とやっていますが、少しでも水遣りが遅れるとテキメンに枯れてしまいますね。



経済の分野は、気温と異なり冷え込みがきついです。 日銀対策が出た途端に円高になると言う、本当に市場に舐められていると言っても良い状況です。 確かに日銀が繰り出せる手はそんなに多くはなく、この状況がこれからも続くとなると、そのための打ち手を残しておかないと行けないこともよく分かります。 しかしそれにしても、首相も財務大臣もぎこちなさすぎる。 いくら政権を取って時間がないとか、慣れていないとかの言い訳がありますが、それなら政権を取らなければ良かったんです。 何も名誉職ではないので、慣れてませんと言う言い訳はないでしょう。



昨日、小沢・管両氏の公開討論会があって、たまたまTVを点けたらやっていたので少し見ました。 確かに菅さんは頼りない。 特に経済問題になると何を言いたいのかさっぱりわかりません。 それに反して、小沢さんは政策に関しては明確。 ただしどこまで本当なのか信頼感に欠けます。 財源問題でも地方へのお金の配分を変えるだけで出てくるとか、代表選に勝ったらどうすると言うことに関しては何も言わないとかで、小沢さんは連立が出来るので推されているはずなので、少しは言うべきと思います。 反面、菅さんは、国会運営に関して、何か言わないと、その不安が大きいですね。 その後のTVの報道でも、この討論会の点数は、少し小沢さんの方が高かったようです。



最近のIT分野の話題は、先日日経に載っていた、πの計算を5兆桁までやったことでしょう。 面白いのは、これがスパコンではなくて、普通の少し性能の高いPCで実行されたことです。 新聞の識者のコメントと言うのが面白くて、計算に使ったアルゴリズム(計算式)が優れているのであって、PCでやったことをそんなに評価していませんでした。 何時かあった事業仕分けで、世界2位ではダメなんでしょうか? と言う対象がスパコンであった事で、その後予算が復活し、スパコンがやっと陽の目を浴びました。 しかし、今回の成果で、同じようなことがPCでも出来ますよ、と言われたので、新聞の識者は当然にスパコンに関連している人でしょうから、あんまり面白く無かったのではないでしょうか。



今日のPCはとてつもない性能を持っていて、計算にはあまり使いませんが、ウインドウズとかオーディオ・ビデオなどの処理にほとんどが使われていますので、直接の比較はなかなか実感できないのですが、25年前に1台1億円もした、DEC社のVAXミニコンの性能はたったの1MIPSでした。 現在はコンピュータの性能をMIPS表示をあまりしませんが、それから5-6桁上がっていると思います。



20年ほど前に、CPUを4つ積んで100MIPSとして、デスクトップ型のワークステーション(今で言うPCに相当)を開発しましたが、この時で既に2桁アップで、当時のスパコンが視野に入っていました。 当時の記事が有りますので、このリンクを辿って御覧ください。 その時にはっと気がついて、それ以降はスパコンの展示会にも参加しました。



円周率を5兆ケタまで計算したPCは、作者のHPを参照すると OS:Windows Server 2008R2 CPU:X5680(3.33GHz)x2 MEMORY:96GB(8GBx12) HDD:1TB(Boot)+2TBx3(Output)+2TBx16(Swap) MOTHERBOARD:Z8PE-D12(ASUS) とのことで、流石にメモリとディクスは大きいですが、百数十万円かかるとは思えませんね。 自作と言えば自作ですね、こんな仕様のPCは売っていませんし。



5兆桁と言うことは、1桁に1バイト割り当てるとすると、それを格納しておくだけで、5Tバイトのディクスが必要です。 ここでは2TBx3=6TBなので大体の想定は出来ると思います。 実際は圧縮して格納しているようです。 なおCPUは、24スレッド/12コア!! で、これをフルに計算に使うところが今回の(ソフトウエアの)ミソです。



アルゴリズムであるソフトウエアは Alexander J. Yeeさんの作成で、計算開始は2010年5月4日、終了は8月3日です。主計算に使用した公式はchudnovskyの公式で計算時間は約90日、検証計算に使用した公式はPlouffe及びBellardの公式で、計算時間はそれぞれ66時間、64時間とのこと。 検証計算は本来は別の公式で行うべきですが、最終桁付近の16進32桁を別公式で計算し一致している事で済ませているのを不十分と言われています。 まあ専門の学者じゃないんだし、いずれにしても快挙です。



ちなみに ここで使用したソフトは、ここに有ります。 我こそはと思う方はチャレンジしてみてください。 ただし大量のディスクと電力が必要です。 もっと簡単で小規模なものは、π計算プログラム 「スーパーπ Ver 1.1」 と言うのが有りますので、お試しあれ。 自分のPCの性能評価に使えます。 今これでやってみたら、200万桁が50秒でした。 この調子でディスクの制限がないとしたら、5兆桁では約3.5万時間かかる計算。 約1.2年かかります。



さらに円周率の暗記法というのも有ります。 身(3) 1つ(1) 世(4) 1つ(1) 生(5) く(9) に(2) 無(6) と言うのはよく知られていますが、これは51桁までです。 1000桁のもありますので、お試しあれ。出だしは 産(3.) 医(1) 師(4) 異(1) 国(59) に(2) 向(6) こう(5) 産(3) 後(5) 薬(89) な(7) となります。 ここを御覧ください。



今月の読み物は、今話題沸騰の普天間です。 「普天間」交渉秘録守屋 武昌 著 ¥1,680 注文したときは在庫が無いとの事でしたが、すぐに届きました。 守屋元事務次官は、この本の出版が出来たこと、年齢的なこともあり早期に刑期を終えたいとのことで、上告を棄却し刑が確定したそうです。 日記をそのまま引用、もちろん実名のオンパレード。 当然に本人に不利な事実は伏せられているとは思いますが、人物批評等、批評されている本人が見たらとんでもないと言う感じです。 官僚の意地を感じます。 小池大臣とのバトルでも、喧嘩両成敗にはなりましたが、小池大臣の辞任の方が先になっていて、その日付が誇らしくしかし淡々と記載されています。



私も政治や官僚の世界を垣間見たことがありますが、その雰囲気はよく出ています。 しかし冷静に考えるとこんな事にエネルギーの大半を使わないといけない政治もどうかとは思います。 これが非効率極まりないが最上の政治システムである民主主義の現場の状況なんでしょう。 サラリーマンでも組織の一員ですから、これに似たような状況があると思います。 その参考にもなると思います。



また、沖縄の声と言われているものの実態がよく分かります。 そんなに単純に基地負担軽減と言うようなもので片付けられない実態があると思います。 多少はバイアスがかかっている記述だとは思いますが、何となく想像していたことに思い当たります。 小泉、阿部、飯島、二階、額賀、小池、麻生、下地、石破各氏などの実際の口調がそのまま伝わってきて、普天間だけでなく、当時の政府中枢のやりとりが生々しいと思います。



出版社/著者からの内容紹介

「引き延ばし」「二枚舌」── 不実なのは誰だったのか?

詳細な日記が炙り出す驚愕の舞台裏!

 「守屋さん、沖縄では大きな仕事は二十年かかるんですよ。石垣空港の時だって、年月がかかっても誰も困らなかった。今回はまだ七年です。たいしたことないじゃないですか」 私は呆れるしかなかった。 「それなら、沖縄の県民の前でそう言いなさい」 そう沖縄首脳に伝えた。 (本文より)



内容(「BOOK」データベースより)

膨大な量の日記には、自身と相手の発言内容、そして行動の詳細が記されていた。それはまさに「普天間問題」の真相を繙く第一級資料だった―。防衛事務次官として、アメリカ、沖縄、永田町と対峙してきた著者が、日記をもとに今まで語られることのなかった全経緯を綴る。






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