今月のひとこと2010年10月号

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2010年10月1日
検察問題、中国問題、通貨問題・・ だんだんうんざりしてきます。 中国は検察問題を狙ってやったのではないとは思いますが、勢いのある国は運まで付いてきます。 やはり素人集団の民主党では荷が重すぎるのか。 それにしても尖閣のビデオがなかなか出てきませんね。 偽ビデオとは思いませんが、偽メールの二の舞だけはして欲しくないと思います。 流石に若い前原大臣を前にクリントンはデレデレして、ついでに尖閣は安保の範囲だと言ってくれましたが、アメリカもまさかここまでこじれるとは思っていなかったと思います。

中国側から見ると、沖縄を含む特に尖閣は物凄く目障りでしょうね。 沖縄も中国の領土だったと言う、今のところ単なる学説らしいですが、いつ何時政府の方針になるかも知れません。 台湾、尖閣、石垣、沖縄と中国のものになれば、いつでも堂々と太平洋に出ていけるわけで、ここを何とかしようと思っていることは間違いありません。 それにしても国民の方も脳天気な意見もあって、愕然としますね。

かたや日本から見ると、この地域を奪われるとシーレンが確保できなくなって、石油の供給が不安定になります。 戦前のABC包囲網を連想する状況となるのではないでしょうか。 円高もそれ自体は国の資産価値が上がるわけなので歓迎すべき事でしょうが、妙なことに各国が自国通貨安を競争しているので、それに付き合わざるを得ないと言うことでしょう。

せっかくの通貨高ですから、その価値を最大限に利用して、外国企業の買収とか、石油の備蓄を積むとか資源の確保とか、単に円高を嘆くだけでなくてやることは沢山あると思います。 中国にこれ以上押されると、本当に日本の信用がなくなり、国内的には、自国内で国債が消化できなくなり、海外に依存すると、急速に最後の砦である個人資産が目減りして、急速に円安の方向に振れるのではないでしょうか。 その時の円安は、日本が世界から見放されたと言ういみですから、本当に日本沈没です。 今は最後の花だと思わないといけないでしょう。

iPadを先日、某大型カメラ店でいじってきました。 最初の印象は、超高級フォトフレーム。 単なるフォトフレームでも1万ぐらいするので、特に超高級ではないでしょうが、それでダメなら多機能フォトフレーム。 iPadの上で例えばコマーシャルにあるようにドキュメントを作るのはとても面倒。 メールを見るのはともかく書くのは大変そうです。 反面、写真を見るのは非常に楽です。 反応が速いのが特に良いです。 写真をパラパラめくる感じも、PCで見るより見やすい。 と言うことで、デジカメの付属品(どっちが高いのか?)として、写真ビューワとしてみれば、大変に満足の行くシロモノです。 多少高いのが欠点ですが。

今月の読み物は、マイケルサンデルのこれからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学マイケル・サンデル (著), Michael J. Sandel (著), 鬼澤 忍 (翻訳) ¥2,415
少し前に、TVでたまたま『ハーバード白熱教室』NHK教育テレビにて放送中(2010年4月4日~6月20日、毎週日曜18:00~19:00、全12回)の最終回をちらっと見たんですが、途中から見たので議論が分からず、学生がえらく難しい事を議論していると言う感じで、これにはえらくショックを受けました。 当然に英語でやっていたのですが、議論内容がさっぱり分からず、二重のショックを受けました。 ハーバードではこう言う議論を日常的にやっているんだと思いましたが、その後これは超人気の講義で、教授のマイケル・サンデルのバックボーンも分かってきて、やっと理解できました。 それで、今回の本が出たときは、一発で購入しました。 先日もTVで、東京大学でのマイケル・サンデルの講義が放映されていたので、思わず全部見てしまいました。

内容はともかく、面白かったのは、東大の学生は最初は日本語でやっているんですが、途中から議論が本格化すると、みんな英語になってしまいました。 まあ英語の出来る人なんでしょうが、みんな結構上手でしたね。 流石は東大と言う感じです。 途中で英語になる訳は、マイケル・サンデルの言うことを英語で聞いているので、頭が英語に切り替わっていて、英語でないと頭の中がまとまらないということでしょう。 もうひとつの理由は、ああ言うディベートになると、俄然英語のほうが便利だと言う理由もあると思います。 物事をキチンと説明する、議論をするには英語は大変便利に出来ています。 反面文学とか芸術の領域はやはりなんと言っても日本語です。 結論(動詞)を先に言う英語は議論に適し、結論(動詞)を後に言う日本語は感情表現に適していると思います。 これで思いつきましたが、英語でも、最後に aren’t you? みたいなのを付ける場合が有りますが、これは ~そうでしょ? みたいなニュアンスで、やはり最後に言わないと感情がこもらないと感じるのは、古今東西同じように思えます。

マイケル・サンデルの講義は、講義としても思い白いですし、最近滅多に口にしなくなった「正義」みたいなものが正面きって取り上げられるのも新鮮に感じるのではないでしょうか。 日常いつも感じていることがずっと前に哲学者が看破していたとかの再発見が有ります。 例えば、「相手が勝手に誤解するのは良いが、明確な嘘はいけない」と言うのは私の主義ですが、これがカントとは知らなかったなんて事もあります。

内容(「BOOK」データベースより)
哲学は、机上の空論では断じてない。金融危機、経済格差、テロ、戦後補償といった、現代世界を覆う無数の困難の奥には、つねにこうした哲学・倫理の問題が潜んでいる。この問題に向き合うことなしには、よい社会をつくり、そこで生きることはできない。アリストテレス、ロック、カント、ベンサム、ミル、ロールズ、そしてノージックといった古今の哲学者たちは、これらにどう取り組んだのだろう。彼らの考えを吟味することで、見えてくるものがきっとあるはずだ。ハーバード大学史上空前の履修者数を記録しつづける、超人気講義「Justice(正義)」をもとにした全米ベストセラー、待望の邦訳。

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