2011年 正月 元旦 あけまして、おめでとうございます

2011年正月元旦
2010年 正月 元旦 あけまして、おめでとうございます。
昨年の1月号を見直しても、あんまり変わっていないようで、この1年は特に政治の世界は変化がなかったと言うことでしょう。

卯年は跳ねるとの相場格言で、今年こそと株式投資の期待ですが、出遅れの日本株が本当に跳ね上がるのかどうか、大いに気になるところではあります。 尤も千里を走る寅は1年遅れと言う話も有ります。 日本で金融緩和してお金をばらまいたら、結局それは回りまわって、国債に回って、結局お金がぐるぐる回っているだけで、残ったのは国債残高だけと言うことが、この20年ぐらい起こっていて、怖いもの見たさも手伝ったインフレ期待・予測は完全に外れました。

昨年のリーマンショック以降は、全世界的にお金がだぶついていますから、これがどこに向かうのか、気になるところです。 一部の新興国とも言えない、中国やインドなどでインフレ傾向が出てきましたが、これくらいで済むのか気になるところです。 アメリカはどうも日本タイプになりそうで、長期金利が下落しています。

年の初めですから、長期的な希望のある話をしたいと思います。 最近、流行の電気自動車(EV)ですが、通常のエアコンをつけたり、いろいろなことをすると、航続距離は 100Km 程度では無いかと言う話になって来ています。 要するにチョイ乗りのいつでも充電できる目的に限るとか、ハイブリッドしか実用にはならんと言うことがハッキリして来ました。 電池の技術革新も次の一歩の展望がなくて、充電容量の桁上げが難しいようで、もし出来たとしてもエネルギーの塊となり安全性の問題もあり、実用化には時間がかかりそうです。 ターミネーター3でターミネーターが壊れた電池を捨てて大爆発を起こすシーンがありました。 多かれ少なかれこう言う事故は起きそうです。 もちろん電池メーカーは万全の対策をしていますし、すると思います。

原子炉で直接水素ガスを発生させる事が出来ると言う記事を、最近タマタマ見た新聞で発見しました。 以前に水素ガスブームが有ったときは、水素ガスの発生にエネルギーつまりCO2が必要で、あんまり意味がないのでは、と思っていましたが、高温ガス炉で直接水死ガスを発生させると、CO2問題はかなり解決すると思います。 水素ガスの燃料電池で発電すれば、現時点での電気自動車の欠点はクリアできると思います。

燃料電池車は、既に各社が試作車を開発していて、ホンダの「FCXクラリティ」、トヨタの「FCHV-adv」、日産の「X-TRAIL FCV」などがあり、要するに以前の水素ガスブームの時に開発していて、あながち完全な夢でも無いようです。 ただ燃料電池の瞬発力がないとか、回生エネルギーを充電できないとかの問題があって、リチュウム電池車とのハイブリッドになっています。ホンダ車で言うと航続距離も600km以上で、この距離を支える水素タンク容量も171リットルで済み、ガソリンの2倍位で済むようです。 技術的にはハイブリッドで量産の域に達しているので、後は水素タンクと燃料電池の改良でしょう。 ガソリンスタンドの代わりに水素ガススタンドが出来れば、現在の自動車とほぼ同じ使い勝手が期待できます。 街中の完全EVと遠乗りの水素自動車が住み分けて行くのではないでしょうか。

ちなみにマツダのロータリーの水素ガス直接駆動の「RX-8ハイドロジェンRE」の性能を見てみると、ガソリンに比べて、性能がだいたい半分になってしまいますね。 まあ水素ガスが提供されたらの話ですが、スポーツカーでなければ実用上は問題ないのではないでしょうか。

問題の水素ガスの発生ですが、まず鉄を作る高炉から副産物として出来てくるようですが量が少ないので、実用には大量に作れ、CO2の発生が少ない原子炉が良いでしょう。 我が国では、HTTR 高温工学試験研究炉 と言う高温ガス炉が茨城県大洗町にあります。 黒鉛減速、ヘリウム冷却型原子炉で、1000度近い熱を発生できます。 この熱を使って、要するに水を分解して水素を作るのです。 もんじゅなどで冷却にナトリウムを使って大事故を起こしていますが、この原子炉はヘリウムを使うので安全性は高いそうです。

超電導送電システムも、次世代のエネルギー問題を解決するひとつの重要な技術でしょう。 これが可能になれば、地球規模で発電を行い、それを配電することが出来ます。 例えば主要な砂漠地域に太陽電池を設置すれば、どれかは昼間になっているはずですので、太陽電池の夜間問題は解決できます。 また送電線の持つ大きなインダクタンスと大電流の特徴を生かし、電力を磁気エネルギーにして貯蔵する蓄電システムをつくることも可能です。

超電導送電は、既に実証実験は始まっていて、実用には問題は無いようです。 問題の冷却も高価な液体ヘリウムでは無くて、77Kの液体窒素が使える高温超電導物質が発明されたので、後は冷却の方法とエネルギー収支だけとなりました。 もちろん将来に常温での超電導が実用化されれば冷却は不要となります。

超電導ケーブルは、中心に冷媒を通すパイプが通っており、これを取り巻くように超電導電線が配置され、その外には冷媒が止まったときのための銅線があるようです。 全体は要するに魔法瓶のように真空の容器の真ん中に位置するようにしてあるようです。 最大の問題は、可撓性つまりどれだけ柔らかく曲げられるかです。 特に超電導物質は非常にもろいものですので、これを如何に曲げるかがポイントです。

送電方法も、その昔エジソンが主張したような直流になるようです。 交流の最大の利点はトランスを使って電圧の降昇圧が容易だったのですが、最近は半導体技術の発達で、直流でもこれが可能になりつつあります。 しかし、現在の交流送電システムは、システム全体でも、そのロスは5%程度と、特に日本は高効率を誇っています。 ちなみにこの半分はトランスによるもので、また直流送電も一部取り入れられているようなので、直接の比較は難しいですが、超電導送電に必要な冷却エネルギーや電圧変換ロスを考えると最終段階まではまだ道のりがありそうです。

今月の読み物は、ザ・クオンツ 世界経済を破壊した天才たち スコット・パタースン (著), 永峯 涼 (翻訳) ¥ 2,310 分厚くってぎっしり活字が埋まっている本だったので少し引きましたが、読み始めると止まらない。 どっかで聞いたことのある、シタデルのケングリフィン、ルネッサンスのシモンズ、破綻したGSAM(ゴールドマンサックス・アセット・マネジメント)のグローバル・アルファ、90年代後半に超レバレッジでオールインして破綻したLTCM、クオンツ達が集結してつくったアスネスのAQR、モルガン・スタンレーのPDT、D.E.ショー、メダリオン、Saba などが次々と出てきます。 私はこの分野には無縁でしたが、1990年代に取引がコンピュータで行われていると言うような話を聞いたことがあったので、そんなものかと思っていましたが、ザラバ中に毎秒何百万ドルも増えていくお金、それがリアルタイムで表示されていると言うのは、すごいですね。 確かにシステムを作ったら後は何もしなくて良い。 しかし何かの拍子にアルゴリズムの想定が狂ったら、ガタガタになりますね。 あっという間に何千億円の損失が出ます。 何百億ドルとか日本語に訳してあるので、これをドルに読みなおしてやっと感覚が分かります。 それにしても最初から最後までポーカーの物語のテーマが流れていて、この人達はギャンブル好きなんですね。 この世界は所詮ギャンブルの世界なのかと考えさせられました。

内容紹介
リーマンショックに代表される近年の金融危機の中心には、計量分析に基づく投資手法を考案した天才数学者達の存在があった。ウォール街が記録的なメルトダウンを経験するまでの足取りを辿る渾身のドキュメンタリー。

内容(「BOOK」データベースより)
ウォールストリートの食物連鎖の頂点に君臨する「クオンツ」と呼ばれる天才数学者たち。彼らは、平凡な人間には解読不能な微分学、量子物理学、応用幾何学を駆使して金融商品の値動きを分析し、莫大な利益を上げてきた。だが、彼らの開発した数々のデリバティブ(金融派生商品)や数理モデルは、史上最大の金融崩壊の引き金となってしまう。天才たちはどこで何を間違えたのか―。ウォールストリートの内幕を暴く驚愕のノンフィクション。NYタイムズ・ベストセラー。

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