今月のひとこと2013年7月号

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2013年7月2日
とうとう1年の半分が過ぎてしまいました。 今年の前半は波乱の前半で、まさかまさかと思っていたら、どんどん株価が上がって、最後はあれあれと下がっていきました。 もともと異次元緩和は既に織り込み済みで、上がっていたところに、サプライズがあって、急激に上がったと言う事でしょう。 その分が剥げ落ちて、異次元緩和の前段階に戻ったのは、自然の成り行きだと思います。 ともあれ、先週末から14000円と100円を覗う展開になっており、少しは気分が良くなってきたかと思います。

一方、お隣の中国では、金融リスクが高まってきているようです。 地方政府が借り入れは出来ないはずが、いろいろ抜け道を使って、巨額の借り入れを行い、それで地方の開発を行なっていたのですが、それがそろそろ怪しくなってきたようです。 一種のヤミ金融で「影の銀行(シャドーバンキング)」と言われる中国特有の問題。

まああれだけ融通無碍な中国で規制をいくらかけても、こう言う問題は沢山あると思いますが、あのリーマンショックの現況となった、サブプライムローンと大同小異と言うのが一般の見方です。 何処にどれだけのお金が回っているか分からないという点では、まったく同じでしょう。 世界中にばら撒かれている程度は低いと思いますが、例の金融工学の功罪で、何処にそれが紛れ込んでいるのか分からずに、みんな疑心暗鬼になって、信用収縮するのか最も恐ろしい点です。

中国問題の顕在化が消費税の8%へのアップの時期と、下手すると重なるので、非常に微妙な時期ではあります。 アベノミックスは非常にラッキーに少し早くスタートしたので、成果が現れていますが、これが半年遅れていたら、アメリカのQE3の出口戦略問題の混乱と合わさって、どう言う展開になったのかは予想も出来ませんね。 いずれにしても、今後1年間には何かが起きると思うのでアベノミックスで注意が逸れていても要注意です。 オリンピックの後も、リーマンショックも、何とか切り抜けてきた中国ですが、今後は国内要因ですので、予断は許しません。

安倍政権がラッキーなのは、TPPでも同じです。 良くあのタイミングで、反対を押し切って参加を表明しておいた事だと思います。 先日の米中会談で、中国はTPP参加を口にしました。 中国の現制度でTPPに参加は出来るはずもありませんが、物凄く意識していることは間違いないです。 もし日本がTPP参加を表明していなければ、どんな悲惨な状況になったかは、想像に難くないでしょう。 ラッキーも実力のうちです。

消費税増税もポイントは同じです。 個人的には消費税のアップは、もうワンテンポ遅らせたほうが良いとは思いますが、この状況下で、もし延期すると言う話になると、日本の財政の信任は一気に落ちて、国債は暴落するでしょう。 と言うことは国債の利率が大幅にアップして、3%のアップどころではなくなってしまいます。 マスコミや政治家の話を聞いていて、一番気になるのは、こう言う国内からしかモノを見ていない点です。 好むと好まざるとに関わらずグローバルの時代には、国内だけを見ていてもほとんど意味が無いと思います。

あまりマスコミでは論評されていませんが、安倍政権の海外に対するアクションは目を見張るものがあります。 囲碁で言えば、中国と言うシマを周りから、どんどん石を置いて囲んでいる感じですね。 国会が忙しいから海外で出れないとか言う言い訳が、過去にはありましたが、やる気になればいくらでも知恵は出て、実行できるものだと思います。

更には外務大臣も良くやっていると思います。 最初は国対のイメージが強かった外務大臣ですが、外交(特にアジア)も国対の延長と言うと怒られそうですが、そんな感じで、初期の懸念はまったく払拭されました。 麻生さんも財務省の言うことをそれなりに代弁して、しかしうまくカウンターウエイトになって、甘利さんとうまくバランスしていると思います。

ITの話題がほとんど無くなってしまいましたが、久々にDELLのPCを発注しました。 Vostro 270s Core i3 Windows 7 Home Premium と言う代物で、これで19インチながらディスプレイが付いて配送料、税込 \24,978。 まだ現物が到着しないので、なんとも言えませんが、定価では7万円弱の値段が付いているものです。 Windows 8 はキャンペーンか何かで安いのですが Windows 7 なのでビックリ。 ちなみにスタートボタンを復活した Windows 8.1 が出るようです。 MS自身がやっと失敗を認めたようですね。

今月の読み物は、今回のメインテーマの中国をもう少し深く知るための 「おどろきの中国」 (講談社現代新書) 橋爪 大三郎、大澤 真幸、宮台 真司。 \945 鼎談形式でまとめられていますが、そもそも中国人の思考はどうなっているのか? と言うのが隠れたメインテーマです。 結局、秦の始皇帝から毛沢東まで、あんまり変化していないのでは? と言うのが結論で、あの大きな中国が何故統一されたのか、統一する必要があったのかが分かります。 また統一には、表意文字である漢字が非常に大きな役割を果たしたことが分かります。 いろんな民族が居るので、漢字で書かれた中国語をどう言う発音で読んでいるのかは分からないが、意味は通じます。 何しろ東夷であった日本人でも、読んでいたんですから。 もっとも返読のための返り点を打ったり、涙ぐましい努力の末にも必須の中国語を読んでいたんですね。

第4部の中国のいま・日本のこれから、は読まないほうが良いです。 ここまで来て、中国命みたいな、中国礼讃のオンパレードで、どこかの元総理大臣みたいな話になって、1-3部の評価ががたっと落ちます。
★☆☆(他にもっとよい本がありそう)





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