今月のひとこと2015年7月号





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2015年7月1日
5月の猛暑から一転して寒々した気候が続きます。 昼間は結構暑くなる日もありますが、朝方は20℃を切る日も多く、肌寒い感じがします。 この調子で行くと今夏は冷夏となりそうで、景気にはマイナスとなるでしょう。 余り暑いのも閉口ですが、そこそこ暑い夏らしい気候になって欲しいものです。

2転3転したギリシャがとうとうデフォルトに陥りそうな状況です。 しかし返済期限が6月30日ですが、これを過ぎたからと言って何かが起きるわけでは無いようです。 IMFの理事会に返済できませんでしたと報告して、ああそうですか、と言うだけらしいですね。 過去の類似の例でも、返済不能即デフォルトとはならないようで、この件ではIMFがいつデフォルト宣言するかがポイントですが、宣言しても現時点では良いこともなく、そのまま返済不能状態が続くようです。 結局7月5日の国民投票の結果が賛成と出て、結局現政権が退陣して、IMFの提案を受け入れると言うシナリオになるのだと思います。

それを見込んだのか市場は29日こそ600円近く下げましたが、昨日は徐々に上がって、引けてみれば100円以上の上げになりました。 その後アメリカも上げ、日本も今日は上げ相場です。 いずれにしても東京市場は世界で一番早く開く主要市場でいち早く上昇に転じた日本は地力があると言うか、この先の景気動向の強気を再確認する場面となりました。

月曜日29日の後場の下落の要因の一つになった、バブル崩壊と言われている中国上海株はおそらく政府のPKOみたいな手段かも知れませんが、今日は上昇に転じています。 しかし金利を下げても市場は反応せず、いずれは下落に転じるでしょう。

ギリシャは今回の問題を先送りしても、7月20日を始めとして、返済スケジュールが目白押しなので、いつまでも突っ張っておけないでしょうし、中国はこのままバブル崩壊となると中国自身への影響が大きすぎるので、政府が一丸となってソフトランディングを目指すのではないでしょうか。 この辺が独裁国家の良いところですね。

一昨夜は土星と月のランデブー(古!)が見られましたが、土星の新しい写真が撮られたようです。 この画像は今年2月4日、探査機カッシーニ(Cassini)が土星から約250万キロメートル離れた位置から、広角カメラで撮影したもの。 写真右上には土星の衛星ミマス(Mimas)がごく小さな白い点のように写っていますが、良く見ないと見えません。





宇宙関連の話題は惑星協会が先日打ち上げたソーラーセイル宇宙船の実験機「ライトセイルA」が、低周回軌道で太陽帆を展開するテストミッションに成功したとのこと。 このソーラーセイルは以前に本欄でも取り上げましたが、私の好きなプロジェクトです。 広大な宇宙を光の圧力だけで航行すると言う壮大でロマンあふれるプロジェクトです。 光の圧力は微々たるものですが、長時間に渡ってわずかですが加速し、どんどん速度が上がると言うわけです。 何より夢がある。 2016年には「完全なソーラーセイル航行」を行うようで、わずかでもドネーションしようかと思っています。

今世紀に入っての大発明はディープラーニングだと思うようになりました。 これで人工知能の能力は飛躍的に伸びました。 実際にその成果を実感できるのは、以前に本欄でも取り上げましたが、音声認識です。 以前の音声認識技術の開発に関わって、その能力を知っていたが故に、旧来の技術の音声認識を使っても、使い物にならないと言う印象が強かったのですが、その後ディープラーニングを使ったと覚しきスマホを使ってビックリ。 おそらく人間でも知らない地名などの認識は難しいのですが、固有名詞でも一発で認識します。 最近の研究では、視覚認識にも使われ、写真を見せると、動物とか、ネコとか認識できるようです。

アップルのSiriを使った宣伝の場面は、最初は話者を限定した条件の良いところでの話だと思っていましたが、本当なんだと実感しました。 ディープラーニングの開発者も最初は刈る気持ちで試してみて、こんなに効果があるとは思ってもみなかったようです。

今後いろんな分野に応用されていくと身の回りが一気に便利になっていくでしょう。 かな漢変換のIMEに早く応用して欲しいと思います。 写真のリンク先には、これまでの人口知能研究の歴史が描いてあり、エキスパートシステムなんて、懐かしい言葉も出てきます。

中国のバブル崩壊の話がでましたので、今月の読み物は「中国台頭の終焉」日経プレミアシリーズ新書 津上俊哉著 Kindle版 ¥762 新書 ¥961

★★☆ 関心のある方は読むべし。

中国の発展はめざましいですが、どこにその限界があるのでしょうか。 GDPでアメリカを追い抜く日は近いと入れていますが、本当にそうなるのでしょうか。 本書は特に経済面から中国の問題を洗い出し、将来を占うものです。 通産官僚OBが書いているためか、視点がしっかりして、妙なネトウヨ的な中国否定論では無く、淡々と経済問題、社会問題などを取り上げています。

内容(「BOOK」データベースより)
中国が「今後も7%以上の成長を続け、GDPで米国を追い抜き、世界ナンバーワンの大国になる」という見方は楽観に過ぎる。いまのままでは遠からず成長が失速し、深刻な停滞を迎えることになる。中国の経済・ビジネス事情に通暁した著者が説き明かす経済大国の真実。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
津上/俊哉 現代中国研究家、津上工作室代表。1957年生まれ。東京大学法学部卒業。通商産業省入省。中国日本大使館経済部参事官、通商政策局北東アジア課長、経済産業研究所上席研究員などを歴任後、東亜キャピタル株式会社社長を経て現職。著書に『中国台頭』(サントリー学芸賞受賞)等がある。



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