今月のひとこと2015年9月号





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2015年9月1日
とうとう株価の大調整が始まりました。 2-3ヶ月前に、変調があってアベノミックスもこれで年貢の納め時かとどこかに書いたことが有りましたが、ついに現実となりました。 以前より中国経済は悪いと言われていましたが、元の切り下げで、本当に悪いのだとみんなが実感したと言うことです。 安保法制もアベノミックスも沖縄問題も曲がり角で、安倍政権の真価が問われています。 しかしこれで内閣が倒れるようなことがあれば、日本も中国と一緒に討ち死になってしまいそうです。

ちなみに世界の株式市場の時価総額を世界地図の面積で表したものがあります。 こう見るとアメリカが大きいのは当然としても、中国が如何に小さく、日本やイギリスが大きいことに気がつきます。

安保法制は何でこんな事になってしまったんでしょうか。 60年安保のように多少の国会デモもやむを得ないと言う慢心ににた気持ちがあったのでは無いでしょうか。 防衛大臣の答弁も稚拙で、舌足らずなところもあって、確かに国会の議論を聞いていても議論がかみ合っていないところもあります。 また野党は戦争法案とかのレッテルを貼って、まともな議論がなされていないような気がします。

こう言うプロパガンダに、日頃はほとんど政治活動らしい事をやらない若い人が人が巻き込まれているような感じがします。 中国などに比べて、何があってもデモらしいデモもないのが物足りませんでしたが、若い人にもこう言うエネルギーがあったのだと、少々安心する気持ちもあります。

60年は知りませんが70年安保の時は大学に居て、何が起こるのかと見ていましたが、何も起こらず、安保条約の一節も読まずに反対を言っていたような気がするので、同じ年代の当時の若者は、今の若い人に同じような印象を持って眺めているのではないでしょうか。 主導している人は既成革新政党の影響下にあるようで、これも70年当時と同じような枠組みだと感じます。

70年安部談話は非常に良かったと思います。 確かに左右に気を遣いすぎて玉虫色になった印象はありますが、逆にこれが功を奏して、バランスの取れたものになったと思います。 敵対する状況では無いこともあって、中国も韓国もまともな反論が出来なかったですね。 あまり報道され居ませんが、談話発表直後の両国の非公式のコメントでは、非常に良く設計された、良く出来た談話だとの評価でした。 確かにどっかを突っ込むと、どっかが自分に跳ね返るようになっています。

私が以前から思っていたように、キーワードを適当にちりばめておく、と言う戦略も当たりました。 本来は甘利意味の無い用い方だったのですが、単にキーワードをカウントしている方からすると、カウンターが1度上がったと言うことでしょう。

安倍政権はアベノミックスが命なので、安保法案成立の前後に、異次元緩和が発動されるのではないでしょうか。 アメリカの利上げは、おそらく12月に延期。 日本の消費税増税も延期せざるを得ないと思います。 ここで何かあって、政権交代となると、後は誰がやっても株価の暴落は避けられないでしょう。 もし野党に移るようなことがあれば、その気配だけで日本の経済は壊滅状態に陥るのではないでしょうか。

最近のIT分野の話題はあまりないのですが、たまたま目にした車載用のミリ波レーダーのモジュールの話題。 20年ほど前にミリ波レーダーをモノにすべくイスラエルまで行って、イスラエル空軍の司令官とも面談して、技術導入を図ったのですが、当時は高価で大型で、トラックに搭載するのがせいぜいだったと思います。 最近は主要部分がチップ化されて、77GHzミリ波レーダーモジュールが安価に作られるようになりました。 ちなみにスズキのミリ波レーダーによる自動ブレーキは、35000円と極めて安価に設定されています。

実際に使用するときは単眼カメラとの組み合わせで前車との距離を計測します。 実際に使ってみると、車線をキチンと認識して、カーブでも自分の車線に居るのか隣の車線にいるのかをキチンと判別しています。 もの凄く曲がりくねった道などでは、時々前車を見失うし、見失うと前車が居ないと判断して速度を上げる方向に向かいます。 またちょうど前車との間で信号が変わって止まらないと行けないときも、自分でブレーキを踏まないと信号を無視してしまいます。 次の段階は、この信号を判定して。スタートストップが出来るようになるのではないかと思います。

前車との距離を測っての自動速度調整と車線の逸脱警報で、一般道路はともかく、少なくとも高速道路における自動運転は、現時点でも可能だと思います。 一番心配した、自動運転の時とそれを外したときの運転の感覚、つまり自動運転だと思ってブレーキは自動でかかると思っていて、ブレーキを踏まないで居ると言うような危険はないのか? と言うことですが、意外に混同はなくて、一番の違和感は自動ブレーキ時の勝手にブレーキがかかると言う感覚がなじめず、ついつい足でペダルを踏んでしまうと言うことぐらいです。 思ったより人間は順応性が高いと感じました。

今月の読み物は、「誤解だらけの電力問題」 竹内 純子 著 Kindle版:\800 新書¥1,080

オススメ度 ★★★ 是非読むべし

電力に関しては、マスコミを含めて誤解や中傷や当たらない非難など、何が本当に問題かと言うことが良く分からず、一度電力会社内部の人の意見を聞いてみたいと思っていました。 先日のNHKの番組で、ハッキリした物言いと主張があり、物言いの端が少し韓国人評論家の金慶珠に似ていたので面白かったが、珍しく女性だと言うので興味を持って著書を読みました。 立場が環境保護に傾いているので、少々値引きして考えないと行けないですが、単純に再生エネルギー礼賛ではなかったです。 全体にバランスの取れた、冷静な分析が良いです。

本書では触れられてはいませんが、原発事故では福島第一しか取り上げませんが、同じ敷地内に5号炉と6号炉の原子炉があり、福島第2も4基の原子炉が同じように津波に襲われ、第1と似たような状況になったのですが、こちらは何とか事故に至らなかった。 さらには同じく津波に襲われた女川原発の3基の原子炉。 こちらは被害が少なく再稼働を計画している。 原発事故の広範な偏見の無い現状も知りたいものです。

内容紹介
自由化されると電気料金が下がる、再生エネルギーで自給自足が可能、原子力発電所がなくても電気は供給されるし、支障はない……など、電力に関する話題にはとかく誤解がつきものです。本書ではこういった誤解を解くことからはじめ、電力や電力業界の問題のほか、エネルギー問題など、電力にまつわる様々な問題点を、元東京電力社員の著者が丁寧に解き明かした1冊です。

序 エネルギー政策の理想と現実
第1部 エネルギーに関する神話
(再エネ神話の現実
ドイツ神話の現実
電力会社の思考回路にまつわる神話)
第2部 エネルギーに関する基本
(電気はどこでどう作る
エネルギーを語るなら知っておきたい常識
キレイごとでは済まない温暖化問題
東電福島原子力事故による3Eの変化)
第3部 電力システムの今後
(考えなければならない問題
原子力事業は誰がどう担うのか
今後電力システムはどうあるべきか)
補論 電力システムと電力会社の体質論

<著者プロフィール>
竹内純子(たけうち・すみこ)
NPO法人国際環境経済研究所理事・主席研究員、21世紀政策研究所「原子力損害賠償・事業体制検討委員会」副主査。
慶応義塾大学法学部法律学科卒業。1994年東京電力入社。2012年より現職。国立公園尾瀬の自然保護に10年以上携わり、農林水産省生物多様性戦略検討会委員や21世紀東通村環境デザイン検討委員等歴任。その後、地球温暖化国際交渉や環境・エネルギー政策に関与し、国連気候変動枠組条約交渉にも参加。著書に、『みんなの自然をみんなで守る20のヒント』(山と渓谷社)がある。



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