今月のひとこと2018年7月号

2018年7月2日
とうとう暑い夏がやってきました。 今年は空梅雨と思っていたら、早いところでは6月中にも梅雨明けでした。 先日の大阪北部地震は、思ったより大騒ぎになってしまいました。 当日のその時間は、軽四で走っていて、地震警報が出たので、少しゆっくりと、揺れが来るのかと構えていましたが、何も無く、そのまま町の中に入ると、みんなが外に出ていて、通学中の生徒も固まって集まっていました。 結構揺れたようですが、車で走っていると分からなかったです。 阪神大震災の時も、この家の石灯籠などは全く倒れていなかったので、揺れはそんなにきつくなかったのかと思います。

どうも淀川を挟んで北と南では岩盤が違うようで、揺れは伝わらないようです。 後は上町台地の断層と、生駒山系の断層があるのですが、近い生駒の方は発生頻度から言うと問題無さそうです。 そもそも、奈良の方からだらだらと高くなってきて、大阪側で急に斜度が大きいのは、これが断層であって、ここから地震が発生すると、山際(この辺りではヤマネキと言う)の建物はひとたまりも無いでしょう。

伏見城が倒壊した慶長伏見地震は、今回の地震と似たような所ですが、こちらの大阪南部の被害はそれほど大きくは無かったようです。 少なくともその時は存在した秀吉の大阪城はたいした被害は無かったようです。 ちなみに、この地震を契機に年号が文禄から慶長に改元されたそうです。

地震による改元で思い出すのは、安政南海地震です。 こちらでもお寺が全壊したとかの話はありますが、若江の付近を中心に半径約4kmで家屋倒壊があったとのことで、この辺りは旧河内湖のあとで、地盤が緩いせいか地震が強く伝わったようです。 実際の地震は嘉永年間に起きたのですが、この地震や黒船来航、内裏炎上などがあり、安政と改元され、年号上は安政年間であるので、この名前が付いたとのことです。 しかし改元にも関わらず、その後も大きな余震が続いたとのこと。

ITの話題は量子コンピュータです。 方式はだいたい2つに分かれていて、汎用のものと、特定の計算だけ出来るものの2つで、新聞記事などですぐにも実用化できるような紹介もあり、ベンチャーが作ったモノモノしい、映画に出てくるようなコンピュータも紹介されていますが、これは後者の特定のアプリを処理できるもの。 そもそもコンピュータの物々しいのは冷却装置であって、コンピュータそのものでは無いのです。

コンピュータとしては当然に汎用的で無いと意味がないのですが、その実現が行き詰まっています。 何しろ捕まえ所が無く、確率で動くような量子を相手にしているので、揺らぎによるエラーが頻発します。 この2つが別々に報道されるので、どうなっているの? と疑問になります。

本命の汎用量子コンピュータで、エラーを抑えようと、謝り訂正符号を入れると、こんどは計算するビット長が長くなりすぎて、いまでもたいした数のビットは作れないのに、これ以上は無理となっています。 そこで、光を用いた誤りに強い方式が提案されました。 これが成功するのかどうかは分かりませんが、いずれは解決されて、量子コンピュータが完成するでしょう。 その暁には、暗号を解くのが非常に得意な量子コンピュータによって、現在の暗号方式は無効になってしまうので、また新たな方式に変更しないといけなくなります。 また役所に行ってマイナンバーをカードを作り替えないといけなくなります。

今月の読み物は、大阪北部地震にちなんで、「天災から日本史を読みなおす 先人に学ぶ防災」 (中公新書) 磯田道史 著

紙の本の価格: ¥ 821
Kindle 価格: ¥ 760

豊臣政権を揺るがした二度の大地震、一七〇七年の宝永地震が招いた富士山噴火、佐賀藩を「軍事大国」に変えた台風、森繁久彌が遭遇した大津波―。史料に残された「災い」の記録をひもとくと、「もう一つの日本史」が見えてくる。富士山の火山灰はどれほど降るのか、土砂崩れを知らせる「臭い」、そして津波から助かるための鉄則とは。東日本大震災後に津波常襲地に移住した著者が伝える、災害から命を守る先人の知恵。


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