今月のひとこと 2018年10月号

2018年10月3日

二連発の台風で散々でした。 更に今週は三連発になりそうな感じで、今年は台風の当たり年ですね。 特に21号は第二室戸以来の強さで、久々に怖いと思いました。 第二室戸は紀伊水道をまっすぐ上がってきて勢力は衰えずに、そのまま神戸に抜けました。 家はミシミシ、壁土はバラバラで外では2階の瓦がどんどん落ちてきて、1階の屋根が滅茶滅茶になってしまいました。

今回の台風はそこまで酷くは無かったのですが、瓦は少し落ちました。 樹木の被害が大きく、傾いた木が何本が出ました。 近くの名所の桜の古木も倒れてしまって、その付近だけは歯抜けになってしまいました。

25号は右側を通ったせいか、最接近でも風はほとんどなかったです。 むしろ通り過ぎてからの風が強かったです。 台風の速度が50kmにあがると、30mの風と言うのは分速ですから、時速になおすと108km/時となり、単純な計算をすると、これが左側だと258km/時(72m)、右側だと58km/時(16m)とエラく差が出るようです。

台風と同時に株価も来ました。 トランプの貿易戦争もあるのに、何で上がるのか分からない内にドンドン上がって、24000円の壁を越えてしまいました。 株高の原因として、新興国から引き上げた資産の振り向け先になった、円安になっている、日本株が割安と言うような解説がありますが、みんな後解説になってますね。

カナダとのNAFTA交渉で分かったように、古色蒼然とした自動車の数量規制が導入されようとしています。 いつか来た道で、ここは、今や政権のバックボーンになっている経産省の役人の人に頑張ってもらいたいと思います。 マスコミではいろいろケチを付けますが、日本の交渉力はそれなりにしぶといと思います。 TPPはもの凄く頑張ったと思いますが、頑張れば出来るはずで、直球勝負と言うよりは変化球勝負が得意なようですから、アメリカの直球に日本の変化球を期待しています。

江戸幕府も後の明治政府からボロクソに言われて、それが定着している用ですが、幕末の林大学の日米交渉も、時間を引き延ばしながら、日本の意思不統一にも関わらず、時には鋭く反論し結果を出したと思います。 関税自主権の無い不平等条約は納得できませんが、条文でほとんどの関税は20%になっており、実質的にはあまり不平等では無かったようです。 当時からしたたかに交渉していたことが良く分かります。 隣の中国のアヘン戦争を横目で見ながら、今と同じですね。 現代の林大学、交渉官頑張れ。

今週からはまたもやノーベル賞週間になってしまいした。 今週はみなガンの免疫療法について詳しくなりそうです。 そもそも免疫と言うのはもの凄く強力で、免疫不全になると死亡に至る場合が多いです。 これがどうしてガンに効かないのか、私もずっと疑問でした。 ネットを検索すると、免疫療法の広告が山と出来てきます。 これらは皆本物では無くて、免疫細胞を体から採りだして培養して戻すと言うのが一般的ですが、これでガンは治りません。 しかし末期ガンでワラをもすがるような人に対して、保険外なので法外な治療費を請求するほとんど詐欺的な病院が多々あると言うより、全部そうだと思います。 今後は、このノーベル賞受賞にかこつけた免疫療法詐欺が横行しないように祈るのみです。

免疫が身近で分かりやすいので、この様なイカサマが蔓延るのでしょうが、こんな風潮の中で阪大は細々と免疫療法を追求してきたと思います。 しかし今回の件で京大にノーベル賞をさらわれてしまい、本家本元は残念な気持ちでいると思います。 しかし考えてみると、オプシーボで認知度が上がった免疫療法が、これで第4のガン治療法として確定したように思います。

オプシーボは投与した患者の20ー30%にしか効果はないそうで、これも遺伝子検査が確立したら的確に投与できるようになると思います。 薬価もベラボーに高いようですが、これは最初の適用が皮膚ガンだったので、これの適用患者数が500人だったためだそうです。 しかし考えてみると500人にしか適用できない薬をいくら薬価が高いと言っても、良く開発する気になったものだと思います。 開発元の小野薬品も最初は断って、アメリカのベンチャーが手を出そうとすると、一転引き受けたそうです。

そう言う意味では非常にラッキーな一件だと思います。 いくら熱心に開発を持ちかけたのかは分かりませんが、オプシーボが無ければノーベル賞は無かったのではないでしょうか。 最近のノーベル賞は、何かのビジネス的な成功、もしくは具体的な応用が無ければ評価しないような気がします。 評価能力が衰えているのか、一般の納得性が無ければダメなのか。 分野は異なりますが、理論物理の分野では、何の役に立つのか? と言うのでも受賞しています。 以前の益川小林理論もその通りで、これだけでは何の役にも立ちません。 カミオカンデのニュートリノも同様です。

自然科学についていつも思うのは、これらは発明では無くて、発見だろう、自然の法則の中から何かを見つけ出すだけでは無いのか? 単なる偶然とは言わないが、見つかるかどうかは、かなり当たり外れがあるのではないかと思います。

自然科学の分野からは単なる応用科学に過ぎないと言われている数学は、確かに発見はあるのでしょうが、その土台は人間が作り出したもので、宇宙の自然定数、例えば電子の荷電量が少しでも違ったら、人間は勿論生物全般、宇宙全体も無くなるのか変化するのか、いずれにしても大きな変動に見舞われますが、数学はそうなったとしても、もし人間が生き延びれていれば、その変化しないことが分かるでしょう。

これの延長線上にコンピュータソフトウエアがあります。 ハードウエアは自然科学で、江崎さんなどがこれに絡むノーベル賞受賞者ですが、この上で動作するソフトウエアは全くの数学であるためか、この分野にはノーベル賞は来ません。 いま流行のAIやブロックチェーンなどは、その影響が世界に与えるインパクトで言うと完全にノーベル賞級だと思うのですが、この分野をもっと評価すべきと思います。

今月の読み物は 「東芝の悲劇」(幻冬舎) 大鹿靖明著 ¥749税込 電子書籍

東芝と言うのは東京の会社なので、若い頃は余りよく知りませんでした。 12ビットのマイコンを作ったり、すこし変わった会社と言うイメージがありました。 実家で買った東芝のビデオレコーダーはずっと使えないままでした。 その後、ディスクレコーダーを入手しましたが、これが機能の塊で、不具合も多くて、しかし熱心なファンも居るとのことで、妙に納得したことがあります。

その後、我が家のTVを東芝にしましたが、仕様が簡単になったためか、非常に使いやすいものでした。 リモコンのボタンも地デジBSそれぞれに付いていて、ボタンの少ないのがとっつきやすいと言う風潮に反して使いやすく、親近感がありました。

その東芝が、企業解体の様相を呈してきたので、少し内情を知りたいと思って読みました。 筆者の取材がすごいです。 ずっと追いかけている。 結論的には全ての問題の源流に西室さんが居るような感じがしました。 それにしてもアチコチの社長や会長を引き受けて、どんな人だろうと言う興味もありました。

【内容紹介】

粉飾決算、原子力事業の失敗、遂には看板の半導体事業も放出――超名門企業・東芝はなぜ崩壊したのか?20年に及ぶ取材から浮彫りになったのは、権力に固執し責任をとらず決断もできない、歴代トップの無様な姿だ。東芝で起きたことは、今も日本の政・官、そしてあなたの会社でも起きている。全組織人必読、衝撃のヒューマンドキュメント。


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