今月のひとこと 2019年8月号

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2019年8月1日
韓国に対する輸出規制見直しは、とうとう山場に差し掛かったようです。このままアメリカの仲裁を受ければ韓国も勝ちとなります。 いわゆるホワイト国の指定解除までは、このまま粛々とやらないといけないでしょう。 何のために何回もゴルフをしたのか分からなくなりますね。 結果として、朝鮮出身労働者問題に何らかの方向が出れば取り敢えずは良いのかもしれません。

経済状況もだんだんと悪化してきて米中貿易摩擦とさらには日韓の摩擦により、ますます不透明になってきています。 アメリカの FRB はとうとう利下げに踏切ましたが日銀はこれ以上特にやることもなく、さらなるマイナス金利というのは金融機関にさらなるダメージを与えることになると思います。

結局、日本はやはり世界の先端を走っていたということになります。 何十年か前は日本は周回遅れと言われてたのですが、よく考えると全てのことに対して先端を走っていたということになります。 それ以前はアメリカが先頭を走っていたという印象があるのですが、最近はどうも日本が先頭を走っていてデフレであろうが利下げであろうが日本が先に行っていると言うことで、日本はこれに対する答えを先に出さないといけないということになるわけです。 さてどうなるのでしょうか、全く先の読めない時代になってきました。

最近は音声認識の発達が著しく、以前は夢物語であったようなマイクで音声で文字を入力する事は普通に可能になりました。 この文章も音声により入力していますが、以前に手書きからキーボードに変わった時は書く文章の文体も変化したものでした。 音声による入力によってまた文体も変化するような気がします。 それにしても非常によく認識しますこれは Google の「ドキュメント」というPCアプリの無料のものを使っていますが非常によく認識しますし、入力してる途中にキーボードから改行や句読点を入力できるので非常に便利です。この音声認識は使えば使うほど、どんどん調子が出てきますね。 ほとんど早口で喋っても全て認識する感じです。

何十年か前に音声認識に携わったことがあり、この時は四苦八苦しまして、何年やっても全く前進せず当時は諦めました。 思ったのはやはり意味認識をしてやらないと駄目だという確信だったんですが、現在の音声認識は意味認識をしておらず単純にサウンド波形から認識してるわけで、これは驚天動地の出来事です。こういう形で実現できるとは夢にも思いませんでした。いずれにしても便利になったもので慣れれば非常に速いスピードで文章を入力できるようになりました。

当時の音声認識ではマイクがキーだとかいうことでマイクロの選択を色々行ったりしましたが、現在ではマイクは特に重要部分ではなく普通のマイクで可能となっています。 これはある意味当然で人間が聞いても、特にマイクを変えても人間が認識する音声はには変化がないと思います。 同じく人間が聞いて例えば全く知らない言語を判断できるかと言うと非常に心もとないのですが、これが出来てしまっているというところにすごいところがあります。 例えば中国語の四声などを聞き分けることは非常に難しいのですが、この AI による音声認識は可能にしており、これは非常に驚くべきことです。

今月の読み物は「文明としての江戸システム」 日本の歴史19 (講談社学術文庫) 鬼頭 宏 著 ¥1,296

読むのは少々しんどいです。

江戸時代の再認識が盛んに行われていますが、これは江戸時代を人口の切り口で分析したものです。 明治維新政府によって江戸時代は必要以上に評価が低くなっていますが、現在のような低成長時代と江戸時代はほとんど似たところがあって非常に参考になると思います。

例えば当時の世界第1の都市であった江戸の町ではリサイクルが完全に機能していて、し尿を含むを全ての廃棄物がリサイクルされていました。 これは現在の東京では無理かもしれませんが、地方の県庁所在地ぐらい程度のサイズの都市では可能だと思いますので、現在でも完全なリサイクルシステムは実現できると思います。

また女性がの地位が低いというのが常識ですが、実際はそうではなくて、結構きままに生活していたようですし、離婚も女性主導でどんどん行われていました。 また産児制限は当時はなかったので、子供の間引きが行われていました。 これは貧しいと家庭で行われていたというのが常識みたいですが、実際は裕福な家庭でなほど間引きが盛んに行われていました。

要するに産まれた赤ん坊の時に殺してしまうわけですが、少子高齢化の現在では想像もできないことですが当時の社会システムではこういうことも必要であったのでしょう。 いずれにしてももう少し江戸時代を再評価することによって現在のこの低成長時代に対する処方箋が得られるものであるというふうに感じました。

【商品説明】
『日本の論点(2002)』にも寄稿している歴史人口学の権威、鬼頭宏が、「人口」という切り口で江戸の政治、経済、社会を論じている。ドラッカーが『ネクスト・ソサエティ』(原題『Managing in the Next Society』)で少子高齢化のインパクトを論じたように、社会の変化をとらえるには、人口論的アプローチが不可欠である。本書は、その人口が何によって変化し、またそれがどうやって社会に影響を与えるのかを示した点で興味深い。

江戸時代というと、とかく古めかしい印象がつきまといがちだが、そこには驚くべき事実と、現代へのヒントが隠されている。離婚や再婚が頻繁に行われていた、というのも興味深いが、何よりも文明が発達する過程で人口が増加し、成熟するにしたがって晩婚化・少子化が進んだという現代にも通じる変化に注目したい。

さらに、現代の金融政策にあたる貨幣改鋳とそれがもたらした幕末インフレーション、幕府財政の赤字、急激な物価の上昇によってもたらされた農民一揆や打ちこわしなど、現代に生きるわれわれにとっても決して無視できない歴史的事実が述べられている。ちなみに幕末のインフレ時には米価が約11倍になり、「都市でも農村でも、賃金の上昇はつねに物価上昇に遅れをとったから、実質賃金は1880年頃までは低下する傾向にあった」という。これが「企業家にとっては利潤拡大を意味し(中略)旧来の都市商家のような金融資産をもつ者には不利に働き、地方の実物資産をもって事業をおこなうような者には有利に働いた」。

このように、本書にはビジネス・経済をはじめ、あらゆる分野に応用できる知恵が詰まっている。単に経済動向を読むだけでなく、その結果人々の生活がどうなるか、家族や人間関係がどうなるか、そのヒントを示したという点で、本書の意義は大きい。(土井英司)

【内容紹介】
緑の列島の持続的成長モデル

豊かな自然に依存した徳川文明は、国際的には〈近代世界システム〉と〈冊封体制〉に対抗して〈日本型華夷秩序〉を形成し、国内では幕藩体制のもと、各領国が拡大する市場経済により統合されていた。
発達した貨幣制度、独自の〈物産複合〉、プロト工業化による地方の発展、人口抑制――環境調和的な近世日本のあり方に、成熟した脱近代社会へのヒントを探る。

【著者からのコメント】著者 鬼頭 宏
人口の歴史的研究にたずさわってきた筆者は、経済、人口、環境の関連に着目して日本の歴史を組み立て直してみたいと考えていた。従来の政治権力の交替を軸にした歴史に満足できなかったのである。『日本の歴史』の編集委員に加えていただいたのを幸いに、ひとつの実験をさせていただいた。近世史の論点をあつかう本書は、日常生活を成り立たせている<文明システム>の視点に立って、江戸時代史像を描こうとした試みである。古い時代のことはどうも苦手だ、という方にもぜひ手にとっていただきたい。人口が減少し、経済も縮小すると懸念される21世紀の日本である。未来をどのように切り開いたらよいかを考えるうえで、何がしかのヒントを見つけていただきたいのである。それゆえ本書は、<未来志向の歴史学>と言ってもよいだろう。<純歴史学者>でない筆者の試みは、まだ意欲ばかりが先走ったきらいがある。読者の方々の批判をいただいて、さらに密度の濃い作品に実らせたいものである。


 

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