今月のひとこと 2020年9月号

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今月のひとこと 2020年9月1日


コロナも本当に長期戦になってきて、さらにこの暑さでますますうんざりします。暑さもなかなか弱まらずに、日中の外作業は出来ないです。

これだけ大規模な経済下落にも関わらず、株価は割と堅調で特に出遅れているデフェンシィブ株が少しずつ上がってきました。 長期的保有者が少しずつ戻ってきたという感じがします。 短期の売買は相変わらずですが、リスクは高いので恐る恐るだと思います。
しかしリーマンショックの時もそうですけど、危ないおかしいと言われてから、底に至るまで1年以上かかっていますので、このコロナももっと時間をかけてじわじわ下がっていく、もしくは何らかの切っ掛けでドスンと下がるということになるかもしれません。

これだけ全世界で一気に金融緩和が進みましたので、今まででも金融はダブダブになってたわけですけども、これでさらにお金が出回るということになって、一体どうなっていくんだろうという気がします。 まあ世界全体がそうなので一国だけが落ち込むとかいうことではないんじゃないかと思います。 一方で金が暴落しているというのも、良くわからないんですが、これはどうもコロナで宝飾などの金の実需が減ってきてるために落ちてるみたいで、金は全ての元だと思うので、もしドルが大量発行されてドルの価値が落ちると金は上がるという風に思います。

先日からテレビを賑わせている安倍首相の辞任劇ですが、面白かったのは日本が不安定になったので、有事の円買いで上がったとのこと。 危ないかも知れない日本の円を買うというのはなんか妙な感じがいたしますが、恐らく何かルール化がされていて、何かあったときは円を買うと言うことになってるので少し上がったんだと思います。いずれにして日本は世界最大の債権国ですし、中国が減らしている米国国債を一番多く持っている国ですので、そう簡単には円安には振れないと思います。

元カリスマトレーダーの某参議院議員は、ずっとも20年以上前から円は暴落する暴落すると言い続けていましたが暴落しません。 本人は自分の手持ち現金は全て米ドルに替えてあると言っていましたが、それが生きてくる気配は全くないです。 サスガに本もあまり売れなくなったようです。

前人未到の誰も分からない金融緩和の世界に全世界が突入して、一歩先を日本がアベノミックスの大規模緩和に突入してからでも、もう8年弱になり、これからは本気で MMT の考え方を嫌でも、それを実行していかないといけないことになるのではないかと思います。

MMT は基本的には大きな政府を作るというのに非常に親和性が高い政策ですので、左派にウケる政策のはずなんですけど、日本では面白いことに超右翼と言われてる人が MMT を支持しています。 逆にリベラルと言われてる人々は反対で、さらに財政規律を喧しく言います。 話が逆だろうと思いますが、こういうこともあるので安倍政権は右も左も飲み込んで外交は右、経済は左という政策で結果的にはリベラルの野党の出る幕は無くなったものと思います。

安倍首相は大きな決断をしたんだと思いますが、私個人的には倒れるまでやって欲しかった。 本人はちょっと余力を残しておきたかったみたいなので、何だかなという気はしますが、現職で亡くなった首相もおられますので、前の政権の時もそうだったんで、今回は本当に倒れるまでやればよかったんじゃないかと、その方がみんなの支持を得られたんではないかと思います、

唐突に辞めてしまうということになりましたが、おそらく今の時点ではこれを書いてる時点ではまだ決まってませんがおそらく菅さんが次期首相になるんではないかとと思います。 おそらく安倍さんは自分の影響力を残したいし、あと1年後には必ず総裁選挙があるし、いま本気で総裁選挙をやるとしこりが残ってややこしい、ということで菅さんが暫定政権ということだと思います。

副総理の麻生さんがどう思ってるのか分かりませんが、麻生さんも良い年なんでちょっと俺にはしんどいと思ってるのかもしれません。 いまさら本格的な首相ならいざしらず暫定ではな、という風に思ってるのかもしれません。

最近はテレワーク流行りですが、ちょっと古い VPN の機器を使っている会社は、早速サイバー攻撃撃を受けて社外接続の ID やパスワードを盗まれたみたいです。 VPN と言っても本当に外に漏れてないかどうか良いのは、なかなかチェックしきれないのでは無いでしょうか。 私が初めて知ったのは、もう30年以上前の話ですが、その後も一時は自分でも使ってましたが、本当にそれでガードされてるのかどうか非常にわかりづらかったです。

今月の読み物は、椿井文書―日本最大級の偽文書 中公新書 馬部隆弘著 ¥941

【中世の地図、失われた大伽藍や城の絵図、合戦に参陣した武将のリスト、家系図……。これらは貴重な史料であり、学校教材や市町村史にも活用されてきた。しかし、もしそれが後世の偽文書だったら? しかも、たった一人の人物によって創られたものだとしたら――。椿井政隆(一七七〇~一八三七)が創り、近畿一円に流布し、現在も影響を与え続ける数百点にも及ぶ偽文書。本書はその全貌に迫る衝撃の一冊である。】

もう少しつまらい本だと思ってたんですが、非常に面白くてどんどん読んでしまいました。椿井という人が書いた古文書が南山城を中心に出回っていて、現在では地域おこしの核になっているようです。 特に町史みたいなその町の歴史の本が出版されていますが、それの一番最初の折込カラー口絵に掲載されている場合もたくさんあるみたいです。 南山城は知らない場所でもないし、非常に興味を持って読みました。

研究者はなぜこういうことを研究しないかというのは非常に微妙な話になっていて、今更否定されても困るとか、分かりながらそれを使っているとか、全く知らなかったということもあるようで、単純に偽文書と扱えないらしいです。 中世の文書を江戸時代に筆記もしくは復元したという体裁をとっていて、もしそういう文章が身近で出てきたら確かに非常に嬉しいと思います。

特にこの椿井文書が影響を与えたのには、歴史学者の間で有名な「五畿内志」と言うのがあって、これは江戸幕府の公文書ですが、ここにも影響を与えているとのこと。 あまり知らなかったのは、自分の住んでいるところの情報が少なかったからでしょう。 ネットを検索すると一発に現物の写真がフルで出てきました。 ご興味のある方はご覧になってください。 山城の方は非常に細かく色々書いてあって、詳しく知ってる人が読めば非常に面白いんではないかと思います。

神社の式内社問題と言うのもあります。 大きな神社の前には式内社と書いた大きな石碑が立ってると思いますが、建てたのは明治になってかららしいです。 それ以前の延喜の時代に決めたのですが、江戸時代にはもうすでにどれがどれか分からなくなって、五畿内志の時に時に、大体これはこれはこれに相当するだろうということを決めたみたいですが根拠も貧弱だし間違いも多い。 椿井文書もそれに対してサポートするようなものもあり、反論するようなこともあるようです。

いずれにしても椿井文書は、すさまじい量があろ凄まじい知識と根気がないと出来ないと思います。 椿井という人は絵心もあって、我々が見られてる江戸時代の絵図とはちょっと違うので違和感がありますが、絵図を綺麗に書いています。 また系図も何百と作っていて、その系図と文書が連動しているので、ますます見破るのが難しいようです。

南山城にお住みの方は一読されたら非常に面白いのではないかと思います。


 

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