今月のひとこと 2020年10月号

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今月のひとこと 2020年10月1日号


昨日のトランプとバイデンの討論と言うか、言い合いは面白いというか情けないというか。 最初に思ったのは、これはまあバイデンの勝ちだろうと感じました。 事前の評判でバイデンは立ち往生するとか、一方的にやられるだけだ、という話が多かったのですけど、事前の準備が良かったのか非常に落ち着いていました。 途中でかなり挑発に負けて汚い言葉に走ったみたいですが、まだあと2回あるのでどうなるか分かりません。 さらには最近ではもうテレビ討論はあまり選挙に影響しないということになってるので、トランプは最初からもあまり討論をする気なかったではないかと思います。 とりあえずむちゃくちゃやって相手を翻弄しようという作戦だったのでしょうが、2回目3回目がどうなるか見ものです

はやばやと日本の政府もスタートしましたけどもスピード感ということで、いろいろ政策は出てるみたいですが、例えばデジタル庁。 これが事前準備が9月いっぱい法案をたくさん作って国会通過が3月末までなんですが、実際の省庁スタートが平井長官によると来年9月、今日の菅総理の発言によると来年中とかいう話で、どこがスピード感なんだと思います。 いくらのんびりした民間会社でも、どんな複雑な組織でも年内中に固めては年度初めからスタートと言うが一般的な感覚でしょうが、もうすでにこの辺りからもスピード感と言いながら遅れているんじゃないかという風に感じます。

ハンコが分かりやすいということでしょうが槍玉に上がっています。 しかしハンコを押す押さないは、あまり問題ではなく、基本的なビジネスプロセスの問題でハンコと直接は関係ないと思います。 私が以前いた会社でもはハンコが3つと決まってました。 ハンコと言うかビジネスプロセスは3箇所と決まっていて、作成者とそれをチェックする人とあと認可した人です。 あとは必要に応じて、これを回覧するなりすれば良いということです。

ハンコをもらうのに時間がかかるので、電子決済になったと思いますが、電子決済しても結局は 書類を持って回る時間が短縮されるだけなので、実際の決済の時間が短縮されるわけではありません。 したがって私は当時はITの専門家でしたけども、最後まで抵抗して例外処理で紙の決裁書で通しました。 ただ決裁書が全てではなくて、重要なプロジェクトに関しては、裏付けとなる会議体の議論と結論が必要と言うことになっていましたので、しっかりしてたんだと思います。 私はどちらかと言うと独断専行する方なんで、決裁印だけではなかなか通りませんでした。 どうも政府の一番重要な会議体である閣議も形骸化し、民間でも取締役会が形骸化しているのは、非常に心配なところであります。

電子決済も良いのですが、決裁がキチンとビジネスプロセスで定義されていないせいか、文書改ざんするのには、あまり抵抗がないんではないかという気がします。 これを苦に自死された方もおられますが、改ざんは良くあることで、実際に現場を見たことがあります。 改ざん防止にも電子決済ということになっているのでしょうが、これも変更を履歴として残せばいいんですが、どうも役所がシステムを作ると、なんか妙なバックドアがあって、そっからやると履歴が残らないようにして改ざん出来てしまうのでは無いかと感じます。 デジタル庁の本気度を見るには、ハンコではなくて、決裁文書の変更記録が全部残るブロックチェーン技術を取り入れるかどうかだと思います。 役所のビジネスプレセスの定義と改善は10年経っても出来そうにないので、ここはブロックチェーンの導入と責任決裁者の明確化です。

私の経験でありますが、さる超有名メーカーの社長が新たに設立した会社の取締役会会長に就任され、真っ先に言われたのは「役員会でごちゃごちゃ議論するのおかしい。役員会は単に決議して、それを司法書士が処理するだけであって、もし議論するなら、その後に経営会議を開催しなさい」。 たった5人の取締役会で、これは無いだろうと思いました。 さらには決裁が役員取締役会決議事項であれば、その決裁書にその旨を追加で書き足せば済む話だと思うのですが、どうも気に入らないらしくてA4縦の決裁書とは別にA4横の取締役会資料を別途作れと言われました。 役所の話かと思いました。日本の経営の実態を垣間見たことで、愕然としました。

この後に東芝とかオリンパスとか日産とかの問題が出て来てさもありなんと思いました。 要するに取締役会が形骸化して本来取り締まるべき人が、取り締まれないので、それを監視する監査役、それでも足りないので、社外取締役、監視委員会などなど、基本がおかしいので、いくら組織を作っても意味がありません。

内部昇格の取締役(つまり執行意識が抜けない)が多く、さらには執行役員と言うどっちか分からない役職もあって、さらには社外取締役も強制となっていますが、テレビでよく見る非常に声の大きな社外取締役だと良いんですが一般の人が何を言っても、基本的に取締役会が議論する場ではないというような考え方があるので、何を提案しても議事録には残らず事務局でうやむやになってしまいます。

取締役会を理解するには、政治体制を見れば良く割ります。 国会が取締役会、総理大臣は社長、各大臣は事業部長、閣議は事業(経営)会議。 さらには取締役を選任する株主総会は総選挙です。 取締役会メンバーである議員と執行担当である大臣が兼任しているのも非常に似ていますし、どちらも同じ問題を抱えています。 現状は民間とおなじく取締役会に相当する国会が機能不全に陥っています。

以前にシリコンバレーでベンチャーの取締役会つまりボードに参加したことがあります。 ボードメンバーではなかったのですがオブザーバーという形で入れてくれました。 意見は自由に言えますが、採決には参加しないと言うルールでした。 基本的にいわゆる取締役というのは何を取り締まるかというと執行担当である社長を取り締まるということになります。

ベンチャーの取締役会は社長がこういうことやりたい言う事を縷々プレゼンするわけで、それに対して色々いちゃもんつけたり、こういうアイデアでやったらどうか、とか言う支援をしたり、私であれば日本市場での支援を提案するいうふうに前向きにやっていくわけです。 ただ一方的に取り締まるだけではありませんし、議論はむちゃくちゃやります。 好きなだけ言いたいこと言って最後に挙手で採決するというやり方で、これと先ほど言った日本の超大手の出身の現役の社長の方の振る舞いとは全く違います。 また出資しているファンドが取締役になっているので、下手したら大損するので、みな真剣です。

スマホをいろいろい弄っていると、如何に AIディープラーニングが凄いかと言うのは良くわかります。 この文章も音声認識で入れて後は修正をかけてるわけで、喋る言葉そのものが文章とはちょっと違いますので、それ直さざるを得ません。

Google の「レンズ」と言うアプリがありますが、これにはビックリしました。 あまりアプリとしては外に出ていませんが、今はカメラアプリをの中に入ってるスマホもあります。 これを使うと文字認識が一発で出来ます。もっとびっくりしたのはスマホで認識した文字を一発で PC のクリップボードに転送してくれる機能があることです。

PC の画面の上で何か文書を表示して、それを必要なとこだけ切り取ってスマホのカメラで撮って、それをレンズで認識すれば一発でテキストに変換して、再びPCに送ることができます。もっとびっくりしたのは普通のフォントの文字なら問題ないと思うんですが、何回もコピーを繰り返してほとんど人間でも、ちょっと読みづらいような文書があったので、それを試しにやってみたら、固有名詞は除いてほとんど98%ぐらいは認識しました。 これには、たまげました。 これからは妙な高価なOCR文字認識ソフトを使うんではなくってレンズを使ってスマホで撮って、それをスマホで認識させてそれを PC に送れば良い事になります。

スマホと PC の連携するソフトが何かあるに違いないと思って、いろいろ探すとマイクロソフトとグーグルが出しているアプリがありました。 スマホのデータを PC の上で見れる、例えば SMS が非常に扱いづらくて、 SMS のコピペはやりづらかったんですが、これが PC の上から一発でできるようになりました。 さらにはスマホの上でコピーしたデータを PC のクリップボードに転送するようなことができます。 Microsoft はちょっと機能が弱いんですが、 Google はもう完璧に出来てました。 これが最近発見した非常に便利なツールでありました。 Crono Chromeの拡張機能で動作します。

今月の読み物は、「日本酒の科学 水・米・麹の伝統の技」ブルーバックス 新書 2015/9/18 和田 美代子著、高橋 俊成 監修 Kindle版電子書籍 ¥1,188
今月は、あまり本を読まなかったのですが、愚息が日本酒と絡んでいるので、ちょっとお酒に関する本を買ってみたら、これが私が一度お会いした方で、興味深く読みました。

菊正酒造の研究者で、日本酒のエヴァンジェリストみたいなことをやってる方で、この話が非常に面白いです。 日本酒というのは非常に作るのが難しいお酒で、ワインとか簡単に作れますが、日本酒は2段階発酵でもろみと酵母をキチンと作らないといけないので、こういう非常に微妙なテクニックを要する酒と言うのは、日本人しかできないんじゃないかと思っておりました。

日経新聞の「獺祭」の社長の連載が続いておりましたけど、非常に興味深く読みました。最後の方で売り上げ100億になってから大企業病になったというふうなことをおっしゃってましたけど、その通りでが10億までは、まあなんとか商店の延長であって、10億を超えるとちょっと景色が変わります。 100億を超えると、ちょっとこれはそれなりの大きさの組織をきちんと作ってやらないと頑張りだけではうまくいかないと思います。 お酒の話とともに、会社経営の話にもなって興味深かったです。

内容(「BOOK」データベースより)
日本酒ほどいろいろな料理に合う酒はない。鍋、ウナギ、焼き鳥、刺身に天ぷら…、中華、洋食、チーズ、そして塩をつまみに。日本酒の歴史は古く、収穫祭にあたる宮中祭祀の新嘗祭では、酒造りの儀式も執り行われるほど伝統を受け継いだ、まさに日本人のための酒なのだ。「甘口」「辛口」の基準とは?「冷や」とは「冷やした酒」のこと?燗酒に合う酒は甘口か辛口か?樽酒が脂っこい料理に適しているのはなぜ?など、日本酒をとことん知り尽くすための一冊。

日本酒はワインではありません。日本酒なのです。なにを言っているかって。それは醸造法がわかれば納得。仕込みのときに自然の乳酸菌の増殖を待つ、昔ながらの「生もと」の酒は格別だという。日本酒のことがわかると、今宵の酒も一味ちがってくるにちがいない。


 

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