今月のひとこと 2021年3月号

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今月のひとこと 2021年3月2日号



コロナはだんだん減少してきて、関西地区では緊急事態宣言が解除されましたが、どうも関東では徐々に増えてるみたいです。 いずれにしても緊急事態宣言を出してコロナを押さえつけ、感染が増えてきたら緩めると言うのを順次繰り返さすべきだと思います。 「再度緊急事態宣言を出すことになったらどうするんだ!!」と言う話もありますが、これは出したり引っ込めたりすることが意味があると思っています。

周りの人は感染しているという前提で対策して行動しないといけないと思います。 こういう対策をしながら締め付けたり緩めたりを繰り返しながらも、秋から今年の寒くなる頃にはワクチンがそれなりに行き渡るでしょうから、来年の今頃にはかなり落ち着いてくるんではないかと思っています。 それまでの辛抱か。

オリンピックは、もうやらないという選択肢はないと思います。 あとはいかに観客をどの程度で納めるかという程度問題になってきてると思います。 テニスの全豪オープンでも分かるように結構な観客でも一つの試合であれば出来るということが示されたと思います。 もちろん想像を絶する対策が行われたようです。

かなりの種目がオリンピックでは同時開催されるので気をつけないといけないとは思います。 オリンピックの選手と関係者だけで5万人が来日の見込み。 既に外国からの入国を制限してると言いながら年間5万人は入国しているようですので、これにさらに5万人が追加され、さらに海外の観客がこれにいくら加わるのかということになりますが、 IOC としてはアメリカ地域での放映ができればそれで良いことで、観客が居ようが居まいががあまり関係ないと言う本音だと思います。 これを予測したわけでは無いでしょうが、国立競技場の観客席は、観客が居なくても雰囲気が壊れないような座席のデザインになっているようです。

観客の入場料がもろに効く日本では、収入が問題となりますが、いずれにしても数千億円オーダーなので今のコロナ対策費の全体から見れば、まあなんとかなるレベルだと思いますので最悪観客ゼロということも可能性は大いにあると思います。

東北大震災や福島原発事故で見られたようなオタオタは、結局政権が変わってもあまり変わってないということが、これでよくわかったと思います。 特に最近見られるような官僚の劣化が激しいと思います。 厳しい倫理規定を設けても、大体トップの方からそれを破っていくという、よくあるパターンで、これが典型的に表れてると思います。

現場はかなりガチガチと厳密にルールを守らされていると思いますが、トップをきちんと抑えないといけないと思います。 少し前の総理大臣の会食を見ても、抑える立場の人が率先して破っているので、どうしようもないです。 結局第3者が監視しないといけないと言うことになり、どんどん組織が複雑化します田。

日本の組織風土はそうなってるということで、前回の本欄でも触れましたが民間企業でもトップは元々劣化していて、現場は強く上は弱いというのが、太平洋戦争の頃から言われてることですがそれが今また顕著に現れてきてるということだと思います。

それに関連すると思いますが、先日起こったみずほ銀行の大規模システム障害の件。 またかという感じで、もうすでに2回も超大規模な不具合を起こしていて、本欄でも以前触れたように5000億円近くもかけて新しいシステムに刷新したはずなのにまた起きてしまった。今回は新聞でも見て分かるように、これはシステムでは無く管理側の問題です。 日本のトップクラスの IT 企業が寄ってたかって作ったのでシステムはキチンとできてたが、その運用ができていないと思います。。

おそらくテレビで謝っていた頭取さんは、以前の大規模の不具合の時は全くそうだったように。何も知らないも素人以下であるということが、私の別稿で触れておきましたが、今回もあの記者会見を見ているとそのような感じがします。 トップはあまりそういう細かいことにこだわらないという妙な日本文化があってそれが効いてきてるんだと思います。 PCを全く操作したことが無いIT担当大臣は、やや誇らしげに発言していました。 銀行は今やも巨大IT システム装置産業ですから、それの知識が全然ないというのは経営者として失格だと思います。

これで思い出すのは30年ぐらい前にアメリカでベンチャー巡りをしていたっ時、どのベンチャーに言ってもトップが出てきて説明する。 トップトップがいなければ副社長クラスもしくは財務担当CFO が出てくるんですが、これがその会社の理念や技術にういてキチンと喋ります。

これにはびっくりして、特に社長CEOは技術屋さんが多いので、非常に細かいことまで話します。 当時はUNIX今のLINUXがメインだったのですが、 UNIX のコマンドの細い引数をまでの話になって、私は全くついていけませんでした。 これは良く覚えていて、その後ITの細かいテクニカルなことを勉強するようにしました。

「神は細部に宿る」と確信し、 細かいことの積み上げで大所高所の判断もできるんだということを非常に痛感しました。当時は自分が開発して自分で事業をしていたワークステーションを自分ではほとんど使ったことがないという状態で、おそらく今の経営トップのはそういう状態ではないかと思っております。

マネジメントの基本と言うのは、何を目指すのかというのは、私の意見ですがやはりいかに大きなことと小さなことを理解してそういうの幅をいかに広げるかということだと思ってます。 座右の銘は「あくまで高い理想とあくまで地べたを這う日常活動」。

こういう観点でいろんな人の動きを見ていると、だいたいどちらかに偏ってるとが多いです。 理想ばかり語る人で現実はあまり分かっていない人、理想はなくて現実だけを見る人どちらかに偏ると思います。 これ両方を高いレベルで出来る人は、今までほとんど見たことがないです。 おそらく稲盛さんがそれに近く、非常に高い理想を語りますが、現実は実際の経理業務も出来るはずで、若いころに経理の本を出版していますし、JALの再建も成し遂げました。 永守さんも、少し現実に近いですが、非常に高い事業目標を掲げますが、実際は100円の決済書の承認を自分で押すということをやったらしいです。

翻って現在の我が国のトップを見るとどうも地べたにちょっと偏りすぎてると思います。 もう少し理念をもってやらないと、現場レベルで官僚と同じようにやりあいしているのでとこういう問題が出てくる。 もう少し理想をキチンと話して、後は官僚にやらせるということであればいいんですが、理想を語らずに官僚を無理に動かそうとするとこうなるという典型だと思います。

その前の首相もいろいろ問題がありましたが、その理想は一応語っておりましたが、あんまり地べたを這う活動やってなかったので、今の総理大臣がやってたんだと思いますが、それがそのまま上に行ってしまって、いろいろな問題が噴出してきてると感じます。

株価は上がったり下がったりで日経平均3万円を挟んで行き来してる様子です。 昨日はダウ平均が600ドル以上上がったのですが、今日は日本は日経平均はあまり上がってませんでした。 いずれにしてもダウ平均であろうが日経平均であろうが非常に少ない数の株価の平均なのでその株価が上がると急に上がって、他と実態と乖離するということが良くあります。

30年前の1990年頃はダウ平均は何と2000ドルでした。 そこからあれよあれよという間に上がって5000ドルぐらいを超えた時にブリーンスパンが「根拠なき熱狂」とかなんとか言って、これで沈静化すると思ったんですが、それからまた1万ドルを超え1万ドルを超えた時に2万ドルいくという人が居て、さすがにこんなこと起きんだろうと思ったら、一時はITバブル崩壊で少し落ちましたが、その後は2万ドルを超えさらに3万ドル超えました。 この間に銘柄の入れ替えがあって単純に比較できないですが、このダウ平均に連動した投資信託を持ってる人が2000ドルの時に買っていれば、もうすでに10倍以上になってるわけですアメリカ人は結構、投資信託を財産の20%から30%持っていますのでそれをずっと持ち続けていればもしくはうまく買い替えていれば10倍金持ちになってます。 この辺も格差が拡大する要因の一つではないかと思っています。

今やリモートリモートワークが流行りですが30年前に私が管理職をやってた頃は、部下の家にISDNを会社の費用で引かせて、それで自宅勤務をやらせました。 会社へ出てくるとなんのかんの雑用で一日が潰れるので、1週間に1日は家でゆっくりモノを考える事をやれということやったのですが、今のリモートワークと同じ問題が出てきてなかなか落ち着いてできないとか邪魔が入るとかいう声は聞きました。 いずれも当時のISDNは日本電話線を2本束ねてやっと128 k bps ですから、今の光ファイバーの 1 GB に比べると約1万倍高速であるということが言えます。

当時は9600 bps のモデムが主流だったので、モデム音もなくモデムの2倍以上で繋がるのは驚異のでした。 その後定年になってからリゾートオフィスを作ろうと思って、観光地にマンションを買いました。 これは主要な大阪京都名古屋に電車でも来るまでも2時間ぐらいで到達できるという場所的には理想的でしたが、問題は食事だと思います。 リゾートの周りにはあまりそういうサラリーマンのサラメシを食べるところはあまりないです。

アメリカのオフィスでは、昼食に車で出ると言うのは普通でしたが、リゾートでは少し違った感じです。 勢いコンビニ食になってしまいます。 仕事はそれなりにリモートで出来ますが、やはり生活そのものに困るという結果でした。 だけど気候のいいところでリゾートで本当に集中してできるかっていうのは非常に疑問だという風に思ってます。

30年ぐらい前にアメリカで出張を繰り返していた時は、どんな安いモーテルであろうがプールが付いておりますので、そのプールに当時はショルダー型のでっかい携帯を置いて、色々打ち合わせをしながら、回答を待ってる間にひと泳ぎしたやり方を、一日だけやったことがありますが、あまり落ち着かなかったです。

今月のIT の話題ですが、コロナウイルスと同時にコンピューターウイルスの話題も非常に増えています。 2月に入って大々的に報道されたのはもう1000万回以上もダウンロードされたポピュラーなバーコードリーダーアプリの広告にマルウエアが仕込まれていたと言うことです。 皆さんのスマホにも入っている可能性が非常に高いですこういうことがあると、人気のあるアプリでこれですから、人気の無いアプリが非常に危ないと言うことになります。 一応 Google によってチェックをされてるみたいですが、広告はそれをすり抜けたと言うことになります。 このアプリはすでに削除されてるみたいですが、去年の12月ごろから今年1月にかけては、すでにもダウンロードがフリーパスで抜けてますのでこの辺りにダウンロードされた方は気を付けられた方が良いと思います。

今月の読み物は、懲りないみずほ銀行に活を入れるべく、昨年の読み物の再掲です。 今回の不具合を見て、本書を読んでも全く違和感が無いです。

みずほ銀行システム統合、苦闘の19年史 史上最大のITプロジェクト「3度目の正直」 単行本 2020/2/14 日経コンピュータ

書評では、細かいところが描けていないんので、面白くないと言う話もありましたが、結構面白かったです。 これ以上細かく描写されてもよくわからないでしょう。 日経コンピュータの連載記事の書き直しですので、どっかで見たことのある文章が出てきました。

「IT業界のサグラダファミリア」完了までに8年もの年月と、35万人月、4000億円台半ばをつぎ込んだ、と言うことだったので、何にそんなに使ったのかと不思議でしたが、人月と100万/月を掛け算して、多少の経費を加えると確かにその数字になります。 さらに平均で3000人が働いていたことになります。 こう見ると不思議でもなんでもないですね。 基幹システムはともかく、サービスが3000もある。 これとビジネスプロセスの見直しと不具合対応で、3000人が居ても不思議ではないですね。

決定的に問題だったのは、経営トップがほとんどシステムを理解していなかったことが大きいです。 原発事故時の東電と同じ図式が透けて見えます。 銀行にしろ電力会社にしろ、通常業務では、問題は発生しないです。 多少のクレームやロビー活動しかやることは無いでしょうが、このような大規模の開発とか事故があったときは無力になります。 特にインフラ関連の会社にこの傾向が強いように見えます。

アプリをCOBOLで書いているとか、不具合時にスクリプトを使わずに人力でコマンドを入れて、処理を飛ばしていたとか、現場にも問題はあります。 この辺は妙にリアリティがありました。

【内容紹介】
みずほフィナンシャルグループ(FG)が2011年から進めてきた「勘定系システム」の刷新・統合プロジェクトが2019年7月、ついに完了した。
富士通、日立製作所、日本IBM、NTTデータを筆頭に1000社ものシステムインテグレーターが参加したものの、2度にわたって開発完了が延期になったことから、なかなか完成しないスペイン・バルセロナの教会にちなんで「IT業界のサグラダファミリア」とまで呼ばれた史上最大級のITプロジェクトだ。

みずほFGは完了までに8年もの年月と、35万人月、4000億円台半ばをつぎ込んだ。1980年代に稼働した「第3次オンラインシステム」の全面刷新は、第一勧業銀行、富士銀行、日本興業銀行の3行が統合したみずほFGにとって、2000年の発足以来の悲願だった。
しかしシステム刷新は何度も挫折し、2002年と2011年には大規模なシステム障害を引き起こした。

80年代の非効率的な事務フローが残ったままになるなど、勘定系システムの老朽化は経営の足かせになっていた。なぜみずほ銀行のシステム刷新は、これほどまでに長引いたのか。そして今回はどうやって完了に導いたのか。「メガバンクの勘定系システムとして初となるSOA(サービス指向アーキテクチャー)全面導入」「AS IS(現状通り)を禁止した要件定義」「1000社のシステムインテグレーターを巻き込んだプロジェクト管理」など、新勘定系システム「MINORI」開発の全貌と、みずほ銀行がこれから目指す金融デジタル化戦略を、みずほFGにおける19年の苦闘の歴史を追いかけ続けた情報システム専門誌「日経コンピュータ」が解き明かす。

多くの日本企業が直面する情報システムの老朽化問題、「2025年の崖」を乗り越えるヒントがここにある。


 

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