今月の一言2011年11月号

 
2011年11月3日
今月の話題は何と言っても、アップルの創始者スティーブ・ジョブズでしょう。 それにしても、CEOを辞任してからわずかの出来事で、まあアメリカ医学の勝利とでも言っておきましょう。 ジョブズも若い頃はいろいろ言われていましたが早世したことで伝説化しましたね。 世を去ると言うことでは無いにしても、出処進退は大事だと思います。

ジョブズとは、そのレベルは全く異なり、また歳も10ほども違いますが、同じような分野を同じように進んで来たので親近感があります。 サシで合ったこともあります。 原点は、ゼロックスのAltoと言うコンピュータです。 彼はこれを見て、後で大失敗したLisaとMacを作ったんです。 それまでのアップルは玩具みたいなもので、文字が画面に出るだけの代物でした。

このAltoは、モノクロながらA4が縦に表示でき、確かウインドウライクの表示があり、その操作にマウスが考案されました。 一番初期の、木材で出来たマウスをどこかで見た記憶があります。 またイーサネットの原型も実装されており、現在のパーソナルコンピュータの必須条件を満たしていたわけです。 このAltoは、DynaBookで有名なアランケイがParcで作ったものですが、ゼロックスのパロアルト研究所(Parc)というのがスタンフォードの南のPageMillにあって、ここからはAltoのような素晴らしいアイデアが沢山出たが、どれもビジネスにはならなかった、と言うシリコンバレーの伝説の一部になっています。

このAltoを見て衝撃を受けた人間は、いずれにしても沢山いてジョブズも私もその内の一人だったわけです。 更にもう一人の重要な人間は、スタンフォードの学生だったビルジョイです。 彼はSunマイクロシステムを立ち上げ、一歩先に現在で言うパーソナルコンピュータを実現したんです。 この時に、OSはUNIXでウインドウも整理されて、ネットワークもイーサネットの上にTCP/IPが乗るという、現在のネットワーク環境が完成しました。 ビルジョイとは何回か会いました。 飛行機で一緒だったこともありますが、私にとっては神様みたいな人ですから、たいした話もできませんでした。

ジョブズは、Alto→Lisa→Mac→Next→iPod/iPhone という流れだと思います。 私がジョブズに会ったのは、アップルを追われてNext Computer 立ち上げたときで、私がワークステーションを作っていた時です。 Nextのロゴのデザインだけで2000万円近くかけたとかの噂があって、それ以前からデザイン的にな要求にはうるさいと言う評判でした。 シリコンバレーの国道101の東側の、あんまり土地が高くないところのRedwoodに、安普請が多いシリコンバレーでも、いかにも安普請という、一見スマートな事務所に行きました。 話した内容は、こちらの売り込みだったのですが、彼はあんまり興味を示さずに、インドに行った時の話をしていました。

Nextで作ったコンピュータは、早速買い込んで、使ってみたり、中を見たりしました。 この時から、ジョブズのコスト見積は厳しくて、我々がいくら見積もっても、材料減価だけで製品の売値になってしまうと言う感じでした。 作って売って、数が出れば利益になると言う感じでした。 これ以前から彼のコストに対する甘さというか逆に厳しさがいつもありました。 またデザインはシンプルながら凝りに凝っていて、本体はキューブで、本当に真っ四角。 先に出たLISAでも成形品に良くある、いわゆる抜きテーパーと言う傾きがありません。 非常にコストの掛かるやり方で、四角い箱を作っていたんです。 色も黒。 黒といってもいろんな種類があって、青っぽいのや赤っぽいのがあるのですが、我々が別途デザインしていた黒と比べてみると、これが全く同じ。 やはりデザイン屋さんのセンスは世界共通なんだと思い知りました。

マシンの中を開けて基盤というか、マザーボードを見るとこれが整然としている。 ジョブズは基盤の部品の配置にまで美的感覚を要求すると言うウワサでした。 このNextはあんまり成功しませんでいたが、その後アップルに呼び戻されて、その後は皆さんがご存知のような大成功を収めるのです。 戻った後に天敵だったマイクロソフトの支援を受けるのですが、これには正直びっくりしました。 ジョブズもビルゲイツも太っ腹だったんでしょう。 これがうまく行っていなければ、今日のアップルはなかったでしょう。

私がその時にやっていたのは、今で言うパーソナルコンピュータ、当時のワークステーションを開発していました。 Altoのマネをして、ディスプレイも縦と横の両方に使えるようにスタンドを工夫したりしました。 COMDEX とか UNIFORUM とか X-hibition なんぞと言う展示会も出展し、当時の日本はそれこそ日の出の勢いでしたから、モノづくりの日本からとうとう高性能なコンピュータが出てきた、と大変に評判になりました。 OSはUNIXベースでしたが、良いものが無かったので、現地のベンチャーからライセンスを買ったり、ディスクも大容量は日本では無かったので、ロスまで仕入れに行ったりしていました。 コンパイラもシリコンバレーやロスには面白いところが沢山あったので、そこからライセンスを買ったりしていました。 日の出の勢いでお金がいっぱいある当時の日本からやってきたと言う事で現地では大歓迎でした。 今は昔ですね。

アップルより先に立ち上がったSunマイクロシステムですが、最初の SUN1 の設計は非常にエレガントで、びっくりしました。 やはりこう言うセンスではアメリカ特にシリコンバレーには敵わんな、と言うのが正直にな印象でした。 その後、 Sun2 は失敗。 本格的な Sun3 で基礎ができ、その後のインターネットブームに乗ったサーバービジネスで大きく成長しました。 だけど所詮いわゆるハードウエアビジネスだったんです。 その後Javaを開発したんですが、このビジネスモデルを構築できずに、結局オラクルに買収されてしまいました。 ちなみにJavaを開発したジェームズ・ゴスリンとは飛行機で一緒になったことがありましたが、当時の私は全くJavaを知りませんでしたので、これまたロクな話はできませんでした。

当時は要するに私も、ハードウエアビジネスをやっていたんですが、その後インターネットが進展すると、何とかハードとサービスの融合を図れないか、とクラウド的なビジネスを始めました。 これは昨今の節電ブームに乗って、事業拡大しています。 ジョブズのiPodやiTUneも最初はハードビジネスと思っていて、日本の家電メーカーと同じことを始めたのでは? と失望しましたが、1曲1ドルでダウンロードして、その時は赤字と言う記事を見つけて、ジョブズも方向は同じだと感じました。 そこで諦めなかたのが流石ジョブズで、それが最終的にはiPhoneに繋がったのだと思います。

最初にiPodを見たときには、何でこんなものが必要なのか? 当時のMDで十分ではないか、と思ったのですが、一番最初のニーズはジョギング中に聞けることと分かって納得しました。 そういう人かシリコンバレーには多いのです。 しかし、その内にディスクを積んで、何千曲も格納できると言うのには、またもや首を傾げました。 発想がCDやMDでしかなかったので、自分の手持ちの楽曲を全て入れてしまうと言う発想には至りませんでした。 片や自分は、飛行機に乗るときに、20枚入りのCD入れとCD機をガサガサとカバンに入れて持ち歩いていたんです。 これが全部入っていると、それで終わりですよね。 更にネットでダウンロード出来る事にも繋がっていったんです。 その時に日本では、MDのメカを如何に精密にするかに没頭していたんですね。 同じハードビジネスでも、中身が違ったんでしょう。

今日の新聞で、2位じゃダメなんですか? の「京」コンピュータが性能どおりのスピードを出したとの記事がありました。 私がコンピュータを作っていた頃には、コンピュータの性能を表すのに MIPSと言う単位が使われていて、これは1命令の実行回数なんですが、この京はFLOPSで、浮動小数点の計算回数になります。 まあ同じとして(実際は全く異なりますが)、最初の68000のチップを使ったものは1MIPS、1億円したDEC社のVAXでも1MIPSでしたから、それなりのスピードでした。 次に作ったのは、RISCチップを4つ組み込んで100MIPS、さらには計画だけでしたが、1000MIPSまで考えました。 今のパソコンではそれぐらいの性能だと思いますが、流石に1000MIPSまで行くと、当時はその使い道がわかりませんでした。 「京」をMIPSとすると100億MIPSになります。 多少の数、10‐20万台位のパソコンを同時に動かしても太刀打ちできません、流石は世界一。

今月の読み物は、 福島原発の真実 (平凡社新書) 佐藤栄佐久 (著) 新書 ¥777
筆者は県知事を逮捕辞任なのですが、村木さんのケースと同じく、ほぼ冤罪とされる元福島県知事が赤裸々に福島原発について書いています。 今日も再臨界が起きたのではないかと言う報道も出ていますが、原発は巨大プロジェクトですので、その本当の所はなかなか掴みきれません。 少しでも現場で起きていたことを知るために読んでみました。 これを読んでだからどう、と言う事は無いのですが、やはりいろんな事が既に起きていたんだとの印象を強くしました。 原発問題は、技術者の端くれとしては、いつも気になる話題です。

【内容紹介】 日々、深刻の度合を深める福島原発事故。 洪水のように溢れかえる情報の中で人は一体何を信じたらよいのか。 原子炉運転停止、プルサーマル凍結、核燃料税をめぐる攻防……。 国と電力会社が操る「全体主義政策」の病根を知り尽くした前知事が、そのすべてを告発する。

今月の一言2011年10月号

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2011年10月2日
最近は天候不順で、暑かったと思ったら今朝は寒いぐらいで、昨日は冷房を入れたのですが、今朝は暖房を入れました。 なかなかちょうど良い気候というのは、なかなかなくなりました。 しかし今年は急には寒くならないようです。 先日は、気が早く灯油を6缶も買いに行ってきました。 株価もどんどん下がって、世界恐慌の恐れが言われています。 先進国はもちろん、新興国もおかしくて、おまけに円高でダブルで効いています。 中国も昨年の勢いはどこへやら、経済の内情は急激に悪化しているようです。 今日の日経では、アングラマネーが増えているようで、いかにも中国らしくて、如何に独裁国家であっても、コントロールは難しいのではないでしょうか。 いずれにしても日本への悪影響は避けられません。

ほぼ1年間の検討期間を経て! やっとケータイをスマホに機種変更しました。 スマホにしようかどうかと迷っている方への参考になればと思います。 スマホにする前に、念の為に、10インチのタブレットが3万円で売っていたので、これを衝動買い。 Androidのアプリをこれで散々試しました。 このクラスのタブレットは将来は1.5万円ぐらいになるでしょう。 7インチ型は既にアマゾンから1.5万円で売り出されたようです。 既にノートブックPCは、以前の5万円台から、最近では3万円台になってきています。 形を気にしないのであれば、これで十分PCとして使えるでしょう。

5万円PCと言えば、20年ほど前にオラクルが500ドルPCを発表したときには議論白熱でしたが、その価格ラインもアッサリ突破しました。 少し前にはディスクレスのPCが流行りましたが、メジャーにはなりませんでした。 今は無線通信がどんどん速くなったので、ポータブルでディスクレスというか、クラウドコンピューティングでどこでも使えるようになりました。

スマホに話を戻すと、現時点での一番人気は韓国製のGalaxyⅡで、電池の持ちも良いしダブルCPUで反応がびっくりするほど速かったのですが、少し大きいのが欠点。 最近は女性用の小型のものも出てきましたが、これでは小さすぎる。 そこで少し前に出たF社のものにしました。 従来のケータイより一回り大きいだけで済みましたし、厚みは半分ぐらいになりました。 これで困ったのがキャリングケース。 いつもはベルトに付けるキャリングケースで使っていましたので、これを探すのが大変でした。 結局ホームセンターで安物を買っておいて、それから腰を落ち着けて探しました。

次に気になった文字入力ですが、従来のケータイと同じ入力方法もありますし、フルキーボードもあります。 もっともこれはスマホを横にして使わないと入れにくいです。 タッチパネルははやり慣れが必要で、狙ったところをキチンと押せるようになるには少し練習が必要です。 結果的にはケータイより入れる速度が上がりました。

次の問題はバッテリの寿命。 確かに寿命は短い。 下手すると半日ぐらいしか持たないので、充電をどうするかが問題でしたが、単3電池から充電できるものをホームセンターで見つけて解決。 一度、車で移動中にバッテリが切れてしまって難儀したので、シガレットコンセントから充電と思ったのですが、そんな場合は少ないので単3電池のみからのもので十分です。 充電コネクタは、標準USBのミニBなので、特別のケーブルなどは不要でした。

PCとのデータ同期問題は、 クラウドでデータストレージを無料で提供してくれるサービスもありますが、個人データを置く気にもならず、アプリをさがすと、いろいろありました。 Wifiを経由してデータのやり取りを行うもので、スマホのメーカーやタブレットのメーカから付録で付いていたアプリも有りましたがイマイチ使い勝手が悪い。 使い勝手の良い無料アプリは動きが遅かったりして、適当なものは探せていませんが、その内に出てくるでしょう。 メールと電話帳は、GoogleのGmailのメールと連絡先が自動で同期します。 ただスマホ側とPC(Web)側では仕様が少し違うので、完全には一致しないようです。 また、連絡先の同期数が200何十以上になると同期不能に成るようです。 修正は少しづつやりましょう。

アプリ特に無料アプリは山とあって、最初からインストールされているものが多いですが、絶対に必要と思うのは、間違って電話がかかってしまうことが多いので、これの確認ソフト。 また着信したときに、どのボタンを押したら良いのかわからなくなるので、スマホを振ると着信するもの。 次は、GRコードを読み取るQRコードスキャナ。 さらには連絡先に名刺データを読み込むもの。 目でも見にくい細かい住所まで読み取れるのでビックリです。 文書をpdf化するものもあります。 スマホはカメラ大活躍ですね。

反面不満なところは、まず伝言メモがなくなったこと。 シャープの機種には付いているとのことですが、それ以外はアプリでもダメです。 逆に電話するほうが、ボイスメールを送ったりすれば良いのでしょう。 メール着信の鳴り分けが出来なくなりました。 まあ普通は必要ないとのことでしょう。 電話着信の鳴り分けは可能です。 しかし呼出音の種類が減ったので、良い呼出音がなくなりました。

USBキーボードは接続できます。 ただキー配列は英語タイプで、キー配列の変更が出来るのかどうかは不明です。 また、日本語コードの処理がまだ十分でなくて、PCから転送したテキストファイルが文字化けする場合があります。 コードというよりダブルバイトの処理が出来ていないようです。 将来的には改善されると思います。

フリーズやダウンはしゅっちゅう起きます。 この辺はPCと同じだと思ったら良いでしょう。 何かあったら電源を切って、再起動が必要です。 少し妙なアプリをいれてもおかしくなることがあります。 電源を切って再起動すれば、元に戻ります。

今月の読み物は、ベストセラーの「決断できない日本」文春新書 ケビン・メア著 \819 です。 本人の喋り方がそのまま文章になっていて、本人が書いたものと思います。 これがゴーストライターだったら、それは凄いものですね。 かなりアメリカ側の言い分が多いですが、全体的には日本人論を含めて、なかなか面白いものです。 一読の価値あり。

内容紹介(Amazonより)
「沖縄はゆすりの名人」報道で解任された国務省元日本部長の爆弾告白 / アメリカから見た「日米同盟の真実」
 「沖縄はごまかしとゆすりの名人」と発言したと報道され、国務省日本部長を更迭されたケビン・メア氏。国務省きっての日本通であるメア氏は、本書でまず共同通信記者による歪曲報道の実態に反論します。なぜ、こんな記事が掲載されたのか、そのプロセスを詳細に追跡していくと、ワシントンにいる反基地運動の日本人女性弁護士の存在が浮かびあがります。さらに彼女と「ゆすりの名人」発言を証言したアメリカン大の学生たち、記者との不可解な連携。沖縄基地問題のキーマンであったメア氏が、反基地運動グループの仕掛けた日米間のトラップに嵌まっていくさまが浮き彫りになっていきます。

 実はメア氏は東日本大震災の折り、米軍と自衛隊による「トモダチ」作戦のタスクフォースでロジスティック担当(調整官)を務めていました。原発事故発生直後、東電から「真水を運べないか」といわれたこと、菅政権の事故対応の拙劣さに驚き「駐米大使を呼び出した」ことなど、内部にいたものしかわからない新事実を明かしています。さらに、「トラスト・ミー」と言い放った鳩山政権の迷走ぶり、沖縄の普天間基地はなぜ合意から15年も経って返還できないのか、沖縄に潜む「補助金システム」の弊害、そしてその沖縄を狙っている中国政府の動き、日本の核武装に対するアメリカ政府の姿勢などなど、これほどホンネをぶちまけた外交官の内幕話は他に例がありません。

 「愛した日本でいちばん嫌われた外交官」による爆弾告白。これまで報じられなかった「日米同盟」の真実が見えてくると同時に、問題に対して皆のコンセンサスを重んじるあまり「決断できない日本」の現状を鋭く指摘しています。

今月の一言2011年9月号

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2011年9月2日
新首相が決まって、やっと今、閣僚が決まったようです。 輿石幹事長はウルトラCだったせいか、閣僚人事はあんまりパッとしません。 決選投票をした相手の海江田さんがとうとう消えてしまいました。 報道でも名前が無かったので、検討にも出てこなかったんでしょう。 岡田財務相とトップ見出しで今朝の新聞に出ていましたが、結局は安住大臣。 何というか・・ どっかの経済アナリストは無色透明と表現していました。 要するに財務省政権だと言うこと。 まあ今までの体たらくなら、これからは官僚主導でも財務省主導でも何でもアリと言うことです。

株価もまたぞろ下がり出して、しばらくは経済も持久戦になりそうです。 金融緩和をいくらしても、経済は立ち上がって行かないと言うことがダンダンとハッキリしてきたので、ここらで目をつぶって増税に突き進んだら? と言うことでしょう。

そんな政府や経済のガタガタをサテ置いて、我が家の月下美人が、今シーズン3度目のツボミを付け始めました。 これで、7,8,9と3ヶ月連続の開花となります。 尤も8月の開花は中途半端で、ヘナヘナと終わりました。 毎回3-8花も開花するので、この葉というか茎というかペラペラの所から大きな花が開くので、いつも感心しております。 挿し木にしても簡単に増えるし、寒さには少し弱いですが、丈夫なものです。

いつか植物園に行ったときに、真っ昼間に20-30鉢の株に白い花が咲いているので、近寄ってみたら月下美人とそっくりで、こんな花があったのか? とビックリしていると、良く説明を読むと、これが月下美人で、昼夜逆転の遮光と照明で咲かせたそうです。 まあ確かに理屈ではそうですが、実行するのはすごいなと思いました。

月下美人と言うのは、サボテンの仲間なので、名前から連想するほど優雅なものでは無いです。 日本にある株は元々ひとつの株から挿し木で増やしたものなので、受精しませんでした。 最近は別の株を持ち込んだので、受精して実が成って、食べられるようです。 原産地の台湾ではよく食べるそうです。

福島原発の後処理ですが、簡単に言うとカバーを掛けて放射能物質が拡散しないようにして、圧力容器を水で満たしてから上部を開いて、下の水に沈んだメルトダウン燃料を、上に付けたクレーンを遠隔操作して取り出すと言うことです。 圧力容器に水を入れるために水漏れ箇所を止水する必要があります。 おまけに線量が高いので、全部遠隔操作で行わなければならず、5-10年の長期作業が見込まれます。 ロボットの得意な日本ですから、これから最適なロボットを開発して、じっくり腰を落ち着けて処理すれば良いと思います。

放射性物質の検出器の感度はものすごく良いですね。 感度が良くて、わずかな量の放射性物質も検出してしまいます。 この検出感度がもっと低ければ、こんな騒ぎには成らなかったか、と不謹慎な想像をしています。 この感度の良さは生物のDNAに損傷を与える事の裏返しですので感度が低いことは有り得ません。 ノーベル賞で有名になったニュートリノは、そんな放射性物質どころの騒ぎでない量が周りに存在して、常に人体を通過しています。 しかし、その相互作用は極めて低く何の痛痒も感じません。 従って感度も低く、検出するだけでも大変で、結果的にノーベル賞につながったのです。

揚水発電を、本欄で以前に取り上げましたが、その後報道などでヒントを得て調べたら、関西電力はものすごい量の揚水発電能力を持っていますね。 奥多々良木発電所は、全国最大で、何と193万kw もあり、原発2基分の能力があります。 他にも100万kwクラスの揚水発電が2箇所もあって、確かにこれだけあれば、多少原発が止まっても何とかなると言うのもうなずけます。 ざっと足すと、予定を含めて全国で3000万kwの能力があるようです。 原発30基分! まあ定常的に出る電力ではないですが。

今月の読み物は、少し軽いところで、最近有名になった古賀 茂明氏の 「官僚の責任」 PHP新書 ¥756です。 もう一つの 単行本の 日本中枢の崩壊 は ¥1,680 もするし、下手に買って詰まらんかったら嫌だと、新書にしました。 中身はまあまあで、当たり前といえば当たり前のコトばかり。 この人は、話すと大したことないが、文章はまあまあかな。 本欄でも紹介しなかった藪中さんの本の文章はひどかった。 それに比べればまあまあです。 興味が少しあって、さっと読みたい方に最適。

内容紹介
辞職を迫られた改革派官僚“覚悟の証言”
「霞が関は人材の墓場」――著者はそう切り捨てる。最高学府の卒業生、志を抱いて入省したはずの優秀な人間たちが集う日本最高の頭脳集団。しかし彼らの行動規範は、「国のため」ではなく「省のため」。利権拡大と身分保障にうつつを抜かし、天下りもサボタージュも恥と思わない……。

いったいなぜ官僚たちは堕落の道をたどるのか?
逼迫する日本の財政状況。政策提言能力を失った彼らを放置すると、この国は終わる。政官界から恐れられ、ついに辞職を迫られた経産省の改革派官僚が、閉ざされた伏魔殿の生態を暴く。

【内容例】「震災復興は利権のチャンス」――悲しいかな、それが官僚の性である/「5.7メートルで安全」と決めたのは経産省/天下りは国民に気づかれないようにこっそりやっている/なぜ政治家は官僚に取り込まれるのか/坪単価5,000万円、充実しすぎの身分保障/「不夜城」の真実 etc.

今月の一言2011年8月号

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2011年8月5日
アメリカも日本も政治はガタガタで、しかし結果的に敵失で日本が残っているんですね。 不思議な感じがします。 このまま財政赤字をかかえたまま未来永劫には行きませんが、プライマリバランスが取れる、恐らく10年はかかると思いますが、その時までこの状態が続くんでしょうか? 10年前は、10年後には必ず何かのカタチで(デフォルトなり、銀行封鎖なり決着しているものと思っていましたが、何も起こらない。 流石に今日の株価は暴落と言って良いほどです。特に設備関連が震災時並みです。

10年前、日本は世界で周回遅れ、アメリカが先頭、と思われていた(私もそう固く信じていた)のですが、はっと気がつくと、何と世界の先頭を走っていたのです。 どうりで風当たりが強いと思った!? 最近世界の指導者の日本化が話題になっているようです。 何も決めずに問題先送り。 結局誰でもそうするしかないのではないか、と言う認識に変わってきています。

バブル崩壊の時には、アメリカからはあからさまにその無策を非難されたのですが、いざアメリカがその状態になれば、同じことだったのです。 国会のねじれもアメリカと同じ。 尤もこの点は、アメリカの方が少しスマートに処理しているように見えます。

中国は、それにしても いろんな意味で元気ですね。 例の列車事故に端を発した政府批判が止まりません。 ノーコンになっているような感じです。 当初は、鉄道省が槍玉に上がって、中央政府はそれを良いことに少し煽ったもしくは放置した印象があります。 TVのインタビューを見ていても、当初は鉄道省がけしからんと言うのが多かったのですが、最近はその文言を聞かなくなりました。 中央政府がターゲットになっているんでしょう。 結構慌ててます。

列車を埋めたのには、流石にビックリしました。 反面中国らしいとは思いました。 翌日の各新聞の扱いの差が見ものだとおもいましたが、騒ぎが大きくなって、無視できなくなりましたね。 それにしても掘り出したという列車の綺麗なこと。 あれは掘り出したのではなくて、元の列車の映像でしょう。 本当に全部掘り出したのか疑問です。

原発事故の後の放射能被害が後を引いています。 東海村で5マイクロシーベルト毎時、東京でも1マイクロシーベルト毎時以下ですが検出されているようです。 やはり事故の翌日に海外から言われた東京からも逃げ出せ、と言うのは正しかったんですね。 尤も原爆や水爆実験華やかなりし頃は、この程度ではなかったと言う話もあり、確かに、直ちに健康に影響はないので、ズルズルでこのまま行くんでしょう。 そして20年後に影響が出てきて、壮大な放射能人体実験の結果が出るのでしょう。 どうも日本人は放射能について皮肉にも一番被害を受けますね。

震災直後から、電力会社特に責任のある東電のOB、65歳以上は、体力は無いかもしれないが、知識や知恵はあるはずで、大挙福島第1原発に向かうべきと思っていましたが、先日のTVで、そう言う部隊が編成されたと報道がありました。 しかし結果的に、組織の壁というか仕組みのしがらみの中で何も出来なかったようです。 今の65歳は放射能の影響が出る20年後は85歳ですから、生きているのか死んでいるのか分かりません。 寿命が尽きるときにガンになっても問題はほとんどないです。 実際に高齢で亡くなった方を、たまたま解剖したときは、かなりの確率でガンが発見されると言うことです。

人間と言うか哺乳類の寿命がここまで伸びたのは、生命の歴史始まって以来なので、進化の洗礼を受けていないんですね。 だからガンにかかる。 もし若いとき特に子孫を作る前にガンに罹る確率が高いと、進化の過程でそれに対する防御が働く、と言うかガンに罹らない系統だけが生き残っていきますので、ガンが克服されるはずです。 いろいろな感染症に強いのは、この過程が有効にはたらいているのだと思います。

今月は、いろいろあって本を読めなかったので、今月は休みです。 その理由と言うわけでも無いのですが、とうとう電動自転車を入手しました。 ホームセンターなどで安いのが並んでいる反面、いわゆるメーカーモノは、カカクコムで探してもほとんど値段の変化はありません。 しょうがないので、近くの大きな自転車屋で購入しました。 最初はそんな距離を走らないので、バッテリも小さな安いもので良いと思っていましたが、充電サイクルが短くなって、不便だし、バッテリの寿命も短くなるとのことで、中間の大きさのバッテリを積んだものにしました。

結果は非常に良くて、あんまり必要ではないかとも内心思っていましたが、例えば信号で止まった時とか、一時停止で止まったあとのスタートが極めて楽です。 ブレーキをかけることで、また踏み込まないといけないと言う恐れがなくなって、ブレーキをかけるのを避けることが無くなり、安全上もメリットがあると思いました。

この他に検討したのは、ガソリンの50ccバイクと電動バイク。 値段は電動自転車を含めてほとんど同じ。 ガソリンバイクの方が数が出ている分だけ安い感じです。 バイクはやはりヘルメットを被らないといけないことや重いことが欠点です。 結果やはり取り回しの楽な電動アシスト自転車になります。 充電が結構面倒で、鍵を外して、よいしょとバッテリを外して、充電して、また戻さないといけません。 まあ1週間は持ちますので、そんなに面倒ではないです。

サイクルコンピュータなるものを、これに関して購入しました。 実は時計が欲しかったのですが、いろいろ探しているうちに、これに行き当りました。 センサを付けるようになっていて、速度や距離、消費カロリーなどが計測できます。 ワンタッチで外して携帯できるような機構が付いていて、これで 1300円はなかなかのものと思います。 もっと安いのもありますが、評判は芳しくありません。 また、これの何倍もするような高額なものもありますが、無線になっているようです。

今月の一言2011年7月号

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2011年7月2日
節電が喧しく謂われている時節に限って、急に真夏日になってしまって、まあ良いリハーサルになったのではないでしょうか。 夏と共に、ギリシャ問題が取り敢えず決着して、アメリカのQE2の終了がうやむやになり、おかげで少し円安・株高になりました。 日本の震災復興もなかなか進まず、アメリカのQE3も見えずに、日本と同じように失われた10年に突入しつつあるのではないでしょうか。

来年の大統領選挙を控えて、オバマ大統領は何でも有りの経済政策をとると、みんな思っているのですが、失われた10年の日本と同じく取れる政策が限れれてきているようです。 日本の事を無策と散々批判した人も、アメリカ経済のデフレ日本化を本気で心配し始めたようです。 確かに不確実性がますます大きくなってきています。

復興財源を増税というのは全く間違っていると思いますが、そろそろ1000兆円にも達する財政赤字は無視できません。 問題になっている復興財源はせいぜい20-30兆円ですので、毎年40兆円以上の国債を発行しているのですから、大したことはないでしょう。 もし対外的に格好がつかないと言うことであれば、届くか届かないか分からないような義援金代わりに、法人税を除く個人所得税を少し増税すれば良いと思います。 ただでさえ疲弊している法人をこれ以上痛めつけるべきではないでしょう。

国債発行に必ず枕言葉が付いてくる「次世代につけを先送りにするな」と言うのも、また財務省の陰謀ではないかと思います。 10年前は国の財政赤字を家計の借金に例える話が、しょっちゅうマスコミで流れていましたが、これは嘘だと言うことがハッキリしましたが、今度は「つけの先送り」です。 確かにつけは先送りになるのですが、同時に資産も先送りになります。 現世代が保有する資産は、相続税を課されると、国と次世代、課されなければそのまま次世代に、先送りになります。

こう言うキャンペーンを張るときは従来からそうですが、必ず資産と負債のどちらかしか言いません。 現状の日本ではほとんどの資産と負債が国内にありますので、バランスシート的に考えないと道を誤ると思います。 ちなみに資産の一部は海外に投資されていて、日本は対外的な資産と負債を差し引きした純資産では世界で一番であって、なんのかんの言ってみても、日本は世界で一番のかねもちなんです。 もっと自信と誇りを持ちましょう。 どっかのヨーロッパの小国と比較するのは止めましょう。

一番の問題はインフレで、個人はもちろん国の立場から言ってもそうです。 小欄でも一度触れたことがありますが、復興投資がもし30兆円あって、それが1年で完結すると、ちょうど問題になっている受給ギャップが埋まるので、インフレに転ずる可能性が高いと思っています。 これは一種朗報で、国債が暴落するので国債残高は急激に減ります。 ただし国債を保有している、もしくは銀行やゆうちょを通じて間接的に国債を買っている人は、その大半が消えてしまいますが、国債残高は減ります。 またこの状況でしか、国債残高を劇的に減らす方法は無いと思います。

原発の汚染水処理も2歩前進1歩後退の状況で、やっつけ仕事ではこんなものかとは思いますが、バルブの閉め違いとか初歩的な間違いが多いですね。 はやり日雇い的に掻き集めた作業者がやっているとしか思えませんね。 まあ全長4kmもあるパイプラインでは、何が起こっても不思議はないでしょう。

線量計がたくさん売れて、中国からもいい加減なものが多く入ってきているようですが、最近は少しだぶついて、以前のような高値はなくなってきたみたいです。 まあこの商売は濡手で粟だったでしょう。

ガイガーカウンターとか以前に言っていたのが線量計で、ガイガー=ミュラー管(GM管)を使ったものが安いです。 ガリガリ音をだすあれです。 不活性ガスを封入した筒の中心部に電極を取り付け、高い電圧を掛ける。筒中に放射線が入ると、不活性ガスが電離されて電極と陽極の間にパルス電流が流れ、これを音として聞くとガリガリ言う。 安価な割には(と言っても高く売っています)、非常に利得が高く大きな信号を得られる半面、この電流の強さは、放射線の持つエネルギーと比例関係にはならないので、放射線の持つエネルギーを測定することは出来ません。

半導体センサで出来たものは高価ですが、放射線が半導体検出器を通過するとそれらによって電離した電子が電子-正孔対を作り出し、これを逆バイアス電場によって電極に集め、増幅・測定するこにより、空孔内部で失われたエネルギーがわかる。 従ってガイガー=ミュラー管と違いエネルギーも測ることが出来ます。

問題となる放射線には、主にアルファ線、ベータ線、ガンマ線と中性子があります。 アルファ線は原子核で大きいので紙1枚で止められます。 ベータ線は電子線なので、少し大きくてまあまあ止まる。 問題はガンマ線で、放射線と言っているのは、ほとんどこれです。 ガンマ線と言っても、本質は電波と同じで正体は光子ですが、エネルギーが極めて高いので量子効果が大きくて、ポツポツと言う感じになるんです。 もっと低いのは、X線でこれも被爆と言っていますね。 レントゲン写真を撮るときに、操作する人がドアの外の逃げるのがそうです。 まあエネルギーは弱いし、瞬間なので問題は大きくないです。

ケータイの健康被害が最近話題になりました。 WHOが調査して、問題ないことも無い、と言うことになりました。 脳腫瘍の発症確率が高くなるとのこと。 私は以前から嫌だと思っていました。 なにしろ頭に接近して、それも弱くない電波が出るんですからね。 まあエネルギーの大半は頭はほとんど水ですから、熱エネルギーになってしまうと思いますが、放射能被爆を極端に嫌う人がケータイを平気で使うのは解せません。

放射能被爆の発ガン確率の程度は今問題になっていますが、受動喫煙と同じ程度。 喫煙者は何と2000ミリシーベルト被爆と同じで、メタボや野菜嫌い、はたまた痩せすぎだけでも、許容量被爆と同じらしいです。 しかし何が起きるか分かっていないので、特に子供は生存時間が長いし、影響を受けやすいと思われますので、なるべく被爆しない方が良いと思います。 定年後のおじさん、おばさんは、全く心配ないので、どんどんボランティアで行くとか、福島産の食べ物を食べるとかしてください。 低線量の被爆が健康に悪いのか、はたまた良いのかすら良くわかっていません。 と言うことは、良いという結果もあるのです。 要するに細胞が鍛えられて強くなると言うんですね。 確かにラジュウム温泉とか言うものもありますし、まあ気持ちの問題でしょう。

今月の読み物は、原発安全革命 (文春新書) 古川 和男 (著) 以前から気になっていたので、ゆっくり読んでみました。 だいたいこう言うのはいい加減な思いつきが多いのですが、これは違いますね。 実際に作って運転してみると、いろいろ問題は出てきそうですが、ここに書かれている範囲では問題はない。 反原発がファッションになっていますが、折角ある核エネルギーを使わない手は無いと思います。 エネルギーが有り余ってる訳ではないし、CO2問題もあるので、原発を原理的に考え直すもの必要だと思いました。

現在のウランを中心とした核エネルギー体系は、元々軍事技術からの発展系です。 従って核拡散の心配は原理的に存在するんですね。 またその最たるプルトニュウムの使い方が未だに決着していないのも大問題。 特に日本は原子爆弾を作るわけではないので、核廃棄物処理が進んだとすると、どんどん溜まる一方。 処理が進まないと、福島第一のように原発に保管しておかないと行けなくなります。 どっちにしても溜まる一方。

普通の軽水炉でこんなに大騒ぎになると、高速増殖炉もんじゅのナトリウム冷却なんて夢のまた夢。 最近、落下した部品の引き上げにやっと成功したが、今回の福島第一の事故でもんじゅは息の根を止められたと思います。 各国が放棄たように、日本も放棄せざるを得ないでしょう。 今回の福島第一の3号炉でやっていたようにウランにプルトニュウムを混ぜるMOX燃料ですが、ガソリンにバイオ・アルコールを3-5%混ぜるような話で、溜まる一方のプルトニュウムを消費するには全く足りません。

ここで紹介されているトリウム炉は、液体燃料による連続処理が可能で、しかも小型にでき、プルトニュウムを消費でき、核拡散の心配も無いと良いことずくめ。 この通りかどうかは分からないが、折角ある核エネルギーの安全な活用を、技術的に解決できるのなら、追求すべきだと思います。 私の推測ですが、このトリウム炉のアイデアの中には、高速増殖炉の経験がある程度生きていると感じました。 現状の高速増殖炉の棚上げとか、太陽光パネルだけでなく、国家全体のエネルギーの方向性をキチンとだすように議論を進めるべきです。

今月の一言2011年6月号

「今月のひとこと」の目次
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2011年6月1日
国債の各付けの切り下げが見込まれたり、債券が下落傾向にあることなど、「直ちに悪影響は無い」ものの、先行きが不安定です。 株価もやっと戻ってきましたが、これと言う手掛かりもなく、またズルズルと下がっていくのではないかと思います。

インフレになるなると言われながら、過去10年はデフレが続いています。 日本の国力が落ちている割には円高で推移し、これではますます国力が落ちると思うのですが、他の国がもっと悪い、と言うことなのでしょうか、一向に円安には振れないようです。 震災復興に増税であろうが国債であろうが、国つまり国民として負担しないといけない財源が必要なのですから、今年から来年にかけての特に国債の価格の推移には注意すべきでしょう。

これだけの財政赤字が積み上がると、 預金封鎖は政治的には不可能、IMF管理はもっと先となると、赤字の解消には、超インフレしか手段が残っていません。 一度、国債の価格が下がる、つまり長期金利が上がると、あとは勢いがついて、一気に超インフレに向かうのかも知れません。 いずれにしても、このままの国債発行残高では、長期金利が1%上がるだけで、約10兆円の金利負担になります。 まあここまで行くには長期金利が上がってから数年はかかりますが、現在の5%の消費税アップでは、社会保険関連の増分を吸収するだけで、赤字の解消にはなりません。

財政赤字の解消には、あと20%ぐらい消費税を上げないとダメですが、一気に上げると景気を更に冷やして、税収が落ちると言う悪循環に陥っていしまいます。 増税で成長戦略みたいな事を言っている政権下では、まともな赤字解消は出来ないと思います。 少なくともここ5年以内にはインフレ傾向が出てくると思います。

先ごろ亡くなった、田中好子さんのキャンディーズがブームですね。 実は私も数か月前にキャンディーズのCDを買っていたのです。 若い頃には、8トラックのカーステレオで聴きながらすっ飛ばしていました。 後で調べると、キャンディーズのCDの売れ行きは、ずっと以前からハイレベルであったようです。 何も私だけが買ったのではなかったんです。 ずっと歌っていたような気がするんですが、活躍したのは5年足らず、 オリコントップにはならずに、唯一なったのは、解散が決まってからの「微笑がえし」だそうです。

この間TVで見たミキちゃんは、思いっきりおばさんになっていましたし、自分もそれだけ歳を取ったのだと思いますが、やはり絶頂期に引退すると言うことの重要さと難しさを感じました。 伝説の山口百恵もそうですが、まあ良くああ言った絶頂期に辞めると言う決心が出来るものだと感心しています。 どこかの政治家や経営者のようにいつまで経ってもしがみついているのは見苦しいだけですね。 スーちゃんのおかげで、しばらくは40年前にタイムスリップしました。

伊藤穣一氏が、先日新聞を見ていたら、MITのメディアラボの所長に就任したとの報道。 MITのメディアラボは、数多ある大学の組織の中では遥か雲の上と言う感じがしますし、本人もビックリとのことですが、やはり日本のコンテンツが意識されたのではないか、と思います。 彼とは10年以上前に、何かの講演を一緒にやったときに出会いました。 彼はちょうどデジタルガレージを創業した頃で、ベンチャーの雄と言う感じで、講演に先立つ控えの間で少し話しました。

話していくうちに、私がカーネギーメロン大学に寄贈したマルチCPUのワークステーション(現在のPC)を独占して使っていた学生に繋がる人間だとわかりました。 当時、ロスに関係する日本人が居ると言う話を、その学生から聞いたことがありました。 それで非常に印象が深くて良く覚えていました。 彼はアメリカの大学を出たのか、英語がものすごくうまかった印象があります。 てっきりアメリカで生まれ育ったのか、と思いましたが、なんと京都生まれでした。

このニュースは、その後新聞記事にもなり、最近では週刊誌にインタビュー記事が載っていましたので、それなりに評価されているのでしょう。 私にとってみるとノーベル賞より意義が高いと思いました。

東京電力は、それに引き換え迷走しています。 結局、やってられないよ原発所長の業務命令無視は総理大臣のこれまた一言で不問に付されてしまい、何がなにやらわからなくなっています。 最初は、東電がベントと海水注入を躊躇ったとみんなが感じ、私もそう感じましたが、結局は、東電はそこまでの気力もなく、淡々とマニュアルに従って、行動し、そこに政府が要らないお節介をしたのが真相みたいですね。 3月12日の朝の段階では時すでに遅かったのですが、バンとベントして、ドッと海水を入れたら一発で解決と言うブログ記事を見たのですが、ベントしようにも電気が無くてベントできなかったんです。 その後の海水注入は報道されいるとおり、総理大臣の空気を察して東電が止めたのでしょう。

1年半毎の定期検査が、いずれにしても、義務付けられていますから、来年の3月には全ての原発が定期検査に入り、その再稼働は極めて難しいと思います。 そういう事に言及して浜岡を止めたら良かったんですが、止めることばかりで、その後の対策がありません。 このままでは来年の夏は大停電になると思います。 特に関西電力管内は40%が原発ですから、その影響は極めて大です。

脱原発先進国と言われているドイツも、原発の無いイタリアも、フランスの原発の電力を買っているんですから、あんまり浮かれて自然エネルギーと言うのも考え物です。 ドイツでも太陽光は1%ぐらいしかないそうです。 特に太陽光は、夜にはどう考えても発電は出来ず、その稼働率は12%だそうです。 片や原発は、定期検査がありますが稼働率は70%程度。 風まかせの風力が意外に健闘しています。 適地がどれくらいあるのか分かりませんが、太陽光より良いですね。 しかし景観破壊とか渡り鳥との衝突、低周波ノイズなどの問題があり大規模には成り得ないようです。 最後は国定公園の規制と温泉地との折り合いが問題ですが、地熱発電。 それでも全部合わせて20%行けば物凄く良い方だと思います。 太陽光は良くても数%だと思います。

東電が公開している福島第一発電所の、リアルタイム(実際は中国の放送と同じで20ー30分遅れ)映像を見ることが出来ます。 また、東電管内だけですが、いわゆる「電気予報」も見れます。 これ見ながら節電せよとのことでしょうか。

電力の使用状況グラフ(当社サービスエリア内)

ふくいちライブカメラ 福島第一原子力発電所1号機~4号機の映像をリアルタイムで配信しています。

今月の読み物は、地震つながりで、三陸海岸大津波 (文春文庫) 吉村 昭 著 ¥460。 非常に短い小説になる前のメモみたいなものですが、現在の状況と非常に良く似ているのでビックリします。 明治、昭和と大きな地震と津波があったことが良く分かります。 これを1000年に一回だとか、想定外だとか言うのは、単にリスクに目を瞑っていただけと思います。 またこの地域は40年ぐらい毎に大きな津波を経験していると言うことです。 一読あれ。

明治二十九年、昭和八年、昭和三十五年チリ地震 人々に悲劇をもたらす大津波はどのようにやってくるのか。前兆、被害、救援の様子を体験者の貴重な証言をもとに再現した震撼の書。

明治29年、昭和8年、そして昭和35年。青森・岩手・宮城の三県にわたる三陸沿岸は三たび大津波に襲われ、人々に悲劇をもたらした。大津波はどのようにやってきたか、生死を分けたのは何だったのか―前兆、被害、救援の様子を体験者の貴重な証言をもとに再現した震撼の書。 内容(「BOOK」データベースより)