今月のひとこと2016年11月号





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2016年11月6日
10月は温室を作ったり秋の植え付けがあったりで、もの凄く忙しく、久しぶりに時間管理が必要になりました。 特に秋口に掛けては日没が早くなり、作業時間が短くなったのも一因です。

せっかく順調に上がってきた東京株式ですが、ヒラリーのメール問題に発したトランプ大統領の実現性が上がってきて、急落しました。 イギリスのEC離脱の前例があるので、みんな神経質になっているように、結果は予断を許さないようです。 身構えが出来ているので、

もしトランプ大統領が実現しても、EC離脱ほどショックは大きくないでしょうが、それでも日経平均が15000円台まで落ちると言う見方もあります。 もしヒラリーが大統領になれば、FOMCが金利を12月には上げるでしょうから、一時的には株価は上昇するでしょう。 しかし、その後の政権は、トランプ政策を取り入れる必要があるので、不安定化するでしょう。 同時に行われる議会選挙で、共和党が多数になれば、一層不安定さは増します。

東京都政も混沌としてきました。 豊洲移転問題とオリンピック問題で、小池知事がどのような着地をするのかが注目されます。 豊洲は時間がかかりそうなので、移転は先送りとその間の処理がポイント。 オリンピックは、やはり老獪な森喜朗氏に一本取られた感じですね。 首相も二階さんも取り込んだが、IOC委員長を取り込んだ森さんの勝ち。 結局、原状計画の予算縮小に落ち着くと思います。 梯子を外された格好の宮城県知事への対応がポイントになると思います。

しばらく使っていたノートPCのCPUの温度が下がらず、時々落ちるようになって、更にWindouws10 の更新をしている途中にダウンして、その時は無事復帰したのですが、再実行したときにまたダウンして、これが元に戻らなくなりました。 12インチですが、Core i5で、SSDに換装していて、性能的には非常に満足していたので、何とか元に戻せないかとやってみたのですが、SSD換装前のディスクに入れ替えると。これはWindows7で、10にアップは現時点では無料では出来なくなっていました。

しょうがなくアキラメて、折角だからと2in1のタブレットとPCの兼用機を探したのですが、ちょうどYogaBookの新機種が出ていて、その時はまだ予約可能だったのですが、すぐに予約が終わってしまいました。 6万円と少し高価なのと、キーボードがタッチ式なので躊躇しました。 結果的には結構な人気があったようです。

結局いろいろなリスクがあるので安価なASUSのTransBookにしました。 約35000円、しかし2-3日後にDMを見ると、超偶然にもムラ**で27000円ぐらいで出ていました。 残念。 CPUはATOMですが、それ以前にスティックPCを入手して、それで、必要なアプリを動かしてみると、結構サクサク動いたので、TransBookに手を出す気になりました。 もっともいろいろ使い込んでいくと、時々ハングしたようになって、性能的には問題有りだと思います。 スティックPCの方が少し性能が高いような感じがします。 CPUが同じATOMでも、少し違うようです。 メモリは2Gbですが、ギリギリな感じで、常に70-80%以上の使用率になっています。

問題のキーボードはピッチは狭いものの、それなりにクリック感もあり、特に問題は感じなかったです。 SDメモリを刺せるのですが、取り出しの都合なのがか、先端が少し出ています。 これで、時々意図せずに外れてしまって、マイクロSDは小さいので紛失の恐れが多分に有ります。 しょうがなくテープで留めています。

Windows10の新しい機能でタブモードとPCモードが自動で切り替わるのが良いです。 単体にすると、例のタイル表示が全画面となり、キーボード(キードックと言う考え方)を繋ぐと、Windowsのデスクトップが現れると言うことになっていて、Window8 時代から大不評だったタイル画面とデスクトップの切り替えを、何故最初から付いていなかったのか不思議です。

主な使用方法はPCで使っているメールクライアントをそのまま使いたいのですが、Android では動かなかったので、しょうが無くWindows10 にしたのですが、本当に必要なのは テンプレートでメールを送りたいと言うことですが、gmailではその機能が、何故か無いのです。 送付先を含めたテンプレートは、2タッチメールと言うアプリを入れると、送り先を含めた任意のテンプレートを gmail にセットしてくれますので、gmail で本文を直して送ることが出来ます。

キーボードにBluetooth接続のものを使えば、10インチタブレットで、2in1 と同じ事が出来るようですが、ノートブックの様に表示を立てて使うと言うことがうまく行きません。 また、TransBookでもそうですが、タブレットをキーボードを立てると、その分キーボードを重くしないと倒れてしまいます。

今月の読み物は「江戸の備忘録」 文春文庫 磯田 道史著 Kindle版 \570 文庫 \572

オススメ度 ★★☆ 隙間時間に読むべし

時間の隙間に気軽に読める江戸時代の裏話。 日本人の識字率、江戸時代の教育費、この国の政府の大きさなどなど、現在の状況との比較する上で、興味深いです。

【内容紹介】
奇怪を好んだ信長、神仏を脅した秀吉、大将のつとめは逃げることと心得ていた家康……。気鋭の歴史家が日本史の勘どころを伝授する。

内容(「BOOK」データベースより)
信長、秀吉、家康はいかにして乱世を終わらせ、江戸の泰平を築いたのか?江戸時代の「役人の数」「政府の規模」「教育水準」はいかほどだったのか?気鋭の歴史家が民の上に立つ為政者=武士の内実に分け入り、今の日本の土台となった江戸時代の成り立ちを平易な語り口で解き明かす。日本史の勘どころがわかる歴史随筆集。

今月のひとこと2016年10月号





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2016年10月3日
日銀の金融緩和も効き目が無くなってきました。 今回の緩和策は短期勝負のバズーカでは無くて、長期的な対応に耐える伝統的な金利政策に戻った感じです。 もっとも伝統的と言ってもマイナス金利は異次元の政策ではあります。

今回の政策のキモは、事業に直結する短期金利はマイナス金利を使って限りなくゼロにする。 本当のマイナス金利での貸し出しは現実的では無いと思います。 あくまで国債を高値で購入した場合の、仮想的な計算上の金利だと思います。

その上で長期金利である10年国債の金利をゼロ付近に持って行って、30年とか40年の超長期国債の金利を上げていくことになると思います。 要するにイールドカーブを今の水平的なものから少し立ち上げようと言うことだと思います。 これで保険会社などの苦境は和らぐと思います。 これで行くと35年の住宅ローンの金利はあまり下がらないことになります。 短期のローンを繋いでいくとか金利を安く上げようとすると手間や手数料がかかるのを覚悟しないといけなくなります。

問題は、この様なイールドカーブをうまく日銀がコントロールできるかと言う点です。 10年国債の金利は、マイナスになっていますが、これをプラスにしようとすると、日銀の購入量を減らさないといけなくなり、従来の金融緩和策との整合性が無くなってきます。 しかし万難を排して、これにある程度成功したら、次は短期金利のマイナス深掘りです。

おそらく12月にはアメリカのFOBは金利を上げるでしょう。 その時に日本はマイナス金利を更に下げれば、日米の金利差は大きくなり、大きく円安に振れるのでは無いでしょうか。 最近にわかに衆議院の解散も話題に出てくるようになりましたので、年末から年始にかけて一波乱あるのではないでしょうか。 ドイツ銀行や中国のリスクもありますが、その時にはアメリカ大統領選挙の結果も出て、ヒラリー+FOB利上げ+日銀マイナス金利で株価が上がったときに衆議院解散と言うシナリオではないかと予測しています。

東京都は豊洲市場問題、オリンピック経費問題、知事議会ねじれ問題と一気にいろいろ噴き出してきました。 豊洲問題は技術的にはいろいろ細かい問題はあるものの、大きな齟齬は無いのですが、ここまで騒がれると、落としどころを見つけるのが大変です。 新知事の手腕が本当に試されます。 基本的には、東京都が議会にキチンとした説明をし損ねたのが根本原因だと思います。 一度説明をし損ねたので、そのままずっと同じ答弁をしていたと言う、如何にも役所らしい対応。

江戸時代の役所は武士がやっていたのですが、この様なときは、切腹もので、家財没収一族郎党島流しか所払いになってしまうので、緊張感を持って業務をやっていたと思いますので、この様なたるみきった役所は切腹を復活すべきででしょう。

ITの世界の話題は、あまりなくなりました。 アップルは普通の会社になってしまったが、ソフトバンクは相変わらず突き進んでいますが、大丈夫かと言う見方もあります。 全体にAIのブームは終わって、今はIoTブームです。 以前にも書いたように、21世紀のIT世界の大発明はディープラーニングとブロックチェーン、それらのアプリとしてまとめ上げるのがIoTではないでしょうか。 しかしディープラーニングは第一章で、あと何章かしないと本当の使えるAIにはならないです。 ブロックチェーンは、インターネットの発明に匹敵するものですが、まだまだ初期段階のアイデア段階で、これからが本格的に実用になっていくでしょう。

インターネットが始まったころ、そのセミナーにネットラジオのデモを行いましたが、大昔の短波放送を聞いている感じで、当時はおもちゃでしたが、現在ではサウンドは勿論動画も配信できるようになって、当時からみれば夢の様な話です。 無線通信が100メガレベルで出来るとは夢にも思わなかったです。 あと30年も経つと、思いもしなかった事が実現しているのではないでしょうか。

今月の読み物は、「勘定奉行荻原重秀の生涯」―新井白石が嫉妬した天才経済官僚 (集英社新書) 村井 淳志 著 ¥ 756

オススメ度 ★★★ 無条件に読むべし

リフレ政策によって元禄の好景気を招いた人物。 江戸時代初期にこんな優秀な経済官僚が居たなんて。 米の先物市場の開設もですが、日本人はエラいです。 特に経済分野では西洋なんか足下にも及ばない。 何でこんなに遅れてしまったのか不思議です。

荻原重秀は貨幣改鋳でインフレを引き起こした大悪人と言う評価で、そのように高校の教科書にも載っているらしいですが、新井白石が罵倒したので、そのように理解されていたのを最近の研究で、世界でも100年単位で先駆的な経済対策を行い、黒田日銀も真っ青の業績で、元禄景気が始まったのです。

もっとも大きなものは、実物貨幣から信用貨幣へのシフトと言う政策です。 アメリカドルでも金兌換紙幣だったのもつい最近です。 当時は貨幣流通量が少なく、この思想に基づいて貨幣改鋳を行って、景気を回復させたのですが、これを理解できない新井白石に罵倒され、白石によってデフレに突入してしまいました。

貨幣改鋳によって、企業がため込んだ資金を投資に回させると言う、現在の経済状況を彷彿とさせる状況で、しかし江戸初期でこの様な考えを独自に考え出したのはすごいことだと思います。 今ならノーベル経済学賞確実です。

【以下ウィキペディアより】幕府の改鋳差益金は約500万両(1両10万円として5000億円、江戸初期なので30万円とすると1兆5000億円)にもなった。

従来この貨幣改鋳は経済の大混乱を招き、未曾有のインフレ(元禄バブル)をもたらしたと考えられてきたが、金沢大学教育学部教授の村井淳志の研究によれば、元禄期貨幣改鋳の後11年間のインフレ率は名目で平均3%程度と推定され[1]、庶民の生活への影響はさして大きなものではなく、また改鋳直後の元禄8・9年に米価が急騰したのは冷夏の影響としている[2]。

その一方で、改鋳により豪商や富裕層が貯蓄していた大量の慶長金銀の実質購買力は低下し、商人たちは貨幣価値の下落に直面して貯蓄から投資へ転じた。こうして従前は幕府の御金蔵から商家の蔵へ金銀が流れる一方だった経済構造に変化が生じ、これ以上幕府財政に負担をかけずに緩やかなインフレをもたらすことが実現された。

その結果経済は元禄の好景気に沸いたのである。現代の観点から、重秀の最大の業績はこの改鋳であり、この改鋳を「大江戸リフレーション(通貨膨張)政策」と評価する説もある[3]。綱吉時代が終わり、新井白石らがこの政策を転換して以降の経済停滞は「白石デフレ」とも呼ばれる。

荻原重秀は書物を残さなかった。これに対し、重秀を追い落とした新井白石は『折たく柴の記』で「荻原は26万両の賄賂を受けていた」などと繰り返し、一方的な悪評が定着した[5]。

しかし重秀の無筆がもたらした最大の災厄は、幕末の開国時に起きた。実物貨幣から信用貨幣へのシフトという政策を支える経済理論が後世に伝わらなかったため、改鋳により金地金より高い価値を持つようになった金貨および南鐐二朱銀以降秤量貨幣から計数貨幣へ切り替わるとともに銀地金の数倍の価値を持つようになった銀貨の仕組みについて、幕府は金本位制が主流の欧米諸国を納得させる説明ができず、地金の価値に基づく為替レートを承認させられた。

諸外国では金銀比価が金1:銀15に対し、日本では金1:銀5であった。その結果、金が国外に大量に流出し、流出防止のために金貨の価値を銀貨の価値に対し相対的に引き上げる必要が生じ、金貨の量目を低下させたので、インフレーションが発生し、日本経済は混乱した。

今月のひとこと2016年9月号





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2016年9月1日
先物で、やっと17000円を付けた東京市場の今週ですが、9月20、21日の日銀金融政策決定会合まで、いろいろな動きがあると思います。 金融政策もやり尽くして、やはり3本の矢の本命の成長戦略・構造改革の実行が不可避になって来ました。 ヘリマネの声が高いですが、すでにヘリマネ的な金融緩和が行われていて、日銀保有の国債をずっとそのまま持っておけば、極めてヘリマネに近いことになります。 黒田総裁が否定しているヘリマネは、日銀の国債直接引き受けだけで、ヘリマネ的な政策を否定しているわけでは無いと思います。

日銀が市場の国債を買い続け、来年には市場の国債を買い尽くすと言われています。 ETFを通じて上場している株式会社の多くが日銀が筆頭株主になると言われていますし、GPIFが本格的に株式投資を行うと、これも大株主になって、日本の企業のほとんどが実質的に国有企業になってしまうと言う、資本主義なのか社会主義なのかなんなのか、新しい世界に突入するのでしょう。

日銀が国債をそれも非常な高値、マイナス金利の高値で買い続けて、日銀が買うから値段が付いているのですが、これが買わなくなったとか、買い方が減ったとなると、いわゆる国債の暴落につながり、ひいては日銀の損失が大きくなり、自己資本を超えて、債務超過になってしまいます。 しかし国の中央銀行である日銀の資本と言うのはどれくらいの意味があるのか。 もし債務超過になったとして、どのような悪作用が出てくるのかは、経済学者をはじめ誰にも分からないそうです。

来年度予算の概算要求レベルで、3年連続で100兆円を超えたそうですが、この調子で財政赤字が膨らんでいくとどうなるのか。 現在のような低金利しかも場合によってはマイナス金利の場合はほとんど問題が顕在化しないでしょう。 上に書いたように日銀が国債の購入を減らして、国債の金利が上昇つまり国債の値段が大幅に下がったら、インフレになりますが、ちょうど良いインフレになったら理想的ですが、コントロールを外れるとハイパーインフレになります。

もしこうなったら政府の債務は減って、国債を直接間接に保有している個人の財産は目減りして、要するに個人から政府への財産移転が起きるのです。 幸い国債は日本国内でほぼ賄われていますので、日本国内で、ハイパーインフレにより、政府の債務と個人の財産、主に銀行預金ですが、これが入れ替わると言うこと「だけ」だと思います。 要するに自分の預金を諦めたら、政府債務は帳消しになると言うことです。

ITの世界では先月も紹介しました、ブロックチェーン技術が話題となっています。 ビットコインで有名になって、フィンテックの一種だと誤解されている場合もありますが、実際は分散台帳システムだと思います。 従って台帳を使って処理している全てのシステムが対象になります。 AIのディープラーニングとブロックチェーンは21世紀の2大発明だと思いますが、ブロックチェーンの方が社会に与える影響は遙かに大きいと思います。 AIはいずれにしても人間の代替えですので、便利にはなっても新しいことはあまりないと思います。 自動運転技術も、現在の人間のドライバーを置き換えるだけですから、便利にはなりますが、革新的なことはあまりないと思います。

ブロックチェーンはインターネットの発明と同じレベルだと言う話もあり、まだまだ未完成な技術ですが、インターネットと同じく、もの凄い大きな可能性を秘めていると思います。 音楽配信やファイル共有で著作権との兼ね合いで、悪いイメージしか無かったP2P技術が、ブロックチェーンでその方向性が見えてきたと言う事だと思います。

ブロックチェーンのキモは、台帳データを分散して持つ、しかも暗号技術で裏付けされているために安全性が極めて高い。 人間のおのおのの細胞が全ての遺伝情報を持っているのと同じだと思います。 問題はデータ量がどんどん大きくなって、各ノードが巨大化するのをどう防ぐか。

さらに取引の正当性を確認するのを別の処理でやるのですが、これを如何に効率的にやるのか。 例えば現在の銀行取引では、取引のほとんど全てが正当なのですが、万が一のために常に不正としてチェックを行っているので,システムコストが高くなるのですが、ブロックチェーンでは、時間が少しかかりますが、正当性を担保して、ブロックに埋め込むので、改ざんが出来ないようになります。

今月の読み物は8月は暑かったせいもあるのですが、いろいろ読みました。 その中でも異色は「無私の日本人」 文春文庫 磯田道史著 ¥637

オススメ度 ★★★ 日本人なら読むべし

3話からなるのですが、もちろん一番面白いのは、最初の話。 いつもは絶対に薦めないのですが、今回のオススメは「あとがき」を先に読むと良いと思います。 本文を読んでいて、疑問に思うことが、ここに全て書かれてあります。

読んでいて思わず涙か出ました。 古文書に依っているので、そのままの話だと思い、古文書に多少の誇張はあると思いますが、それにしてもこんな事が日本の江戸時代にで行われていたとは感動ものです。 映画化されているようですが、これを読んだときの感動は得られないでしょう。 武士の家計簿の続編でしか無いと思います。

日本人の底力を見たような気がします。 隣の大国の国民は、日本に旅行に来てショックを受けて買えるそうですが、この話などはショックどころでは無いのではないでしょうか。 現在の日本人ですらショックを受けます。 後の2話もこれに負けず劣らずの感動編です。 どれも実在の人物で古文書による裏付けがあるというのが感動をより強くします。

あとがきより
「この国にはそれとはもっとちがった深い哲学がある。しかも、無名のふつうの江戸人に、その哲学が宿っていた。それがこの国に数々の奇跡をおこした。わたしはこのことを誇りに思っている。この国にとってこわいのは、隣より貧しくなることではない。ほんとうにこわいのは、本来、日本人がもっているこのきちんとした確信が失われることである。ここは自分の心に正直に書きたいものを書こうと思い、わたしは筆を走らせた。」

今月のひとこと2016年8月号





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2016年8月2日
今年は偶然に7月の最終日に本宮となった、毎年恒例の夏祭りもやっと終わり、お盆の行事、地蔵盆と夏の行事が続きます。 バタバタして暑さを忘れろと言うことでしょうか。 更に今年は、懸案だった温室の建て替えで、取り壊しをやっと終わり、今度は整地をしないといけないのですが、少しでも涼しくなるタイミングを見計らっているところです。

候補者が2転3転の東京都知事選挙も夏祭りと同時に終わり、大方の予想に反しての大差での決着となりました。 何と言っても退路を断った背水の陣の候補と、如何にも頼まれ候補と言う感じの地味な候補、まったくKYな自称ジャーナリストの年寄り候補では話になりませんでした。

面白かったのは自民党支持者の半分、民進党でも半分の人が小池さんに入れてることです。 サスガに公明党は組織がしっかりしているためか、ほとんどが自民党公認候補に入れていました。 自民党や都連会長の責任問題になるのではないでしょうか。 また「応援したら除名」通知も、どのように処理していくのか、見物です。

さらに面白いのは、小池さんへの女性の支持が男性よりわずか少なかったことです。 ヒラリークリントンと似た感じで、好感度はあまり良くなくて、同性には更に好感度が低い。 しかし他が悪すぎましたね。 米国の大統領選挙も似た感じですので、意外な最終結果になるのかも知れません。

健闘したのは同じジャーナリストでも上杉隆候補。 最初は泡沫候補と思っていましたが、他の候補者に比べて政策をキチンと並べたので評価されたようです。 政策そのものは取り立てて素晴らしいモノではなく、特に後に変更したようですが、知事給与ゼロは一般受け狙いがミエミエです。 ちゃんとした仕事をしたなら、それんに見合う報酬を取るのは当然で、まともな感覚の持ち主には通じないと思います。

次は桜井誠候補。 悪名高き?在日特会の前会長で、政策は在日特会そのものですので、その得票数が注目されましたが、11万4000票で、まあ想定範囲内と言われています。 ネトウヨに狂信的に支持された、あの田母神氏の得票が61万票だったので、それには遠く及ばないようです。

田母神氏の政治資金問題も一応は幕引きが行われて、うやむやになったようですが、基本的には私的流用と政治資金規正法に反していると思います。 最初に論文と称するモノが出てきたときには愕然としました。 趣旨はともかく論述が雑。 如何に懸賞論文で、短いとは言え、キチンと論述すべきだと思いました。 さる有名なTVに良く出てくる教授は、ウチの学生でももっとマシなものを書くと言っていました。

こんな人が航空幕僚長で、ひょっとすると統合幕僚長にもなろうかと言うことですので、こんな人に任せて置いて良いのかとおもいました。 自衛隊幹部は、もっと国会に出して、論戦をする訓練をした方が良いと思います。 アメリカの報道番組などで、軍の幹部が話す場面がありますが、サスガに堂々とキチンとした事を喋ります。 下士官になると少し怪しくなりますが、TVインタビューを受けて、まともに喋れる自衛隊員がどれくらいいるのでしょうか。

イギリスのEU離脱問題は、当面の混乱は収まったようですが、実際の離脱に至るまでは、まだまだ予断を許さないようです。 政権党の代表は、急転直下これも女性で決まりましたが、ここから実際の離脱まで、年を越すことは共通認識になりました。 折しもソフトバンクがARM社を買収する話が飛び出し、イギリスは、これと言った製造業がなく、金融産業で持っている国ですので、EUとの関連が薄くなるとどうなってくるのか、はたまた中国との接近も観測されていて、まったく予断を許しません。

2016年7月28日に「インターネット誕生から1万日」を迎えたということです。 ここで言うインターネットは、HTMLで記述するWord Wide Webが、1989年3月12日ティム・バーナーズ=リーによって提案された誕生日だそうです。 それ以前からインフラとしてのインターネットはありましたが、基本的に文字ベースだったので、あまり注目は浴びませんでした。

提案されてから4年後の1993年だったと思いますが、技術者がwwwがどうした、こうしたと言うメールが増えてきました。 現在のPCに相当するワークステーション(WS)を開発していましたので、それに当時のブラウザのMosicをインストールして、今でいうネットを見ることができるようになりました。

最初に画面を見たときは衝撃の一言。 モノクロの画面でしたが画面いっぱいにグラフィックスで表示され、表示は文字でしたが、それが細かく表示されており、それまではキャラクタ文字しか見たことがなかったので、本当に衝撃を受けました。 当時は、html以外のGopherとかFtpとかのプロトコルが沢山あったのですが、それらは今でも残っていますが、その中でHTMLだけが大きく生き残ったことになります。

以下は、今日までの流れをネットから拾ってみました。
インターネット1208日目、「ピーガガガ……」というダイヤルアップ音が生まれました。
インターネット2263日目、JavaScriptが誕生。
インターネット3947日目、「Y2K( 2000年問題)」が起きました。
インターネット9999日目、Firefoxのヴァイスプレジデントが「 Pokemon Go DB」を作りました。ちなみに「初代」と呼ばれるポケットモンスター赤・黒が発売されたのは1996年2月27日で、インターネット3639日目のことでした。

今月の読み物は、「ブロックチェーンの衝撃」 単行本 2016/6/8 ビットバンク株式会社&『ブロックチェーンの衝撃』編集委員会 (著) 馬渕邦美 (監修) Kindle版 ¥ 2,800

オススメ度 ★★★ 理系で無くても是非一読を

結構分厚い本で、しかも内容が深いので、最初は怖気づきましたが、内容が多岐にわたる分だけ興味も沸いてきて、結構速く読了できました。 少し前に問題になったビットコインの技術的なベースになっているブロックチェーン技術の解説です。 技術というより。その応用分野も同時に解説していますので、興味深く読めます。
新聞記事などでも、時々ブロックチェーンに関する記事があり、例えば Ethereumと言う単語が突然出てきたりしますが。これも予備知識が無いと全体がわかりません。

切っ掛けになったのは、某最大大手銀行が、ブロックチェーンの会社を買収したとの記事があったので、銀行ですら本気でブロックチェーンを考えているのだと、ショックを受けて、この本を読む気になりました。

技術的にどうなっているのか、知りたいところですが、実際のインプリメントはなかなかわかりません。 全体としては、P2Pによって全体のトランザクションを共有して、追加は暗号技術で不可逆的に追加する。 最新のブロックは一番長いもの選ぶと言うものです。

最初から不思議だったのは、全トランザクションは何処にあるのか?と言うことに対しても、各ノードがすべてのコピーを持っているとのことで、いずれはノードの物理的な記憶域の制約が出てくるものと思いますが、ビットコインでは7年間の無トラブルが実績としてあるようです。

また、このような特性を利用して、契約書などを置いておくことも可能で、このような場合は、インデックスをブロックチェーン化しておいて、契約書自体は通常のDBに置いておくことも可能なようです。 いずれにしても、まだまだ発展途中ですので、さらなる進展があるものと思います。

全体としては、AI分野のディープラーニングと並ぶ大発明だと思います。 ソフトウエアと言っても所詮は数学ですので、従ってノーベル賞の対象ではないですが、あの単純な自然数1,2,3,4・・・・ から始まって、100年かかっても解けないようなフェルマー予想(すでに証明されたので予想ではなくなった)のような複雑なものができてくるので、プログラミングの塊であるソフトウエアも、もっともっと度なものが出現して行くものと思っています。

決済の分野では、IoTのそれぞれのノードが、自らブロックチェーンを利用して、自動的に決済をする事も可能です。 決済手数料が安いので、各ノードが、自らの通信費用を、自ら支払うと言う場面も可能となります。

IoT、ブロックチェーン、AIがこれからの10年を主導していくのではないでしょうか。

今月のひとこと2016年7月号





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2016年7月4日
全世界が意表を突かれたイギリスのEU離脱問題。 ヨーロッパ流の交渉術において、ボールを持っているイギリスが有利で、キャメロンは批判の矢面に立たされましたが、正式のEU離脱通告は、9月になり、総選挙後になり、最後は年明けになってしまいました。 以前よりイギリスの離脱はリスクだと言われていましたので、結局、そのリスクは高まっただけで、似たような不安定な状態が続くようです。

アメリカの共和党トランプ候補との共通性も謂われており、ポストグローバル化時代の象徴と思われる節もあります。 ロシアや中国の膨張主義、中東の混乱、スコットランドやイタリア、オランダなどのEU内の反乱、沖縄の復古主義などなど、個別問題と世界の潮流がない交ぜになって、判断に苦しむわけですが、戦後70年、東西冷戦終結後の四半世紀が経過した現在新しい潮流が出来ているのだと思います。

この一件で一番割を食ったのが日本。 経済状況は安定して、ほぼ元に戻った感じですが、唯一日本の円高だけが残りました。 わーっと砂埃が立って何も見えなくなったのですが、だんだんと晴れてきたら、円高と言う山だけが突っ立っていたと言う感じです。

あまり報道されていませんが、ヨーロッパ最大の銀行であるドイツ銀行の調子がどうも悪そうです。 ドイツは経済政策に関してはストイックですから、支援をしないことも考えられ、もしドイツ銀行が破綻するようなことがあれば、また一波乱、それこそリーマン級の経済津波がやってくるかも知れません。

このままでは東京オリンピック前の好景気と言うシナリオも怪しくなり、それに合わせた消費税アップもどうなることかと思います。 経済が更に下落して、しかも政治的な圧力で、消費税アップとなれば、考えるだけでぞっとする状況になります。

金融緩和はこれ以上の策無しで、財政出動もそんなに懐は裕福ではないので、オリンピックまでは何とかなるでしょうが、その後は弾切れとなり手詰まりです。 おそらくその時に出てくるのがヘリマネ。 これが本当の最後の手段だと思います。 パーナンキが提案した方法で、ヘリコプターから札を撒く感じなので、ヘリコプターマネー、ヘリマネと言われている政策です。

本当にヘリコプターで札を撒くわけではないのですが、政府が政府紙幣を発行する、もしくは国債を日銀が引き受けて、そのまま償還せずに持ち続けて、ようするに批判の多いばらまき政策を堂々とやるのです。 最近の3万円の「高齢者給付金」がヘリマネに近いと思います。 この財源を政府紙幣か日銀引き受けの国債で賄えば、立派なヘリマネになります。

中央銀行の信認とか円の信認の低下とか言われますが、円の価値は基本的には世界の通貨との比較の問題で、今日のように各国が競って通貨安を目指すのであれば、それらとレベルのあう政策にしないと、円だけが独歩高になってしまいます。 ユーロも元も怪しくなり、アメリカだけが何とか踏みとどまって、利上げに向かおうとしていますが、これも一進一退で、どっちに転ぶのか不透明なままです。

日本の参議院選挙を狙ったかのように、バングラデシュやイラクでテロが発生しました。政府は選挙運動どころでは無くなり、これらの事件の影響がどのように選挙に出るのか、見守りたいと思います。

自動運転で先端を走っていたテスラの Model S でとうとう自動運転中の死亡事故が発生しました。 いままでで 約2億キロの走行実績があるそうで、実績データで統計データではないので、単純な比較は出来ませんが、イーロンマスクは、通常の自動車の事故確率と同じくらいと言っています。

少し調べてみたところ、日本における従来型の自動車の事故率はだいたい 1億キロ当たり100件程度で、死亡事故は、1億キロ当たり0.5人、つまり2億キロに1人で、同じ程度と言えば同じですが、テスラが全て自動運転をして居たわけでもないし、電気自動車のそのものの事故率は従来型と変化無いはずなので、やはり自動運転時の事故率としては、高い印象です。

元々自動化により事故率の低下が期待されているので、自動運転の結果としては残念な結果だと思います。 おまけに高速道路における自動運転で、技術的には問題ないと思われていた状況です。 高速道路でもこうですから、特に一般道路ではまだまだ自動運転は開発の余地が多そうです。

ディープラーニングを過信してはいけないと思います。 ディープラーニングは過去の状況で判断しますから、それこそ想定外の状況ではどう判断するか分かりません。 囲碁の対戦では、奇妙な打ち手を打って負けたら終わりですが、自動車では死亡事故や大規模事故につながります。

今月の読み物は、新聞に大きな広告が出ている「総理」 単行本 山口 敬之 (著)
Kindle版 ¥1,382 単行本 ¥1,728

オススメ度 ★★★ 是非一読を

電子版で読みましたが、まあ面白かった。 どこまでが真実で、何処までがフィクションか分からないが、面白いです。 政治家と記者の関わりの裏側が見えて興味深いです。 また、安倍総理と麻生副総理の距離が面白い。 単なる友達でも同僚でもない、不思議な関係。 これが現政権の寿命を長くしている要因ではないかと思います。 消費税アップ延期の局面でも新聞報道から伝わってくる印象とほぼ同じなのも印象的です。

【内容紹介】
そのとき安倍は、
麻生は、菅は――
綿密な取材で生々しく再現されるそれぞれの決断。
迫真のリアリティで描く、政権中枢の人間ドラマ。

「本当の敵は身内にいる」
――第一次安倍内閣から安倍を支え続ける麻生太郎。
「絶対に安倍を復活させる」
――重要局面で目の前で票読みをし安倍の背中を押した菅義偉。
「世にいうところの緊急事態かもしらん」
――誰よりも早く安倍の異変を察知した与謝野馨。
「麻生さんが決めたなら、私も」
――谷垣支持から安倍支持に転じた高村正彦。
「そういう事実は一切ありません」
――宏池会会長として野田聖子支持を完全に否定した岸田文雄。

著者について
1966年東京生まれ。フリージャーナリスト・アメリカシンクタンク客員研究員。90年慶應義塾大学経済学部卒、TBS入社。以来25年間報道局に所属する。報道カメラマン、臨時プノンペン支局、ロンドン支局、社会部を経て2000年から政治部。13年からワシントン支局長を務める。16年5月TBSを退職。

今月のひとこと2016年6月号





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2016年6月5日
想定通りの消費税アップ先送りとなり、同日選は取りやめになり、アメリカではヒラリーが政治資金問題が再燃して、トランプがますます有利になっているようです。 先週末には、アメリカの雇用統計が発表され、予想より大幅に少ない数字に、ドルは急騰。 円は一気に106円台に上昇しました。

伊勢志摩サミットでの安倍首相の世界経済危機説は、あまり評価されなかったようですが、雇用統計の悪化で、足下のアメリカで利上げが行われようとしていると言う批判も、これで早くも崩れてた格好です。 これにイギリスのEU離脱が現実化すると、まさにリーマンショック並の経済後退が起きるのではないでしょうか。

東京都知事の経費と政治資金の問題が連日TVニュースを賑わせていますが、如何にもセコい細かい話で、むしろヒラリーの100億円単位の政治資金問題の方が、事の善し悪しは別にして、迫力が違いますね。 都知事の政治資金の使い方は、個人企業経営者の公私混同的な、節税目的の使い方とよく似ています。 しかし方や税金で賄われている政治資金と、少なくとも原資は自ら稼いだ売上げの中から使うと言う大きな違いがあると思います。

元々個人事業、特に法人でない事業は公私混同が経理上もルール化されていて、しかしその区分は明確にするようになっています。 同じ財布の中の現金に印は付いていないので、公私を区分することは難しいと言う前提に立っていると思います。 その上で、経理上は公私を明確に区分することになっていますが、都知事はこの辺を曖昧にしたまま、いわば公的資金を私的にも使ってしまったと言うことでしょう。

いずれにしても辞任は避けられず、後任の選択が議論になっていますが、元宮崎知事とか、前都知事とか、イマイチな面子ばかりです。 どうせなら候補に挙がっている元防衛大臣の女性知事候補が良いと思います。 オリンピックでも見栄えがするでしょう。

最近買ったガシェットで思ったより良かったのが、Dylan イヤホン CVC 6.0ノイズキャンセル機能搭載 ランニング仕様 耐水 bluetooth ワイヤレス イヤホンでした。 作業中にケータイを待ち受けにして、その間に主にワンセグTVの音声を聞くのですが、有線式はコードが引っ張られてすぐに外れるし、Bluetooth式でも、左右のイヤホンをコードで繋ぐので同じ事になるし、耳穴に突っ込むタイプは汗ばむし、すぐに抜けてしまいます。

このイヤホンは耳に当てるだけなので、耳穴タイプの問題は無くなりますが、音が悪いのが欠点でした。 しかしこのイヤホンは音が良い、スピーカーを横に持ってきている感じです。 電源ONや接続を音声で知らせてくれる(中国語で無くて英語)のでビープ音だけよりも分かりやすい。 電話がかかってくるとかかってきた電話番号を読み上げてくれるので、どこからの電話かはだいたい分かる。

電源は勝手に切れないので受け待ちにも良いです。 バッテリも12時間持つとのことで、まだ試してはいませんが、結構持つのは間違いないようです。 また、壊れ安いのが欠点らしいのですが、確かに壊れやすい感じですが、丁寧に扱えばそんな感じもしません。

ITの話題ではないですが昨年から今年にかけて、素粒子物理の世界の標準理論を超える試みが精力的に行われています。 その中で、自然界の4つの基本的な力に加えて、第5の力がある可能性が高まっています。 昨年にハンガリーの科学者が発表したのですが半信半疑。 もちろん力は素粒子の大きさぐらいしか働かないようです。 しかし今年になってカリフォルニア大学でその検証を行ったところ、第5の力が働いているとしても矛盾は生じない実験結果が得られたそうです。

この他にも、コンパクト化された第5次元空間を検証するプロジェクトも進行しており、このコンパクト化が 1mm 程度の大きさで、実際に実験できる大きさなので、この距離で万有引力の法則が成立するのかを実証しようというものです。 他の動きもあり、オリンピックまでには、何らかの新しい動きが出てくるのではないかと思います。

今月の読み物は、「私たちはどこから来て、どこへ行くのか: 科学に「いのち」の根源を問う」 単行本 森 達也著 ¥1,400

オススメ度 ★★☆ 時間あったら読むべし

長期間積ん読になっていたのをやっと読みました。 タイトル的にはオカルト的ですが、内容は科学的な話題を平易に対談で説明したものです。 対談も対談の録音をそのまま書き起こしたような書き方で、冗長でもあるし、分かりやすいとも言えます。

内容は、生物の成り立ち、進化の仕組み、宇宙生物などの話題を平易な対談をそのまま書き起こしています。 学会で定説にはまだ成っていない説も紹介され、なかなか面白いと思います。

何故この宇宙は人間にぴったりにできているのか?と言う問いに対しては人間原理を紹介していますが、その理解が少しおかしくて、オカルト的な解釈をしているようです。 進化はどうやって進行したのか? 例えば眼球のような精密な仕組みが、試行錯誤と自然淘汰で出来るとは信じられないですが、明確な答えはまだ見つかっていない様子です。 特に知的宇宙生物は少なくとも通信可能な範囲では、存在しないと思います。 バクテリアのようないわゆる生物は何処にでも居ると思いますが、これが知性を得るまで進化するのには、もの凄い幸運が必要で、その確率は極めて低いと思います。

内容紹介
人とは何か。人はなぜ死ぬか。宇宙に終わりはあるか。福岡伸一、池谷裕二、村山斉などの第一線で活躍する科学者たちに問うことで、人と科学の根源に挑む。
内容(「BOOK」データベースより)
HowではなくWhyと問うことでみえたのは、科学者たちの葛藤や煩悶の声だった。最先端で闘う科学者たちに「いのち」の根源を問いかける、森達也の新境地!