今月のひとこと2010年3月号





「今月のひとこと」の目次
毎月一回はその時々のトピックスをお送りしています。
本家の http://www.masuda.org/ もよろしく

絵や写真をクリックすると、そのページに行けます




3月1日

やっとオリンピックも終わって、経済も政治も動きが無くなって、春のけだるい気候に一時はなりました。 地球の反対側では、特大級の地震で日本は津波予報一色でありました。 ギリシャの経済地震はとりあえず収まったものの、今度はアイスランドが再びの危機に陥っています。 他国の預金者のために何で自分たちが身銭を切らんといかんのか? と国民投票で秘訣の様子です。 しかし考えてみれば身勝手な話で、人口30万人の小国がゆったりと日常生活を送れたのは、他国の預金者の投資があってこそ。 お金を借りるときは平身低頭して返済時には、それを忘れて高利貸しの取立てに、あんたは鬼や、と言うのに等しいでしょう。



最近、防犯意識が高まっていますので、ネットカメラをいろいろ試してみました。 あまりたくさん買い込めないので、コレガの機種に絞ってみました。 2万円そこそこなんですが、これがなかなか使えます。 モーターが入っていてパン・チルトが可能です。 これをどう動かすかと言うと、PCやケータイから矢印キーで、ワンステップずつ動かします。 少々かったるいですが、動かないよりましです。 他社の高機能の機種では、画面の位置を指定するとそこに移動ができますが、この機種はそこまでは出来ません。 画像データはftpとメールで送ります。 さらにモーション検知が出来てその時に送ることも可能です。 ただしモーション検知の出来があまり良くないので、検知しすぎたり、しなかったりです。 ただ画面の中で領域を2次元的に指定でき、レベルも指定できるので、使い方によっては良いのかもしれません。



面白いのは、音声通話が出来ること。 音のモニタリングが出来て、外付けのスピーカを繋ぐとPCのマイクから音が出せます。 もっともネット経由ですので、遅延がものすごくあるので、通常の会話は出来ませんが、モニタリングと音声による警報や警告が出来ます。 最初はどんなスピーカーを繋ぐのかマニュアルにもありませんでしたので、試行錯誤でしたが、PCに繋ぐようなアンプ入りのスピーカーでOKでした。 またカメラ本体の音量の設定を最大にしないと聞こえません。



もっと面白いのは、インターネットを介して、他の場所からも監視画像を見ることが出来ます。 PCだと動画が可能で、ケータイだと静止画になります。 PnP機能があるので、ルーターの設定さえすれば、後は自動でルーターに穴を開けてくれ、外から見えるようになります。 複数台のカメラはどうする?と言うことですが、これはポートで区別します。 またセキュリティ上もポートはWebの80番以外にしておくべきでしょう。



ルーター機能のうち、このネットカメラで必要になって設定したが、DDNS ダイナミックDNS機能です。 正確に言うとルーターの機能ではなくて、外部のサービスなのですが、何らかの拍子にIPが変更になった時に、ルーターから再設定する機能が必要となります。



なぜこれが必要かというと、通常の常時接続のインターネットのIPアドレスは割当性ですので、一定しません。 一定させようとすると、固定IPを割り振ってもらう必要があり、結構高価で 月に何万円とかかります。 ネットサーフィンのようなWeb参照であれば、IPアドレスが変わろうがなんであろうが問題ありませんが、外部から内部の例えばネットカメラを参照しようとすると、変化されると困ります。 反面セキュリティ上はその方が安全と言う見方も出来ます。



この常に変化するIPを実アドレスでなくて、名前で参照できるようにするのがダイナミックDNSです。 無料のサービスがたくさんあって、どれでも良いのですが、ルーターによっては選択できるサービスが限定されているものもありますので、まずルーターの設定を見てから選定すると良いと思います。



この機能を使うと、ケータイからも留守中の自宅のペットの様子を見ることも出来ます。 かかる費用は、カメラ代だけで、このカメラだけのランニングコストはかかりません。

使うときのコツは、ケータイでもIDパスワードは必要にした方が良いと思うので、この時にケータイから入れやすいIDとし、パスワードは数字にしておくべきです。 ケータイのデスクトップにURLを貼り付けておけばワンタッチで見ることが出来ます。 またPCで見る時は動画に出来ますが、5fps程度の遅いものにしておかないと、特にインターネット経由で見るときはトラフィックが多くなります。



また、おまけでついてくる監視ソフトもまあまあ使えます。 4画面とか9画面、16画面まで同時に見ることが出来て、細かい設定もそこから可能です。 もちろんインターネット経由でも、キチンとアドレスを設定すれば見ることが出来ます。 サウンドのモニタリングも可能です。 多少ブツブツとネットが切れますが。 ケータイでは残念ながらサウンドモニタリングは出来ません。 おそらく iモードの帯域の問題だと思います。



今月の読み物は、海の祭礼 (文春文庫) 吉村 昭 ¥ 660 です。 幕末ばやりの昨今ですが、これも幕末ものです。 日本人の漂流の話は多いですが、これはインディアン系のアメリカ人の(意図的な)漂流譚です。 このアメリカ人青年ラナルド・マクドナルドを中心とした前半と、その時には英語が分かる日本人は一人も居ずに、彼から本物の英語を学んだ長崎通詞・森山栄之助の立場から当時の外交交渉を垣間見ます。 現時点でも外交交渉としては臨場感のあるもので、外国奉行を外務大臣と読み替えればほとんど変わっていないのではないかと思うほどです。



内容(「BOOK」データベースより)

ペリー来航五年前、鎖国中の日本に憧れたアメリカ人青年ラナルド・マクドナルドはボートで単身利尻島に上陸する。長崎の座敷牢に収容された彼から本物の英語を学んだ長崎通詞・森山栄之助は、開国を迫る諸外国との交渉のほぼ全てに関わっていく。彼らの交流を通し、開国に至る日本を描きだす長編歴史小説。



著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 吉村 昭

1927年、東京生まれ。学習院大学中退。66年「星への旅」で太宰治賞を受賞。同年「戦艦武蔵」で脚光を浴び、以降「零式戦闘機」「陸奥爆沈」「総員起シ」等を次々に発表。73年これら一連のドキュメンタリー作品の業績により第21回菊池寛賞を受賞する。他に「ふぉん・しいほるとの娘」で吉川英治文学賞(79年)、「破獄」により読売文学賞、芸術選奨文部大臣賞(84年)、「冷い夏、熱い夏」で毎日芸術賞(85年)、さらに87年日本芸術院賞、94年には「天狗争乱」で大佛次郎賞をそれぞれ受賞。97年より芸術院会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)






今月のひとこと2010年2月号





「今月のひとこと」の目次
毎月一回はその時々のトピックスをお送りしています。
本家の http://www.masuda.org/ もよろしく

絵や写真をクリックすると、そのページに行けます


2010年2月1日
今年は年初から寒い日が続きます。 かと言って暖冬が終わったのかと思うとそうでもなくて、水溜りに氷が張りません。 子供のころは分厚い氷が張ったものでしたが。 経済の方も段々と怪しくなってきて、中国も一時的にダウン、アメリカも息切れ、ヨーロッパはまだら模様、日本は迷走中。 それにしても国のツートップが税金で怪しくて、こうから増税しようと言うときに、これでは納税意欲も失せると言う事です。 こちらはちょっとマンションを買っただけでも、税務署から「おたずね」の紙が回ってくるのに、2桁億円のお金が動いて、脱税と分かった後でもお咎めなしと言うのは、あまりにも馬鹿にした話で、これでは消費税論議なんかできっこないでしよう。

相場では、億円を越す脱税は告発されて、1億円当り1年の実刑だそうです。 某宇宙人は、6億ですから、まかり間違っても執行猶予は付きません、普通の人なら。 もう一人も、相続は無かったと自分で言っていますので、4億とか8億とか言われているお金はその後自力で稼いだと言う事ですが、政治家と言うのはそんなに儲かる商売なんでしょうかね。

使ったお金の額は某宇宙人が正しいと思います。 政治に何でお金がかかるんだ? とよく言われますが、収益団体ではないですが、経費はかかる。 それなりの人を雇うと給与の他に経費がかかりますがから、最低でも1000万、多くて2000万はかかります。 これが10人居たら1億から2億。 政治報告の封書を1万人に1回出すだけで80万円。 毎月で1000万円近くかかります。 だから政党助成金を税金から出しているのですが、これが不透明。 自力で稼いだ収益でも税務署には全部公開なのに、税金でまかなう経費が不透明とは何たること。 一時は、1円単位はめんどくさいという議論がありましたが、世の中のすべての何兆円の会社でも、1円単位で管理、申告しているのですよね。

おそらく、税金問題は時効だと高をくくっているのでしょうが、それならそれで、「すみません」と謝れば良いと思います。 いずれにしても、こういう問題にフタをしたまま、やれ成長戦略だ、財政健全化だと言って見ても、白けるだけです。 その白け方が、支持率に現れていると思います。 もう後がなくなってきました。 本当に、銀行封鎖、預金封鎖、日本沈没、IMF管理の風景が遠くに見えてきたと思います。

本年早々から、ぼやきで始まりましたが、ITの分野では、最近ツイッターばやりですね。 本欄でも以前に紹介しましたが、オバマ大統領が使ったと言うことで、日本でもはやりだしました。 Blogより簡単と言う触れ込みですが、イマイチ浸透していないようです。 どうもあの言いっぱなしにはなじめませんね。 Blogの炎上は極端な反応ですが、メールにしろ、何にしろ言いっ放しの傾向が強いと思うのは私だけでしょうか。

時節柄、税金の話に戻りますが、今回もイータックスの、5000円の税額控除はありますので、がんばって確定申告をして、好きでない住基カードをもらって、それに500円払って電子証明書をもらいましょう。 昨年は私が取ったのですが、今年はまた別人が取ったので付き合いで見ていました。 電子認証なのに、役所の中では持ち回りで、若い担当が書類を持ってうろうろして、あちこちのPCをいじって回っていました。 役所の中のシステムが統合されていないので、アチコチに入力をしないといけないようです。 今回は短かったですがそれでも15分かかっていました。 住民がみんな欲しいと言い出したらどう対応するのか心配になります。

肝心のイータックスですが、利用者識別番号の取得にも専用のさらに使いやすいソフトが出来たようで、それをダウンロードすると一発で番号の取得が出来ました。 流石に国税庁のシステムは全体に良く出来ています。 オンライン申請の嫌いな私も、今年はこれを使ってみようかと思っています。 ここで疑問となる添付資料ですが、基本的には自己保存となります。 何かあるとその時には見せないといけないようです。 ちなみに株式などの特定口座の取引残高は、税務署とオンラインで結ばれていますので、ごまかしは効きませんし、帳票も提出する必要なありません。 それなら税務署で全部やってくれ、と言いたくなりますが。

今回は、若い人だったので、流石にパスワードを入れるときには横向いていてくれました。 以前はじっと見られてしまって、セキュリティをどう思っているのか疑問でした。 セキュリティと言えば、先日自動車の免許証の書き換えに行ったのですが、これもIC化されていたのは良いのですが、パスワードを専用の機械で入力するのですが、そのパスワードが堂々と普通にスーパーのレジの明細みたいに印刷されて出てきて、ハイと手渡されました。 まあ取り扱っている人が警察官だから良いと言うことなんでしょうが、シールの上から見えないように印刷する方法もあるので、何とかならんものかと思いました。



今月の読み物は民主党政治の正体 角川SSC新書 渡辺 喜美著 ¥819。 アマゾンでは早速品切れになっています。 新書だしまあ読んでみるか、と言うところでしょう。 ぼやきの原因について、早速読んでみましたが、まあ言っているのと実行するのとでは大分差があるとは思いますが、いちいちもっともな話ばかり。 中にはそううまくは行かんやろ、と言うのもちらほらありますが、ばっさばっさと切りまくり。 経済の話がやたらと詳しいので、そう言えば、この人は金融大臣もやっていたよな、と妙に感心し、まあ器用な人ですね。

内容(「BOOK」データベースより)
何かが違う。政権交代したまではよかったが、なぜ民主党政権は「言っていることとやっていることが違う」のか。マニフェストでうたった「官僚依存からの脱却」は“絵に描いた餅”。このままでは役人天国の大きな政府が誕生し、国民には大増税への道が待っている。元行政改革担当大臣として、霞が関の既得権益に真正面から立ち向かった「みんなの党」代表の著者が、国家戦略のビジョンすら国民に提示できない民主党政治に審判を下す。そして、国民の一番関心の高い景気回復、成長戦略の具体案を大提言する。

今月のひとこと2010年元旦号





「今月のひとこと」の目次
毎月一回はその時々のトピックスをお送りしています。
本家の http://www.masuda.org/ もよろしく

絵や写真をクリックすると、そのページに行けます


2010年元旦

2010年 正月 元旦 あけまして、おめでとうございます。 昨年の1月号を見直したら、一足先に政権交代した米国大統領が定着したら先が見えてくるみたいな事を書いていましたが、それが終わったら今度は日本の方が怪しくなってきて夏の参議院選挙までははっきりしないようです。 リーマンショックからの脱却もどん尻で、世界が見えないのにさらに日本は先が見えなくなりました。 今年はGDPで中国に追い越されて世界第3位になってしまうようですが、それでも3位。 太平洋周辺に、1位から3位まで並んでいるのは大変なことです。 普天間問題もはっきりせずに、ますます先が見えなくなりました。

小沢幹事長は、政策にはあんまり関心が無くて、選挙にしか感心が無いように見えます。 本来は政策があって、それを実現する必須条件が選挙だったのですが、どうも政権交代選挙があまりにもうまく行ったので、最近は目的と手段が入れ替わっている感じがします。 企業で言うと、企業理念があるはずですが、それを実現するためには現実問題として売上と利益がないと駄目。 それで理念をそっちのけで売上利益に走る、と言う感じではないでしょうか? 恐らく夏の参議院選挙では、民主党が過半数を制すると思いますので、その後の動きが気になるところです。

以前は、正月恒例のIT予測をやっていましたが、2008年ごろから怪しくなってきて、最近は休業状態です。 今年は、やはり地デジの最終年なので、この動きが大きくなるでしょう。 来年夏にはアナログがストップするわけで、それに向けていろいろな動きがあるでしょう。 エコポイントも継続のようです。 昨年の薄型TVの価格の下落はすごかったですね。 32インチだと5-10万円で買えます。 しかもエコポイントつき。

もっとも量販店の値札は結構高いので実態は以前からこの水準の価格にはなっていました。 最近は55-60インチとが安くなりつつあります。 従来は40-50万円していたのですが、30万円台まで落ちてきました。 50インチは、以前にお知らせしたように20万円を切っていて、エコポイント込みでは、15-6万というところではないでしょうか。 これからは、中国が液晶市場に本格的に参戦してきますので、40インチ以下は1桁万円の下の方まで下落するのではないでしょうか。

以前から言っているように、廉価版の地デジチューナが出てきました。 最終的には、政府が無料で配布すると思っていますが、取り敢えずは貧困世帯から無料になっているようです。 それでもTVの切り替えがまだ60%とか、受信に必要な B-CAS カードの独占法違反問題とか、200万棟と言われている、民間マンションのアンテナ更新問題とか、本当に2011年7月にアナログ波をぶちっと切っても良いのか? と疑問になります。

どんどん下落するデジタルTVですが、その中でパナソニックはうまく横連携の製品を次々と出しています。 デジタルTVそのものはプラズマがある程度で、これも画面の映り込みがやはり気になって、そんなに画面が綺麗とも思えないのですが、レコーダーとの連携がなかなか良いです。 下手な録画一体型よりも使い勝手が良い。 AVCHDの画像圧縮が使え、ブルーレイにも記録でき、さらに両面で再記録可能なブルーレイも段々安くなってきたので、これに5-10番組が一気に入る。 当然、CD-R並みに安くなった、DVD-Rにも1番組ぐらいならハイビジョンで記録できます。

さらに、ビデオカメラもAVCHDで、ハイビジョンがSDカードに記録でき、最高の32Gバイトだと32時間も連続記録できる計算になります。 もっとも、現時点では、あまり大きなファイルを作ると記録がおかしくなるようで、2Gとか4Gで一度止めた方が良いようですが。

ネットに繋ぐネットカメラもAVCHD対応で、そのまま録画機に録画できます。 有料ですがケータイとも連携もあり、録画機のネット連携と絡めてリモートでの使い勝手が非常に良くなっています。

教科書に出てくるようなネットワーク環境でのビジネスを想定しているわけでなく、AVCHDと言う画像圧縮技術をメインに持ってきて、それをネットワークで繋いで顧客の囲い込みをしようとしているのだと思います。 一度はまってしまうと、同じシステムに繋がるものを買わざるを得ないようになります。 以前にソニーが家電のシステム化を目指して、えらくクローズなシステムを作ったのとは少し違って、結果的にはクローズなのですが、それをあまり感じさせないのが成功の要因だと思います。

今朝の日経新聞の一面トップに出ていた、スマートメーター、スマートグリッド。 特にすぐに実現してビジネスになるのがスマートメーター。 アメリカではすでにベンチャーがビジネスにしているようです。 いままでは、料金の自動収集と言う観点があったので、人が電気メーターを見て回る費用とシステム化の費用の比較で、やはり人のほうが安かったのですが、エコの観点が入ると、俄然実現性が出てきました。 電気消費量をリアルタイムで計測するのは技術的な経済性では大変ですが、非常に面白いビジネスになると思います。

問題は通信ですが、最近はネットの常時接続が普通になっていますから、これに繋げば解決します。 しかし全体の通信量が増えるので、ネット接続業者との連携が必要でしょう。 関西では関西電力が、ファイバーの常時接続を行っていますので、これが使えるでしょう。 マンションなどの集合住宅では、やっと実用化してきた電力線通信が使えるでしょう。 速度を下げるなどして、コストダウンすれば、スマートメーターに内蔵できると思います。 さらには、メーターとネットのルーターとの接続に使えば配線が非常に楽になります。 電気メーターは、10年に1回くらいは定期的に交換していますので、設置の問題も無いと思います。

今年最初の読み物は、お正月らしく 語られなかった皇族たちの真実-若き末裔が初めて明かす「皇室が2000年続いた理由」 (単行本) 竹田 恒泰 著 小学館 1365円 です。 第15回山本七平賞受賞。

筆者は昭和50年、旧皇族・竹田家に生まれる。慶応義塾大学法学部法律学科卒業。財団法人ロングステイ財団専務理事。孝明天皇研究家。明治天皇の玄孫にあたる。 特別では無いと何度も序章に出てくるが、生まれが生まれであるし、雲南省で交通事故に会ったり、スパイ容疑で逮捕されたり、横浜市長選挙に出馬したり、イラクを訪問したり、普通では無いと思いました。 従って序章は読み飛ばしたほうが後の本文が良く出来ている分だけ効率的です。 なぜ女系天皇が駄目なのかの理由が良く分かります。 それでも良いと言うか、それなら駄目と言うかはあなた次第です。 戦争中に果たした皇族の役割や、最後の章の皇族行く末などは、なかなか興味深く読ませていただいた。

【以下は、序章から抜粋】
 本書では「皇族とは何か」というテーマについて掘り下げる。皇族の役割は多岐に亘るものの、本質的には次の2点に集約されると私は考える。第一に「皇統の担保」、第二に「天皇の藩屏」である。

 第一の「皇統の担保」とは、いざ皇統が途絶えそうになったとき、皇族が皇位を継承するという役割のことで、皇族は皇統の危機に備えて血のスペアとして存在しているということである。そもそも宮家は皇統を安定的にするために創設された制度であり、それこそが皇族の本質的存在意義である。本書は第一章で実際の皇統断絶の危機に当たり、傍系の皇族が即位した幾つかの例を示し、皇統を維持するために補足的に機能した女帝について述べ、そして万世一系がいかに保たれてきたかということを明らかにする。

 第二の「天皇の藩屏」とは、天皇の近親者として、天皇を支え、守る役割のことである。天皇は歴史の教科書に頻繁に登場するが、皇族に関してはほとんど語られることがない。しかし、日本の歴史上、いつの時代も皇族がいて、天皇を支え、歴史的に重要な役割を担ってきた。皇族を語らずして日本の歴史を語ることはできない。そこで、本書は皇族がどのように天皇を支えきたのかを明らかにするため、第二章から第四章にかけて、太平洋戦争(大東亜戦争)開戦から占領期にかけての皇族について掘り下げる。

 ではなぜこの時期に皇族について本を書くことにしたかといえば、近年盛んに皇室制度改革が議論されるに至り、政治家・官僚・学者などがこの問題について、日本の歴史を振り返ることなく、あまりにも軽々しく意見を言うのに危機感を覚えたからである。皇室制度改革は、日本の歴史の重みを十分に認識した上で、慎重に議論を進めるべき問題である。私はこの本を一人でも多くの方に読んでいただき、皇室について理解を深めてもらいたいと願っている。

 2000年を越す皇室の歴史の中で、女性天皇も存在し、皇統断絶の危機もあった。なぜ、女性天皇が誕生したのか、そして皇統断絶の危機に際して先人たちは、どのように対応したのか。その歴史を振り返ってみたい。

今月のひとこと2009年12月号





「今月のひとこと」の目次
毎月一回はその時々のトピックスをお送りしています。
本家の http://www.masuda.org/ もよろしく

絵や写真をクリックすると、そのページに行けます




2009年12月5日

やっと株価も1万円を回復して、アメリカのクリスマス商戦の前半戦もまあまあで、少しはやれやれと言うところです。 しかし日米関係がくすぶっています。 アメリカのフラストレーションも最高潮に達しつつありますが、どう決着するんでしょうか? 防衛大臣は諦め顔、外務大臣はかなり怒っていますね。 中国は 8.9%の成長率で、インフレの恐れはあるものの13億人の奥の深さで多少の事ではびくともしないで、あと半年で万博。 インドも調子が良いようで、1億しかいない日本は少しのことがガタついて、ますますデフレが進行して日本が沈没していきます。



Windows 7 の報告を前回に続いてです。 基本的には、Vistaなので Vista が動けば大丈夫みたいです。 ただし Vista のときもそうでしたが、64ビット版のドライバが少ないので、32ビットが安全です。 少し古いプリンタとかの周辺機器のドライバがない。 たまにアプリで64ビットで動かないのがある。 一番難儀しているのは、年賀状作成を控えて古い筆まめを無理にインストールしたのですが、これが完全にアンインストール出来なくて、最新のものをインストールしても古いのが動きます。 新しいものが、使えないわけではないのですが、気になります。



メモリ容量に関しては、64ビットでは 4Gバイト でも使えますが、32ビットにすると、3Gバイト ぐらいしか使えません。 しかし Windows 7 では、立ち上げ時には500Mバイトぐらいしか喰いませんから、まあまあ使えます。 ちなみに Vista では、1.5Gバイト も喰いました。 ハード性能が低いと動かないと言うのはここに大きな原因があると思います。



エラク人気だった、民主党の事業仕分けでは、スパコンが話題になっていました。 民主党の言い訳どおりに、スパコンに関する関心が高まり、認知度が上がったのではないでしょうか? 元々は、F,N,H,T社ぐらいが共同開発していたのですが、最近はF社のみになって、この辺りが ? となったのではないかと思います。 アメリカでも I社が独占ですから、まあ良いとは思いますが、行政としては公平観が必要なのでしょう。 いずれにても国の技術力の象徴ですから、最初から2位では話にならんと思います。 中国はもちろん、韓国ですらこの状態を見てほくそ笑んでいるではないでしょうか。



日本のスパコンはベクター方式にこだわり過ぎだと思います。 要するにハード指向でアプリが作りにくい。 確かに完全に性能を使い切れば速いのですが、使い切るソフトが少ない。 スカラー方式は、普通のPCをたくさん並べただけですが、今使っているPCでも、クロックが2.5GHzで、ワンチップにコアが4つも入っています。 これをずらっと並べたら、多少ベクター方式が速いと言っても問題にならない。



開発総額が1200億と言うのは、桁違いに大きいと思います。 これがキチンと技術開発に効果があれば良いのですが、何となくゼネコン的に穴を掘って埋めるみたいな使い方ですと意味が無いです。 運用にも電気代を含めて50億とか80億とかがかかるようです。



全体にハード指向過ぎるので、もっとソフト指向すべきでしょう。 ベクター方式で得意な分野をスカラー方式でやる方法も重要で、他国はこの方向でソフト面の研究開発を行っているはずで、いずれは多勢に無勢で、引き離されてしまうのではないでしょうか?



技術関連予算の削減にしても、日米同盟の冷え込みにしても、結局得をするのは中国ではないでしょうかね。 小沢さんの以前の中国訪問での「写真まで撮っていただいて」発言とともに、嫌な感じがしてきます。 国家戦略局(室)も機能せず、本当にこの国はどこに向かっているのか、まったく分からなくなってきました。



今月の読み物は、京都大不満 (じっぴコンパクト) (単行本) 嵯峨 徳子 著 ¥800 以前に買っておいて、そのままほおって置いたのですが、気になって読んでみたらまあまあ面白かったです。 なんでも斜に見る京都人のものの見方が良く分かります。 自分では客観的に見ているとしているのですが、典型的な京都人ですね。 まあ安い文庫本ですので、お正月にお屠蘇を飲みながら読んでみては如何でしょう。

【目次から】大文字の幻想 / 京の着だおれ / 京の食道楽 / 京に寺あり / 変わりゆく京都の暮らし / 京の景観 / 京都の交通 / 水の都 / 都市と浄土 / レッテル貼りの古都

内容(「BOOK」データベースより)

1200年の都の歴史は深すぎて、実は住んでいる人々にもよくわからない。ましてや検定試験で満点をとったからといって、京都がわかったと思ったら大間違い。古都に生まれ育った著者が、自身の経験と綿密な考証とから、歴史都市・京都の真実を明らかにしつつ、精神と文化における真の「日本人力」を身につけることを提唱する、まさに日本人のための画期的な京都論。







今月のひとこと2009年11月号





毎月一回はその時々のトピックスをお送りしています。


絵や写真をクリックすると、そのページに行けます




2009年11月3日

急に寒くなって、冬並みになりました。 市場も急に冷え込んで1万円を大幅に割り込み、これから本格的な冬に向かうのでしょう。 日銀も2010年度は踊場になると言っています。 中国やインドもインフレの傾向が強く経済の舵取りがますます難しくなります。 昨日読んだ雑誌には、1ドル50円で日本浮上とか書いていました。 輸出はもちろん大変ですが、通貨が高くなって滅んだ国は無いそうです。 国の富が相対的に増えるのですから当然ですが、従来型の輸出依存それに従った円高恐怖から抜け出ることも考えないと過去の経験でこれからが通用するような状況では無くなっているような気がします。



こう言う観点では、民主党が言っている、円高何が悪い、内需拡大と言うのも今までに無かった政策で、ひょっとすると時代を先取りしているのかもしれません。 どっちにしても大変な時代なので、壮大な実験に付き合うか、と言う感じです。



マイクロソフト嫌いにも関わらず、最近のマイクロソフトの低姿勢を認めたわけでもないのですが、数年ぶりに我が家のPCシステムを一新しています。 と言ってもOSを思い切ってWindows7に切り替えようとしています。 切っ掛けは、XPと間違って買ってしまったVistaのPC。 実費の950円でWindows7に更新できると言うのにつられて、これを申し込みました。 さらにXPを再インストールしようと思っていたPCにエイとWindows7のアップグレード版を買ってインストールしました。 Vistaはインストールしただけで、1.5Gbも食いましたが、Windows7 は500Mbぐらいで、XPよりは食いますが、1GbのPCで十分動きました。



Windows7 のアップグレード版には、32ビット版とと64ビット版の2種類のDVDがありましたので、少し調べてみました。 結局は 64ビットにするメリットはあまり無いようです。 メモリ空間を4Gb以上とるのであれば、64ビットが必要ですが、普通は4Gbもあれば十分でしょう。 問題はドライバ。 下手に64ビットにして、必要なドライバが64ビットで無ければ、PCが使い物にならないので、32ビットが安心です。 速度もほとんど変わらないようです。 要するに本格的な64ビットのソフトウエアがほとんど存在しないのが原因でしょう。



問題となるソフトウエアの動作ですが、これはほとんど動くようですが、実際にインストールしてみると動かないソフトが一つだけあり、64ビット対応にするとまた余計な出費が必要になってきます。 どうもソフト屋さんの計略に引っかかっているようです。 気になっていたキーボード配列の変更は、問題なく動きました。 レジストリの構造が変わっているらしいので、レジストリに依存したものは、動かないものも出てくると思いますが、ほとんど影響は無いみたいです。 ただレジストリに絡んだアプリは、そのままではチェックに引っかかるので、右クリックして「管理者として実行」を選ぶと実行できます。



良いのか悪いのか、機器もどんどん安くなってきました。 1テラの外部ディスクが9000円ほど、1.5テラが15000円を割っています。 RAID5も良いのですが、ディスクが安くなってきたので、1.5テラを2台買って、片方を片方に自動でコピーして、ミラーディスクとして使っています。 これで3万円はまあまあではないでしょうか? RAID5でこの値段は無いと思います。 TVも最近は安くなって、50インチのプラズマが20万円ほど。 これにエコポイントともらうと17万ぐらいで手に入ります。 液晶だともう少し安いものがあります。 もっとも58インチとか64インチになると、急にこれの倍以上になってしまって、まだ価格の下落には至っていないようです。 ちなみに新しいTVを買って古いのをリサイクルするとこれにもエコポイントが付きます。 しかしメーカーに引き取ってもらって正規のリサイクル券をもらわないと駄目です。 時々回ってくる回収業者の領収書では駄目とエコポイントのサイトには掲載されていました。



HDMIによるブルーレイディーガとの連携もなかなか良くて、リモコンは相変わらず使いにくいものの、一つのリモコンでべ便利に使えます。 ただacTVilaはイマイチ。 見たい番組がほとんど無い。ネットとの融合でハードはあるがソフトがイマイチと言う実感です。 TVも何でも良いのですが、SDカード、AVCHDによるハイビジョンビデオ圧縮、ビデオカメラ、デジカメなどの連携はそれなりにオープンで使えるので、以前のSONYのような窮屈さは大分減った感じです。 これが良く売れている理由ではないでしょうか。



液晶のPC用のディスプレイも安くなってきました。 大きな重いブラウン管式のディスプレイが嘘のようです。 ブラウン管式の通常のものの最大は、1600×1200ドットでしたが、最近の液晶は、1920×1200もあります。 気をつけないといけないのは、安いものはTVの液晶の流用なので、1920×1080になってしまっていて、少々使いにくいと思います。



今月の読み物は血税空港 本日も遠く高く不便な空の便 (幻冬舎新書) 森 功 著¥798。 ちょうど話題になっているところですが、読めば読むほど構造が道路とそっくりなのが良く分かります。 本書が出版されたのが今年の5月ですから、JAL/空港問題が話題にもならなかった時のものですが、その問題点は現時点で書かれたものとしても十分にうなずけるものです。 それにしてもこの狭い日本に空港が100近く、つまり各都道府県あたり2つもあると言うのは、少し異常だと思います。 アメリカみたいにセスナが自力で離着陸するようなものではなくて、本格的なものがあると言うのは驚き。 以前に緊急で大阪から長野に行かなければならなかったときに、いろいろ探したのですが、まともなフライトが無い。 結局列車で行ったことを思い出しました。 また、関空や伊丹や羽田、成田がハブになっていないので、とんでもないところと直接の便があるのも異常。 アメリカの感覚だと、とにかくUAならシカゴかデンバーに行けば後はローカルの飛行機で何とかなる、と言う感じですが、100近くある空港のほどんどは、大型の飛行機が離着陸できる規模だそうです。 YS-11 とまでも行かずに、20人乗りの飛行機がどんどん飛べば良いのではないでしょうか? これならパイロット2人スチュワーデス1人で、機体の償却も少なく、バスに毛の生えた程度で運行できるのではないでしょうか。



今月のひとこと2009年10月号





「今月のひとこと」の目次
毎月一回はその時々のトピックスをお送りしています。
本家の http://www.masuda.org/ もよろしく

本ページは最小フォントで最適化をしています。マイクロソフトIEをお使いの方は、「表示」メニューでフォントのサイズを「最小」にしてご覧ください。

絵や写真をクリックすると、そのページに行けます




2009年10月4日

とうとう株価も下がり、想定の2番底に入ってきました。 アメリカの自動車販売の補助金切れと日本の民主党のゴタゴタが陰を落としています。 モラトリアムも良いのですが、海外からどう見られているのか、どう見られるのかの視点が少しなさすぎると思います。 ハゲタカファンドも良いのですが、経済は良きにつけ悪きにつけグローバルで動いている事をもう少し金融大臣は意識しないといけないと思います。 



確かに世の中は政府が支援しないといけない状況ですが、自民党まで社会主義的になってはいけないでしょう。 真正の保守として、自主自立、小さな政府、減税、国防、教育などの重視で再生してほしいものです。 民主党のマネをしていては、政権交代は望み薄です。



民主党は良い悪いはありますが、スピード感があります、大事なことです。 本当の問題はこれからですが、滑り出しとしては、まあまあのスタートでは無いでしょうか。 反面、自民党はガタガタで、65%の人が期待をしているのに、「みんなでやろうぜ」は無いと思います。 如何に内部しか見ていないのか良く分かりました。 真正の保守政党を望みますね。 今のままでは民主党の亜流、単にいちゃもんを付けるだけの、単なる何でも反対の野党です。 もっとも麻生内閣の時から言っていることは野党でしたからね。



それにしても中国の建国60年はすごいですね。 意気込みがすごい。 多少と言うか共産党独裁の共産主義国家をと言うのを忘れていまいます。 かたや日本は、民主党で良きにつけ悪きにつけ、社会主義的な要素が強いですから、どっちがどっち? と言いたくなります。 少なくとも現時点では、中国の方が遙かに自由経済、資本主義的です。 また凄いパワーで多少の問題は弾き飛ばす勢いです。 日本で小さな問題でごたごた言っているのが本当に歯がゆいです。 国内でごちゃごちゃやっているうちに、隣ではとんでもなく大きなパワーでこちらに関係なく突き進んでいるという感じです。



最近、こう言う文章を入力するツールとして、話題のポメラをとうとう買いました。 買ってみた感想を少し。  まず開き方が分からない。 左のボタンを押せば良いのだが、マニュアルにもかかれていない。 やっと開くとメニューボタンがあって、まあまあ最低限のシンプルなメニューがあってこれはOK。 変換がMS-IMEとATOKが選択になっているが、細かい設定だけみたいで、MSーIMEのイライラする変換は無くなっっている。 ただ変換の反応が少し遅い。 変換してもすぐに変換しないのは、慣れるまで少しかかります。 MicroSDにデフォルトで入らない、USBは本体メモリだけで、100Kしかないとか、洗練さがまだ足りないですね。 



確かに、開いて電源を入れたらすぐに使えるのは、非常に良いです。 しかし、全体の作りは、家電を見慣れていると違和感がイッパイ。  まず最初の外観からしてビスが4本バンと出ているのにはびっくり。 開いてもビスだらけ。 素人の設計は分かるが、折りたたみのキーボードで手イッパイと言う感じがします。 家電専業ならもっとスマートに作るでしょう。 デザインもイマイチで、製品としての完成度は低いと思います。 しかし次のバージョンが、みものですね。 このバージョンのシンプルさをどのように継承するかがポイントです。 それなりにバランスが取れていますので、一ついじると全体がファットになってしまうでしょう。 



値段も15,000円で買いましたが、少し高い気がします。 新品のPCが5万円である時代に少し高い。 9800円とかですと納得できます。 次機種に期待というか、興味津々です。 これ以上削るところが無いので、付け加えるしかないので、これをどうするか? 開発責任者の力量が真に問われます。



新製品と言うのは最初は大成功か小成功かは別にして大体成功します。 これで成功しないのは、余程出来が悪かったので、評価に値しません。 しがらみの無い製品を作るので、成功するはずなんです。 問題はこれからです。 大成功すればするほど、今までなかったしがらみが出来て、次が難しい。 いろんな要求が営業や経営から出てきます。 自分でも自信が出来ます。 このような中で、力の抜いた製品を作るのは、至難の業。 経験から言うと、自力では不可能です。 何らかの外部要因で、たまたま力の抜けたものを作らないといけない状況になって初めて実現します。 本当の成功は3番目の製品です。 これが事業の柱になって事業がまとまっていきます。 ちなみに最初のしがらみのないバランスの良い製品を私は「ゼロ戦」と呼んでいます。 ゼロ戦もゼロ戦で終わりました。



と今までの文章は、ポメラで入れたのですが、変換が遅い点を除いて、PCと遜色ない使い勝手です。 多少はキーボードが小さいとかストロークが無とかですが、まあまあ使えると思います。 ちなみに私は、日記をつけるために買いました。 以前はPCで入れていたのですが、イチイチ立ち上げるのも面倒で、3ー4年前からノートに手書きにしたのですが、紛失の恐怖と検索が出来ないので、PCに戻そうかと思っていたところでした。 



今月の読み物は、首相の蹉跌―ポスト小泉 権力の黄昏(単行本) 清水 真人著 ¥1,995 小泉政権から福田政権まで、その裏側を克明に記録しています。 やはり小泉政権で自民党は壊れていたんですね。 その前からもおかしくなっていたのですが、この時に決定的になって、その後の政権はおまけだった事がよく分かります。 最近の本の中では一気に読んだ数少ない本です。



安倍晋三、福田康夫はなぜ1年で最高権力の座を投げ出したのか。宰相たちの失敗の本質はどこにあるのか。首相という最高権力のマネジメントの検証作業を通して、日本の政党政治のシステムとその「ゲームのルール」を読み解く。



【書評より】 評者 上智大学准教授 中里 透

 リーマンショックをきっかけとしてさまざまな分野で巻き戻しが進行したが、日本の政治もその一つであろう。迷走する永田町の光景を見ていると、日本は「失われた10年」に逆戻りしてしまったかのようだ。



 もっとも、永田町が「逆コース」をたどり始めた主因は、金融危機というよりは「ポスト小泉」の政権運営の失敗にある。本書は、安倍・福田両内閣のもとでの政治過程の検証を通じて、「官邸主導はなぜ自壊したのか」という問いに解答を与えようとする試みである。



 官邸主導という永田町の新しいビジネスモデルは、小選挙区制の導入と内閣機能の強化という制度変化によって生まれたものだ。この変化のもとで官邸主導という新しい政治手法を確立したのは小泉純一郎という「強い首相」であった。だが、党内と世論の圧倒的な支持を得て後を引き継いだ安倍総理は、小泉政治と小泉改革の継承に失敗してしまった。



 本書によれば、安倍内閣の「失敗の本質」は「反マニフェスト性」とガバナンスの欠如にある。理念先行であいまいな「美しい国」は国民に広く支持されるものとはなり得なかった。あらゆる政策課題を官邸が抱え込む「なんでも官邸団」は懸案処理の停滞をまねいた。大臣と首相補佐官による「二重行政」は指揮命令系統の混乱を引き起こした。こうした中で安倍内閣は急速に国民の支持を失い、自滅したのである。



 振り返ってみると「ポスト小泉」の最初のつまずきの石は郵政造反組の復党問題であった。「脱小泉」が進んでも郵政民営化という石が消えてなくなったわけではなく、日本郵政の人事という形で麻生内閣の進路のすぐ目の前に転がっている。本書は日本の政治の今後を考えるうえでも有益な一冊といえる。