今月のひとこと 2022年11月号

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今月のひとこと 2022年11月3日号


先日、日経新聞を眺めていると「キーエンスが最高益」という文字が目に入りました。上海封鎖の影響が和らいだので4月から9月の利益が最大になったということで、以前から大したものだと思ってるのですが、こういうファブレスの会社で利益を50%も出すというのは素晴らしいことだと思います。

この記事によるとこの結果は「精緻な社員評価」でやって成果と行動をきちんと評価するということをやっているようです。 これと似たようなことをやろうと思って仕入れと売上の差の粗利に自動的に比例する給与システムを作ったことがありますが、最初に担当するテーマによって、不公平が出てくるわけですが、この不公平をどうやって解消するかというのはポイントで、この記事によっても公平性を重視と書いてます。

しかし、これはなかなか難しく、管理と言うかガバナンスがよほど強力でないと出来ないと思います。 私の場合は、非常に大きな利益が見込まれそうな案件い対しては、その分担を決め、場合によっては複数人数で分担する、という事をやっていました。 これが結構難しい。 この辺をちゃんと突き詰めていくとキーエンスにになるのでしょうが、これには管理職も担当者もどちらもレベルが非常に高くないと駄目だと思います。 しかし今までこれをずっとキープしているキーエンスと言うのはサスガにたいしたものだと思います。

これと対をなすと言うか別のやり方としては、稲盛さんのアメーバがあります。 これもなかなか興味深いやり方だと思いますが、両方やることも不可能ではないでしょう。 いずれにしても小集団でやるってと言うのは良いと思いますが、そこのリーダーがよほどしっかりしてないと。その小集団がうまく回らないと思います。 現実には街の食べ物関係の店というのは、典型的な小集団だと思いますが、そこの店長がアルバイトだったりするので、なかなかうまくいかないんじゃないかなと思います。 上手く回ってる店は非常に良く行っていると思います。 この辺と稲盛流アメーバがどう絡むのかこれ調べてみたら面白いんじゃないかと思っています。 誰かが既にやっていそうですが。

これと対極にあるといっても良いところにあるのが日本電産の永守流だと思います。 ずっと右肩上がりの成長を遂げてきて利益も売り上げも伸びてるというのが自慢でしたが、少し前からもだんだん右肩下がりになってきて、最近は後継者問題で揉めています。後継者となった人も大変だと思いますが、一度後継者として認めたら多少の事には目をつぶって引退すべきだと思いますが、永守さんにはそれが出来なかったと言うことでしょう。

永守流は永守さんにしかできないので稲盛さんみたいに稲盛塾で広げていくということはなかなかできないのでしょう。 稲盛さんは本人も得度していまいたが、最後は何か宗教家みたいになっていきましたが、長期的に見るとああいうことは非常に重要なんであろうと思います。 中国では非常に人気が高いのは中国にはそういう精神的なことはあまり重視しない傾向にあるせいだと思います。

永守さんも著書で書いているようですが、若いころに立石一真さんに支援してもらったので、いつも持ち上げていますが、一真さんが社員を前にして、一日中同じことを繰り返し言ってたとあります。 この辺は稲盛さんに通じるところがあるのでしょう。

永守さんは大学経営にまで手を出していますが、日本電産がまだあまり知られていない時に一度お話を聞いた時に、日本電産というのは誰も知らない、特に就職の時に親に聞かれて日本電産と答えたら取り合ってくれなかったという話を聞いたことがあったらしくて、その時から社会的な影響力に気が付いたらしいです。 京都の北のほうで講演をされた時に「天橋立大学」という架空の大学名を出されて、誰も知らない大学には誰も来ない、日本電産同じと力説されていましたが、その流れが今の京都先端科学大学に至ったのではないかと想像しています。

最近は物価の上昇特に食料品の上昇が激しいです。これをもってインフレがやってきたという論調がありますが、本当かなっていう懐疑的な面もあって、一部の物価はものすごく上がってるのですが、他はそんなに上がってるとは言えず、黒田日銀総裁によると全部均しても2%超えるか超えないかではないかと。 それで金融緩和を継続するんだという言い方です。

しかし、これで賃上げはどうなるかとだということだ思います。 どちらにしても日本の経営者はもっとしっかりして欲しいと思います。 特にトップである日経連は、実際に動ける訳ではいとは言え、もう少しちゃんと言葉を発するべきでしょう。 私が新人だった頃には、経団連が日本の将来を考えるとある程度の賃上げをしないといかんと言うようことも堂々と言っていましたが、今はそういうことあまり聞こえてきません。

経営者はみんな臆病になってしまって、内部留保を貯め込むだけになっています。 社会保険もどんどん上がっているので人件費経費が上がるので、その気持ちも分からないではないですが、もう少し積極的になってもいいんでいいんではないか、賃上げの数パーセントぐらいは内部留保で負担できるはずなので、もし担保できない状況になったら日本全体が沈没すると言う事なので、その会社がどころの話ではないと気が付いて欲しい。 かつては財界総理と言われた経団連も出身企業の顔色を伺うのでなく積極的に発信してほしい。

まだ日本商工会議所の方が積極的な発言が多いような印象があります。いずれにしてももうすでに金融緩和はやり尽くし、財政出動も国債発行に限界があり、国の経常収支も貿易赤字で減少に転じるんではないかということになり、世界最大と言われている日本の国の対外保有資産がマイナスということになったら、これは日本が完全に終わってしまうということになります。 もう MMTどころではなくなり国債発行も何もできずに本当に国家破綻するんではないかと思います。

国債だけなら個人の預貯金を全部吐き出せばチャラにはなりますが、あまり意味はないし、それより対外資産の減少が気になります。 特に今は円安ですから海外でドルで持ってる資産は日本に持って帰ると価値が大幅に出ますので、これをうまく使って国内投資をどんどんやるということだと思います。 動けない年寄りの経営者を若い人に変えて元気をつけて、立ち止まるのでは無く、思い込みでもなんでも先に進んでみることが大切でしょう。

若いベンチャー経営者は何も知らずに、突然やってて、基本知識がないので無茶苦茶をやってしまって、お金があるからと言ってタワマンを買ったり超高級車を乗り回すみたいなことを、少なくとも以前はそういうことがたくさんありました。 もう少しそこは勉強してちゃんとした投資をやってほしいと思います。 私も学生時代にはベンチャーを夢見た一人ですが、その頃に比べて今のベンチャーへのエンジェル投資自体は厳しいと言いながら当時に比べると格段に良くなっていますので、これで何もできないというのはおかしい話で、歳を取ってくると生物的な寿命の限界が来ますので、あまりリスクを見込むか難しいんですか、若い人は生物学的なリスクはないので経営リスクをどんどん取ってほしいと思います。 その中からもっと素晴らしいビジネスが出てくると思っています。

暗号資産関係の株価指数がどんどん下がってるみたいです。 ただ一番最初にスタートしたビットコインは、まだ300ドルくらいあるみたいですが、他の特に最近出てきた NTF なんかは眉唾だと思ってましたが、最近は1/10になったとかの話が多いです。

コンピューターで作った絵画(らしいもの)に対して、それを電子的に認証してコピーできないようにするということだったのですが、そもそも本当に元になる絵画(らしいもの)が美術的価値を持つのかは疑問だと思います。 最近どこかの地方自治体がアンディ・ウォーホルの箱を5つか6つを3億円で買ったというのが話題になってますが、あれとまあなんとなく似てるような気がします。

ウォーホルのマリリンモンローでもキャンベルの缶であろうが、あれがそんなに価値を持つとは私はあまり思えないです。 見てて面白いと思うが、そこまでの価値があるとは思わないんですが、これをどう思うか、それを NTF で裏付けしようということですが、現時点ではあまりうまくいってなくて、ちょっと景気が悪くなると一気に価格が下落するというのはそういうことを示してるのではないでしょうか。 また暗号資産が、結局は電力を爆食いするという環境問題に対して逆行してるという、何か皮肉なことになっていて、そういう点でも疑問符が付いてしまいます。

Amazon のタイムセールで安く手に入ったので、いわゆるスマートスピーカー Amazon Echo を買ってみましたが、結果的にはなかなかよく出来てると思いました。 外観もファブリックを使ってプラスチックそのままでもないし、画面は普通のスマホを横にしたものですので、見慣れている形だと思います。

問題の操作はほとんど音声で、スマホのアプリからも操作は出来るみたいですが、この音声操作が意外に良くてきています。 Alexa と言えば反応するのですがかなり遠くで言っても受けてくれます。 以前はこんなものは単におもちゃで、大したものではないと思っていましたが、意外と何かmpがをしながら操作したい時にはなかなか便利です。

おまけに例えば音楽を聴きたい時でも、単に音楽といえば以前の音楽の続きを流してくれるのですが、ジャズとかクールジャズとか指定すれば、ちゃんとそれをかけてくれます。音楽サービスを複数契約してると、その中から最適なのを引っ張ってくれるということになりますので、バックグラウンドミュージック的に聞くには非常に良いのではないかなと思ってます。

もともとバックグランドミュージックで使えないかということで試しに買ってみたのですが意外と使えるように思います。 ただ欠点はここまでできるのであればという欲が出てくるのですがスマートハウスみたいなリモートのコンセントを使って連携して動かすことができるのですが、この連携がイマイチまだ未完成と言うか、できていません。 他の IOT機器だと、この辺の作り込みが、もう少し出来ていて、何らかのイベントがあればそれに関連して複数動作が連続して出来る、というのがあるんです。 電気つけてと言うとリモートコンセントをオンにするぐらいが関の山だと思いますが、もう少し進歩すると期待しています。

それにしても音声認識は凄いですね。 以前に本欄で触れたことがあると思いますが現役の頃に5年ほどをプロジェクトとして取り組んだのですが、全くうまくいきませんでした。 マイクをちょっと変えたり、話し方を変えたりしたら全く認識しなくなりました。 その時に目指したことが完全に実用できてるので、これは驚嘆すべきことだと思います。

アレクサ同士を会話させるのが YouTube でありましたが、どこまで本当に会話してるのか、どこがやらせなのか分かりませんが、それっぽいなと思って見ていると面白いです。

最近話題になったのは人工知能に自意識を持たせることができたというニュースがありました。 これの証明として、いろいろな細い会話を1時間ほどして、これで自意識の証明だと言っているのですが、確かに会話の内容は極めて細い普通の人間でもなかなか対応できないような会話をしてるのですが、これで本当に自意識があって反応しているのか、はたまたテンプレートを使って回答してるのかどうか分かりません。

面白いのは「お前はテンプレートを使ってやってるんではないか」という質問をすると「イヤ、そうではない」という回答が返ってくるというデモンストレーションです。 しかし会話だけで自意識を持ってることの証明というのは意外と難しいと感じました。我々人間自身の会話でも、風呂飯寝るみたいな大した会話はぜずに単に鸚鵡返し返事している場合が多いです。

これの証明した出来てないの論争を見ているとゲーデルの不完全性定理を連想しました。 一つの論理体系の中では、証明できない命題が存在すると言う事ですが、証明するためには上位のメタ論理体系が必要とのことで、これを当てはめると、メタ意識みたいなレベルでやらないと証明にはならないのでしょう。 本当の自意識を持った本当の人工知能がひょっとすると生まれるかも、もしくは生まれているかもしれない現在では、これを証明する方法を確立しておかないといけないのでしょう。

コンピュータはチューチングマシンのころから優れて数学問題だったので、この自意識問題も数学的に決着すべきだと思います。 現場のAIプログラマレベルの論争に本格的な数学概念を入れて議論するともっと面白くなると期待しています。

今月の読み物は、本文が長くなりすぎたので、またお休みです。 本を読む時間がなかったというのが本当ですが、最近本読むよりこういうネット記事を読む時間の方がだんだん多くなってきました。


 

今月のひとこと 2022年10月号

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今月のひとこと 2022年10月3日号


コロナも感染者数の発表の数字は下がっているのですが、元々無症状の人が多いのと発症者も全て報告されているわけでもないので、この数字は実態とはかけ離れていると思います。 周りでもコロナに感染したという人が結構多くて、インフルエンザ並みに流行してる感じがします。 私の家族も感染しました。

我々老人はインフルエンザにしても何にしても、罹ると大変なので気をつけることしかありません。 以前から私はインフルエンザとか風邪も嫌なので、少し人数の多い会議とか講演とかでは、必ずマスクをしていました。 広い会場で私一人だけマスクしている時もありました。 そのおかげか、風邪は一切引かなくなりました。 あとは手洗いですね。 それと顔も洗った方が良いと思います。 顔も結構外気にさらされているので外出から戻った時は軽く洗った方が良いのではないかと思っています。

安倍元首相襲撃事件に端を発した統一教会の処理に関して、あまりにお粗末なので岸田政権の支持率がどんどん下がっているのだと思います。 また安部元首相も外交成果はたいしたものだと思うのですが、どうも脇の甘い所があって、この統一協会の件に関しても安倍元首相が選挙支援の割り振りを主導した形跡が大いにあります。

自民党も安倍元首相は調査しない、みたいなこと言っていますが人は死んでも調査はできるはずなので、この辺の及び腰がモリカケ桜以来ずっと続いてると思います。 あの件ももう少しきちんと説明して問題点を明らかにして、それで非がある点についてキチンと認めて謝罪すれば、そんなに大した問題ではないと思うのですが、問題がこじれてしまっていて、統一教会も同じような感じになってきています。

安倍政治は強権的だという批判が未だに強いですが、世界を眺めると本当の強権国家が人口の3分の2を占めていて、本当の民主国家は1/3しかありません。 その中で昔ながらの決まらない悪い意味の民主的なことをやっていても国家が漂流するだけだと思いますので、多少の強権的なことはやむを得ないんじゃないか、これも時代の流れだと思っていますが、本当の強権国家に比べると全然大したことはなくて非常に抑制的だと思います。

国のトップがリーダーシップをとって強力に推進すべきと以前から言われていたことなので、これ自体が不思議でもなんでもないと思います。 安倍元首相については、生まれが良いのでお坊ちゃん的なとこがあって相手の懐に飛び込みやすい。これが外交的にもうまくいく一因だとは思っていますが、国内的には脇の甘い所があって突っ込まれた時の対応が不器用で開き直りがあったと感じます。

安部元首相襲撃事件については山上襲撃犯の思い通りというよりは、思い通り非常に希望した方向に展開してるのでは無いか。 それこそこれで死んでも本望だと思っているでしょう。命中率の悪い自作銃で、絶妙のところに命中しています。 目の前で拳銃で狙っても当たらない場合があるので、それこそ安倍元首相の不運、犯人の幸運でしょう。普通なら当たっても急所は外れて、悪くて重症で終わった話だと思います。

自民党は宗教関連政党である公明党と連立政権を組んでいるので、宗教に関しては非常に及び腰になってるのは間違いないと思います。 それと選挙における宗教団体の力の凄さを見せつけられて、宗教団体に頼った方が良いという判断もあったと思います。

ここまで良いのですが元々統一教会は韓国発祥の宗教で反日の主張もかなり行っていて、献金の大半が韓国に運ばれていると言うので、ここと保守政治家と言われている元安倍首相をはじめとした保守政治家との政策合理性はどうなってるのだと言いたくなります。主張をここまで曲げて選挙に通りたいのか、選挙に通らないとただの人になるんでしょうが、これなら敵対してる共産党と一緒にやっても良いのではないかと思います。

次次期首相を期待されている萩生田光一議員は八王子市で育って市議から議員になりましたが、その人が八王子市の統一教会に関して全く知りませんでしたと言ったのは、全くの嘘だとみんなが思い、流石にその後訂正しましたが、それも歯切れが悪く、まだ何か隠しているのではないと言う印象がありました。 彼にはかなり期待していたのですが、その期待もかなり萎んでしまいました。自分の嘘をすぐに訂正したのは良いとしても、すぐにばれる嘘をつくのは良くないです。

今月のIT の話題ですが、あれだけお金をかけてやった新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA) 完全に捨てられるようです。 傍から見ても、自分でインストールしてもなんでこんな馬鹿なものを十何億もかけて作るのか、作れるのか不思議です。 元請けの大手 IT 企業から、さらに孫請け、曽孫受けぐらいまで行って、そこのさらに新入社員に研修代わりに作らせたんではないかと言うレベル。 しかも管理職が管理職になってなくって誰もチェックしていないそのままリリースする。 発注する側もいい加減な何も書いていない仕様書で丸投げしたということだと思います。

これに比べるとマイナンバーを利用したワクチン接種証明書はよくできていると思います。 割と簡単にあっさりとインストール出来たので、ちょっと拍子抜けした感じがしますが、良いも悪いも良くできていると思います。

マイナポータルというのはコンセプトが複雑なのに加えてUIの出来が悪く、2万円で釣られてたがマイナンバーカードの申し込みを諦める人が多いのはこの UI のせいではないかと言われています。 普通にの人であの分かりにくいマニュアルを見ながらやるのはおそらく不可能で、途中で挫折するのは目に見えてると思います。それに打ち勝ってなんとかたどり着いた人だけが2万円を手にしたということになります。

政府のシステムで意外によく出来ているのは e-tax です。 さすがに税務署で不正な脱税を検知するコンピューターを最大限に使っていますので、出来は良いですが、最近は仕様が複雑になってきて、当初のシンプルさがだんだんを失われて、だんだんややこしくなってきたような気がしますが、まあ全般的に非常に良く出来ています。

計算のプロセスをもうちょっと示してほしいとは思います。 税金の結果は出てくるのですか、何故そうなったか、どう言う計算でこうなったのかと言う途中経過を別画面でも示してくれると助かります。 税理士でも少し考えないといけない場面もありました。

楽天がモバイル事業不振のイメージ回復を狙っと思うのですが衛星を使ったスペースモバイルによるネット配信を発表しました。スペース しかし速度が 2 Mbps しか出ないので YouTube をかろうじて見れるというレベルだそうです。現在は試験衛星が打ち上げられると言うだけの話。

ウクライナで超有名なったテスラが絡んでいる StarLink ですが、衛星はすでに 1万2000基あるそうです。 速度もダウンロードは100Mbps、アップは20Mbps 程度らしいです。 遅延時間は低軌道衛星で40ms とのことで、これは凄くて地上回線と遜色ありません。 これだけあればロシア軍相手に情報量で圧倒できますね。

この衛星通信の先駆けとなったのが、30年ぐらい前にモトローラがイリジウムというシステムの開発して、イリジュウムの原子番号は77なので77個の低軌道衛星を打ち上げて、その当時は専用の大きなケータイを使って通話だけだったと思います。 最大の問題は伝搬遅延だったと思います。

楽天のシステムは詳しいことは分かりませんが、普通の携帯でもどうも使えるようです。上空に打ち上げられている平面アンテナがたたみ10畳ぐらいある非常に大きなものらしくて、これを100ぐらい打ち上げる予定だそうです。 打ち上げるのはテスラが関連してるスペース X のロケットを使用。 テスラはこの分野でも着々と手を出ます

テスラは人型ロボットの試作品を発表しましたが 最終的に製品は300万円弱で買えるという話ですが、ちょっとどうなのかなという気がします。テスラお得意のバッテリーはどうしたのか全く触れていないのでバッテリー問題が一番大きいと思います。 もしくは線をズルズル引っ張るかみたいになるんですが、あの人型ロボットにバッテリーを詰め込むのは至難の技でしょう。 いかにテスラがバッテリーが得意だと言っても重さはどうしようもない。

最近のロボットは良く進歩していてボストンテクノロジーのロボットはバク転ができます。普通の人間には出来ないこともできるようになったらしいです。ここは牛型のロボットを作ったり犬型作ったり色々してますが、人型ではそういう本当に人間らしい動きをして、さらに人間よりすごいことができるようになる。 将来的には体操選手と競争するようなロボットが出現するんだと思います。 頭脳の役割の AI が、まだまだ私の感覚ではあと2段階ほど技術ジャンプがないとできないのですが、体の動きだけはどんどん進化しているようです。

今月の読み物は。本文が長くなってしまったし、良いのがないので休刊です。


 

今月のひとこと 2022年9月号

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今月のひとこと 2022年9月2日号

稲盛さんがお亡くなりになりました。 一度アメリカへの飛行機の中で一緒になって、少し話をしようかと思ったのですが通路があり、おまけに夕食も食べないで寝てしまわれて、話す機会がありませんでした。 乗り換えらしく、国内線のターミナルでまたお見掛けして、稲盛さんも、こいつは誰なんだとと言う顔をしておられました。

晩年は宗教家みたいになってしまいましたが、若いころには経理の本も出されており、アメーバーも個々の経理がポイントになっているらしく、この辺は私も大いに同感するところであります。 こう言う現場の細かいことを分かって、大局的な話をされるので、偉大であろうと思います。 私は常々この下から上までの範囲を如何に広げるかで仕事の質が向上するのだと思っていました。

JAL再建の頃はすでに老境に入っており、その時期に南洲翁遺訓の話を聞いたことがありましたが、話が上級すぎてまさかJALの再建にしかも無給で取り組まれるとは思いもしませんでした。 謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

最近は、旧統一教会の話題がテレビを賑わしていますが、結局何が問題のポイントなのかがよく分からないようにいいなってきてるような気がします。 宗教と政治の関係と言うならば創価学会と公明党ひいては政府の関係が問題になるでしょうし、幸福の科学なんかは選挙のたびに大量の候補者を立てて選挙をやってます。

個人破産に至るような大金の寄付は問題ですが、むしろ旧統一協会の政策が知らず知らずに政府の政策に反映されているようなら、これは大問題でしょう。 創価学会の方針が公明党を通じて政策に反映されているのは、これは良くも悪くもプロセスがある程度オープンになっています。

問題とされる議員の発言も歯切れが悪く、明白に嘘をついているとしか思えないような発言も多く、混沌としてきました。 せっかく内閣改造もしたのに政府支持率もどんどん下落して浮揚のきっかけもないままに、このまま進みそうです。

対ドル円もどんどん下落してとうとう140円を切るようになって来ました。 GDP 総額はまだ世界第3位を保っているとはいえ、一人当たりの GDP では韓国にも追い越され、国防費でも、GDPで遥かに少ないロシアにも、韓国にも追い抜かれています。

最近発表された論文の引用件数でも、大学のラインキングでも、その順位がどんどん下がっており、ある人は日本を発展途上国ならぬ「衰退途上国」とまで呼んでいます。 現時点ではそれなりの人口があるので日本国内だけを見ていれば、そんなに問題は大きくないでしょうが、世界全体でみるとその下落は激しいものがあります。 国会議論も国内的で、完全にゆでガエル状態になっている感じがします。

失われた30年と言いますがこの30年の間日本と日本は世界の中で沈没してしまいました。 政府債務残高が1000兆円を超えてるという状況ですが、幸い国全体としては世界最大の債権国ですので日本国そのものが沈没することはないと思いますが、既に貿易赤字は定着し、経常収支も赤字になれば、今までの貯えが底を突き、本当の赤字国家になり、IMF管理が不可避となって、第2の敗戦を迎えることでしょう。

粒子の波動性を示すものとして、新しい2重スリット実験が色々行われました。 従来は単純な2重スリットで片方のスリットをだけを通したり、両方のストリートを通したりしてやっていましたが最近は色々な工夫を重ねて違う経路で観測問題をを取り入れた実験が行われております。

これでいくと過去未来を問わず観測が出来る経路をあれば波束収束が起きるようです。ずっと前に学生の頃に習って、未だに少し覚えているのは波動関数というのはずっと無限に続いていて無限の彼方からずっとあって、現時点での関数の振幅が大きくなって、それが減衰しながら未来にずっと伸びているという話です。 従って一つの粒子の波動関数が全時間と空間に広がっているのだと言う事で、波動関数は滑らかですから、数学的にはそうなるのですが、実験は実際にもそうなっていると言う事を示しています。

いずれにしても観測問題というのは人間が実際に観測するしないに関わらず、そういう観測が出来る経路があれば波束収束が起きると言う事になります。 一時は観測とは?と言う話になり、人間の意識まで言及するようなことがありましたが、今回の実験でそこまでは行かないことが分かりました。

最近は「ステライルニュートリノ」と言う宇宙ダークマターの候補が現れて話題になっています。 従来から分かっている3種類のニュートリノは弱い力に反応するので、カミオカンデの検出器で検出出来ましたが、このニュートリノは弱い力にも反応せず、重力のみに反応し、それも極めて小さいので、検出は不可能と思われています。しかし質量が無いとダークマターの候補にはなり得ませんので、質量があると言う仮定の元での観測をすると言う事です。

従来のニュートリノに質量があるというのは東海村からカミオカンデまでニュートリノを飛ばして、その間のニュートリノ振動を調べるのですが、これで梶田さんはノーベル賞を得ました。今回は逆に24メートルと言う非常に短い距離で、ニュートリノ振動が起きるかどうかと言うのを調べます。

もしこのステライルニュートリノの存在が確認出来たら、宇宙ダークマターの有力候補になる以上に、現在の素粒子標準理論を超える超対称性理論に大きく道を開くことになります。 超対称なので今のは分かっている粒子と同じぐらいの粒子がまだ存在するわけで、ますます何が根本的な粒子であるのか、と言う疑問が大きくなってきて、万物の最終理論に到達出来るまでは後1歩なのか、あと2歩なのか、超ひも理論も完成の域に来ていると言う話もあり、生きているうちに完成を目撃できるかどうか興味津々です。

もう片方では真の人工知能ができるかどうか、が次の課題だと思います。 現在飛躍的に発達した AI と言われているものは従来のテンプレート型の AI の究極の発展型だと思いますので、従来の計算による AI の域を超えるものではありません。 人工知能に自意識が生まれるかどうか、ということだと思いますが、これもあと一歩なのか、2歩なのか3歩なのか。 いずれにしても現在の深層学習 AI は最初の技術飛躍であったことには間違いないと思ういます。

私が以前から言っているIT三大発明すなわちブロックチェーン、深層学習と IoT。 これらはどれもノーベル賞級の発明だと思いますが、いかんせんコンピュータ科学なのでノーベル賞の対象にはならないのが残念です。

特にブロックチェーンはいわば単なるコンピューターテクニックに過ぎないのですが、その効果は偉大です。 すでに暗号資産としては実用の域に達し暗号資産の価値も最初の頃はゼロになると言われてたのですが、もう立派な投資対象になってしまいました。

デジタルアートに対しての認証を与えて資産価値を担保するような仕組みもブロックチェーンでなされていますので、経済活動にも影響は大です。 基本的に元々サトシナカニシという架空の人であろうと思いますが、現実に誰かが論文を書いて、その通りに実装されていて立派な発明だと思います。 暗号資産に関しては、採掘作業に対して対価を払って、それが時間と共に支払いが減っていくと言う巧妙なやり方で、暗号資産の価値は上がっているのです。 単なるコンピュータアルゴリズムでは無いと言う事です。

深層学習AIに関してはこれはニューロネットをどんどんどんどん LOOP して。それを深めていくというやり方で、最初これをやった人はこんなに効果があるとは思っていなかったようで、これは瓢箪から駒のたまたまできたモノだ思いますが、ブロックチェーンの方が最初から人間心理を含めた仕組みを組み込んでいたので、素晴らしいと思います。

IoT に関してはこれは組み合わせ利用技術ですのが、社会的ビジネス的に影響が大きいので、これもノーベル賞級だと言ってもいいと思います。


 

今月のひとこと 2022年8月号

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今月のひとこと 2022年8月1日号


今月の話題のトップは何と言っても、安部元首相銃撃事件でしょう。まあ背景の統一教会問題とか国葬問題とか色々あるようですが、私が一番最初に持った印象は非常に運が悪かった、滅多に起きない偶然が重なったせいではないかと思いました。

たまたま奈良で演説をやることに急遽なった。 奈良県警ではたまたま不祥事の釈明会見を控えてバタバタしていた。 県警のSPが訓練不十分だったし、選挙演説で警視庁のSPも出払っていて、最低限の一人しかいなくて、これも訓練不足なような気がします。

犯人の作った銃が、2発ともちゃんと動作した。 1発目は外れたが、2発目はちょうど安部さんが振り向いたところの絶妙の所に命中して、ほとんど即死状態だった。 この時にSPがタックルして安部さんを倒していたら、上半身に弾丸が来たので、おそらく無傷だった。 倒れたときに頭を打って瘤が出来たかも知れんが命は助かった。 しかし瘤を作ったと後で警視庁長官がクレームを付けられるかもしれない。

この訓練不足と忖度のSPが咄嗟の動作ができなかったし、2人目が居るかもしれないのに反射的に犯人に全員突進した。 この辺はSPでは無くて、所轄の警察官と言う感じです。SPなら、犯人は所轄に任せて、安部さんを守らないといけない場面です。

ずっと以前にマフィアが管理しているので、アメリカで一番安全と言うラスベガスで、町中に居たら、パーンと言う音がしたら、周りの人はみんな伏せていました。 ぼーっと突っ立っていたのは私だけ。 伏せている人にのんびり「どうしたの?」と聞くとGun Shootingと答えました。 私も平和ボケしていますね。 やはり訓練が大切。 こう言う訓練をやっていない。

もう一つ思い出すのは、映画「ザ・シークレット・サービス」。 ジョン・F・ケネディ大統領の暗殺を阻止できなかった過去を持つ、クリント・イーストウッド扮するベテランのシークレットサービスと、ジョン・マルコビッチ扮する大統領暗殺を企む殺し屋との対決を描く。 安部さんのSPは、この映画を見て、雪辱を晴らしてください。 昔の映画ですが、最近テレビシリーズ化が企画されているようです。

これを奇禍として、憲法改正でも何でもやって、個人も国家も、コストをかけてキチンと守りを固めると言う事をやらないといけないと思います。 北欧の国は一気に態度を変えました。 個人は安部さん、国家はウクライナがそれを体現したと思いますが、未だにごちゃごちゃ言っているのは、ますます日本の将来が危うくなります。

反面、運が良かった所は、演説会場のすぐそばにクリニックがあって、すぐに応急措置ができた。 銃撃後すぐに心臓マッサージをしているところがあったので、誰がやっているのかと思ったら近くのクリニックのお医者さんでした。 AEDを使うが心臓が止まっているので動作しない。 この時点で実質的に死亡、即死状態だったと思います。

そこからは素早い対応で、救急部隊を褒めないといけないですが、30分ごろに銃撃、50分には平城京にドクターヘリが着いて、そこから橿原病院に11時過ぎには着くことが出来ました。 手術開始まで小一時間。 ドクターヘリもすぐに来て、これには驚きました。 空自のスクランブルより速いのではないか。 大血管の傷は塞いだそうですが、他からじわじわと出血があって、13リッターの輸血もむなしく5時過ぎに夫人の到着を待ったように死亡確認されました。 人工心肺を付けたら良いと思っていましたが、本当に心臓が止まるとあちこちからの出血は止まらないようです。 夫人の到着を、本当は待っていたのかもしれませんが、おそらく東京から新幹線で京都まで、そこから近鉄特急と普通を乗り継いで5時間は立派なものです。

これで救急時に分かったことは、心臓に傷があっても心臓マッサージはしないといけない。 脳や他の器官に血液を送っておかないといけないようです。 心臓に傷があるとそれが悪化しそうな気がしますが、それより大事なことがあるようです。 また取り敢えずAEDを使う。 外から見ていても心臓がどうなっているかわからないので、躊躇すると思いますが、心臓が全く動いていないAEDは自動的に動作しないようですので、取り敢えず付けて動作させてみることが大切だそうです。

後日、近くを通ることがあったので、西大寺駅前を通りました。 北口と南口を間違えて、北口はスルーして、後でドラレコで確認しましたが、結構大きな道路で、車が普通に通っています。 この道路を渡って、背後に近づくと言うのは非常に不自然で、これを止められなかった、少なくとも職務質問をしなかった警官の責任は重大だと感じました。

国葬が議論になっているようですが、もっと世界の視点で見るべきです。 地球儀を俯瞰する外交を標榜した安部さんに、世界各国からメッセージが驚くほど沢山来ているようです。 これに答えるためにも国葬にすべきでしょう。国葬の費用は分かりませんが、あれだけのコロナ対策費をだしているのですから、歴代最長の任期で、世界にあれだけの影響を与えた首相をキチンと弔わないのは、世界に対しても恥ずかしいと思います。

国内政治的にはいろいろあり、脇の甘いところも多々ありましたが、功績の方をキチンと見ないといけないと思います。 トランプも個人的には嫌いですが、国内的には良くない政策が多いですが、外交は立派なものだと思います。 プーチンも事件後、プーチンが書いたと思われるメッセージが早速寄せられており、立場は全く違いますが、安部、トランプ、プーチンはそれそれ心が通じるところがあったのだと思います。

それにしても、統一教会がらみと言うつまらん動機と、極めてお粗末な警備で、世界を方向付ける人間の一人が亡くなってしまったと言うのは、本当に日本にとって、本当に残念なことだと思います。 これで日本が沈没していくようであれば、悔やんでも悔やみきれないでしょう。

暗い話ばかりだが、一方サイエンスの世界ではちょっと気分の良くなるニュースが多いですジェームズウェッブ宇宙望遠鏡が稼働し始めて、そので映像がどんどん送られ非常に綺麗な映像に目が釘付けです。 もっとも作動してすぐに主鏡の一部に隕石がぶつかって破損したようで、心配したのですが、全体の性能への影響は少ない様です。 ラグランジュポイントに位置しているので、この辺は隕石の溜まり場になっていて、衝突の可能性は高いそうです。

不思議なのはジェームズウェッブ宇宙望遠鏡は赤外線もしくは近赤外線で観測しているので目で見るような綺麗な色にはならないと思いますので、何らかの色彩処理はしてると思います。 データがすべて公開されているので、アマチュア観測家はこれをもとに非常に綺麗な写真を公開してるのは異様に面白いです。

気分が壮大になるもう一つは「ルナグラス」構想。これは京大と鹿島建設が火星における人工重力を発生する方法ですが、大きなグラス状の構築物を作ってそれを回転させて人工重力を作るということです。このグラスの内側にいろんな町とか農場とか公園とか建物とかいろいろ建設され、地中に埋めてしまえばの構造上は楽だと思います。光源をどうするか、人工太陽をどうするかという問題が残ると思っています。

これで思い出すのは 「リングワールド」という SF 小説です。 地球の公転軌道と同じぐらいのリングを作って太陽の周りを回す。 リングの回転方向と90°方向に重力発生するので、そこに町やいろんなものを建設するということです。 ずーっと湾曲してるので、地平線というのは無くて、リングの端が空の上まで見えるという非常に壮大なお話です。 これやるとずっと昼間になってしまうので如何に夜を作るか、太陽の周りに遮光ネットを張って夜と昼を作り出す。 リングワールド物理学という分野があって、そこでこのリングの強度とか実現性とかを色々検討しています。 何しても気分壮大な話で、京大と鹿島のルナグラスも似たような構想です。

このリングワールドから宇宙に宇宙船を発射するのは非常に簡単で地面に穴を開けておいて、そこから宇宙船を放り出すと、回転のモーメントで宇宙船がそのまま宇宙に出て行って、地球から宇宙ロケットを打ち上げるようにな加速度は必要なくて、単に地面から下に出すだけという非常に良いメリットがあると言われています。 下のリングワールドの写真をクリックするとWikipediaに詳細な物理データが記載されています。

以前から提唱されている大林組の宇宙エレベーターも気宇壮大な話ですが、一番実現性は高いと思います。 いずれにしてもケーブル材質が問題で、ケーブルの自重で切れてしまうのではないかということで非常に強いカーボンナノチューブのケーブルが必要になりますが、カーボンナノチューブはそんなに長いケーブルを作るまでには至っていないようですが、それも時間の問題で実現できるんではないかと思います。

今月の読みものは、本文で書いた「リングワールド」 (ハヤカワ文庫 SF (616)) 1985/6/1 ラリイ・ニーヴン著, 小隅 黎翻訳 ¥1,058

リングワールドは幅が約100万マイル、直径がほぼ地球の公転軌道(周囲が約6億マイル)の人工のリング状天体である。中心に恒星があり、リングワールドを回転させることで地球に近い人工重力を作り出している。リングの内側は地球の表面の約300万倍の広さがあり、居住可能となっている。リングの両縁には高さ1000マイルの壁があり、大気が逃げ出さないようになっている。

リングワールドはダイソン球を薄く輪切りにしたものとみなすことができ、多くの似通った特性を持つ。ニーブン自身、リングワールドのことを「ダイソン球と惑星との中間の形態」と考えている。(他方、フリーマン・ダイソンは「もっと小さいものを数多くつくらなかった理由が解せない」とニーヴンに語ったと言う。)

リングワールド(正確には“ニーヴンのリング”というべきであろうが)は、このような構造物をさす一般用語として使われることもある。他のSF作家もニーヴンのリングワールドのバリエーション的なものを考案している。特にイアン・バンクスの『Culture Orbital』はミニチュアのリングワールド群を最もよく描いているし、他にも同名のビデオゲームもあるリング状のヘイロー構造体などがある。

リングワールドの“床”および側壁は、極めて密度の高い「構成物質(スクライス)」でできている。厚さ30m以下の「スクライス」の表面(内側)に土砂が盛られ、植物が生えている。“床”の裏、つまり、外側は、発泡した「スクライス」で覆われ、隕石からの保護層となっている。山、川、海などのあらゆる地形は「スクライス」自体によって型取りされた上に作られており、裏から見ると凹凸が逆になっている。後述する「大海洋(グレート・オーシャン)」を除けば、海の深さは10mに満たない。海は自動機械によって浚渫され、海底に堆積した土砂は太いパイプを通って側壁の高さ数十マイルにある開口部から放出される。開口部の下は円錐を縦に割ったような形の「こぼれ山(スピルマウンテン)」になっている。「こぼれ山」は両側の壁に沿って一定間隔で立ち並び、リングワールド全体でおよそ5万個ある。


 

今月のひとこと 2022年7月号

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今月のひとこと 2022年7月1日号


今年は完全なカラ梅雨で、しかも終わった途端に極端な暑さになりました。 地球温暖化の直接の影響というよりは、地球温暖化による気候変動によって高気圧の配置が変わったことによる影響だと思いますが、こんな調子で気温が上がっていくと大変なことになりそうです。 左の写真は伝説のスナイパー、シモヘイヘ。 今月の読み物の欄をご覧ください。

温暖化で農作物の収穫量が上がると誰かが言っていたことがありますが、そんなことはなくてあまりが暑いので最近は農作物の高温被害が出てきたようです。 もっとも生育が早くなり、早期に出荷できるので、農作物の値段は下がっているようですが、これからは高温の影響で被害が出て値段も上がっていくようです。

冬場には北海道の玉ねぎは不作で、これは温暖化と直接関係ないのですが値段が極端に上がり、まだその影響が続いているようです。さらにはじゃがいもの値段も上がりましたが、元に戻ってるようですが、玉ねぎは相変わらず高いみたいです。

洋ランを栽培していますが、栽培を始めた20年ぐらい前と比べると、日照は明らかに強くなってるような気がします。 今までは冬場には遮光ネットを外してたのですが、昨年あたりから外さないようにしました。 冬場でも結構日照がきつい感じです。

ウクライナ戦争は膠着状態で、これから長期化するような感じです。 ロシアは「苦難のロシア」と言われてモンゴルに攻め込まれて以来200年ぐらい占拠されて、それ以来隣国同士で侵略したり侵略されたりの歴史です。特に東ヨーロッパは大平原が広がっているせいなのか国境線があまりはっきりしないのか、侵略の繰り返しです。 日本は戦争はもうこりごりと言っていますが、確かに先の大戦では大変なことだったのですが、あれに比べるとこの東ヨーロッパの悲惨さは筆舌に尽くし難いと思います。

住民虐殺などはもう常態化しているようで、日本の戦国時代の戦争では、あんまりそういう住民虐殺みたいのがあまり起こらなかったのですが、この辺のヨーロッパではしょっちゅう起きているようです。 戦国時代で一番残酷だったのは信長ですが、敵の頭蓋骨を漆塗りにして、それで酒をを飲んだというぐらいが関の山で、日本は戦争と言っても穏やかだったと思います。 寝返りはしょっちゅうあるし、明治維新でも幕府軍の主要な地位に居た人が明治政府に入って活躍したりしていますので、あまり敵味方というのはあまり明確にはっきりしてないようなところがあり、良くも悪いも、ぼんやりしたお国柄なんだと思います。

容赦ないウクライナへの攻撃を続けるロシア。毎日殺されていくウクライナの民間人、そしてロシアの将兵に対して、これっぽっちの哀悼の意も見せない。この人間軽視のメンタリティーはどこに発するものなのか。

「苦難のロシア」という言葉がある何も隔てるもののない大草原に住むロシア人は古来、周囲の諸民族と戦い、殺し殺されてきた。13世紀のモンゴルの来襲以後は200年余りにわたる支配を受け、17世紀初めには約4年にわたってポーランド軍にモスクワなどを占領された。その後も1812年のナポレオン軍、1941年のナチスドイツ軍の来襲と続く。

ロシア人の大部分は17世紀以来、農奴としてほとんどの権利を奪われ、1861年の農奴解放でも暮らしは一向に良くならず、1917年のロシア革命では共産主義実験のモルモットにされ、また大変な目に遭う。だからロシアの歴史は苦難の繰り返しで、なかなか進歩しない。

IT の話題で一番先に揚げないといけないのは、Google が100兆桁の円周率を計算できたということです。 100兆桁というとその結果を入れておくストレージだけでも桁をバイトとすると。100兆バイト必要なので、100テラバイト必要になります。

米Googleは6月8日「Google Cloud」を用いて100兆桁の円周率を計算することに成功し、世界記録を更新したと発表した。同社は2019年にも31兆4000億桁の円周率を計算し、当時の世界記録を樹立していたが、2021年にグラウビュンデン応用科学大学の科学者が62兆8000億桁を計算したことで記録は破られていた。

計算は単に多数のCPUで計算すればよいと言う事では無くて、クラウドとしての総合力が問われる。 128個のvCPU、864GB のメモリを持つ「n2-highmem-128」インスタンスを採用。OSは「Debian Linux 11」。 ストレージは一時ストレージに554TBを見積る。単一の仮想マシンに接続できる永続ディスクの最大容量は257TBであったため、計算ノードに加え、合計64個のiSCSIターゲットを提供する32台のストレージノード(「n2-highcpu-16」インスタンス)からなるクラスタを設計した。

ネットワークは「n2-highmem-128」がサポートする100Gbps外向き帯域幅を利用。2019年当時はわずか16Gbpsだったので、わずか3年の間に帯域幅が約6倍に増加したことになる。 今回、ネットワークストレージに対し読み書きしたデータ量の合計は82.0PBで、2019年の19.1PBから大きく増加した。 この計算には数ヶ月の時間が必要となる。

もうひとつの気分がすっきり気分が晴れるする話題としては NASA がソーラーソーラーセイルソーラーセイル2の支援に 200万ドル支援するということです。 以前の本欄2015年7月号でも紹介した事があります。 私も寄付した惑星協会団体がソーラーセイル計画を進めていましたが、これの延長線のようです。 お金が無いと寄付を募るメールがしょっちゅう来ていましたが、これで資金の問題は少しはマシになったと思います。

ソーラーセールは宇宙に帆を広げて光の圧力で航行するという、素晴らしい気分が高揚する計画で、私が一番好きな好きな計画です。 NASAが、起業家やイノベーターとともに将来的に画期的な宇宙技術となる、実現可能性のあるアイデアを研究するNASA Innovative Advanced Concepts(NIAC)プログラムの一環としてDiffractive Solar Sailingプロジェクトを認定し、200万ドル(約2.5億円)の資金を支援すると発表した。 ソーラーセイルとは、その名のとおり太陽の光を受けて推進力を得る航法であり、それを実現する薄膜状の帆のことも指す。

長らくSF小説の中で描かれる実現可能性の低い技術と考えられていたが、惑星協会が2015年および2019年に実証機を打ち上げて、宇宙空間での巨大な帆の展開と太陽光による軌道変更が可能であることを実証した。

日本でも、JAXAが実証機IKAROSを2010年に打上げ、薄膜太陽電池を兼ねるソーラーセイルを用いた光子加速を実証している。また、小惑星からのサンプルリターンを目的とする探査機はやぶさ2は、小型ソーラーセイルを利用した姿勢制御モードを通常の機能として備えている。 今回NASAが支援を決定したのは、光の回折現象を利用する回折(Diffractive)式ソーラーセイルについて研究開発を行うプロジェクト。通常のソーラーセイルは太陽光が反射する際に、帆にあたる光子の圧力を利用して推進するため、非常に大きな帆が必要となり、当たる光の方向によって宇宙機の進む方向もほぼ決まってしまう。

今月はあまり読まなかったのすが最近 Amazon のプライムに入ったので、その映画を見ました。 そこで前々回紹介したような女性のスナイパーの話が映画化されたのを見ました。

ロシアン・スナイパー(字幕版)2時間3分 2015

1941年、ナチスドイツによるソ連侵攻がはじまった。まだ大学生だったリュドミラは、女ながらその非凡な射撃の才能を買われ、戦場に身を投じる。狙撃兵として次々と標的を仕留めるリュドミラは、やがて敵からは”死の女”と恐れられ、軍上層部には英雄として讃えられ、戦意高揚の道具として利用された。

これは小説のモデルになったリュドミラ・パヴリチェンコの話を映画化したもので、ほぼ流れとしては小説と同じで、小説がこの映画をなぞっていたのではないかと思います。 知り合いだったと言うルーズベルト夫人を軸に話は始まり、終わります。 ロシアとウクライナの合作。 対ドイツ戦では同じ側に居た。

今話題のフィンランドには、ソビエト兵に“白い死神”といわれ恐れられたシモヘイヘと言う英雄スナイパーが居ます。 スナイパー史上最高の542名射殺と言う記録を持っています。 元々猟師で寡黙だったので、実際の数字はもっと多いと言う人もします。 ちなみにリュドミラは309名です。

さらに驚くのは、ヘイヘが使っていたボルトアクション式モシンナガンM28は120センチもあるものでしたが、ヘイヘの身長は152センチと小柄でした。自分の身長近くある銃を、自由自在に操っていたが小柄なのは戦場で有利だったのでしょう。しかもスコープ無しの裸眼で狙ったと言います。

冬戦争終戦直前の1940年の3月にソ連軍兵士による抵抗狙撃を受けて、左下顎部が吹き飛び治療後も顔が歪んでしまうほどの大怪我を負っています。意識不明の重体で友軍に発見されたときは、ヘイヘを収容した兵士曰く「彼の頭は半分無くなっていた」と振り返っています。


 

今月のひとこと 2022年6月号

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今月のひとこと 2022年6月4日号


やっとコロナも下火になってきて当面は外出がドンドンできそうです。 GOTOトラベルも名前を変更して再開するようです。 と言ってる間に新しいウイルスのサル痘が出てきて、あまり感染力が強くなるようなので問題はないみたいですが、これからも地球は狭くなったので、どんどんとこういう感染症が増えてくると思います。

江戸時代でも天然痘は江戸初期とか中期では何年かおきにしか流行らなかったのですが、江戸後期になると毎年のように流行るようになってきたと言われております。 感染間隔どんどん短くなって来ていると思います。

古くは奈良の大仏が建立されたのも疫病退散が一つの大きな動機だった、ということなので今まではかなり忘れていましたが、そういうパンデミックのリスクは常にあるということでしょう。 このコロナが始まる直前にはテレビ討論でパンデミック起きるかというテーマで議論がなされていたそうですが、それを言ってるすぐ後にコロナが蔓延してきたということですので常にあると思って間違いないと思います。

ウイルス感染症のパンデミックの後には、世界の景色が変わると言われていて、コロナ後と言う言葉がしばらくは流行語になりましたが、それに加わって今年はロシアのウクライナ侵攻という問題があってこれで世界はの景色は本当に一変するんではないかと思います。

大騒ぎされていたSDGS でも電気自動車用のバッテリー工場をどんどん作る、慎重なトヨタですらどんどん作るという発表していますが、本当にこれを賄うだけの原材料のニッケルやリチウムがあるのだろうかという気がします。

リアメタルの世界の採掘量もどんどん増やさないといけません。 埋蔵量はあっても無理に採掘してもコストが上がっていくと思います。 電気自動車の問題は、従来だと特に半導体は量産効果でどんどん値段が下がっていくと言われていましたが、リチウムバッテリーに関してはそういう量産効果というのは働かずにほとんどは原材料費なので原材料費の高騰がバッテリーのコストを決めて行くでしょう。 原材料費のコストがどんどん上がっていくということであれば、今後バッテリーのコストが劇的に下がってBEV の値段がガソリン車並みになるというのは夢物語だと思います。

最近軽四タイプのBEVが発表されて、これが本来の BEV の使い方であろうとは思いますが補助金を入れてもまだ200万円以上する高級車。 こういう高価なものを足代わりに変えるのはなかなか難しいんではないか。 見かけは補助金を引いて100万円半ばと言われていますが実際によくカタログを見てみると安全装置をつけて現在はコミで150万円くらいで売っている軽四並みの装備を付けると200万円以上、ガソリン車より100万円近くも上がってしまうという計算になりました。 値引きもあるのでしょうが、そんなに安いものではないと思います。

いずれにしても街乗りでBEVを電気アシスト自転車並みに使うというレベルでは全くないと思います。 将来さらに値下がりするという期待はあると思うのですが、基本的なバッテリーの値段が大幅に下がる見込みがないので、車本体も大幅には下がらないと思います。

今日の日経新聞で石炭火力の発電がウクライナ戦争の影響で非常に増えていると言われています。 やはり背に腹はかえられないので天然ガスがなくなるとやはり石炭火力に依存せざるを得ないと思いますので、ここで日本は大きな声を出して高効率のCO2排出技術の石炭火力を強力に推進すべきだと思いますし、そういうことで世界に貢献するんだということをもっと声高に提唱する必要があります。

ウクライナ戦争ももう100日を経過して開戦から100日を経過してだんだん膠着状態になってきていますこれからは消耗戦になるであろうというのがもっぱらの見方です。 しかし6月の半ばになると西側からの援助武器が整ってくるので、おそらくウクライナは攻勢に出るんだのではないかと思います。 その時にロシアが持ちこたえられるかどうかというのがポイントになると思います。

ここでロシアをとことん追い詰めるのかどうするのか、融和策をとるのかという議論が、特にヨーロッパではなされているみたいです。 おそらく落としどころとしてはロシアが後10年ぐらいは自力で大きな戦争できないような状態に持っていく事でしょう。 核使用をある程度を封印しないといけないのですが、あまりとことん追い詰めてしまうと何をしでかすか分からないのが意見の分かれるところでしょう。

驚いたのはドイツの大変身と、さらに驚いたスウェーデンとフィンランドのNATO加盟要請。 ヨーロッパはロシア侵攻によってガラガラと音を立てて体制が変更しています。 それに引き換え同じロシアの隣国であり、さらには中国、北朝鮮と似たような強権国家に国境を接している日本のこの反応の鈍さは一体何なんでしょうか?

フィンランドの首相がわざわざ日本にやってきたのが全くほとんど報道されずに、それの意味が理解されていないのではないかと思います。 ヨーロッパは特に北欧の国はロシア帝政の終焉に結び付いた日露戦争を覚えていますし、日本がロシアに勝ったと言うのは良く覚えておりますので、当然東の方の状況と言うのは気になるのでしょう。

それに比べて、日本の感度というのは非常に弱いのではないか、日本も少なくとも上を下へ議論が勃発しても良いと思うのですが、相変わらず国会論戦を見ていても全く関係のないどうでも良いような議論を延々とやっています。

もう少し地球全体を眺めた政治をやってもらいたいです。 いろんな国内政策はある意味で役所がやれば良いことであって、政治がやらないといけないのは、やはり外交が大事であり政治の最大の任務であると思います。

今月の読み物は 「戦争は女の顔をしていない」 岩波現代文庫 スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ 著、 三浦 みどり 訳、 電子書籍¥1,540
前回の「同志少女よ、敵を撃て」のベースの一つになった 2015年にノーベル文学賞をとったスヴェトラーナ・アレクシエーヴィチの作品。 二次世界大戦の地獄の独ソ戦で、ソ連軍に従軍して戦った女性たちの告白。女狙撃兵、従軍看護婦など。
女性兵士の物語は、衝撃的だった。 男は戦争に勝ち、英雄になり、理想の花婿になった。他方、女は勝利を〈普通の女性の幸せ〉とかいうものにすり替えられてしまう。

淡々とインタビュー記事が続きます。 読了するのに気合が必要でした。 いくら太平洋戦争が悲惨だと言っても、ヨーロッパ特に東部は異質にすざまじいです。