今月のひとこと 2019年11月号

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2019年11月2日
株価は落ちるかと思えばなかなか落ちずに、とうとう2万3千円近くまで来ました。 先月の本欄では2万3千円とか4千円が不思議でなくなるような気がする、と書きましたが、どうも2万3千円はいきそうな感じです。 各企業の決算はあまり良くないのですけれども、何故上がっていくのか不思議という感じで、一種のバブル状態になってるんではないかと思います。

消費税が10%になりましたけども、あまり変化がないと言うか駆け込みが少なかったと言うか、そもそも消費の力そのものが弱いのか、なんとなく釈然としない状況です。 消費税アップによる落ち込みを防ぐというよりは、もっと消費拡大の努力をしないといけない、つまりアクセルを踏まないといけないのではないかと思います。 いずれにしても世界の景気も悪くなってることですし日韓関係も悪くなって、全体に力弱くなってます。

最近のIT の話題で大きなのは量子コンピューターです。 一般新聞でも大々的に取り上げられて、特集が組まれています。 Google がどのような計算をやったのかは、はっきりしないのですが、一般のノイマン型のコンピューターでは時間がかかるとされる問題を短時間です解いたということです。

問題の量子ビット数ですが54量子ビットをチップで実現したそうです。 いずれにしても量子コンピューターの問題は量子を直接使っていることへの本質的に関わるのですが、非常に不安定と言うかエラーが多いと言うことがあります。 量子そのものの揺らぎに起因するので、しょうがないんですが、これをいかに取り除くか克服するかと言ううのが最大の問題です。

従って Google の結果というのはこの問題をわずかな時間、200秒と言われていますが、これぐらい克服できたということだと思います。 いずれにしても言われるようにすぐにも明日にも RSAの暗号が無効になるとかいう話は無くて、実際の計算に使えるようになるには、まだまだ越えなければならないハードルが多いと思います。

量子コンピューターは絶対温度0度付近でないと動作しないので、そんなにあちこちにできるものではありません。 今のスパコンレベルの設置台数になるということになると思います。

ずっと以前、何十年も前にさる有名な数学者がの講演を聞きに行ったのですが、その時には大型のコンピューターはそんなに普及しない、何故かと言うと多くの素子が必要なので故障する。 初期の真空管を使ったコンピュータのENIACも常に真空管を交換していたと言うことです。

世界に数台、今のスパコンぐらいのレベルでしか存在しないだろうという予言をされておりましたけれども、その後マイコンが発達し半導体の信頼性というのは非常に高いので、このようにたくさんの非常にハイパフォーマンスのコンピューターが世界中に存在することになったと思います。

量子コンピューターはそういうレベルではなかなか浸透しないでしょう。 少なくとも我々が生きてる間は存在しないんじゃないかと思います。 だから、もし存在するとすると常温レベルで半導体の上で実現できるような回路が考案されればあ存在すると思いますが、それでも一般の計算をするには非常に不便だと思います。 やはり現在のコンピューターが一番通常の計算には便利なんじゃないかなと思います。

今月の読み物は、「日本史の内幕 – 戦国女性の素顔から幕末・近代の謎まで」 中公新書 磯田道史著 \924

あまり読むものもなくなってきたので、気楽に読めるものを選んでみました。 雑多な日本史の中のトリビアものだと思いますが、まあ気楽に少しの時間で読めると思います。

【週刊文春 2017.11.30 号 より】
来年のNHK大河ドラマ『西郷(せご)どん』で時代考証を務める、気鋭の歴史学者の最新エッセイ集が絶好調だ。映画化もされた『武士の家計簿』を始め、既に数々のヒット作のある著者だが、本書は刊行から2週間弱で10万部を突破。その後もペースの落ちない異例のロケットスタートぶりだ。

「著者のテレビ出演が増えたことや、『応仁の乱』から続く中公新書の歴史ものの好調もあってか、歴史の本をあまり手に取らないような読者にも幅広く届いている印象です」(担当編集者)

江戸や幕末の民衆の暮らしを史料から細やかに想像し、徳川家康や坂本龍馬といった大人物たちの意外な一面を掘り下げ、井伊直虎のようにややマイナーな人物にも光を当てる。天災の記録を現代の災害対策と結びつける、アクチュアルな発言でも知られる。そんな多面的な「磯田歴史学」のエッセンスが、いい意味で学者離れした、滑らかな文章で詰め込まれている。

「一篇が数ページのエッセイに、史料や史跡の研究に基づく新たな発見が惜しげもなく盛り込まれる。アウトプットは柔らかでも、インプットは骨太。それが著者の持ち味です」(担当編集者)

前書きで著者は、古文書にきちんと向き合うことの大切さを熱く語っている。本書はまさにその実践の成果。歴史学への入門書であると同時に、日本史に一家言ある人に気付きを与える一冊にも仕上がっている。
評者:前田 久

【内容紹介】
豊臣秀吉と徳川家康が転機を迎えた「史上最強のパワースポット」とは。秀頼は本当に秀吉の子なのか。著者が発見した龍馬や西郷の書状の中身は。「昭和天皇を育てた男」の和歌集に秘められた思い――。当代随一の人気歴史家が、日本史の謎の数々に迫る。古文書の中から見えてくる、本当の歴史の面白さがここに!

【目次】
第1章 古文書発掘、遺跡も発掘
油酒樽に詰まった埋蔵金
羽生君、「殿」を演じる
一八四〇年豪農の豪華な旅
昭和天皇を育てた男
など

第2章 家康の出世街道
浜松に史上最強の霊地
三方ヶ原の戦いの真相
真田の首に語りかけた言葉
水戸は「敗者復活」藩
など

第3章 戦国女性の素顔
「築山殿」の元の名は
美女処刑と信長の死
「直虎」を名乗った者は
秀吉は秀頼の実父か
など

第4章 この国を支える文化の話
信長と同時刻生まれの男
江戸期の婚礼マニュアル
我々は「本が作った国」に生きている
昭和初年の美容整形
など

第5章 幕末維新の裏側
西郷書簡と日本の歯科
「民あっての国」、山田方谷の改革
会津で戦死、若き親戚を弔う
など

第6章 ルーツをたどる
隠された「宇喜多」姓
黒田家は播磨から流浪か
忍者子孫たちとの交流
中根東里と司馬遼太郎
など

第7章 災害から立ち上がる日本人
江戸の隕石いずこに
山頂で富士山卵
熊本城サグラダ・ファミリア計画
など


 

今月のひとこと 2019年10月号

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2019年10月1日
株価の上下を繰り返しながら思ったほど落ちずに、外部状況が米中貿易戦争、ブレグジット、日韓問題、中東問題などなど問題をたくさん抱えながらも株価は21000円からなかなか落ちません。 この調子だと確かに年末までに2万3000円とか4000円が不思議でもなくなるような気もします。

今日からは消費税の税率が10%にアップしました。 これが凶と出るか吉と出るか、じっくり見極めないといけないと思います。 しかし駆け込み需要がそんなに無かった事も心配の種です。 これは消費その方が落ちてるんではないかという心配ですが、しかし株価は堅調であります。 このままオリンピック直前までなんとか行くと思うんですが、オリンピック終わった後はガクッと落ちるんではないかと OECD の見込みでも来年2020年の成長率は0.6%とかいう数字になっていました。

最近の IT 関連の話題で非常に驚いたのは、メディアラボの所長の伊藤穣一氏が辞任したとのこと。 本欄でも以前に紹介しましたが、彼がメディアラボの所長になった時は非常にびっくりしました。 まさか MIT のしかもメディアラボ所長に日本人がなるというのは全く想像もつきませんでしたので非常に驚いたことを覚えていますが今回もさらに驚きです。

彼とはサンマイクロのセミナーに招かれまして、私は彼の言わば前座をやらされたことになるのですが、控え室で二人で喋ってた時に、彼が私の開発したLUNAをを世の中で一番たくさん使っていたと自慢するのです。 それ私が作ったんですよと言う話になりました。

カーネギーメロン大学にLUNA-88kを40台ほど寄贈した後、様子を見に行くと中国人研究者がそれを独り占めにして全部繋いでコンピュータグラフィックスを作っておりました。 それは NHK のアインシュタインロマンという番組で放映された映像なのですが、これは光の光に近いスピードで動くと周りがどう見えるかということを コンピューターグラフィクスでやったのです。

もし私のLUNAがなければどうするつもりだったのかと聞いたら、スパコンを使わないといけないことになるが、その費用をどうやって捻出しようかと困っていたという話でした。 その後しばらくしてから彼が大学を辞めてロサンゼルスの方へ行って、そこで誰か日本人と一緒に仕事をしていたということを聞いてたんで、それが伊藤穣一氏だったと言うことで、浅からぬ因縁がありました。

彼は京都生まれですが、完全なバイリンガルでスラング混じりのべらんめえ調で喋られると何しゃべってるかこちらは聞き取れないこともありました。

今回はの問題は ジェフリーエプスタイン事件に関与してそれが原因で今回メディアラボの所長を辞職することになったみたいです。 しかしメディアラボの創始者はギリシャ人のネグロポンテだったのですが、彼の時代から資金を集めるというのは所長の最大の仕事でありまして、今回もその資金に絡む話で資金を引いた相手がこういうスキャンダルを抱えていたらしいです。

次の話題は今はやりの MMT現代貨幣理論 です。 非常に分厚い本で最初買ったときにはびっくりしまして、これに難解な経済の経済学のことがぎっしり書いてあるとこれ読みきれないなと思ったんですが、よくよく読んでみるとあまり難しくなくて繰り返しも多くて、ある意味読みやすい本でありました。

自国の通貨を発行する中央銀行のオペレーションはどういうものであるかというのを、よくわかって面白かったです。 こういう意味でも中央銀行と普通の銀行全く違うということになります。 以前から、アメリカの貿易赤字は他国の貿易黒字になるのではないかと思っていましたので、MMTの主張は、政府の赤字は、民間の黒字と言うのは良く分かりました。

一番面白かったのは無から有を生み出すにはどうしたらいいかと言うことです。これはおもしろいことに物理学の宇宙創造とか真空の分極とかいうのと似ていて、中央銀行が債権と債務をキーストロークというかコンピューターで仕分けすると、債務部分が貨幣になると言う点です。

宇宙創造も粒子と反粒子が(何もない)真空から分かれて、粒子が集まって宇宙を形成することになるのですが、これと似ています。 宇宙の場合は、粒子と反粒子の数が僅かに粒子が多かったので、宇宙として残ったと言うことです。 粒子と反粒子が対消滅して残ったのが、わずかの粒子と光子。 従って宇宙は全体としても結構明るいのです。

全体として確かに一番最後の方に書いてありましたけども別にめちゃくちゃ違うことを言ってるわけではなく、ただ言葉が意図的に非常に偏った使い方をしているということですね。 税金納めるために貨幣があると言うんですが、貨幣があって税金を納めると解釈しても、実体としてあまり変わらないと思いますが、今までの見方をひっくり返したのと、債務と債権という会計学的な方法で整理したのは非常に面白いと思います

MMTのもう一つの柱は就業保証プログラム。 政府は「最後の雇い手」として、希望する人々全員に、一定以上の賃金水準で就業する機会を約束する。 「完全雇用と物価安定」という公共目的に資する、強力な経済安定装置となる。 ここまで聞いて、これは大きな政府を目指す左派の政策ではないかと思いませんか。 韓国の文政権も似たようなことをやっています。 アメリカでもOACやサンダースがMMTを取り入れています。 この本の著者自身がサンダースのアドバイザーをやっているくらいです。

しかし日本ではMMTを支持するのは何故か保守陣営。 最初にMMTをもう少し勉強してみたいと思ったきっかけが西田昌司のYoutube。 彼はバリバリの保守でしかも最右翼です。 もっとも元税理士なので、MMTの会計的手法にはなじみがあったのかもしれません。 Yputubeでも債権債務の仕分けを強調していました。

日本の左派と言うかリベラルは、何故か大きな政府と言うのを嫌がります。 大きな政府で大きな福祉だと思うのですが、何故かこの辺の腰が据わっていなくて、妙に財政均衡を重視します。 ちなみに左派でMMTを支持しているのは、れいわの山本太郎だけだそうです。

原発とか憲法9条とかややこしいテーマはさておき、MMTみたいな大きな政府を基にした経済政策を何故議論しないのか不思議でしょうがないです。 こう言うことをしているので、安倍保守政権に、政策をどんどん取られてしまって、自らの政策を構築できなくなっていると思います。

インターネット接続をNUROに変えたので、その評価を別のページにまとめておきました。 全体としては体感スピードはそんなに速くないんですが、値段がそれなりに安いのとカスペルスキーがついてるとか、多少のメリットはあるというところです。 ルーターに関しては、特に共有ファイルのNASのところは少し不安定ですが、おまけですのでこれはしょうがないかなという風に思います。 WiFi は非常に 電波が強いです。 ルーターは ZTE製ですが電波法違反してると思われるくらい強い電波で、従来は中継器を使ってたのですがそういうところでも5ギガでも直接繋がるようになりました。

ひかり電話はソフトバンクテレコムのひかり電話をそのまま持ってきてるだけなので、しかもそれがソフトバンク自体が元のオリジナルの NTT のものをそのまま持ってきてるみたいなので、あまり機能はありません。 ただ必要なものだけあるという感じですので迷惑電話拒否みたいな機能は簡単ですけどついてますので、本当に欲しいのはこれくらいかなという感じです。 あとボイスワープとかついてるんですが、この辺はあんまり使う時は使えますが使わないかもしれません。

今月の読み物は、先ほど紹介した「MMT現代貨幣理論入門」 単行本 2019/8/30
L・ランダル・レイ (著), 中野 剛志 (解説), 松尾 匡 (解説), 島倉 原 (監修, 翻訳), 鈴木 正徳 (翻訳)

Kindle版 ¥3,600 単行本 ¥3,740

非常に分厚い本で最初見たときはぎょっとしますがなんとか読めますが、重いのでKindle版の方が良いかもしれません。 少しずつ読んだんですが一週間ぐらいで読み切れました。 なかなか面白いです。 先ほど述べたように無から有を生み出す仕掛けというのが債権と債務を分けるというこれをキーストロークと言うかパソコンでやってしまうコンピューターでやるというやり方で 宇宙創造とも似たような感じです。 一読の価値はあります。 頭の中が割と整理されます今までモヤモヤしていたことが整理されました。

内容紹介
第一人者による「バイブル」、待望の邦訳!
アメリカで大論争、国会でも議論白熱。

いち早く日本に紹介した中野剛志氏と、「反緊縮の旗手」松尾匡氏によるダブル解説。貨幣観を一新!

MMTは、イデオロギーでもなく、願望でもなく、現実なのである。

【MMT(現代貨幣理論)の特徴】

●日本や米国のように「通貨主権」を有する政府は、自国通貨建てで支出する能力に制約はなく、デフォルトを強いられるリスクもない。財政赤字や国債残高を気にするのは無意味である。

●政府にとって、税金は財源ではなく、国債は資金調達手段ではない。政府が先に通貨を支出しない限り、民間部門は税金を納めることも、国債を購入することも論理的に不可能である。税金は所得、国債は金利にはたらきかけ、経済を適正水準に調整するための政策手段である。

●政府は「最後の雇い手」として、希望する人々全員に、一定以上の賃金水準で就業する機会を約束することができる。この「就業保証プログラム」は、「完全雇用と物価安定」という公共目的に資する、強力な経済安定装置である。

【内容紹介】
「財政は赤字が正常で黒字のほうが異常、むしろ、どんどん財政拡大すべき」という、これまでの常識を覆すような「現代貨幣理論」(MMT)。MMTでは「就業保証プログラム」により、完全雇用も可能とされている。

アメリカでは、本書著者のL・ランダル・レイをはじめ、次の次の大統領とも言われるオカシオコルテス下院議員やサンダース大統領候補のブレーンを務めたステファニー・ケルトン教授たち「MMT賛成派」と、ノーベル経済学賞受賞の経済学者クルーグマン、元財務長官のサマーズ、FRBのパウエル議長、著名投資家のバフェットたち「MMT批判派」との間で大論争が起こっている。日本でもNHKや新聞などマスコミ報道も増えるなか、日銀の黒田総裁も否定的なコメントを出し、国会では議論が白熱している。

はたして、この理論はいったいどういうものなのか。
MMT研究の第一人者、L・ランダル・レイによる「バイブル」、待望の邦訳。
巻頭と巻末では著書『富国と強兵 地政経済学序説』でMMTをいち早く日本に紹介した中野剛志氏と、「反緊縮」の旗手で「日本のバルファキス」とも言われる松尾匡氏が、理論のポイントやMMTを取り巻く現状や経緯ととともに解説する。


 

今月のひとこと 2019年9月号

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2019年9月1日
アメリカもとうとう対中国関税第4弾を発動し経済状況もますます不透明になってきました。 日本も韓国との間でも経済戦争になりかけています。 中国の関税ですが中国の元が20%以上切り下がれば関税の意味は、ほとんどないことになります。 方や中国は元安で実質的に関税がかかっていて、さらに関税をかけると、ますますアメリカからの輸出がやりにくくなって来ます。 この結果がそろそろ出てきたのではないかと思います。

トランプ大統領は本当にサプライチェーンとか為替とか全体をちゃんと分かってるのかどうか怪しいところです。 日韓関係も混沌としてきてGSOMIA破棄をアメリカがかなり怒っているので、アメリカがひょっとすると仲裁に入ってくるかもしれません。 それでホワイト国外しとGSOMIAと相打ちになれば何のことか分かりません。

もしこうなれば完全に韓国の勝ちとなります。 いずれにしても日本の説明は何とも舌足らずで、今までもあまり説明が十分とは思えませんでしたが、今回も十分な説明をしていないのでとんでもない勘違いが世界中に蔓延しているようです。 ヨーロッパでは遠い極東の話でもあり誤解があるらしくて、「大きな強い日本が小さな弱い韓国をいじめてる」という印象だそうです。

日本の文化が恥からきていますが韓国にはこれに反して恥という概念がないのではないかと思えるくらいです。 言ったことを平気でひっくり返す。 自分にブーメランで跳ね返ることも平気で言う。 とりあえず言ってみる。 アメリカにヤイヤイ言われると言ってくれるなと平気で言う。 非常に節操がないと言うか、どこかの女性参議院議員が言った「恥を知りなさい」ということを言いたくなります。

去年の末から今年にかけてサーバーを変えたことと、最近はインターネットプロバイダーを NURO に変えました。 ここで、その特色を少々をまとめてみたいと思います。

NUROは何しても早い2G という触れ込みですけど、実際は500M とか600M ぐらいどまりです。 どっちにしても内部のLAN配線が1G対応なので1G以上は出ないということになります。 スマホで wi-fi で繋ぐと 1.8G ぐらい出るみたいですが、なかなかそこまでは出ません。 体感速度としてはほとんど変わりませんが、人数で使ったり wi-fi の電波が弱くなった時のスピードダウンはかなり防げるという風に思います。

価格が安いということですが結局4800円ぐらい毎月かかりますので、そんなにめちゃくちゃ安いわけでありません。 ただ最初の年がキャンペーンで980円と安いのですが、NUROはいろんな代理店が乱立していまして、それぞれがそれぞれキャッシュバックとかメリットを打ち出して受け付けております。 キャッシュバックというのはいつ戻るか分からないし、手続きがかなり面倒を見たいなので本家の公式サイトで申し込みました。

これも電話で申込むとすぐに工事をしてくれるみたいですがネットでやると遅いという妙な話になっています。 工事が遅いというので有名ですが、なぜかと言うと宅内工事と宅外工事に分かれてるせいです。 宅内工事は電話で申し込むと明日とか明後日とかいう工事日程でやってくれますが、これが建屋の外壁から中まで引き込む工事です。

私の部屋は外壁から結構距離があるので、まず配管を全部調べて通ることを確認して、さらに最後のリビングのルーターのところまでは配管がなかったので、自分でPFを配管をしておきました。 これによって宅内工事はあっという間に終わりました。 お盆を挟んだこともあって結局1か月後にやっと外部配線を NTT の関連会社がやりました。 結構離れたところからずっと引いてきたみたいで、それを先ほどの宅内工事のところで接続します。

従って接続箇所は電柱の上の接続場所、建屋の外壁の接続ボックス、ルーターへの配線の壁のコンセントのところ、最後のルーターへの接続の4か所でした。 ファイバーの接続は、初期の頃は非常に大変だったんですが、今は接続工具があってあっという間につなげられるみたいです。

サポートも貧弱だというので有名ですが、最初の申し込みの電話は割とよくかけることができます。 人によりますがまあ説明は概ね平均的だと思います。 しかしテクニカルサポートになるとまず電話が繋がらない。 繋がったとしても安心サポートという別途の有料サポートをやらないと、ほとんど何も知らない人が出てきます。

安心サポートは毎月300円の基本料金で月1件につき1200円かかるのですが最初の1件は無料。 今回はキャンペーンで最初の8月と9月の2ヶ月が基本料金が無料になりました。 従って8月と9月の相談2回分は基本的に無料で行けることになります。

ルーターには USBメモリを挿して、NASを構成できるのですが、これがなかなか繋がらないので、サポートしていただきましたリモートデスクトップで繋いで、非常によくわかった人が対応してくれました。 結局、問題は Windows 側のパスのが見えないというだけで、本来のパスをキーで入れればいいのですが、最後までわからずに、結局たまたま見えたパスをキーで入れて接続できました。 SambaはLINUX系 Windows 10は Windows 系なのでこの辺が、いつもだいたいトラブルの元になります。

良くトラブルのは Windows 側からパスが見えないことが良くあるのと、アクセス権が食い違うというのはたまにあります。 LINUXのアクセス権に関しては厳しいのでそっちで引っかかるということになります。 最近は Windows の方でもアクセス権を厳しくしたので両方でかち合うということになります。

ここまでルーターと言ってるんですが実際はONUなのでNUROの特色は、これにファイバーが直結してるということになります。 従って割り当て IP アドレスが変化することはないみたいです。 これは光ファイバーで根元までつながってるせいで PPPoE であればログインするために変わることあるのでしょうがNUROの場合は変化しないみたいです。

従って半固定 IP で使えるということになりますそ。 のせいかルーターには DDNS の機能は付いておりません。 IPがほとんど変化しないのであれば手動で設定しておけば良いのではないかと思っております。

ルータのwi-fi 部分は 2.4G と5G が付いていて、もう普通の中よりよりちょっとマシなレベルのルーターであり、 PON というファイバーの規格に準拠して直接接続するので、これは市販されていない機種で ZTE 製でありました。 wi-fi の電波は非常に強いです。

ルーターの特色の一つはMACアドレス変換が出来るということです。 あまり使ったことないんでよく分かりませんが、まあ IP アドレスに関わらず変換が出来るということになります。 アドレス変換時にポートをピンポイントではなくて範囲で指定できるので、いくつかポートを並べて使う場合には非常に便利ではないかと思います。 DNLAのサーバー機能がついていたりしますけどもこれはあまり使いません。 SSID は2.4Gと5Gでそれぞれ4つづつで合計8個まで設定できます。

それと注意点はIPがヨーロッパ管理のものが割り当てられます。 半固定IPなので一度割り当てられると変更できません。 大抵は問題ありませんが、海外IPを規制しているサイトはアクセスできません。 使っているサーバーは海外IPは繋がりませんでしたので、メール送信が出来ませんでしたが、除外の設定がありましたので、これで目出度く送信が出来るようになりました。

付録でカスペルスキーが付いてます。これは5台までずっと永久無料で、 ちょうどライセンスが切れる頃なので非常に助かりました。 カスペルスキーはものすごく重いのですが、変な判定はしないので良いかと思いますが、Avastは誤判定が多くて大変でした。

最後の問題はひかり電話です。 ひかり電話はソフトバンクテレコムに外注しているみたいでサポートに電話してもほとんどわからないし、ソフトバンクテレコムからの直接コンタクトはしないみたいなので非常にこれは不安になります。

電話機能もあまり普通のフレッツ電話と変わりません。 料金的には基本料金が関西は300円関東は500円。 関西の300円プラスオプションを全部セットでつけると900円なので合計フルセットで1200円というので、そんなに安くもないですがそんなに高くはないかもしれません。

以前から考えていた4K有機 ELテレビをやっと購入しました。 Panasonic のネットワークが我が家に蔓延しているのでパナソニックにしました。 7月19日に発売したものですが、その直後に注文しても在庫が無くて納入が9月以降になると言われて慌ててあちこち探してやっと納入8月の初旬に納入をしました。

画像が綺麗なのですが非常に高価であり、2万円のキャッシュバックがあるみたいですがそれを入れても全く高いです。 価格の約1/3を上級の内蔵スピーカーを占めているみたいですけども、これがそんなにすごいかと言われるとよく分かりません。

それぐらいのコストであればホームシアターを別途買ってつけた方がいいのかもしれませんが、テレビで周りがすっきりするというメリットがあります。 上向きにもスピーカーがついてるという構成ですが、ツイーターが表面に出てるわけでもないので高音は出ません。 よくよくメニューを見ていくと思うサブウーファーを付けられるみたいなので、これはサブウーファーをつけることが前提なのかなという風に思いました。 市販のサブウーファーを買おうとしたのですが、寸法的に良いのがなかったので、BOSEの6スピーカーのサブウーファーを使うことにしてそれに合うアンプをネットで探すとこれがまたちゃんと売っていて、それをつないでサブウーファーにしました。ちょっと音がこもりますが、低音は出るようになりました。

有機 EL は確かに輝度は高いみたいですがあまり輝度が高いと見てるほうも眼が疲れるので少し落としてあります。 4Kと2Kの差ですが離れて見てるのであまりわかりません。 残念ながらやはり4Kを見るのなら65クラスでないとその違いが分からないんじゃないかと思います。 買ったのは場所の関係もあって55型ですが、これですと、ちょっと離れてみるともう差がわからなくなります。 だから大きな画面はある程度近づいてみないと4Kの良さは分からないんじゃないかと思います。

別途 USB ディスクを付けると録画もできます3チャンネル分のチューナーがあるのでそれなりに録画できます。 前からある DIGA の録画機と比べても遜色はありません。 ただ古い機種との互換性はあまりないみたいなので古い機種の画像を見ることはできません。 またわざわざデスクを買わずにもディーガに直接書き込むということもできるのでそれでも良かったかと思います。

今月の読み物は「倭の五王 – 王位継承と五世紀の東アジア」 中公新書 河内 春人著 ¥929
昨今は中国や韓国、北朝鮮などとの大陸・半島国家との関係が重要になってきていますが1600年前の「倭の五王」の時代も似たような状況でありました。 あの当時は朝鮮半島まで出兵し日本は今で考えるよりは遥かに国際的に活躍しており、通信や情報が限られていた時代としては、視野が非常に広かったと思います。 1600年前を振り返って現在の国際関係を考える参考にするのはいかがでしょうか。

内容(「BOOK」データベースより)
倭の五王とは、中国史書『宋書』倭国伝に記された讃・珍・済・興・武を言う。邪馬台国による交信が途絶えてから150年を経て、5世紀に中国へ使者を派遣した王たちである。当時、朝鮮半島では高句麗・百済・新羅が争い、倭もその渦中にあった。本書は、中国への“接近”の意図や状況、倭国内の不安定な王権や文化レベル、『古事記』『日本書紀』における天皇との関係などを中国史書から解読。5世紀の倭や東アジアの実態を描く。


 

今月のひとこと 2019年8月号

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2019年8月1日
韓国に対する輸出規制見直しは、とうとう山場に差し掛かったようです。このままアメリカの仲裁を受ければ韓国も勝ちとなります。 いわゆるホワイト国の指定解除までは、このまま粛々とやらないといけないでしょう。 何のために何回もゴルフをしたのか分からなくなりますね。 結果として、朝鮮出身労働者問題に何らかの方向が出れば取り敢えずは良いのかもしれません。

経済状況もだんだんと悪化してきて米中貿易摩擦とさらには日韓の摩擦により、ますます不透明になってきています。 アメリカの FRB はとうとう利下げに踏切ましたが日銀はこれ以上特にやることもなく、さらなるマイナス金利というのは金融機関にさらなるダメージを与えることになると思います。

結局、日本はやはり世界の先端を走っていたということになります。 何十年か前は日本は周回遅れと言われてたのですが、よく考えると全てのことに対して先端を走っていたということになります。 それ以前はアメリカが先頭を走っていたという印象があるのですが、最近はどうも日本が先頭を走っていてデフレであろうが利下げであろうが日本が先に行っていると言うことで、日本はこれに対する答えを先に出さないといけないということになるわけです。 さてどうなるのでしょうか、全く先の読めない時代になってきました。

最近は音声認識の発達が著しく、以前は夢物語であったようなマイクで音声で文字を入力する事は普通に可能になりました。 この文章も音声により入力していますが、以前に手書きからキーボードに変わった時は書く文章の文体も変化したものでした。 音声による入力によってまた文体も変化するような気がします。 それにしても非常によく認識しますこれは Google の「ドキュメント」というPCアプリの無料のものを使っていますが非常によく認識しますし、入力してる途中にキーボードから改行や句読点を入力できるので非常に便利です。この音声認識は使えば使うほど、どんどん調子が出てきますね。 ほとんど早口で喋っても全て認識する感じです。

何十年か前に音声認識に携わったことがあり、この時は四苦八苦しまして、何年やっても全く前進せず当時は諦めました。 思ったのはやはり意味認識をしてやらないと駄目だという確信だったんですが、現在の音声認識は意味認識をしておらず単純にサウンド波形から認識してるわけで、これは驚天動地の出来事です。こういう形で実現できるとは夢にも思いませんでした。いずれにしても便利になったもので慣れれば非常に速いスピードで文章を入力できるようになりました。

当時の音声認識ではマイクがキーだとかいうことでマイクロの選択を色々行ったりしましたが、現在ではマイクは特に重要部分ではなく普通のマイクで可能となっています。 これはある意味当然で人間が聞いても、特にマイクを変えても人間が認識する音声はには変化がないと思います。 同じく人間が聞いて例えば全く知らない言語を判断できるかと言うと非常に心もとないのですが、これが出来てしまっているというところにすごいところがあります。 例えば中国語の四声などを聞き分けることは非常に難しいのですが、この AI による音声認識は可能にしており、これは非常に驚くべきことです。

今月の読み物は「文明としての江戸システム」 日本の歴史19 (講談社学術文庫) 鬼頭 宏 著 ¥1,296

読むのは少々しんどいです。

江戸時代の再認識が盛んに行われていますが、これは江戸時代を人口の切り口で分析したものです。 明治維新政府によって江戸時代は必要以上に評価が低くなっていますが、現在のような低成長時代と江戸時代はほとんど似たところがあって非常に参考になると思います。

例えば当時の世界第1の都市であった江戸の町ではリサイクルが完全に機能していて、し尿を含むを全ての廃棄物がリサイクルされていました。 これは現在の東京では無理かもしれませんが、地方の県庁所在地ぐらい程度のサイズの都市では可能だと思いますので、現在でも完全なリサイクルシステムは実現できると思います。

また女性がの地位が低いというのが常識ですが、実際はそうではなくて、結構きままに生活していたようですし、離婚も女性主導でどんどん行われていました。 また産児制限は当時はなかったので、子供の間引きが行われていました。 これは貧しいと家庭で行われていたというのが常識みたいですが、実際は裕福な家庭でなほど間引きが盛んに行われていました。

要するに産まれた赤ん坊の時に殺してしまうわけですが、少子高齢化の現在では想像もできないことですが当時の社会システムではこういうことも必要であったのでしょう。 いずれにしてももう少し江戸時代を再評価することによって現在のこの低成長時代に対する処方箋が得られるものであるというふうに感じました。

【商品説明】
『日本の論点(2002)』にも寄稿している歴史人口学の権威、鬼頭宏が、「人口」という切り口で江戸の政治、経済、社会を論じている。ドラッカーが『ネクスト・ソサエティ』(原題『Managing in the Next Society』)で少子高齢化のインパクトを論じたように、社会の変化をとらえるには、人口論的アプローチが不可欠である。本書は、その人口が何によって変化し、またそれがどうやって社会に影響を与えるのかを示した点で興味深い。

江戸時代というと、とかく古めかしい印象がつきまといがちだが、そこには驚くべき事実と、現代へのヒントが隠されている。離婚や再婚が頻繁に行われていた、というのも興味深いが、何よりも文明が発達する過程で人口が増加し、成熟するにしたがって晩婚化・少子化が進んだという現代にも通じる変化に注目したい。

さらに、現代の金融政策にあたる貨幣改鋳とそれがもたらした幕末インフレーション、幕府財政の赤字、急激な物価の上昇によってもたらされた農民一揆や打ちこわしなど、現代に生きるわれわれにとっても決して無視できない歴史的事実が述べられている。ちなみに幕末のインフレ時には米価が約11倍になり、「都市でも農村でも、賃金の上昇はつねに物価上昇に遅れをとったから、実質賃金は1880年頃までは低下する傾向にあった」という。これが「企業家にとっては利潤拡大を意味し(中略)旧来の都市商家のような金融資産をもつ者には不利に働き、地方の実物資産をもって事業をおこなうような者には有利に働いた」。

このように、本書にはビジネス・経済をはじめ、あらゆる分野に応用できる知恵が詰まっている。単に経済動向を読むだけでなく、その結果人々の生活がどうなるか、家族や人間関係がどうなるか、そのヒントを示したという点で、本書の意義は大きい。(土井英司)

【内容紹介】
緑の列島の持続的成長モデル

豊かな自然に依存した徳川文明は、国際的には〈近代世界システム〉と〈冊封体制〉に対抗して〈日本型華夷秩序〉を形成し、国内では幕藩体制のもと、各領国が拡大する市場経済により統合されていた。
発達した貨幣制度、独自の〈物産複合〉、プロト工業化による地方の発展、人口抑制――環境調和的な近世日本のあり方に、成熟した脱近代社会へのヒントを探る。

【著者からのコメント】著者 鬼頭 宏
人口の歴史的研究にたずさわってきた筆者は、経済、人口、環境の関連に着目して日本の歴史を組み立て直してみたいと考えていた。従来の政治権力の交替を軸にした歴史に満足できなかったのである。『日本の歴史』の編集委員に加えていただいたのを幸いに、ひとつの実験をさせていただいた。近世史の論点をあつかう本書は、日常生活を成り立たせている<文明システム>の視点に立って、江戸時代史像を描こうとした試みである。古い時代のことはどうも苦手だ、という方にもぜひ手にとっていただきたい。人口が減少し、経済も縮小すると懸念される21世紀の日本である。未来をどのように切り開いたらよいかを考えるうえで、何がしかのヒントを見つけていただきたいのである。それゆえ本書は、<未来志向の歴史学>と言ってもよいだろう。<純歴史学者>でない筆者の試みは、まだ意欲ばかりが先走ったきらいがある。読者の方々の批判をいただいて、さらに密度の濃い作品に実らせたいものである。


 

今月のひとこと 2019年7月号

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2019年7月1日
大騒ぎのG20がやっと終わりました。 大阪市内と離れてるし外出もしないので、関係ないかと思っていたら、なんと宅急便に影響が出て、荷物を送れませんでした。 G20と言うか安倍政権委対する評価は経済紙が結構厳しいですね。 日経も厳しかったし、先のイラン訪問に対してもウオールストリート紙もぼろくそだったようです。 結果的にはアメリカの対中国関税第4弾も中止になるし、大騒ぎした割には、代替え案もないし、まあこんなものかと思います。 G20首脳宣言を何とかまとめることが出来たのは良かったと思います。

国会も予定通り閉会しましたが、その直前の年金2000万円不足騒ぎは、麻生さんの対応のまずさもあって大騒ぎになりましたが、年金を考えるには良い機会になったのではないでしょうか? コトの発端となった金融庁の報告書ですが、大騒ぎする人はほどんどこれを読んではいないのでは無いかと思われます。

報告書自体は金融庁のサイトからpdfでダウンロード出来て、すぐに読めます。 内容は金融庁らしい、非常にまじめな力作です。 下手な市販本より遥かに良く、これを無料で読めるのは素晴らしいことです。 淡々と執筆していて、淡々と2000万足りないと書いてしまったのを切り取られて報道されたのです。

これを書いた人は、非常に事務的と言うか、淡々と分析評価をしているので、あの騒ぎには唖然としたと思います。 さらにこの件で引責辞任を迫られた局長は気の毒としか言いようがないですね。

この騒ぎの中で、ちょうどねんきんネットのサイト開設のIDが来たので、早速アクセスしてみました。 すでに年金受給中なので、みてもあまり意味がないのですが、従来の郵送のものとどう違うのか見てみました。

一言で言うと、役所が作ったものとしては、出来がものすごくよいです。 もちろん年金機構が作ったのではなくて、どうもNTTデータが関与している様子ですが、さらに下請けにだすので、そこの力量がポイントになると思います。

良くできているシステムの第一はE-TAXの国税庁のシステムですが、これは間違えると大変なので、慎重に作ってあると思いますが、最近の更新で、だんだんスパゲッティになってきたようで、わかりにくいメニューなどが増えてきました。

ねんきんネットのシステムは、そんなに複雑でもなく作ったばかりだと思うので、なかなか快適です。 自分が払った保険掛け金の額が50年前からずっと残っていて、おまけに激変した部分はちゃんと色がついていました。

最初から、こう言うシステムを作っておけば、余計な議論と時間と費用が節約できたのにと思います。 マイナンバーもシステムは出来ているのですが、ほとんど利用されないままになっています。

日銀の金融政策が行き詰ってきていて、次の手がなくなってきています。 金利を下げたりマイナスにするのは、金融理論からすると正しいのも知れませんが、日銀がさんざん言ったインフレ期待を高めるという点では、まったく正反対だと思います。 この中で、出てきたのがMMT (Modern Monetary Theory)。 自国通貨も発行権のある国が自国内で消化できる範囲なら、いくら通貨を発行しても問題ないと言うものです。 これが使える条件を満たすのは、日本とか2-3か国しかないのですが、日本の政府債務残高を正当化することはできます。

いずれにしても、少し前の国の借金が大きくて大変。 日本は沈没すると大騒ぎしたことは何だったのか。 このMMTを推進しているのが、保守右派の西田昌司参議院議員だと聞いてびっくり。

ここに日本政治の左右のねじれと言うか、左派リベラルの存在意義がなくっていると感じました。 そもそもリベラルは、大きな政府で、増税して福祉を充実すると言う立ち位置があったはずで、反対の右派は減税して、小さな政府を目指し、低負担低福祉、残りは自助努力と言うのが本来の立ち位置です。

アメリカの2大政党がうまく機能しているのは、右派の共和党が特に富裕層の減税と福祉切り捨て、つまりオバマケアを縮小しようとしてます。 反対に左派の民主党は増税で、オバマケアを推進すると言う方向で、政策の対抗軸がはっきりするわけです。

野田元首相の消費税増税で福祉を充実と言うのは、まさにリベラルの政策そのものだったのですが、ここに3党合意で保守の自民党を引きずり込んだまでは良かったのですが、これ以来保守であるはずの自民党が消費税増税を言い、リベラルの野党は増税反対を言うという、ねじれが生じてしまって、自民党は保守本来の政策を推進すると共に、本来野党の政策である増税で福祉充実も取り込んでしまって、結局リベラル野党の出番がなくなってしまったのです。 それで単なる反アベしか言えなくなってしまって、衰退がはじまっているのです。

前述の西田議員のMMTも、本来はリベラル野党の政策であるはずで、現にアメリカの民主党大統領候補の政策案でも、MMTまでは行かないまでも、財政出動の政策はどんどん出てきています。 西田議員はTV番組では、それなりに論陣を張っていましたが、あまり迫力もなくて、居心地が悪そうでした。 そりゃリベラルの政策を言うのは落ち着かないでしょうね。

今月の読み物は先月に少し紹介したジョージ・オーウェルの『一九八四年』 新訳版 ハヤカワepi文庫 \929

先月号で紹介したときは、ずっと前には読んだことがあったのですが、細かいところは忘れていたので、改めて読んでみました。 電子書籍で読んだのですが、あとで良く調べると、すでに著作権は消滅していて、日本語で無料で読めるものが、ネットにアップされていました。 少し読みにくいですので、有料の方が良いかもしれません。

町のいたるところにテレスクリーンがあって、それによって監視されているのですが、少し前ならだれがそれを監視するか、膨大な人手が必要と思っていたのですが、最近のAIの発展で、人手に関わらず監視できるようになりました。 現在の中国の監視カメラでの監視を想起します。 顔認証だけではなくて、歩き方とからも人物特定できて、いつだれが何処にいるのか瞬時にわかるそうで、1984の世界が実現しているのです。

過去や事実の改ざんとかも、現在の中国政府のやり方をみていると同じようなことになってきています。 1984の改ざんは徹底していて、新しい事実が出てくると、それに反する過去の記述はすべて改変されてしまいます。 AIとデジタル媒体による記録であれば、完全に実行できそうです。

2+2=4と2+2=5を同時に正しいと言う二重思考やニュースピークと言う新しい言語によって、思考の幅を狭めて、支配者に都合の悪い考え方そのものを単語を制限することで、出来なくなるようにするとか、徹底していますね。 ニュースピークは、中国の漢字を簡単にした簡体字を想起させます。

韓国の表記も気になりますね。 漢字を排して全部ハングルで表記するので、元々日本で明治のころに作られた新しい概念の漢字を、そのまま韓国語読みしてハングルで表記するので、非常に分かりにくいそうです。 漢字のままだと見ただけで意味は大体わかりますが、それをハングルにすると元の意味は失われてしまって、何故こう発音するのかが分からなくなっているそうです。

最近の韓国の言動が過激化しているのは、この辺にも遠因があるのではないかと思って検証中です。

元々漢字は、言葉の違う民族をまとめるのに有効だったわけで、現に日本では、中国語を漢文と称して、返り点などを振って、要するにほぼ同時通訳をやっているわけですね。 さらに音読みと訓読みと言うまったく関係のない二か国を同時に扱っているわけです。 さらに読みだけが残った平仮名とカタカナがあり、非常に複雑な表記になっていますが、漢字かな交じり文は読むには便利で読みやすいです。


 

今月のひとこと 2019年6月号

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2019年6月1日
トランプ国賓来訪は大騒ぎでした。 全体としてはうまく順調に行ったのではないでしょうか。 この訪問や今月のG20を契機に、日本の外交地位が大いに高まっていることは間違いないでしょう。 、中国は図体は大きいが、その思考はまだ途上国だし、EUはそれ自身の存立が怪しくなってきていて、イギリスは民主主義の根幹が揺るぎ、フランスでもポピュリズムが吹き荒れ、盟主でユーロの恩恵を最大限に受けたドイツにもポピュリズムが台頭してきています。 最大の力を誇るアメリカも何をしだすかわからないトランプ大統領のポピュリズムと言って良いでしょう。

最近はトランプ氏の評価も例のハノイ会談を蹴った時から、明白に変わってきているようです。 対中国政策は、オバマ前大統領時代の反対を行く強硬路線で、これには敵である民主党も支持をしています。 日本は米国の51番目の州になるとか言われたこともありましたが、このまま中国のやりたいようにやらせると、尖閣はもちろん沖縄もさらには本土も中国のものになって、私の生きているうちにはならないとは思いますが、中華人民共和国日本自治区になるのは51番目の州よりイヤです。

中国では国民全員に個人番号ならぬ個人点数がつけられて、この点数で日常生活の出来ることが制限されていくようです。 まあクレジットカードの与信ランクみたいなものでしょうが、もっと精密で全員に適用されるのは、英国のジョージ=オーウェルの小説「一九八四年」に登場する「ビックブラザー」が現実のものになると言うことです。 現在の状況は、単なる関税を掛け合う貿易戦争では無くて、将来の世界がジョージ=オーウェルの小説「一九八四年」になるかどうかと言う分水嶺に居ると思います。

今朝の新聞でスパコンの「京」の後継マシンの名前が「富岳」となったと報道されました。 名前は公募したようで、その他の候補は「穹」(きゅう)、「叡」(えい)、「Yukawa」(ゆかわ)、「凌駕」(りょうが)、「光明」(こうみょう)、「解」(かい)などがあり、応募数の1位は「垓」(がい)、2位は「雅」(みやび)、3位は「極」(ごく)だったそうですが、公募時に提示していた「世界トップレベルの性能をアピールする」「親しみやすい名称」などの条件を加味して採用しなかったとのこと。

「ふがく」と聞いて、旧日本軍の超大型爆撃機を思い出しました。 こっちは「富嶽」ですが、アメリカ軍による初の日本本土空襲が行われた1942年(昭和17年)に、中島飛行機の創始者である中島知久平が立案した「必勝防空計画」に書かれていた、アメリカ本土空襲を可能とする大型長距離戦略爆撃機です。

アメリカ本土爆撃を視野に入れ日本を飛び立ち太平洋を横断してアメリカ本土を爆撃、そのまま大西洋を横断してドイツで補給を受け、再び逆のコースでアメリカを再攻撃しながら戻ってくるか、またはソ連を爆撃しつつ世界を一周すると言う壮大な計画であった。全長45m(ボーイングB-29の1.5倍)、全幅65m(B-29の1.5倍)、爆弾搭載量20トン(B-29の2.2倍)、航続距離は19,400km(B-29の3倍)、6発エンジンを目指したとのこと。

スパコンの富岳は、この爆撃機と同じく世界一を目指して超ド級のスペックになっていて、1000億円を超える開発費で富士通によって開発された64ビットCPU「A64FX」を搭載します。 このCPUは、英Armの命令セットアーキテクチャ「Armv8-A」をスーパーコンピュータ向けに拡張した「SVE」(Scalable Vector Extension)を実装し、「幅広いソフトウェアに対応する汎用性、超並列、超低消費電力、メインフレームクラスの高い信頼性を実現するとのことで「京」の120倍の性能が出るそうです。

クロックは良く分かりませんが、メモリは32Gバイト、バンド幅は512ビットで1Tバイト/秒、ノード当たりつまりチップのコアは何と48コア+2アシスタントコア(何か良く分かりませんが)、1ラックに384ノード収容で、何ラック並べるのかは、実際の運用との兼ね合いだと思います。 もし100ラック並べると、「京」の性能が1ラックで出ることになります。 これで、スパコン世界一を目指して欲しいと思いますが、すぐに追いつかれるでしょう。 この分野は体力勝負になってきました。

今月の読み物は、「消された「徳川近代」明治日本の欺瞞」 単行本 原田 伊織 著
Kindle版 ¥1,263 単行本 ¥1,404
江戸時代の再評価が盛んですが、本書は特に幕末の明治維新に関しての新たな視点を示します。 我々が学校で学習したなかで、太平洋戦争敗戦と明治維新は、近代の出来事として、一定の評価がなされています。 太平洋戦争敗戦時に関しては、アメリカ占領と言うハッキリした事象があり、憲法がマッカーサーにより作られたと言う話などが明白になってきていて、如何に占領軍の刷り込みがあったのかハッキリしてきています。

一方の明治維新に関しては、本来は徳川全否定、新政府万歳が、新政府の刷り込みのはずですが、これに関する評価があまりなされていなかったように思います。 江戸時代を再評価する段階で、幕末の徳川政権の活動があまりにも悪く言われすぎでは無いかと常々感じていましたので、本書はその点にズバリと切り込んだ、痛快な一書です。

幕末の徳川政権には、たくさんの有能な官吏が多くいたはずですが、それは新政府によって、本書に言う「土中深く埋め去られている」と思います。

商品の説明 内容紹介
明治政府に消された幻の「徳川近代」
『明治維新の過ち』を嚆矢とする「維新三部作」の著者待望の新章第一弾。
明治ニッポン近代化の礎を築いたのは薩摩でも長州でもなく、西郷・大久保でもない–。『明治維新の過ち』で、教科書的な明治維新観に一石を投じた著者が、明治政府によって埋没させられた歴史を丹念にひもとき、歴史の真相に迫ります。
明治に改元される5か月前、幕臣小栗上野介忠順が新政府軍に取り調べを受けることなく斬首。後に大隈重信によって「明治政府の近代化政策は、小栗忠順の模倣にすぎない」とまで称された逸材である。本書は、横須賀に製鉄所、築地に日本で最初の本格的なホテルを建造した小栗の歩みを照射することで、徳川幕臣らによって進められていた「近代化」の全貌をひもときます。
さらに、咸臨丸でアメリカに渡った遣米使節の一員だった秀才・小野友五郎など、ニッポン近代化の礎として活躍した幕府のテクノクラートの足跡を辿り、なぜ彼らの功績が埋没したかを検証。抹消された歴史の真実を解き明かします。

【編集担当からのおすすめ情報】
大隈重信によって「明治政府の近代化政策は、小栗忠順の模倣にすぎない」とまで称された逸材・小栗上野介。横須賀に製鉄所、築地に日本で最初の本格的なホテルを建造した小栗の歩みを照射する。