今月のひとこと 2022年3月号

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今月のひとこと 2022年3月1日号


コロナもやっとピークを打ったと思いましたが、その後の落ち方が少なく、蔓延防止も3月末ぐらいまで延長されるようで、まだまだ安心はできません。 私のところでもまだ3回目のワクチンがの接種が終わっていないので、これがある程度浸透して、飲み薬治療薬が出ると、やっと普通の風邪程度にの扱いにはできるんじゃないかと思います。 イギリスではすでに通常の風邪の扱いになっているみたいです。

コロナがやっと落ち着く気配が見えてきたと思ったら、今度はウクライナ問題です。核使用をちらつかせるプーチンの精神状態がおかしいんじゃないかという報道もあり、キューバ危機以来の危機です。 キューバ後は大国による核を背景にした戦争はもう未来永劫起きないんではないか、ということでしたけれども危険な何十年か前の状態に戻ったのでないかという気がします。

バイデン大統領もはやばやと戦力投入しないということを表明しましたが、これはやはりプーチンが核使用をちらつかしたせいではないかと思います。現に第3次世界大戦に言及しています。 確かに大規模にアメリカ軍やNATO参加すればプーチンは戦術核を使うに違いないということです。

なんとなくおとなしいと思っていた中国は事前には、侵攻が始まるまでロシアは侵攻しないと信じ込んでいたようです。 オリンピックの時にプーチンと習近平は会談してるのですが、どうもその時にはプーチンは何も言わなかったようです。 その前には3か月に渡ってアメリカは中国に侵攻の機密情報を流して、最後はブリンケンが直接言ったらしいのですが、中国はアメリカの謀略だと取り合わず、その機密情報をロシアに流したそうです。 習近平の面目は丸つぶれです。 忖度が働き過ぎて、既に裸の大様状態のようです。

プーチンはおそらくオリンピック終わった後から次のパラリンピックが始まるまでの間に侵攻を決着するつもりであったのではないかと思われますが、ウクライナの必死の抵抗で思い通りに進んでいないのでしょう。 それで核発言になったと思われます。 さらに大統領の斬首作戦で、プーチンの知り合いの傭兵会社に依頼して、2000人の中から選抜した400人をキエフに潜入させているとのこと。

ゼレンスキー大統領もここが踏ん張りどころで、ロシアの補給が遅れてキエフまで30㎞の所でストップしている、この10日間を持ちこたえれば、ロシアはの自主的な敗北になってしまいます。 休戦会談を開いたのもこれへの準備ではないかと思われます。

国連の委員会でのケニア代表のスピーチが話題を呼んでいます。 3分ほどですが、アフリカは、列強諸国が勝手に国境線を引いてしまったが、この現状を変えたいとは思わず、現国境線で、最善を尽くそうとしている。 それを大国が破るのはおかしい。と言う内容ですが、格調高いスピーチで、日本もこれくらいのスピーチをすべきでしょう。 もっともケニアも隣国に軍隊を送ったり、そう綺麗ごとだけではないと言う批判もありますが、ここまで言い切ったのは立派だと思います。 世界の良識はまだ残っています。

いずれにしてもロシアの侵略が完全に成功するわけにはいかなかったので、これをどう決着させるのかの落とし所がますます見えなくなっています。 プーチンとしては何らかの成果を取らないと何のためにこれだけ大規模な侵攻をしたのか意味が無くなるし、ウクライナも武装解除なんかは絶対にしたくない、問題の先送りだと思うでしょう。

中国はロシア侵攻そのものの対応は失敗しましたが、台湾がウクライナと似たような状況なので、これをじっくり眺めているのではないか。 時には核をちらつかせるのが有効なのかどうか、この辺の見極めをしてるはずです。 核をちらつかせるとアメリカが出てこないということは台湾有事の場合も角をちらつかせて威嚇するでしょう。 しかしこれは日本にとっては非常に危険なことです。

ウクライナ問題は自国を守り切れない国というのは非常に危ういというのが良く分かった事件で、ウクライナもそれなりの戦力は持っているはずですが、NATOやアメリカとの同盟がないのでその助けを得ることができません。 それでNATOに加盟しようとしたのですが、それを止められていると言う事は、自国の独立を守るには有効な抑止力だと言うことが明らかになりました。

ドイツの変身が素晴らしい。 これまでは武器供与と言って送ったのがヘルメット5000個のみ。 しかし今週になって、対戦車砲もミサイルも送る、さらには防衛費をGDP比2%にする、ロシアの天然ガスに依存しないように、原発や石炭火力もも当面維持する等々、大変身です。日本も対岸の火事ではないので、議論ぐらいはスタートすべきでしょう。

この時代において大国による侵略というのは夢物語と言うか有り得ないと思っていたのですが、これがあり得る事がわかって、まず台湾、次は例えば沖縄を半独立させて、その独立にかこつけて日本を侵略するということも考えらないことはないですので、やはり同盟と自国を守る戦力をきちんと保持することが重要です。

最近安倍元首相が核三原則のうちに持ち込みを許す、ということを発言して大きな反発も出てるようです。核兵器の原料のプルトニュウムは山と溜まっているし、核処理技術もあり、ロケットの技術もあるので自力保有は可能だと思いますが、時間的に厳しいし、政治的な困難性もあるので、持ち込みと言うか共同保有は現実的だと思います。 唯一の被爆国である日本は、唯一核保有をする権利があると思います。プーチンはとうとうパンドラの箱を開けてしまったようです。 コロナ後はますます暗い世界になると思います。

日本は対ロシアでは北方四島の帰属問題を抱えておりますのでこれはどうやって行くか返せと言っても返ってこないのでロシア流に取りに行くということも考えられますが現実的には不可能で可能性は極めて低いですが、ロシアはきちんとヨーロッパだけではなく日本の北のサハリン東方海上に既に大規模な演習をやっておりますので、裏口を固めて表口でウクライナをやっているという感じがします。 ロシアも二正面作戦をしないといけないので厳しいのではないかと思いますが、このサハリン沖ぐらいでアメリカ軍と自衛隊が訓練をしても別にそれ自体は悪くなくて、牽制にはなるのではないかと思います。

ウクライナ問題で IT の話題は少なくなりましたが、今回は前回のクリミアと違ってサイバー攻撃と言うのは、あまり起こらなかったと思います。 日本のトヨタ関連企業はランサムウェアできっちりやられてるみたいですが、どうもウクライナとロシアでは先にその辺の防備が入ってきっちりしていて、そういうのはあまり起きてませんが一番簡単で効果がある DDoS 攻撃はどんどん行われていて、国際ハッカー集団のアノニマスも、さすがにロシアに対して DDoS 攻撃をやってるみたいです。まあ DDoS 攻撃は避けようと思えば回避できるのでそんなに深刻な話ではないと思います。 逆に言うとDDoSぐらいしかできることならないんではないか、防御がキチンとできるようになってるんではないかと感じています。

今週の読み物ですが、ずっと昔の小説で、たまたま別の本と間違えて買ってしまったのですが、「小松左京のさよならジュピター」久しぶりに若いころに読んだ小松左京を読みましたが、なかなかねちっこい文体とそれに反した、もともと映画化するつもりだったのでシナリオ的な書き方になっていて、その場面が画面が目に浮かびます。

さよならジュピター (徳間文庫) 小松左京著
¥1,100 Kindle 価格

太陽系周辺地域のエネルギー源として木星を太陽化してしまうというお話が発端で、メインテーマは小型のブラックホールが太陽に突っ込むというテーマです。 これを書かれたのは1980年ぐらいだと思いますが、それにしてはブラックホールの記述などその当時としては最先端の情報だと思います。 今から見ると AI の描きかたがなんとなく2001年宇宙の旅みたいな感じで、当然インターネットが全く登場しません。

これは時の流れを感じるというよりはインターネットの爆発的な発達を感じます。 しかし他の天体に関する情報というのは非常に正確でした。中には無重力状態におけるセックスとかも散りばめてあってなかなか娯楽大作としては面白いのではないかと思います。 いずれにしても非常に長い小説ですが場面場面がどんどん切り替わっていくので読みやすいと思います。 この40年ぐらいの時間差を感じながら読むのもなかなか面白いでしょう。


 

今月のひとこと 2022年2月号

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今月のひとこと 2022年2月号1日号


年が明けてオミクロンコロナの蔓延もあってか、1月は非常に長く感じました。 やっと1か月が過ぎたと言う感じで、オミクロン株もそろそろピークになるとは思うんですが、やはりいくら重症化しないと言っても感染するのは嫌なので、外出は出来るだけ自粛しています。 しかし、そろそろ活動しようかなと思っております。

大量に持っている CD を自動車のデスクナビに入れてあったのですが、このディスクナビをクリアしないといけないことになったので、新たなライブラリーをどこにしようかと色々試行錯誤しました。 Windows についてるメディアプレイヤーは一番ポピュラーですが、あまり役に立ちません。 ローカルで持つか、ストリーミングにするか、ということで、やはり昨今はストリーミングの方が断然有利みたいで、そこで思いついたのが YouTube Music。 YouTube Music は意外と良くできていて自分でも楽曲を10万曲までアップロードできますので、私にとっては無限と言っているほど大きい容量になります。

アップロードしたCD楽曲と YouTube Music が持つ楽曲、さらにはスマホ自体にローカル保存している楽曲と、ほぼシームレスで使えるということが非常に良いと思います。 音質はそんなに良くは無いのですが、スマホとは Bluetooth で繋いでいる事もあり多少の音質の劣化はしょうがないと思います。

アップロードするデータの作り方が問題で、MP3をそのままアップロードすると楽曲のタイトルとかアルバムのタイトルが文字化けしますし、ジャケットの画像も出ません。 これを何とかしようといろんな変換ソフトを試しましたが、手順が非常に面倒なので、発想を変えて iTunes を使うことにしました。

Apple系のソフトは、以前はクセが強くて敬遠しており、ほとんど使ったことがなかったのですが、この iTunes は非常によくできていました。 MP3でも文字化けはしないし、アルバム画像も自分で少し修正してやると表示することができます。 さらには iTunes ではアーティストの画像が出ないのですが、これはストアから買えば出るみたいで、それ以外はおそらく著作権の問題があってか出ないことになってるみたいですが、 YouTube Music にアップロードするとアルバム画像を流用をしてくれるので非常に助かります。

これで大量の CD を iTunes のデータベースと YouTube Music の両方にバックアップを兼ねて用意できるのでこれをきちんと整備して行こうかなと思っております。 アップロードもYoutubeに比べて非常に遅いですが、CDからのリッピングよりは速いと感じます。 iTuneはIDが無くても、Windowsでも使えますが、IDはクレジットカードを登録しなくても取得できます。 これが無いと少し不便です。

日本経済も円安が定着して、私は以前から円安は国力の低下を招くので良くないと思ってましたが、やっと最近そういう論調になって来ました。 自国の通貨が下がって喜ぶというのは基本的におかしいと思っていたのですが、輸出輸入を考えて輸出が多いとその分は、有利であると言う事だったのですが、輸出入が拮抗してきたので、あまりそういうメリットはなくなって来ています。

「有事の円買い」と言いますが、最近のウクライナ事情でも、北朝鮮のミサイル発射でも全然影響は無かったので、円の信認がだんだん薄らいでいるのでは無いかと思います。 もちろん日本は世界最大の債権国ですので、円そのものが暴落する事は有り得ないと思いますが、為替の変動の範囲内では、金利が非常に低く、下手するとマイナス金利の国なので為替としては下に張り付くでしょう。

もっと気になるのは最近のインフレ傾向ですね。 インフルではないと日銀総裁は言っていますが、インフレ傾向であることには間違いない。 物価上昇が2%か3%で制御できるかと言うところがポイントだと思いますが、景気は上がらず物価だけ上がるのは危険な状況です。 アメリカはもう既に8%に到達してしてしまったので、慌てて他の国の状況も考えずに自国オンリーで抑え込みにかかっています。

その国の成長率と言うか金利上昇率は、その国を基礎体力もしくは基礎体温を示してると思うので、現在の日本は体温がだんだん下がっていく人間でので言えば段々死にかけてる状態で、周りの気温が上がってきたので体温も上がってきた状態では無いかと思います。

何のかんの言っても 一人当たりの GDP が韓国に抜かれたとか、OECD の中では最下位に近いとか、色々言われてました。 それなりに国力はあったと思うのですが、これからは少子高齢化の問題もあって段々それも怪しくなってきたと言う事だと思います。

それで気になったのが最近の記事で、中高年の失われた30年のせいなのか深刻な中高年の経験不足ということがありました。 30年前までは、それなりに経験を経てきて年功序列給与もある程度理屈付けができたと思いますが、今の中高年は、よく考えたら人生で重要な20歳代から50歳代までを、ほとんど低成長で過ごしてきたので、大した経験をしておらず、それで年功序列どころか全然能力アップしてないのではないか、という記事です。

それと気になるのは人材投資が非常に減ってきている事。 私はもう20年ぐらい前から、古巣の企業を外から眺めていて強く感じていて、若い頃はいつも研修で、何とかサボれないかと思うぐらい研修は多かったのですが、最近はほとんどなく OFF‐JT も現場を見ているわけではないですが、ほったらかし状態で管理職も一般も同一線に並んで、よーいドンで仕事して入る感じです。 OFF‐JTどころか上司部下が一種のライバル同志になっていて、部下を育てようと言うモチベーションが働かないのではないでしょうか。 OFF-OJTにお金を掛けず、OJTも出来ず、たいした経験もせずに企業で30年も過ごせば、本当に使い物にならない人材が生まれるのでは無いでしょうか。

私は大手の管理職は下手な MBA を持っている人間より、はるかに能力が高いと思っていました。 それだけの教育をされ、実経験をしているので、能力は非常に高いと思っていましたが、どうも最近は、そうではなく単に入社して年齢を重ねただけだけという感じがしています。

更にはいわゆる経営者と言われる人の見ていても、本当にこれは経営者かと思う人がぞろぞろいます。 稲盛さんとか永守さんなんかを見ていると、すごいなと思いますが、それ以外の誰でも社名を知っている超大手会社の、いわゆる経営者社長と話をしていても全く経営感覚がないんじゃないか、単に課長が社長になっただけみたいなサラリーマン的な人が多いです。 時折新聞を賑わす不祥事もレベルが低い。 どうせならもっと高度の不祥事を、と思いますが、こう言うのは不祥事とは言わないのですね。

一般の能力不足と経営と称する人たちとの能力不足を見ていると暗澹たる気持ちになります。 これで日本が今沈みかけている状態を掛け合わせると、お先真っ暗です。 政治ももあまりピリッとせず、本来賃上げを勝ち取るべき労組もダメで、経団連も以前の土光さんが居た頃なら世界日本全体をみて、賃上げのあるべき姿を語っていたとおもいますが、最近は儲かっているか儲かっていないかだけの話になっています。 政治家に賃上げせよと介入されるような社会主義的な動きは資本主義の会社の経営感覚としては「恥」だと思わないといけないはずです。

労組も労組で立憲を支援するかどうかみたいな話ばかりで、本来の使命の賃上げを全く言わない。 こんな状態なら、少なくともスト権を確立して春闘をやるべきです。 組合員のニーズは賃上げだけでは無いとかの言い訳ばかりで、少なくと福利厚生は賃上げの後に議論すべきです。 経営側に支払能力が無いわけでは無く、内部留保は山とあるわけで、少なくとも、そのごく一部を賃上げに向けるだけで、状況は一変すると思います。 何しろ経営でも労組もなく国のトップが賃上げしてくれと言っているのですから妙な国です。

研修という名の名前の偽装移民でて低賃金で働かせるということが蔓延しています。 コロナ下ですら何とか人件費を減らそうと実質の移民を受け入れています。 アメリカがアフリカから黒人奴隷を連れてきたのも農業が労働集約型の産業であるためで、これと同じことが奴隷ではないですが、低賃金で起きています。 長期的に何が起こるかは、自明だと思います。 ヨーロッパでは顕在化しつつあり、移民は短期的にはプラスですが、長期的には家族が増え、最終的には地方自治体の負担が増え、中程度の都市の崩壊が始まると思います。 基本的には賃上げによって、日本人が働ける環境を作っていくべきです。

財界総理とまで言われた経団連会長、賃上げの推進力であった労組、未だに力不測の政治の3者が力を合わせて、目標達成に向け努力しないと、本当に日本は三留国に成り下がってしまうと感じました。

正月明けから少しは展望が開けるかと思いましたが、相変わらずの状態で、不満が溜まっていました。 本文が長くなったし、たいした読み物も無かったので、今月の読み物は休刊です。


 

今月のひとこと 2022年元旦号

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今月のひとこと 2022年元旦号


2022年元旦。 あけましておめでとうございます。

コロナもとうとう2年目の正月を迎えてしまって、オミクロンは収束の前触れだという話もありますが、未だに先行きは不透明で予断を許しません。 確かに「コロナ後」とは良く言ったもので、今年はその変革の年になるんではないかと感じています。

働き方改革も進むでしょう。 リモートオフィスもしかりで、私が元々思っていたことで、私もなぜ毎日オフィスに行かなければならないのか?といつも思っておりました。 特に打ち合わせとか人と面談する必要のない時は、連絡は携帯とかメールで出来るので、あまりオフィスには居ないいようにしておりました。 今で言うモバイルオフィスですが、いつも出張で飛び回っていたので、パソコンがあればどこでも仕事ができたと思います。

1900年代の初期の頃は、インターネットもなく無線もなく繋がるのは電話線と9600Bpsの のモデムしかなかったので、で色々苦労した記憶があります。 その当時は閉鎖的だった中国ともメールはかろうじて通じて、こちらから国際電話を1日1回かけて、それでデータをやり取りするという事をやっていました。

私も初期の頃は出張先のアメリカからオフィスのアクセスポイントに国際電話して、メールを受発信していたという記憶があります。 当時はメーラーというのはなくて、メール送信は、コマンドで 1行ごとに入力する方法しかなくて、繋ぎながらやると接続時間がものすごく長くなって電話代が大変になるので、複数メールをまとめて、スクリプトにして接続した時にこれを流し込んでメールを送信するようなことをやっていました。 途中でエラーになると、またやり直しになります。

その後アメリカではインターネットプロバイダが出来て、プロバイダーにログインしてメールを使うようになりましたが、初期のプロバイダーは一度接続が切れると、ログイン情報が残ってしまって、再ログインするのは1時間以上待たないといけないということで色々苦労したような記憶があります。 いずれにしても、工夫次第でモバイルワークはどこでもできるということがよくわかりました。

今年のもう一つの大きな変化は自動車だと思います。 特に昨年の暮れにトヨタが大々的にEVを発表したのが大きい大インパクトになってると思います。 それまでトヨタはあまり EV には積極的ではなかったのですが、ここで一気に舵を切った感じです。 十数台もの新車を並べたのは壮観でしたが、後ろの方にあったのは、広告宣伝会社に作らせたハリボテのモックアップだったという話です。

ここから本当に自動車が生産されて納車できるかどうか、最低でも3年から5年はかかるんではないかと思っています。 いずれにしても、大きな変化で日本の場合は特に充電インフラがまだまだ未整備と言うか、10年前に先行して整備した充電インフラしか残っていないので、このインフラを更新していくのには費用と時間がかかるんではないでしょうか。

おそらく10年はかかると思いますが自動車の大半が電気自動車になった時は、その電力特にピーク電力を如何に供給していくかがポイントになるるのではないかと思います。 平均すれば全国の電力の10%程度を見込んでおけば良いと思いますが、それでも現在休止中の原発を再稼働しないと賄えないとと思います。 さらには、10‐20分でせめて自動車の半分の電力を充電しないといけないと思うので、その時のピーク電力の見積もりと対応が重要だと思います。 いずれにしても、単に自動車の車種が一つ二つ増えると言うのではなくて、社会全体のエネルギーインフラの問題が顕在化してくるのが今年だと思っています。

2017年に21世紀の三大発明だと言ってたディープラーニング、ブロックチェーン IoT ですが IoT は技術的には、あまりポイントはないのですが、ディープラーニングはどんどん進化してるようで、翻訳の精度もどんどん上がっていってると思います。 これから非常に大きな飛躍をして、自意識が発生する本当の人工頭脳に至るまでは、まだ2ステップぐらいが必要ではないか、思っておりますが、その第一ステップはとりあえずクリアして今はそれの改良段階であると思います。

ブロックチェーンはこれは最初から技術的にはほぼ確立していて、これが一番すごい発明だと思っていますが既に中国では仮想人民元を発行するという話もありますし、ビットコインを国定通貨にした国もありますし、いずれにしても技術的な側面とあとは政策的な側面が非常に大きいですが、金融政策との整合をどうしていくかということがポイントだと思います。

金融に絡んで最近気になるのは昨年から続いている物不足です。 最初は半導体不足とかいう話だったのですが、最近では医薬品も不足していて、いろんなものが不足して来ているようです。 最初は単なるサプライチェーンの問題だろうと思っていたのですが、これだけ広がってくると、これはサプライそのものの問題ではないかと思うようになりました。

本格的にモノ不足になるとなると、これを切っ掛けにしてインフレに振れる可能性はあります。 インフレ目標にすら届かないので、良い兆候だと思えば良いのですが、従来インフレはないので赤字国債はどんな発行してどんどんとどんどん金融緩和もして、ということだったのですが、ここでインフレになってくるとすると少しは身構えないといけないと思います。 まだそんなに大きく舵を切るような状態ではないと思いますが、少しは身構えた方がいいと思います。 今日の日経新聞の大機小機のコラムにもリスクに対して身構えないといけない、とありましたが、従来も似たような論調がありましたが、今回は同意です。


 

今月のひとこと 2021年12月号

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今月のひとこと 2021年12月2日号


やっとコロナも本格的に下火になってきたと先月号で書いたばかりですが、今度はオミクロン株が流行ってきて、今までの準備が功を奏してるのか、各国特に日本政府のアクションが素早いです。 いくら水際作戦をとっても完全に防ぎきれないので、時間稼ぎだとは思いますが、これからは以前のようなモタモタがあってはいけないと思います。 まだオミクロン株の詳細わからないみたいですが、どうも今までのワクチンはあまり有効ではないみたいです。 しかしながらあまり重症化しないのではないかと思いますし、従来のワクチンも重症化を防止する効果があるみたいなので、あまりひどいことにはならないと思いたいです。

やっとゆっくり過ごせると思った年末年始がちょっとこれから怪しくなったと思います。 3年ぶりにやっと開催できる夏祭りもちょっと怪しくなってきたのではないかなと思います。 真夏なので開催できるということですが準備期間があるので準備ができなければ開催は難しいということになってしまいます。 暗雲が垂れ込めてきたという感じです。

電気自動車の話題がずっと続きます。人生最後の一台として何を選ぼうかと思っていたところに自動車としてまともな日産の電気自動車(EV)があったので、それを予約したのですが、これが最初の発表から予約まで約1年それから納車まで約1年の予定のところが、このコロナ騒ぎとか色々あって結局1年半になりそうだということにもなって、最初の発表から2年半と言う長さに諦めました。

日産は10年前にゴーン氏が主導してEVのリーフをスタートさせ、フェアレディZを復活させた功績は大きいと思いますが、EVはせっかく10年前にあって、今ではそこら中にリーフ対応の充電器はたくさんあるのですが、現在の水準としては非常に低レベルの充電器になっています。 逆に足を引っ張るような形になってるんじゃないかと思います。

最初の発表から1年半ほど経ちますが、その間に他のメーカーからはどんどん出てきて、ライバルであまりEVに積極的ではなかったトヨタも新車を発表して、こちらに流れるユーザーも多いのではないかと思います。 最初に5000台ほどあった先行予約も、かなり目減りしているのではないかと思います。

仕様的には先行するテスラがダントツに進んでいますが、品質とサポートが貧弱なので、二の足を踏んでいるユーザーも多いと思います。 納車も自分でパーキングに取りに行ったり、車体や内装にキズがあったり、サポートは出張でしかやってくれなかったり、またそれが高価であったりするらしいです。

現在は第1世代のEVが出てきたと言うことで、大きなバッテリーを積むので車体も大きくて車体幅も1900ミリを超えるものが多く、車重も2トンを超えます。 問題の航続距離も400㎞程度。 充電は日本は50kwが多く、90kwもあるようですが、90kwでも制限の30分充電では、最大40kwぐらいしか充電出来ず 200㎞ぐらいしか走れないと思います。 50kwならその半分です。 長距離が走れると評判の高いポルシェのタイカンですら、長距離はエコモードで走らないといけないそうです。

数年後にまだ元気と言うことにしてEVは第2世代まで待つことにしました。 その時には、1回の充電での航続距離は1000㎞に達し、充電時間は10分。 バッテリは半分近くに小さく軽くなっているはずです。 充電機も、高機能な300kw級のものが同一ステーションに複数設置されていて、充電待ちなどと言うことは無いようになると思います。 そうなっていないと2030年か40年に100%noEV化は不可能だと思います。

IT の話題ですが IBM が100量子ビット超の量子コンピューターを発表したということでビックリしました。 びっくりして記事をよく読みましたが、これはとりあえず127ビット量子ビットのプロセッサを作って出荷するということで、一番の問題であるエラー処理に関してはまだ行っていなくて、それを研究するためのベースになるマシンだという感じです。 記事の中でも、これを使って10年後ぐらいにやっと本格な1000ビットぐらいの量子コンピュータができるんだろうと書かれています。

意外と早く出来るのではないかと言われてた量子コンピューターですが、本命の量子ビットのコンピューターはなかなか難産みたいです。 問題は根が深くて量子そのものが不確定なので、そのエラーはどうしても出てしまいます。 不確定性は自然界の基本なので、それを何とかしようと言うので自然の根幹に関わるような話になってくると感じております。

今回の「Eagle」プロセッサーは重六角形の量子ビット配置という、「Falcon」プロセッサーで採用されたレイアウトをベースにしており、各量子ビットは隣接する六角形の辺や角に相当する位置にある近傍の2つないし3つの量子ビットと接続される。この接続形態は、近傍にある量子ビット間の相互作用によって引き起こされるエラーの可能性を低減し、実用的なプロセッサーを実現できるとしています。 ちなみに1000量子ビットを超えるのは「Condor」プロセッサーであり、「Eagle」プロセッサーはその土台になりうるとしています。

今月の読み物は、特になかったので、美術展覧会をハシゴしてきたので、その話題にしたいと思います。 最初は大阪市立博物美術館で開催されていたメトロポリタン美術館。 これは思ったより良かったです。 これは予約制で事前にお金はチケットを購入、しかも2100円もするのですが、コロナ下にしても、物凄い人でビックリしました。 東京はもっと凄まじいいですが、大阪でこれだけ人出がある展示会というのは、あまり見たことがなかったのでびっくりしました。

展示もなかなか面白くて、あまり名前の知らないが面白いのが沢山ありました。 知っているのでも例えば、白内障だった時のモネの睡蓮とか、目が見えなくなった晩年のドガの油絵とか、あまりフェルメールらしくないフェルメールとかありました。

私が一番面白いと思ったのは、元々ダビットの絵だと思われていて、タイトルは長いので略しますが逆光で描いたのが非常に良かったです。 パンフレットではあまり良く分からなかったが腰の後ろで結んだリボンが逆光に浮かんで綺麗でした。

次はあべのハルカス美術館の「福富太郎の眼」と言う展示会。 そこそこ面白かったです。 三園と言われる 上村松園・池田蕉園・島成園 プラス伊藤小破があって満足でした。 すごいなと思ったのは、横長の巻物みたいになってるアルサロの舞台裏の絵。 伊東深水は流石に上手だと思いました。 伊東深水は鏑木清方の弟子、朝丘雪路のお父さんです。

満谷国四郎と言う作者は知りませんが、最後のコーナーで「軍人の妻」という大作があって、これは非常にインパクトがありました。 アメリカのオークションで競り落としたと言う事です。 目に見てもわからないぐらいの涙がうっすらとあって、これは悲し涙なのか、やっと戻ってきたと言う嬉し涙なのかというのがキャプションで書いてありました。 アルサロの帝王の福富太郎らしく、女性のしかも裸体画が多かったのですが最後の最後でビシッと決まったという感じがしました。


 

今月のひとこと 2021年11月号

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今月のひとこと 2021年11月3日号


やっとコロナも本格的に下火になってきました。 このハロウィンの人出がどの程度効くのかは、11月中頃になれば出てくると思いますが、次の波は年末から年始にかけてではないかと思っております。 またウイルス変異が無害の方向に向かったのではないかという見方もあり、ワクチン接種も普及したので大きな波は来ないのでは、と思っております。 以前のSARSもいつの間にか消滅してしまいましたので、コロナもだんだん消滅していくんではないかと期待しています。

なかなか面白い総選挙が終わりました。 自民党が大負けすると言う予想に反して、安定多数を確保するまでになりました。 これを受けて市場は反発しました。 全体に負けたところはそれなりですが、勝ったところは、あまり高揚感もなく淡々としてたのが印象的です。 自民党と立憲民主党がそれぞれ大体15ぐらい減らしたのが、そっくりそのまま維新に行った感じで、あまり想定していなかった維新が浮かない顔をしてたのが印象的です。 魔の3回生と言われた新人議員が意外に健闘して、小選挙区でも5,000票以下の接戦を競り勝ったのが大きいと思います。 選挙の鬼みたいな小沢一郎に競り勝ったのも3回生でした。

松井代表とか維新の主要メンバーは私の住んでいる八尾市が本拠です。 特に松井代表は親父さんも府議でしたし、現在の代表も元は府議で、私の家にも選挙運動でやってきたことがあります。 未だに近所のおっちゃんという感じがして、あまりオーラも何もないという感じがしていて、政治的には腕力があるんでしょうが代表になった頃に何か言うと「えー、えー」と言うのが多かったので、それを何とかしてくれと思っていたのですが、この頃はだんだん減ってきたのではないかと思います。 もう代表は引退すると言っていますので、吉村知事とか馬場幹事長に交代になるのでしょうが、もう少し泥臭さを払拭して欲しいと思います。

維新は大阪では全勝で、実際の現場で見ていても維新の特に市会議員や府会議員ですが非常によくやっている感じがするので、人気が高いのは良く分かりますが、これが本格的な国政政党になった時にどうなのか、という疑問があります。 今だに議員報酬カットとか国会議員定数の削減とかしか言っていないので、マクロな経済政策をどうやって行くのかと言う事を示してほしい。 これから一皮も二皮も剥けてこないといけないと思います。

初代代表の橋下徹時代に文楽や交響楽団の補助金をカットしたしたことは、まあ良いとしても大阪市立美術館を潰そうとしたことは絶対忘れていません。 この時に頭によぎったのは「人はパンのみにて生くるにあらず」という言葉で、こういう文化的な事に関しては危ういものを感じますので、この辺も含めて国政政党に脱皮して欲しいものです。

消費税は今回の総選挙で大きな論点にはならなかったものの、イシューとして自民党を除いて各党が触れていました。 以前から消費税というのは良く分からないなと思っておりましたが、民間給与がこの30年間で全く上がっていないというのも気になっていたので、色々考えていくと、どうもこれに消費税が関連してるように思うようになりました。

もちろんデフレ下にあったことで上がらないという側面もありますが、逆に給料が上がらないからデフレになったということにもなり、もともと給与というのは消費税の対象ではないと言うことだったので、あまり頭に無かったのですが、よくよく考えると言葉が悪くて本来は「付加価値税」なんですね。 付加価値の中から給与を支払うので原理的に給与には間接的に消費税がかかっているというか、影響を受けるわけです。

社会保険料はマクロ経済スライドということで納付が減ると自動的に増えるようになっていて、何の議論もなく増えていきます。 給与に連動し半額負担する企業としては、社会保険の負担増とじわじわ上がった消費税の影響で、給与を上げない、正規社員を増やさないと言うインセンティブが働くわけです。 これがじわじわと長期間に効いていて茹でガエル状態になっているのが問題だと思います。

特に社会保険は平均給与の下あたりから急に負担が増えるような仕組みで、さらに上限があり高額所得者にはあまり影響はないので、中流層直撃の仕組みだと思います。 これが、20年に渡って給与水準が上がらず、円安も加わって、OECD諸国の中で最低ラインに落ち込んだ最大の理由ではないでしょうか。 これとデフレ圧力が両輪となって、失われたあ30年になろうとしています。

異次元の金融緩和も良いので、これは続けるとして、同時に老朽インフラへの大規模公共投資と、さらに経済が持ち直すまでの、10年間くらい消費税を撤廃するのも、最初は荒唐無稽だと思っていましたが、これくらいしないとデフレ脱却は不可能で、それこそ失われた40年、50年になって次世代に大きなツケを残すことになります。

「国の借金」という言葉をよく聞きますが、言葉自体が間違っている上に、この言葉は財務省の言葉でこれを使っている経済学者は御用学者で国民が如何に苦しんでも財務省は安泰、財政均衡は(文字通り)死んでも守ると言う人々らしく聞く耳を持ってはいけないと思います。 この後に及んで、おまけに総選挙直前に、政権批判の論文を発表した財務省次官が典型だと思います。 この人は、これから緊縮財政にして、どうやって国力を上げていくのか、もっと下がっても良いと言うのか、政府の官僚トップとして非常に疑問です。正しく「政府の債務」と言ってる人の意見を聞きましょう。

10年以上まえに政府の債務残高を家庭の借金に例えて、大変だ大変だハイパーインフレになると大騒ぎしたのは何だったのか、あれ以来異次元の金融緩和もして財務省の言う「借金」は大幅に増えましたが、インフレになるどころか一部はマイナス金利になってしまいました。 当時に大騒ぎした人に言い訳をすべきだと思いますが、今まで聞いたことが無く挙句の果ては次官論文で、開いた口が塞がらないとはこのことだと思います。 一方で家庭部門の金融資産が1千兆円を超えていると言う事には何の説明もありません。 唯一MMTだけが、正しいか間違っているかはともかく説明をしています。

財務省のHPを見ると、財務省はこの辺の理解をキチンとしていて、国債をいくら発行しても日本の財政は問題ないと言う見解を示しているので、次官論文とか御用学者の説明は、国民を騙そうと嘘をついていると言うのが一番許せないところです。 公文書改ざんも大問題ですが、それ以上に国民全体の生活に関わるところで虚偽を言うのは、最大の罪だと思います。

今回のノーベル賞は何か非常に違和感がありますね。 単なるコンピュータシミュレーションで、流行りの気候変動予測だとしてもコンピューターシミュレーションにノーベル賞が出るというのは非常に不思議で、ノーベル賞に数学部門がないというのは物理現象を対象としてないという理由があり、一説には創設者ノーベルは数学が嫌いだったという話もありますが、コンピューターシミュレーションはまさに数学なので、これにノーベル賞を与えるというのは非常に違和感があります。 これならマイクロソフトやGAFA にあげてもいいんじゃないかと思います。 受賞本人も、受賞理由はそこですか? と漏らしていました。

本当に発明と言うならば、ブロックチェーンの発明者は不明ですが、ノーベル賞級だと思いますし、AIのディープラーニングも立派に資格はあると思います。 今回のノーベル賞は地球温暖化に絡めた極めて政治的な受賞で、平和賞と似てきて物理学賞お前もか、と言う感じを持ちました。

東北大学長当時のの西沢さんの講演を聞き、後で少しお話をしましたが、講演の中で「自然科学が唯一の科学で他は数学を含めて応用科学だ」と断言されたのがショックで良く覚えています。コンピューターサイエンスは、数学の1分野なのでビックリしましたが、良くも悪くもこの定義をノーベル賞が破ったことになります。

今月の読み物は「ルワンダ中央銀行総裁日記」中公新書 2009/11/1 服部正也著
Kindle版 (電子書籍) ¥1,000 新書 ¥1,056
これはもう10年ぐらい前に読んだと思うんですけど、最近また新聞広告が出てたのでびっくりしました。 ルワンダの中央銀行総裁として派遣された日本人の奮闘記で、単に地方の子会社に飛ばされたというようなレベルではなくて、本当に銀行の概念すらない、行員はもちろん住むところも無いところから、その国の中央銀行を立ち上げるという想像を絶する偉業を成し遂げた人の話です。 それだけだったらしんどい話だけですが、文章が面白く、読み物としても非常に面白いので一気に読んでしまいました。 是非一読をお勧めします。


 

今月のひとこと 2021年10月号

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今月のひとこと 2021年10月2日号


コロナの第5波もやっと下火になってきて、しかしこれからまだ第6波が年末にかけて始まりそうで、できることは今のうちに色々やっておきたいと思って、皆動き出すのではないでしょうか。 いわゆるブレークスルー感染があるみたいで、ワクチンを打ち始めてから半年ぐらい経つと、中和抗体が減ってきて免疫が効かなくなってくるみたいで、先に接種した医療従事者の間では意外とブレークスルー感染が多いようです。

一般の人も年明けぐらいからは第3回目のワクチン接種をやらないといけないではないかと思います。 結局これがいつまで続くのかよく分かりませんがデルタ株の威力が意外と大きかったので、次の変異が出てくると、それに引きずられるんではないかと思います。 去年の最初の頃に、こういう波が起きては収束し、また起きて収束すると言う事を何回も繰り返すと、どなたかがおっしゃってましたけど、まさにそうなってると思います。 しかも何故感染が減ってきているのかの原因をキチンと分析できていないので、減ったからヤレヤレでは次の対策が立てにくいです。

ワクチンの後は治療薬、特に飲み薬の治療薬をいかに開発して行くかは大きな課題です。 それとよくずっと言われている医療体制の拡充が、世界で一番多い人口当たりのベッド数がうまく活用されていない。 要するにベッド数に比べて、動ける医者が少ないということだと思います。 なんでもかんでも節約節約ということでカットしたところに、ちょうどコロナが来たんでますます混乱が増えてるような気がします。

先の自民党総裁選は、アメリカの大統領選に少しは似て、政策を戦わせてるのは面白かった。 中には生煮えや思い付きの政策があったりして、そう言うのは討論で、すぐに分かりますね。 この中で意外だったのは脱原発政策があまり支持されていない感じでした。 原発は嫌だという人はもっと多いかと思ったのですが、これが意外と少ない感じです。

私はもともと反原発だったのですが、福島事故以来少しは真面目に勉強して。原発派に逆になってしまいました。 こういう神(自然)から与えられたエネルギーをきちんと使わないというのは人間として情けないと思いますので是非これは活用して欲しい。

高市早苗候補は小型原発とそれと核融合炉の話がごちゃごちゃになって報道されてました。 核融合炉をすぐ作るみたいな事が新聞に載っていましたが、新聞記者がいい加減だと言うかのよくわかりました。 彼女の話をよく聞くと小型の核分裂炉を作って、将来に向かって核核分裂炉を研究するという二本立てだったんですが、それを一つになってしまっていました。 しかし核融合炉がクリーンだと言うのは少しおかしくて、高速の中性子は出てくるので、これが構造物に当たって放射能化しますので、分裂炉ほどではないですが、放射能は出ますし、その処分も考えないといけないと思います。

総裁候補の皆さんは触れてなかったですが、工業用としてはバッテリーより水素エネルギーが重要で、ただどうやって作るかと言うのが問題です。 現時点では石油由来の水素はブラウン水素とか言って製造過程で二酸化炭素が沢山出てくるので、あまり良いとは言われておりません。 一番良いのはグリーン水素で、これはで水を電気分解して作りますが、電気分解の時の効率が悪いのと高圧圧縮して水素タンクに入れるときに、またエネルギーが必要になります。 アンモニアにするのが良いと思いますが、ここでも別にエネルギーが必要になります。

現在の説明の仕方ですと余剰電気を水素で貯めておくと言う事なので、オーストラリアみたいな天気の良いところで電気を作って、それを水素に変換して日本へ運ぶ船を作っているというようなことだと思います。 まず太陽光から電気作るのにこれは20‐30%しか作れない、それの更に30%ぐらいしか水素にならないし、場合によっては高価な触媒も必要になると思います。

水素ガスそのものやアンモニアを燃やすのは、まだ良いと思うのですが、それを燃料電池でまた電気に戻して使うとなると、トータルの効率はどれくらいになるのでしょうか。 特に自動車では燃料電池を使うので、電気をそのまま使うBEV車と比べると、その低効率が目立ちます。 そのためか水素ガスをそのまま燃料にする水素エンジンも開発されているようで、最近水素エンジン車でのレースも行われたようですが、燃料補給が頻繁に必要になったと言う話もあります。


世界1位の自動車製造会社であるトヨタが、なぜあんなに水素にこだわるのかは良く分かりません。 水素ステーションを全国に張り巡らすのと高出力が必要とは言え、充電ステーションを張り巡らすのとでは、困難さが天と地の差があると思います。

水素自動車は、ルートがある程度決まっているトラックとか産業用の自動車にして、一般の自動車はリチュウムバッテリーによるモーター駆動が一番と思います。 現在のタクシーの大半がLPGを使ってLPGステーションで充填していますが、そんなイメージです。

リチウム電池と言うのは、すでにある程度枯れた技術で、あまり改良の余地は無いと思っていましたが、最近どんどん新しい改良型が出てきています。 東芝が最近発表したのはレアメタルのニオブを電極に使う電池で、充電時間が短いそうで、6分充電で300キロぐらい走れるらしいですが、本当のところはよく分かりません。 いずれにしても、そのうちに10‐15分充電で1000㎞走行のバッテリーが出現しても不思議では無くなりました。 手に入るには10年以上かかりそうですが。

農場で耕運機を使っていて気がついたのですが、この耕運機や草刈り機が電動化されることは当分ないであろうと思いました。 小型のガソリンエンジンは非常に便利ですが、こういう目的のガソリンをどう入手するのかが心配になります。 現在でも混合ガソリンはホームセンターで結構高く売られてますが、将来も量は少ないでしょうが、1リッター500円とかでホームセンターとかで4リッター入りの缶で売られるようになるのではないかと思っています。 自動車も特殊なガソリン車は残っていくのではないかと思います。 少なくとも自分が生きているうちにガソリンが全てなくなることはないと思います

いずれにしても現在のカーボンフリーの風は基本的にヨーロッパの逆襲で ヨーロッパがアメリカや中東に依存しないようにしようという意識が底辺に流れていると思います。 しかし日本も基本的には同じはずで、あの長いシーレーンをアメリカ抜きで守って、石油を輸入し続けるのには限界があると思います。 シーレーン防衛にコストをかけるなら、カーボンフリーに乗った方がポジティブな方向だと感じます。

中東は、アフガン問題をみても分かるように、アメリカですらコントロール不能になっていますので、ましてや日本はそれどころではないと思います。 地球温暖化は本当に炭酸ガスのせいなのか、温暖化しているのかは本当の所は良く分かりませんが、中東の石油に依存し続けるのは日本にとって不都合だと思います。 そう言う観点からカーボンフリーを考えて行きたいと思います。

自民党総裁選ではエネルギーミックスが議論されましたが、まだまだ突っ込みが弱いと思いました。 いずれにしても1つのエネルギーに頼るのは良くないので、例えば太陽光30%、水素を含めた火力が30%、原発を30%、残りを地熱とか風力とかで賄えばバランスすると思います。 東京都は住居の太陽光発電を義務化すると言う話ですが、基本的には個人住宅は太陽光とバッテリーで大半は賄えると思います。 賄えない分は、火力とか原発で賄えばよいです。 原発は、先月号で紹介したような小型の原発を都市部に地産地消型で設置する。こういう風にセットで議論しないと単に脱原発だとか、風力だとか言っていても議論が噛み合わないと思います。

太陽光発電は蓄電がポイントです。 バッテリーに溜めるのが一般的ですが、最近見たのは、位置エネルギーで蓄電する方式。 既に揚水発電で以前から実行されていますが、揚水発電はどこでも出来るわけではないので、重りを100mぐらいの塔に設置して、その重りで蓄電と発電をすると言うもの。 5トンぐらいの重りを100mの高さで5000機ぐらい作るとそれなりの蓄電が出来るようです。 地下に埋めても良いので、どこでも設置が可能となります。 可動部分も少ないのでメンテナンスもやりやすい。 太陽光は安いと言っていましたが、こう言う蓄電システムとセットでないと他の発電方式との比較はフェアではないと思います。