今月のひとこと2015年9月号





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2015年9月1日
とうとう株価の大調整が始まりました。 2-3ヶ月前に、変調があってアベノミックスもこれで年貢の納め時かとどこかに書いたことが有りましたが、ついに現実となりました。 以前より中国経済は悪いと言われていましたが、元の切り下げで、本当に悪いのだとみんなが実感したと言うことです。 安保法制もアベノミックスも沖縄問題も曲がり角で、安倍政権の真価が問われています。 しかしこれで内閣が倒れるようなことがあれば、日本も中国と一緒に討ち死になってしまいそうです。

ちなみに世界の株式市場の時価総額を世界地図の面積で表したものがあります。 こう見るとアメリカが大きいのは当然としても、中国が如何に小さく、日本やイギリスが大きいことに気がつきます。

安保法制は何でこんな事になってしまったんでしょうか。 60年安保のように多少の国会デモもやむを得ないと言う慢心ににた気持ちがあったのでは無いでしょうか。 防衛大臣の答弁も稚拙で、舌足らずなところもあって、確かに国会の議論を聞いていても議論がかみ合っていないところもあります。 また野党は戦争法案とかのレッテルを貼って、まともな議論がなされていないような気がします。

こう言うプロパガンダに、日頃はほとんど政治活動らしい事をやらない若い人が人が巻き込まれているような感じがします。 中国などに比べて、何があってもデモらしいデモもないのが物足りませんでしたが、若い人にもこう言うエネルギーがあったのだと、少々安心する気持ちもあります。

60年は知りませんが70年安保の時は大学に居て、何が起こるのかと見ていましたが、何も起こらず、安保条約の一節も読まずに反対を言っていたような気がするので、同じ年代の当時の若者は、今の若い人に同じような印象を持って眺めているのではないでしょうか。 主導している人は既成革新政党の影響下にあるようで、これも70年当時と同じような枠組みだと感じます。

70年安部談話は非常に良かったと思います。 確かに左右に気を遣いすぎて玉虫色になった印象はありますが、逆にこれが功を奏して、バランスの取れたものになったと思います。 敵対する状況では無いこともあって、中国も韓国もまともな反論が出来なかったですね。 あまり報道され居ませんが、談話発表直後の両国の非公式のコメントでは、非常に良く設計された、良く出来た談話だとの評価でした。 確かにどっかを突っ込むと、どっかが自分に跳ね返るようになっています。

私が以前から思っていたように、キーワードを適当にちりばめておく、と言う戦略も当たりました。 本来は甘利意味の無い用い方だったのですが、単にキーワードをカウントしている方からすると、カウンターが1度上がったと言うことでしょう。

安倍政権はアベノミックスが命なので、安保法案成立の前後に、異次元緩和が発動されるのではないでしょうか。 アメリカの利上げは、おそらく12月に延期。 日本の消費税増税も延期せざるを得ないと思います。 ここで何かあって、政権交代となると、後は誰がやっても株価の暴落は避けられないでしょう。 もし野党に移るようなことがあれば、その気配だけで日本の経済は壊滅状態に陥るのではないでしょうか。

最近のIT分野の話題はあまりないのですが、たまたま目にした車載用のミリ波レーダーのモジュールの話題。 20年ほど前にミリ波レーダーをモノにすべくイスラエルまで行って、イスラエル空軍の司令官とも面談して、技術導入を図ったのですが、当時は高価で大型で、トラックに搭載するのがせいぜいだったと思います。 最近は主要部分がチップ化されて、77GHzミリ波レーダーモジュールが安価に作られるようになりました。 ちなみにスズキのミリ波レーダーによる自動ブレーキは、35000円と極めて安価に設定されています。

実際に使用するときは単眼カメラとの組み合わせで前車との距離を計測します。 実際に使ってみると、車線をキチンと認識して、カーブでも自分の車線に居るのか隣の車線にいるのかをキチンと判別しています。 もの凄く曲がりくねった道などでは、時々前車を見失うし、見失うと前車が居ないと判断して速度を上げる方向に向かいます。 またちょうど前車との間で信号が変わって止まらないと行けないときも、自分でブレーキを踏まないと信号を無視してしまいます。 次の段階は、この信号を判定して。スタートストップが出来るようになるのではないかと思います。

前車との距離を測っての自動速度調整と車線の逸脱警報で、一般道路はともかく、少なくとも高速道路における自動運転は、現時点でも可能だと思います。 一番心配した、自動運転の時とそれを外したときの運転の感覚、つまり自動運転だと思ってブレーキは自動でかかると思っていて、ブレーキを踏まないで居ると言うような危険はないのか? と言うことですが、意外に混同はなくて、一番の違和感は自動ブレーキ時の勝手にブレーキがかかると言う感覚がなじめず、ついつい足でペダルを踏んでしまうと言うことぐらいです。 思ったより人間は順応性が高いと感じました。

今月の読み物は、「誤解だらけの電力問題」 竹内 純子 著 Kindle版:\800 新書¥1,080

オススメ度 ★★★ 是非読むべし

電力に関しては、マスコミを含めて誤解や中傷や当たらない非難など、何が本当に問題かと言うことが良く分からず、一度電力会社内部の人の意見を聞いてみたいと思っていました。 先日のNHKの番組で、ハッキリした物言いと主張があり、物言いの端が少し韓国人評論家の金慶珠に似ていたので面白かったが、珍しく女性だと言うので興味を持って著書を読みました。 立場が環境保護に傾いているので、少々値引きして考えないと行けないですが、単純に再生エネルギー礼賛ではなかったです。 全体にバランスの取れた、冷静な分析が良いです。

本書では触れられてはいませんが、原発事故では福島第一しか取り上げませんが、同じ敷地内に5号炉と6号炉の原子炉があり、福島第2も4基の原子炉が同じように津波に襲われ、第1と似たような状況になったのですが、こちらは何とか事故に至らなかった。 さらには同じく津波に襲われた女川原発の3基の原子炉。 こちらは被害が少なく再稼働を計画している。 原発事故の広範な偏見の無い現状も知りたいものです。

内容紹介
自由化されると電気料金が下がる、再生エネルギーで自給自足が可能、原子力発電所がなくても電気は供給されるし、支障はない……など、電力に関する話題にはとかく誤解がつきものです。本書ではこういった誤解を解くことからはじめ、電力や電力業界の問題のほか、エネルギー問題など、電力にまつわる様々な問題点を、元東京電力社員の著者が丁寧に解き明かした1冊です。

序 エネルギー政策の理想と現実
第1部 エネルギーに関する神話
(再エネ神話の現実
ドイツ神話の現実
電力会社の思考回路にまつわる神話)
第2部 エネルギーに関する基本
(電気はどこでどう作る
エネルギーを語るなら知っておきたい常識
キレイごとでは済まない温暖化問題
東電福島原子力事故による3Eの変化)
第3部 電力システムの今後
(考えなければならない問題
原子力事業は誰がどう担うのか
今後電力システムはどうあるべきか)
補論 電力システムと電力会社の体質論

<著者プロフィール>
竹内純子(たけうち・すみこ)
NPO法人国際環境経済研究所理事・主席研究員、21世紀政策研究所「原子力損害賠償・事業体制検討委員会」副主査。
慶応義塾大学法学部法律学科卒業。1994年東京電力入社。2012年より現職。国立公園尾瀬の自然保護に10年以上携わり、農林水産省生物多様性戦略検討会委員や21世紀東通村環境デザイン検討委員等歴任。その後、地球温暖化国際交渉や環境・エネルギー政策に関与し、国連気候変動枠組条約交渉にも参加。著書に、『みんなの自然をみんなで守る20のヒント』(山と渓谷社)がある。



今月のひとこと2015年8月号





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2015年8月4日







今年の夏は例年に増して暑いです。 下がりかけた景気にはプラスに作用しますが、それにしても暑い。 夏は明け方には少しひんやりするんですが、ここ2-3日は、明け方でもむぅーっとしています。 今日は心なしか少しはマシでしたが。

日本の景気回復もイマイチです。 今まで調子の良かった安倍政権に逆風が吹き荒れているようです。 基本的には経済を好調にしておいて、安保法案などを通そうと言うことでしたが、少し時間切れで、経済の方が先に息切れしてきたようです。 3年越しのTPPも、アメリカがTPAを可決して、やっと本格的な交渉に入ることが出来て、これで大筋妥結かと思われたときに、思わぬダークホースのニュージーランドの強硬姿勢でずっこけている状況です。 流石のフランケン甘利大臣も怒っているのは、これがずれると来年の参議院選挙に大きな影響が出て、政治シナリオが狂ってくるからです。 アメリカは大統領選挙と絡んでくるので、ややこしいはずですが、どうも熱意がないですね。 あのフロマン通商代表も、本来は頭から湯気を出して怒る場面ですが、そうでも無い。

アメリカは与党の民主党が反対の方向ですし、政策的には共和党とねじれているので、本腰が入らないのではないでしょうか。 結局、3本目の矢でTPPしかのこっていないアベノミックスが抜き差しならないところに来ていて、日本が最後に貧乏くじを引いたと言うことになるのでしょう。 これで交渉が不利にならないことを祈ります。 足下を見られて押し込まれるのではないでしょうか。 ニュージーランドの要求もこの臭いを感じます。

東芝は大問題に発展しましたね。 しかし、どこの会社も程度の差はあれ似たような事はやっていると思います。 年度末の代理店への押し込みなんかは日常的ですし、だから役所に関係ないどんな会社でも年度末には多少は売上げと利益が伸びるものです。 また、決算をすっぴんでは無くて多少のお化粧するのは、経営者としては当たり前だと思います。 一般には、会計数字なんてのは、一度決まったら変更できる数字ではないと言うイメージがあるのですが、合法的に認められている手法を使っても、かなりの数字の操作は可能です。

東芝は一線を越えてしまった。 やり過ぎました。 どこまで、何とかOKで、ここまではダメと判断するのは経営者の基本的な判断力ですが、ここに社内政治が絡んでるんですね。 しかし、まずいと思ったら引けば良いのであって、辞めるつもりならいろいろ摩擦はありますが、何でも出来ると思います。 オリンパスの英国人社長を見習えば良い。 社内政治のせいにするのは、言い訳でしかないです。

利益を圧縮して、いわゆる節税につながるものに関しては、税金を取りたい税務署がうるさくチェックするので、そんなに問題にならないです。 なるときは脱税として、金額が大きければ、刑事事件になり、服役することにもなります。

粉飾決算のように利益が出る方向は、税務署としては税金が多くなるので、基本的なチェックは入りません。 おのおのの法人の責任として自律しないと行けないところです。 ここで監査とか内部チェックとかの必要性が叫ばれるのですが、本来(アメリカ式で)は、取締役は執行部つまり社長を取り締まることが仕事で、良くあるように部長と社長の間の、社長の部下みたいな事はあってはならないと思います。 日本の場合は、この取締役の役割がハッキリしていないので、監査役を設けています。 しかも公認会計士による決算の監査があり、どこまで監査したら気が済むというか、問題がなくなるのか、と思います。 取締役が本来の役割を果たしても、社外取締役を強制するとか、こう言うことをどこまでやっても意味が無いと思います。

まずやるのは取締役を本来の取締役の役割にして、社長以下の執行部のチェックをキチンとする。 しかし社長以下が、本気で確信的に不正をして、それを覆い隠そうとしたら、これは誰にも分かりません。 もっともバランスシートを年度ごとにすーっと見ていけば、粉飾をするのは大きな額で無いと意味がないですから、良く見れば分かると言う専門家も居ます。 しかしオリンパスのように簿外で徹底的にやれば誰にも分からないです。 オリンパスも外人を社長にしたのでバレましたが、日本人だとあそこまで暴露することには非常に躊躇したと思います。

いずれにしても取締役がキチンと監視する。 また監視できる体制を作ることを含めて、もし不正がバレたら、一生刑務所の外には出れないような刑事罰を科すべきです。 日本の経営者のほとんどは結構な年寄りですから、少し刑期を長くすれば出てこれません。 アメリカのように全ての罪の刑期を積算すると言うような荒っぽい手も考えないと行けないと思います。 アメリカの経営者と話していると、そんなことをしたら Go To Jail だと冗談を含んでしょっちゅう話題になります。

東芝の場合はトップが細かく指示を出しすぎだし、プレッシャーを与えすぎた。 お化粧も1年で落として、次の年は別の化粧をすれば良かったんですが、厚化粧すぎて、化粧を落とせずに、さらに上に化粧をしていった結果だと思います。 今回は、内部通報で不正が明るみに出て、自社内ので調査がまず始まったのが唯一の救いで、これが未だに粉飾決算と言わずに「不適切会計」と報道されている理由だと思います。 どのような法人であれ、幽霊法人ではなく、実際にキャッシュフローがあるのなら、グレーゾーンは必ず存在します。 このグレーゾーンをどうハンドリングするかは、それこそ経営者の志と自律心にかかっていると思います。

最近は悪い話題の東芝ですが、8ビットや16ビット全盛の時代に12ビットのマイコンを作るなど、ユニークな会社だと言うイメージがあります。 またディスクの世界では、常に世界をリードしていて、今月は、東芝のディスク技術の話題です。 半導体メモリによる記憶媒体の容量アップが大きいので、従来型の円盤に情報を記憶するディスクドライブの出番が少なくなってきていますが、東芝はディスク容量を10倍にする多層記録方式の実証試験に成功したとのことです。

それで思い出したのが垂直磁化記録方式。 1970年代に提案され、それ以降30年以上に渡って研究開発が行われてきましたが、最近はその名前を聞かないとおもっていましたが。どっこい、現在のディスクドライブには必ず使われているそうです。 ディスクの容量がどんどんと上がったのは、垂直磁化方式と磁性層間にトンネル電流を流すことが出来るTMR/PMR磁気ヘッドの貢献によるものです。

今回はさらにこの記録を多層に渡って行おうと言うもので、マイクロ波磁界を使って磁化層を選択するものです。 高密度化の限界を超えた10テラビット/インチ2の記録密度に達することができるとのこと。 2025年以降の実用を目指していますので、オリンピックが終わってしばらくすると、1ペタ(1テラの1000倍)バイトのディスクが登場するかもしれません。

今月の読みものは、「ドイツ帝国」が世界を破滅させる 日本人への警告 文春新書 エマニュエル・トッド著 堀 茂樹 翻訳 Kindle版 ¥849 新書 ¥864

★★☆ 関心のある方は読むべし。

ギリシャ危機のおかげでヨーロッパの情勢に詳しくなりました。 やはり遠いせいで、よく知らなかったと思います。 中国までしょっちゅう来ていたメルケル首相が突然やって来て、何をしにきたのか良く分からないうちに帰って行きましたが、ヨーロッパはドイツ中心で動いているようです。 言われてみれば、最近はフランスの影が薄いです。 本書は、オリジナルがインタビュー記事のせいか翻訳がおかしいのか、少し読みにくく、論旨の流れもバラバラですが、フランスから見たドイツと言う風景が見えてくると思います。 日本とドイツとの類似性とか差とかもあり、少し離れたヨーロッパから見たらこうなるのか、と興味深く読みました。

内容紹介
冷戦終結と欧州統合が生み出した「ドイツ帝国」。EUとユーロは欧州諸国民を閉じ込め、ドイツが一人勝ちするシステムと化している。ウクライナ問題で緊張を高めているのもロシアではなくドイツだ。かつての悪夢が再び甦るのか?

出版社からのコメント
人口動態から、ソ連崩壊と米国衰退をいち早く予見した歴史家の新たな「予言」の書。冷戦終結とEU統合によって生じた「ドイツ帝国」は、当初もっぱら経済的だったのが、今日ではすでに政治的なものになっている、とトッド氏は指摘します。そしてウクライナ問題で緊張を高めているのも、ロシアではなくドイツで、「ドイツ帝国」がこのまま拡大すれば、いずれアメリカとも衝突しうる、と。インタビュー形式で読みやすく、しかも『悪童日記』の名訳者、堀茂樹さんによる素晴らしい翻訳で読める、日本オリジナル版です。



今月のひとこと2015年7月号





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2015年7月1日
5月の猛暑から一転して寒々した気候が続きます。 昼間は結構暑くなる日もありますが、朝方は20℃を切る日も多く、肌寒い感じがします。 この調子で行くと今夏は冷夏となりそうで、景気にはマイナスとなるでしょう。 余り暑いのも閉口ですが、そこそこ暑い夏らしい気候になって欲しいものです。

2転3転したギリシャがとうとうデフォルトに陥りそうな状況です。 しかし返済期限が6月30日ですが、これを過ぎたからと言って何かが起きるわけでは無いようです。 IMFの理事会に返済できませんでしたと報告して、ああそうですか、と言うだけらしいですね。 過去の類似の例でも、返済不能即デフォルトとはならないようで、この件ではIMFがいつデフォルト宣言するかがポイントですが、宣言しても現時点では良いこともなく、そのまま返済不能状態が続くようです。 結局7月5日の国民投票の結果が賛成と出て、結局現政権が退陣して、IMFの提案を受け入れると言うシナリオになるのだと思います。

それを見込んだのか市場は29日こそ600円近く下げましたが、昨日は徐々に上がって、引けてみれば100円以上の上げになりました。 その後アメリカも上げ、日本も今日は上げ相場です。 いずれにしても東京市場は世界で一番早く開く主要市場でいち早く上昇に転じた日本は地力があると言うか、この先の景気動向の強気を再確認する場面となりました。

月曜日29日の後場の下落の要因の一つになった、バブル崩壊と言われている中国上海株はおそらく政府のPKOみたいな手段かも知れませんが、今日は上昇に転じています。 しかし金利を下げても市場は反応せず、いずれは下落に転じるでしょう。

ギリシャは今回の問題を先送りしても、7月20日を始めとして、返済スケジュールが目白押しなので、いつまでも突っ張っておけないでしょうし、中国はこのままバブル崩壊となると中国自身への影響が大きすぎるので、政府が一丸となってソフトランディングを目指すのではないでしょうか。 この辺が独裁国家の良いところですね。

一昨夜は土星と月のランデブー(古!)が見られましたが、土星の新しい写真が撮られたようです。 この画像は今年2月4日、探査機カッシーニ(Cassini)が土星から約250万キロメートル離れた位置から、広角カメラで撮影したもの。 写真右上には土星の衛星ミマス(Mimas)がごく小さな白い点のように写っていますが、良く見ないと見えません。





宇宙関連の話題は惑星協会が先日打ち上げたソーラーセイル宇宙船の実験機「ライトセイルA」が、低周回軌道で太陽帆を展開するテストミッションに成功したとのこと。 このソーラーセイルは以前に本欄でも取り上げましたが、私の好きなプロジェクトです。 広大な宇宙を光の圧力だけで航行すると言う壮大でロマンあふれるプロジェクトです。 光の圧力は微々たるものですが、長時間に渡ってわずかですが加速し、どんどん速度が上がると言うわけです。 何より夢がある。 2016年には「完全なソーラーセイル航行」を行うようで、わずかでもドネーションしようかと思っています。

今世紀に入っての大発明はディープラーニングだと思うようになりました。 これで人工知能の能力は飛躍的に伸びました。 実際にその成果を実感できるのは、以前に本欄でも取り上げましたが、音声認識です。 以前の音声認識技術の開発に関わって、その能力を知っていたが故に、旧来の技術の音声認識を使っても、使い物にならないと言う印象が強かったのですが、その後ディープラーニングを使ったと覚しきスマホを使ってビックリ。 おそらく人間でも知らない地名などの認識は難しいのですが、固有名詞でも一発で認識します。 最近の研究では、視覚認識にも使われ、写真を見せると、動物とか、ネコとか認識できるようです。

アップルのSiriを使った宣伝の場面は、最初は話者を限定した条件の良いところでの話だと思っていましたが、本当なんだと実感しました。 ディープラーニングの開発者も最初は刈る気持ちで試してみて、こんなに効果があるとは思ってもみなかったようです。

今後いろんな分野に応用されていくと身の回りが一気に便利になっていくでしょう。 かな漢変換のIMEに早く応用して欲しいと思います。 写真のリンク先には、これまでの人口知能研究の歴史が描いてあり、エキスパートシステムなんて、懐かしい言葉も出てきます。

中国のバブル崩壊の話がでましたので、今月の読み物は「中国台頭の終焉」日経プレミアシリーズ新書 津上俊哉著 Kindle版 ¥762 新書 ¥961

★★☆ 関心のある方は読むべし。

中国の発展はめざましいですが、どこにその限界があるのでしょうか。 GDPでアメリカを追い抜く日は近いと入れていますが、本当にそうなるのでしょうか。 本書は特に経済面から中国の問題を洗い出し、将来を占うものです。 通産官僚OBが書いているためか、視点がしっかりして、妙なネトウヨ的な中国否定論では無く、淡々と経済問題、社会問題などを取り上げています。

内容(「BOOK」データベースより)
中国が「今後も7%以上の成長を続け、GDPで米国を追い抜き、世界ナンバーワンの大国になる」という見方は楽観に過ぎる。いまのままでは遠からず成長が失速し、深刻な停滞を迎えることになる。中国の経済・ビジネス事情に通暁した著者が説き明かす経済大国の真実。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
津上/俊哉 現代中国研究家、津上工作室代表。1957年生まれ。東京大学法学部卒業。通商産業省入省。中国日本大使館経済部参事官、通商政策局北東アジア課長、経済産業研究所上席研究員などを歴任後、東亜キャピタル株式会社社長を経て現職。著書に『中国台頭』(サントリー学芸賞受賞)等がある。



今月のひとこと2015年6月号





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2015年6月3日
日経平均が12連騰で、なかなか落ちなかったですね。 13日目も寄付きは高く始まったのですが、最後は落ちて記録は終わりました。 5月には落ちると言われながら、少し下がると買いが入って、なかなか下がらないですね。 円も125円台に入ってきて、何となく未知の世界に入ってきたような気がします。 実質賃金もプラスになったようで、やっと日本経済も立ち直るのではないでしょうか。

お隣の中国・韓国情勢にも変化が出てきて、中国は最近急に優しくなって来たような気がします。 韓国は、自国の経済にも問題が大きく出てきて、日韓関係を改善したいと言う気持ちはあるのでしょうが、なかなか行動には出にくいと言う感じです。 ここに来て米国のケリー国務大臣が自転車に乗っていて負傷するなど、アメリカもなにやってるの? と言う感じです。

直近のITの話題は、何と言っていっても日本年金機構の情報流出問題でしょう。 来年早々スタートするマイナンバーにも同様の問題が懸念されています。 報道で見る限り、日本年金機構のシステムはお金を掛けただけあって、システムそのものはしっかりしていると思います。 また情報処理機構IPAが日常の監視を行っているようで、システム自体はそれなりに対応が取れていますが、問題は、管理側というか人間系に抜けがたくさんあるようです。 データベースをアクセスするのと同じPCで、ネットをアクセスしていたのでは、全くの尻抜けになってしまいます。 さらにはデータベースの情報をダウンロードしてPCに直接側に於いていたようで、規定では暗号化することになっているのですが、それも守られなかった。

社保庁時代の組合との関係も取りざたされていますが、やはり現場の管理者をキチンと教育して、日常的なセキュリティの向上を図らないといけないのですが、まったくITが分からない管理者が多いような気がしますので、非常に心許ないです。

マイナンバーでも、回線は専用線を使っているので問題ないようなことが言われていますが、結局最後の操作者のところで尻抜けになるとどうしようも無いです。 また、マイナンバーでアクセス出来る情報は、それぞれのデータベースで保管されていて、マイナンバーの紐付けだけでアクセスすると言うことで、これは私が最初から考えていた方式と同じなので、これはこれで良いとしても、元々の操作者のところでユルユルになっていたのでは問題が解決したっとは言えません。 いずれにしてもこの様な政府の重要なデータベースは必ず狙われるのは当たり前ですので、年金機構の理事長が、担当者がウイルス付きのファイルを開いたのが、いけないと言うようなピンぼけのコメントを出すようでは、マイナンバーも非常に心配になります。

ロジテック社のブロードバンドルータの脆弱性により、中国からの不正アクセスが行われていると言う報道がありました。 先日、東京のプロキシーサーバーの運用会社が摘発された報道がありましたが、これだけだと何だか分かりませんが、ロジテック社の無線ルーターの情報が使われていたそうで大騒ぎになっています。 そもそもこの問題は2012年に発覚して対応のファームウエアも出ているのですが、そのバージョンアップをしないままのルーターがたくさんあると言うことで、警視庁も注意勧告を出しています。

そもそも、この脆弱性は非常に初歩的なもので、外部のIPS回線からルーターの管理画面が見えてしまうと言うもの。 ここにアクセスのためのIDパスワードがキチンと設定してあれば、進入は防げますが、このIDパスワードもデフォルトのメーカー設定そのままにしてあると言う状態だそうです。 そもそも外部の回線から管理画面が見えるというは、製品として欠陥だと思います。 ここから盗んだ接続情報でISPに繋いで、それでDDoS攻撃や不正アクセスを行っていたと言うことで、IPS接続業者が注意喚起の情報を沢山出しています。 いずれにしても、ハッカーから見て家庭用のルーターは電源が常に入っており、数も多いし、下手にPCを乗っ取るより効果が高いと思われます。

今月の読み物は、「白熱日本酒教室」 星海社新書 杉村 啓著 \886。

★★☆ 酒好きは是非読むべし。

たまたま本屋で見つけたもの。 日本酒というのは麹を発酵で作って、さらに発酵させて酒にすると言う、非常に難しい作り方をします。 世界でも他の例が無く、繊細な日本人しか作れない酒だと思っています。 最近は海外でも評価が高くなり、それなりに知っているつもりでしたが、本書を読むとまだまだ知らない事が多い事に気がつきました。 イラストも多くて読みやすい構成です。

内容紹介
古い知識はおさらば! 日本文化の最先端「日本酒」を味わおう!
今、世界一面白いお酒、それは間違いなく「日本酒」です。近年では、スペイン料理やフランス料理にあわせるための日本酒や、芳醇なワインを思わせる香り豊かな日本酒、ほんの少し温度を変えるだけでがらりとその味わいを変える日本酒……、お米だけで造られているとはとても考えられないほど様々な日本酒が登場しています。これらは、日本各地に存在する蔵元の伝統と創意工夫、そして最新の醸造技術の結晶です。今や日本酒は、世界から注目を集める面白いお酒に進化したといっても過言ではありません。「難易度が高いお酒」と思われがちな日本酒ですが、それはもはや昔の話。さぁ、今こそ日本酒の魅力を存分に味わいましょう!
内容(「BOOK」データベースより)
まずは知りたい日本酒の基本!日本酒の味を決める造り手の技術!日本酒の変化を楽しもう!日本酒との出会い方を知ろう!今、“世界一面白い酒”は日本酒だ!醸造技術大国・日本で生まれ、未だ進化の途上にある「日本酒」をとことん知り尽くそう!!



今月のひとこと2015年5月号

2015年5月4日
株価は連休を前に想定通り落ちましたね。 それまでも下落場面があったのですが、ズルズルと行かないのは、従来の相場とは異なります。 日経平均が2万円を超えたとか、切ったとか言っても、日経平均に使われている銘柄、その中でも値がさ株のユニクロとかソフトバンクとかの株価の上下で決まってきますので、個別に見ていくと少し下がったとか、大幅に上がったとか、日経平均では分からない上下があります。 サスガに日経平均が大幅に下がったときは、下落傾向はありますが。

早々に日経平均の2万円超を迎えてしまったので、さあこれからどうなるか? と言うのが最大の関心事でしょう。 原油価格の下落のせいになっている物価の下落傾向で今年度の2%物価上昇は夢のまた夢と化し、昨年に早々にやってしまった金融緩和で、早期の再度の金融緩和はもう出来ず、日銀総裁の古巣のADB(アジア開発銀行)には、中国がAIIBと言う強烈なカウンターパンチを食らわせ、無責任で身勝手なヨーロッパがイギリスを筆頭になだれ込み、文字通り四面楚歌の状況になって来ました。

期待された企業決算も来期の見通しは、保守的と言われてきたのですが、結構そのままの姿ではないか、と言う見方もあり、春先に言われたような一本調子の上昇は難しいのではないかと思います。 企業の業績見通しでも、下期にグンと業績が良くなるような計画が多く見られます。 日銀の物価上昇見込みでも、今年度後半と言っていますし、この夏は余り良い夏ではなくて、そのまま良い年末を迎えられるかが最大関心事となります。

中国はAIIBに余程困っているんですね。 中国中心で、東南アジアを中心に細々としかし自分勝手にやりたいのに、急に参加国が増えてしまって、本当はもの凄く困っているのではないでしょうか。 日本やアメリカの参加で、国際金融のノウハウも得たいし、何より中国が勝手にやることに対してのお墨付きが欲しかったのでしょう。 そのせいか、安倍首相のバンドン会議での演説、米国議会で演説には大きなクレームは付けていません。 バンドン会議後の中国報道官の発言はほとんど何もなかったですからね。 その後これではメンツに関わると思ったのか、少しはクレームを付けていますが、本気では無い。 これで梯子を外された形の韓国は、国内問題もあり火だるまです。 AIIBに関しては、当初は外交失策と言われていましたが、結果オーライの参加見送りとなりました。 たまにはこう言うことも無いとね。

安倍首相の議会演説は、単語を並べただけとボロクソに言う人も居ますが、中身はともかく、もう少し流ちょうに話して欲しい。 相手が演説の名手のオバマだから、ますますそう思います。 発音の練習に気を取られて、肝心の英語の流れを忘れていたのではないかと思います。 演説はどちらかと言うと、日本語でやるより、英語の方がサマになります。 しかし結局、言語というのは単なるインタフェースなので、何語で喋ってもその人の考え方は勿論、話し方まで地が出てきます。 安倍首相の日本語の話し方そのままで英語になったような気がします。 例えば「反省」とか言う重要なキーワードは正確な発音で、区切って話すと良いですが、その他のエピソードなどは、英語の流れで話さないと、いくら発音に注意していても、話の流れはわかりくいものです。

英語でやりさえすれば、名演説になるかと言うと、安倍首相の演説でも分かるように、自動的にはそうはならないようです。 企業のトップのスピーチを聞く機会が多かったので、良い調子で聞こえていたのですが、肩書きが下のあまり慣れていないというか、練習をしていないクラスのスピーチは、良く分からないものが多かったです。 やはり練習とか訓練だと思いました。 流石にオバマはうまいです。 ブッシュも英語が単純な分だけ分かりやすいというか、うまかったです。 日本語は、どうしても情緒が勝つので、いわゆる演説とかプレゼンテーションには不向きだと思います。

最近の話題の中で、一人気を吐いているのがアップルウオッチを出荷したアップルです。 ジョブズ亡きあと、その経営が心配されていましたが、現在の経営の方が業績は遙かに良いようです。 良きにつけ悪しきにつけ、ジョブズはカリスマであり、経営者と言うよりはプロダクトの革命者なんでしょう。

アップルウオッチを分解して、その部品原価をはじいた記事がありましたが、その部品原価率は24%ぐらいとのことで、その記事の結論は、原価率が低いと言うものでしたが、一般のものつくりで言うと特に低いものではなくて、アップルブランドを考えるとむしろ高いのではないかと思われるくらいです。

ジョブズの初期アップル時代を除いて、始めて作ったNextコンピューターは主要な部品の原価のみで、売価になると言うとんでもない値付けがされていました。 当時としては革命的な光学ドライブが格納されていましたが、これとディスクドライブ、お金のかかった筐体、ディスプレイだけで、軽く売価を超えていたと思います。 最初に衝撃的な値付けをして、その後は数の力に任せて驚異的な部品コストの低下をすると言うのが基本的なやり方です。 Nextコンピュータはそれほど数が出なかったので成功とは言いがたいですが、Appleに戻ったあとの、iTune、iPad、iPhoneなどは、この戦略にバッチリはまりました。

今回のアップルウオッチで分かったことは、アップルが普通の製造で、普通の事業計画を持った普通のものつくり企業になったと言うことでしょう。 これだけ巨大な企業に成長したのですから、ある意味ではもの凄く良いタイミングでジョブズが去ったということでしょう。

今月の読み物は、昨月に読んだ本が良くなかったので、余程休みにしようかと思ったのですが、思い直して、その中で一番マシな「暗号が通貨になる「ビットコイン」のからくり」ブルーバックス 吉本 佳生 著 Kindle版 ¥680 新書 ¥972

オススメ度 ★☆☆ 興味があれば読むべし

もっと技術的な解説を期待したのですが、それは少ししかなくて、ほとんどが通貨とは何か、通貨として通用するのか、に力点があります。 そもそもどうしてビットコインを「発掘」するのかと言うような点にも触れられていて、ざっと読むには便利なものです。

【内容紹介】
「通貨の未来」を徹底的に考える――。
「国家の後ろ盾がある法定通貨」は、じつは完全無欠ではない。
為替リスクを抑え、送金手数料も安い暗号通貨は、
「欠点だらけの現行通貨」を革新する可能性を秘めている。

シンプルな暗号が、なぜおカネになるのか?
電子マネーやクレジットカードとどうちがうのか?
偽造される心配はないのか?
私たちの生活に、どんな影響をおよぼすか?

投資家たちを震撼させても、なお進化を続けるビットコイン。
その背後に潜む数学や暗号技術と、経済へのインパクトをくわしく語る。

内容(「BOOK」データベースより)
「国家の後ろ盾がある法定通貨」は、じつは完全無欠ではない。為替リスクを抑え、送金手数料も安い暗号通貨は、「欠点だらけの現行通貨」を革新する可能性を秘めている。シンプルな暗号が、なぜおカネになるのか?電子マネーやクレジットカードとどうちがうのか?偽造される心配はないのか?私たちの生活に、どんな影響をおよぼすか?投資家たちを震撼させても、なお進化を続けるビットコイン。その背後に潜む数学や暗号技術と、経済へのインパクトをくわしく語る。

今月のひとこと2015年4月号





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2015年4月1日
株価は、年度を超えるとサスガに大幅ダウンしましたが、これでズルズルと行かないのが、アベノミックスのおかげです。 4月1日も前場は落ちましたが、後場は盛り返しています。 アメリカも上がってきましたので、19000円を割ることは無いようで、いつ2万円に到達するかがポイントです。

賃金もなんのかんの言っている内に少しずつ賃上げが浸透して来ているようです。 物価上昇2%は風前の灯火ですが、歳入も大幅に増えて、実体的に景気が上がればそれで良しと言うことでしょう。 しかし、国の債務残高の上昇が止まらず、これに如何に歯止めを掛けるかがポイントになります。 消費増税では限界がありますから、社会保障関連の歳出カットが最大の問題となるでしょう。

中国との関連もいよいよ山場を迎えている感じがしますが、中国共産党の機関紙である人民日報の国際版・環球時報(電子版)は、さまざまなジャンルで世界のトップ10を選出しているサイトを引用して、世界の人びとが選出した「世界でもっとも聡明な国」として日本が第1位になったと報じました。2位は韓国、3位は米国で、中国はトップ10に入らなかった。 最近は、この様な日本を悪く言わない記事が増えたように思います。 ちなみに http://www.omgtoplists.com/ には様々なトップ10が掲載されていますので、ゆっくり見ると面白い事が多いです。

日本が1位になった理由は、「技術、文化、自然のバランスに加え、ガンダムのような戦闘兵器を有しているだけでなく、ハイレベルな宇宙探査技術も兼ね備えているから」だという。 中国人ネットユーザーからさまざまな感想が寄せられていて、「当然の評価だな」、「日本は確かに不思議な国だ。あんなに小さい国で人が少ないのにミラクルを起こす」など、日本が1位であることには多くの中国人が納得のようであった。

「オレは中国が一番賢いと思ったけど」、「中国がランキングに入っていないのはおかしい」、「IQは中国人が一番高いんじゃなかったか?」など、中国人こそ賢いとの主張も少なくない。 さらに、もっとも多く寄せられた意見は「韓国が2位だったこと」についての反論で、「韓国は金でも渡したか?」、「韓国を皮肉っているんだろ」、「明らかに韓国への風刺だ」など違和感があったようだ。

以前から報道されていた「ATD-X 心神」が公開され、7月からの初飛行に向け準備が進んでいます。 ゼロ戦の系譜を継ぐ三菱重工名古屋航空宇宙システム製作所において開発中で、実際の量産はともかく、俗にF3と言われている開発中の第5世代戦闘機の実験機が完成することになります。 ちなみに写真にリンクを張ったサイトは中国のサイトです。 キチンと伝えている。

国産第1号のF1から、米国との大論争の末、F16の改良版になったF2なので、今回の心神はF3と言われています。 第4世代戦闘機のF35は、アメリカですら自国単独では開発できず、ヨーロッパ・日本との共同開発になっています。 F35はその技術を中国に盗まれ、そのコピー機が「殲(せん)31」として既に初飛行に成功しています。 しかし伝わるところに寄ると、真っ黒い煙を吐きながら飛行し、性能の悪さから武器はほとんど搭載できないとの事です。

共同開発したF2ですら、最終的に1兆円近くの開発費がかかり、F3だとその3倍ぐらいかかるとすると、国の防衛費の半分ぐらいをつぎ込まないと完成しませんし、一機当たりのコストも跳ね上がると思われます。 いずれにしても、共同開発になるとしても、その交渉能力はあげておかないと行けないと思います。

技術の進歩と言う点では、無線通信技術の向上には目を見張るモノがあります。 必要は発明の母とはよく言ったモノで、ビデオデータを扱うようになって、一気にCPUやディスクの容量そして通信、中でも無線通信の技術が大幅に向上しました。 戦争で技術が発展すると言いましたが、今ではIT機器の開発が戦争みたいなもので、逆にここで開発された技術が、戦争に応用される時代になりました。 NTTドコモは、第5世代移動通信方式(5G)の屋外実験で、受信時4.5Gbps以上のデータ通信に成功したと発表しました。東京オリンピックまでに5Gサービスの提供を目指すとのことです。





スウェーデンEricsson社とのと共同開発ですが、屋外に設置された基地局(光張り出し構成)と測定用車両に搭載した移動局装置(携帯電話機に相当)を使って実験。15GHz帯の高周波数帯を用いて、最大受信速度4.58Gbpsのデータ通信に成功しました。 低い準ミリ波帯をつかうので、電波は遮断されやすく、見通しでないと高速は無理でしょうが、いずれにしても無線技術でギガオーダーの通信が出来るのは、夢のようです。 さらにさらに高い周波帯のミリ波で、屋内で5Gの移動通信を行う実験をフィンランドの会社との共同実験も行っています。

今月の読み物は、「イスラム国の野望」 幻冬舎新書 Kindle版 ¥741 新書 ¥842

★★★ 是非読むべし

ジャーナリスト殺人事件で一気に浸透したいわゆるイスラム国はどうやって誕生したのか、そもそもイラク戦争以後はどのような経過になっているか、これを知りたくてこの本を選んでみました。 アジ的にもならずに、淡々とイスラムの特にイラク、イラン、シリア、ヨルダン、トルコなどの地域の歴史的な説明を含めて、解説してあります。 ここでやっとシーア派とスンニ派の区別を付けることが出来るようになりました。 今まではニュースを聞いていても、その区別はほとんど出来ませんでした。 現在ではこの手の本は必読だと思います。

【内容紹介】
パリ「シャルリー・エブド」襲撃事件に続き、
日本人人質事件も勃発。
2015年の世界は、イスラム過激派に振り回される。

2014年6月、イスラム過激派の一組織が「イスラム国」の樹立を宣言。
西欧社会がアラブに押しつけた国家の枠組が突き崩されたことで、
国際社会に大きな衝撃が走った。
数々の残虐な行為が非難されているが、
彼らは単に恐怖政治によって勢力を拡大しているわけではない。
なぜ資金提供者が現れるのか。
なぜ世界中から志願兵の若者が集まるのか。
7世紀ムハンマドの時代を理想と掲げる彼らが目指すものは何なのか。
中東問題の第一人者が複雑な中東情勢を徹底的にわかりやすく解きほぐし、
その正体に迫る。

第1章 イスラム国、急拡大の背景
第2章 イスラム国とは何なのか
第3章 イスラム国出現までの100年史
第4章 イスラム過激派とは何者か
第5章 イスラム国と国際情勢
第6章 イスラム国はいつまでもつか

内容(「BOOK」データベースより)
2014年6月、イスラム過激派の一組織が「イスラム国」の樹立を宣言。西欧社会がアラブに押しつけた国家の枠組が突き崩されたことで、国際社会に大きな衝撃が走った。数々の残虐な行為が非難されている。だがイスラム国は単に恐怖政治によって勢力を拡大しているわけではない。なぜ資金提供者が現れるのか。なぜ世界中から志願兵の若者が集まるのか。7世紀ムハンマドの時代を理想と掲げる集団が目指すものは何なのか。中東問題の第一人者が複雑な中東情勢を徹底的にわかりやすく解きほぐし、その正体に迫る。