今月のひとこと2009年3月号





「今月のひとこと」の目次
毎月一回はその時々のトピックスをお送りしています。


本ページは最小フォントで最適化をしています。マイクロソフトのIEをお使いの方は、
「表示」メニューでフォントのサイズを「最小」にしてご覧ください。
絵や写真をクリックすると、そのページに行けます



3月1日
昨日は、Citiの実質的な国有化で、NYダウは大幅に下落したようです。 本来なら、これで不良債権の処理は少し前に進むので歓迎のはずですが、どうもアメリカの投資家は、このままうまく行くと思っていたようです。 逆にそれが意外と言うかびっくりしました。 銀行の不良資産の査定も厳格に行われるようですし、やっと日本の竹中/小泉の段階に至ったということでしょう。 しかしそのスピードはすごいですね。 リーマンから約半年です。 トヨタ自動車が、5月には現在の在庫調整が終わって、増産に入るというニュースもあり、そろそろ先が少しは見えてくるのではないでしょうか。 しかし実態経済への影響はこれからで、本格的に上向くのは皆さんがおっしゃる来年後半になってくるのではないでしょうか。

最近、びっくりしたのは、メモリ特にSD関連のメモリ価格の下落です。 2GバイトのマイクロSDが400円弱で入手できます。 試しに買ってみましたが、ちゃんと使えます。 16GバイトのSDHCでも3000円前後で入手できます。 これとAVCHDの圧縮技術を使うと、最長で4時間ぐらいのハイビジョン映像を録画する事が出来ます。

SDメモリカードは、マイクロでもミニでもフルサイズでも、最大の容量は2Gbです。 また古いカードリーダでは、SDしかアクセス出来ませんので、2Gbの需要は高いのでしょう。 通常のデジカメならこれで十分です。 現在販売されているカードリーダでも、安いのは、SDHCでも4Gbとか8Gbとかの制限がありますので、注意が必要です。

学生の頃に、メモリの種類として、コアメモリをメインに授業で勉強しましたが、その時に、将来は半導体メモリになるカも知れないという事で、その動作原理を勉強しましたが。 当時は本当に基本のフリップフロップを使ったスタッティクメモリでした。 しかしその様な回路が何万、何百万、さらには何億も作れるという事は全く理解を外れていました。 その後の半導体の発展で、切手サイズに写真が入るとかビデオが入るとか言う話がありまして、それも夢のようでしたが、現実になったという事です。 それも数百円で。

このまま行くと、1Gb当りの価格は100円になるのは時間の問題でしょう。 ディスクの単体ではおおよそ、500Gb で1万円ぐらいですから、既にGb当りで20円ぐらいになっている勘定です。 1ビット1円と言っていた時代が懐かしいですね。 結局半導体は儲からないビジネスになりつつあるのは寂しい限りですが、究極のものづくりの、究極の量産時の姿として捉えて、新しいビジネスモデルを構築しないといけないのかもしれません。

最近は、デジタルTVの価格下落が激しいですね。 もっとも安売りしているのは、フルハイビジョンで無い機種が多いですが、1年以上前に買った機種は、28万ぐらいから20万に落ちていました。 逆に一度は下落したビデオ録画機の価格が上昇した事もありました。 いずれにしても、通常のありふれたTVは、10万円ぐらいになってしまっていて、アナログTVと変わらなくなりました。

最近、サイトの電子証明書を更新したのですが、業界トップのベリ*イン社のMD5を使った証明書が偽造できるという記事を見つけました。 私は幸いベリ*イン社の証明書は高いので他社に変更しましたが、全世界で9,000サイトはまだこの偽造可能な証明書を使っているとの事です。 以前からその脆弱性は指摘されていましたが、事の発端は、最年末に「MD5コリジョン・インク」と言う国際的な研究者グループが、ソニーのプレステ3を200台つないで(プレステ3はこの様な処理をすると通常のPC40台分に匹敵する)発行された証明書を使って偽造を試みたところ、わずか3日間で偽造が出来たとの事です。 他社は既にSHA-1と言う新しい技術に変更しているので直接問題無いのですが、同様の脆弱性を指摘されていますので、同じ事がおきるでしょう。 現在はSHA-2と言う暗号鍵の長さが異なる暗号化技術を使用しているとの事です。

今月の読み物は、日本は原子爆弾をつくれるのか (PHP新書) 山田克哉著 ¥777。 以前から疑問に思っていた原爆の保有の仕方が載っていたので、早速買い込みました。 前半を含むほとんどを読み飛ばして、最後だけ読むつもりでしたが、結局全部読んでしまいました。 最初の部分は、原子物理の基礎ですが、従来は理論物理の本だったのですが、この本の著者は実験物理と言うか、実際屋さんですので、同じ事でも実務から見た記述が新鮮でした。

原子核の説明から原子炉の説明まで、ざっくりと全体が見渡せます。 よく分かったのは、原子炉で作ったプルトニュウムでは、戦略兵器としての原爆は作れないと言う事、高校の教科書に書いてあるような単純な砲弾型の起爆装置では駄目で、プルトニュウムではもちろん、ウランタイプでも爆縮型が一般的になってきているとの事です。 北朝鮮で難しいとされたのは、どうもこの爆縮技術でしょう。 また、北朝鮮の実験の規模が小さかったのは、原子炉で作ったプルトニュウムで未熟爆発を起こしたものと思います。

未熟爆発では、戦略的な意味はありませんが、テロで使うのなら威力はありますし、放射能物質を撒き散らす事も出来るでしょう。 そう言う意味で、なかなか微妙な代物だと思います。 また、アメリカでは原子炉で作られたプルトニュウムで本格的な原爆を作る技術が開発されているとの事ですが、事の性質上極秘になっているようです。

また、プルトニュウム爆弾のサイズを小さくするには、核融合の技術を使います。 これは水素爆弾とは全く異なるもので、プルトニュウムの分裂を引き起こす中性子を爆弾の中心に仕込んだ核融合装置によって大量に発生させるもので、爆弾は大幅に小さくでき、一時騒がれたスーツケース爆弾にもなります。

本書の問い掛けである、大量のプルトニュウムを保有する日本は原爆を保有できるか? と言う点に関しては、やはり5年ぐらいかかるのではないかと思います。 アメリカは文字通りゼロから出発して、3年でプルトニュウム爆弾とウラン型爆弾を開発しましたが、ものすごい人間とお金を掛けています。

全く現実的ではないですが、もし日本でしかも国際社会を敵に回して、自力で技術開発を行った場合は、どんなに急いでも3年、通常は5年はかかるという事でしょう。 従って、日本が原爆を保有しようと思えば3ヶ月で出来る、と言うのは全くの虚構と言うことになります。 また、イスラエルのように保有してるかいないか公表しないと言う状況も、専門家から見れば、すぐにばれてしまうという事です。

ところどころ説明が抜けているところもあり、決して読みやすいというわけでは無いが、それなりに面白く読めました。 AMAZONの書評はぼろくそですが、それほどでもないと思います。

内容紹介
日本が核ミサイルを発射するまでいったい何年かかるのか?――日本は世界的にも
高度な原子力技術をもっている。また、全国各地の原子力発電所から得られた
プルトニウムは、長崎型原爆の5000発分にもなるという。ならば日本はいますぐ原爆を
つくれそうに思えるが……。本書は、いま核兵器を開発するためには、
どのような技術が要求されるのかを、できるだけ平易に説明するとともに、
日本が原爆製造を外国の技術援助なしに一からはじめて、どれぐらいの時間が
かかるのかを見通す。日本の原爆開発史、驚異的なマンハッタン計画についても
論及した核の入門書である。

第1章 放射能と放射線
第2章 原子爆弾の構造
第3章 日本の原子爆弾開発
第4章 兵器級プルトニウム
第5章 原子爆弾のつくり方
第6章 日本の核武装

内容(「BOOK」データベースより)
日本は世界的にも高度な原子力技術をもっている。また、全国各地の原子力発電所から得られたプルトニウムは、長崎型原爆の5000発分にもなるという。ならば日本はいますぐ原爆をつくれそうに思えるが…。本書は、いま核兵器を開発するためには、どのような技術が要求されるのかを、できるだけ平易に説明するとともに、日本が原爆製造を外国の技術援助なしに一からはじめて、どれぐらいの時間がかかるのかを見通す。日本の原爆開発史、驚異的なマンハッタン計画についても論及した核の入門書。


今月のひとこと2009年2月号





「今月のひとこと」の目次
毎月一回はその時々のトピックスをお送りしています。


本ページは最小フォントで最適化をしています。マイクロソフトのIEをお使いの方は、
「表示」メニューでフォントのサイズを「最小」にしてご覧ください。
絵や写真をクリックすると、そのページに行けます



2月 1日
流石に各社の決算が出てくると、分かっていてもやはり株価は下がりますね。 オバマ大統領の就任の日にはダウが下がりました。 昨年末から続いていた上げ相場は、これで終わり。 オバマ人気の初期段階は、100日を待たずして終わってしまったのか、と言う感じです。 まだまだこれから少なくともジメジメする頃までは、じっと我慢が続くのではないでしょうか。 大手は4月の給与報酬からカットが始まりますので、その影響はその後ジワジワと出てくるのではないでしょうか。 それにしても先が見えないのはかなわんですね。

経済状況がともあれ、ほって置いてもやってくるのが、税金シーズン。 これは日本でもアメリカです一緒です。 何とかTAXと言うソフトが店先に並びます。 スーパーでも売っています。 日本では、年末には年賀状ソフト、アメリカでは税金ソフト。 これをずーっとやっていたら結果は明らかですよね。

日本はある意味では芸術の国。 その結果アニメが盛んでオタクと言う言葉が世界語になったりします。 反面、数字に特にお金に弱い。 今回の金融危機でも巻き込まれなかったと言うのは、ある意味で金融音痴だったと言うことで、税金の使い方もいい加減で、もう少しお金に興味を持ったらどうか、と思います。 武士は食わねど高楊枝、お金の話は下賤と言う風潮があります。

反面、アメリカは事の良し悪しは別にして、お金に敏感。 刑事映画でも、この経費は税金だから、とか言う台詞が良く出てきます。 今回の悪評高い定額給付金も、アメリカでは既に世帯あたり10万円ぐらいのバラまきをやりました。 これは新聞記事の受け売りですが、当時のブッシュ大統領は、国民から預かったお金を返します、と言う趣旨のことを言ったとのこと。 反面、日本は「給付」ですからね。 お上が恵んでやる、と言う感じ。 話題になっているいわゆる埋蔵金も、良く考えたら、税金や税金と同じ意味を持つ保険金をいい加減にごまかして、溜め込んで居ただけのことですので、お金を支払った方は、もっと怒るべきでしょう。

税金関連では、最近 イータックス e-Tax が盛んに国税庁の方からPRが行われています。 税理士協会のほうは、強制的に電子申告になっているみたいなので、かなりの割合で電子化されているようです。 何でも平成22年には、電子申告の割合を50%以上にするのが目標との事。現時点ではものすごい勢いでプロモーションがなされています。 ちなみに電子申告するためには、電子証明書とそれを読み取るカードリーダーが必要で、後のソフトはインターネットからダウンロードできます。

先日、市役所に行く用事があったので、ついでに受付で電子証明書の作り方を聞いて見たら、いま空いていますから、すぐに出来ますと言う説明に乗ったのが運命。 確かにすぐに処理をしてくれたのですが、付きっ切りで30分以上かかってしまいました。 これが混んでいたら、と思うとぞっとする。

電子証明書は私の嫌いな例の住基カードと抱き合わせになっていて、住基カードの申込書と電子証明書の申込書の2枚が必要です(各市役所で違うみたいです)。 住基カードは無料、証明書は3年期限で500円ナリ。 ちなみに今年の申告までは、電子申告で5,000円の税額控除つまり5,000円バックと言うことで、現時点では来年はなし。 カードリーダーは実質2,000円ぐらいなので、2,500円の黒字となります。 カードリーダーは税金シーズンが過ぎると少しは安くなると思います。

ここまでは良かったのですが、この後に担当者の若い人が出てきて、パスワードを入れろと言う。 クレジットカードを使うときに入れるテンキーパッドで4桁の数字を住基カード用に入れます。 これは見られずに入れたと思ったら、電子証明書を入れる段になって書類を見ながら入れてましたから、まったくセキュリティはいい加減。 まあ住基カードなら良いか、と思っていると。電子証明書のパスワードは流石にフルのパスワードで、これは安心と思っていると、横でじっと見ている。 マナー的にも横を向くのが礼儀ですが、そんな事はお構いなし。

ここで大失敗したのが、本物のパスワードを入れてしまって、このパスワードは後でインターネット経由でいくらでも修正できたので、このときはいい加減に入れておいたら良かったとあとで反省。 ちなみに私はパスワードを3種類ほど持っています。 通販などでセキュリティが怪しいときのためのバレバレのもの。 もう一つはまあまあ安心できるもの。 さらにもう一つは、ネットにも滅多に使わない、最高機密のもので、これを使ってしまって大失敗。 また新しいのを覚えなおさないといけないです。 まあ順々にセキュリティの高いものからお古をしたのレベルに使いまわしていくと良いと思います。

電子証明書の暗号化技術はRSAベースのしっかりしたと言うか教科書どおりのものでした。 問題の認証はどうしているのか興味がありましたが、これは都道府県の知事が認証しているんですね。 それで、認証した知事のフィンガープリントが公表されています。 従って完全な認証局方式でもなくて、各人が認証を確認したいときは、相手の証明書を認証した知事のフィンガープリントを確認する必要があるのです。 どうせなら、知事の証明書の認証を総理大臣とか、政治がらみでないので国家象徴の天皇がやるのも面白いと思いますが、如何でしょう。

ちなみに住基カードは、各市町村でバラバラのデザインとの事で、偽造が多いらしいです。 ICチップまでは偽造できないでしょうが、外見は簡単に偽造できるそうです。 現在でも写真入と写真なしがあるのですが、免許証があるので写真は不要でした。 アメリカのように身分証明書だけの機能の免許証がなぜないのか不思議ですね。 警察で簡単に発行したら良いと思うのですが。 日本では免許証しかまともな身分証明書はありません。 パスポートは住所が無いし、保険証や住民票には写真がついていません。 住基カードより余程定着している免許証と同じものを運転できないと言う条件で発行したら良いだけだと思います。

ちなみにみなさんはパスワードはどうやって作っていますか? やはりランダムにしないと、8桁や10桁で意味のある単語だとすぐに総当りで破れます。 フリーソフトでパスワードをランダムに発生するものがありますので、これでどんどん発生させて、何とか覚えられるものを選ぶと良いでしょう。 ちなみに私の場合は、最高機密のものは滅多に使わないので、あるとき思い出さないといけなくなって、しばらく考える時間は必要でしたが、1年以上前に作ったパスワードをキチンと思い出すことが出来ました。 もちろん数字、大文字の入った完全ランダムのものでした。

今月の読み物は、 先月の稲盛さんに続いて 日本電産永守イズムの挑戦 (日経ビジネス人文庫 ブルー に 1-32) (文庫) 日本経済新聞社 (編さん) ¥750です。 最近は、京都の元気印は、稲盛さん、堀場さんから完全に永守さん移りました。 すぐやる! 必ずやる! 出来るまでやる! で有名ですが、先日じかにお話をお聞きする機会がありましたので、興味が沸いて読んでみました。 講演の内容が本とほとんど一緒なのはご愛嬌として、それにしてもパワーのある人です。 先行き暗い中で少しはこれを読んで元気になりましょう。


今月のひとこと2009年正月元旦号





「今月のひとこと」の目次
毎月一回はその時々のトピックスをお送りしています。


本ページは最小フォントで最適化をしています。マイクロソフトのIEをお使いの方は、
「表示」メニューでフォントのサイズを「最小」にしてご覧ください。
絵や写真をクリックすると、そのページに行けます



2009年 1月元旦 あけまして、おめでとうございます。

昨年は年末が忙しかったので、少し遅れてしまいました。 昨年は、年初からあまり良い話は無くて、状況は悪くなる、と言う感覚がありましたが、昨年後半はそれどころか100年来の経済危機と言う事で、ますます先の読めないまま年を越しました。 唯一の望みは、アメリカの大統領が決まったことで、これで少しは先が見えてくるとは思いますが、就任後の過剰期待のそれこそバブル崩壊で、またまた下落すると言う見方もあります。

毎年の恒例の予測ですが、今回はまったく分かりません。 今年のうちに何とか先が見えるようになったら良いとは思います。 まあいずれにしてもいつかは底が見えるのですから備えておいてじっくり待つしかありません。 アメリカの新大統領就任後がひとつのヤマ場ではないでしょうか。


IT分野も、機能アップの流れが止まってしまいました。 後は性能アップの方向で、これにはいろいろと方向が出てきました。 ハイビジョンビデオが、そこそこ定着してビデオのハンドリングも大体見えてきて、ノーマルビデオが始まった当時と同じような感じになってきています。 ディスクも1テラぐらいで頭打ちで、ハイビジョンでもだいたいこれくらいでまあまあ使えるのではないでしょうか。

パナソニックのAVCHD規格も、新たにHLモードが開発されて、DVD1枚に、2時間の映画がほぼ入るようになりました。 DLを使えば、元のHE規格でも十分に入ります。 BDはまだまだ高価で、書き換え可能となるとさらに高価で、DLですと50ギガぐらいあるので、AVCHDで圧縮したビデオなら10本ぐらい入る勘定になります。
ノートPCはだいたい5万円以下になってきたので、非常に買いやすくなりました。 問題はVISTAが標準なので、XPへのダウングレードのためにさらにお金がかかることで、これは標準でXPを搭載している機種を探す必要があります。 また、最近はパーソナルユースでもOfficeが必要になりますが、これがまた高価。 特によく使うPowerpointを入れるとさらに高価で、下手すると本体の価格を超えてしまいます。
そこで KINGSOFT Office 2007 Plus Standard が良いです、 5000円。 ほぼコンパチです。 本家がおかしいところ特にWordですが、これも直してありますので非常に使いやすいです。 マイクロソフトの OpenOffice.org もこれは無料で良いのですが、少し重いのと下手に改良してあるので互換性の部分でイマイチです。

以前に本欄でも取り上げましたが、IP電話は完全に定着して。安定性の点でも従来の電話会社が運用しているものと引けを取らなくなりました。 SkypeのようなIT屋さんが開発したものと、Fusionみたいに通信屋さんが開発したものは、微妙に技術の方向が違っていて戸惑いますが、それなりに統合されつつあります。

Skypeのビジネスでの使用上の最大の問題は、恐らくSkypeOutにあると思いますが、番号ディスプレイが出来ないことです。 一応注意書きには出来ないこともあります、と書かれていますが、どうやっても出来ません。 ちなみにFusionを使ってSkypeで通話すると表示されます。 ただFusion はCall Backして通話する方式なので、繋がるまでに時間がかかる、UIの点でイマイチ使いにくい、と言う欠点もあります。
今月の読み物は、これと言うのが無かったのですが、ごく最近読んで、中身はともかく見直したモノです。 安いので読み飛ばす気になって読んでも読めます。 稲盛和夫の実学―経営と会計 (文庫) 稲盛 和夫著 ¥550税込。 経営に関する話は直接聞いたことが無くて、一度飛行機の中でご一緒したのですが、十分な話も出来なくて、感覚的にはあまり好きな人物ではなかったのですが、これを読んでいると自分と同じようなことを言っていると今更ながらに見直しました。 物凄く偉いヒトなので、一緒には出来ませんが、創業当時の話などは実感として分かります。 技術視点の経営と言うのは大体同じようなものになるのかも知れません。

面白いのは、浮利は追わない、投機はしないと言い切っているにも関わらず、アメーバー経営の本社機構の費用はどうするのか? と思っていたら、これは金融の運用で捻り出すのだそうです。

Amazon.co.jp の 商品の説明: 本の帯に「会計がわからんで経営ができるか!」と印刷されている。

会計というとつい「勘定が合えばそれで良い」「会計は専門に勉強した特定の者にしか理解できない」という感覚にとらわれてしまう。特に経営者は「利益追求=売上追求」と考えてしまい、会計をおざなりにしてしまいがちなのではないだろうか。そこを著者は自身の経験からなる「経営学」と「会計学」を結びつけてわかりやすく説明している。

経営に役立つ会計とはどうあるべきか。事業を安定軌道に乗せようと思うのなら、数字に明るく、しかも「安定性」を持続する会計でなくてはならない。安定は、「儲け」のなかから出てくるということも覚えておく必要がある。「儲け」るためにはどうすればいいのか。

その答えを導き出した著者が「なぜ」という言葉に徹底的にこだわり、追求する人だということが、この本を読み進めていくうちによくわかってくる。「簿外処理は一切許さない」「ディスクロージャーを徹底する」という一見当たり前の議論ながら、そこはさすがカリスマ性に富んだ著者。具体例を交えての論述には説得力がある。

「経営のための経理である」という「実学」は、経理を専門に勉強してきた人にとっては「目から鱗」の思いをするだろう。会計学とは経営哲学と完全に合致する理原則であることをあらためて認識させられる。(大高真子) –このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

内容(「BOOK」データベースより)
バブル経済に踊らされ、不良資産の山を築いた経営者は何をしていたのか。儲けとは、値決めとは、お金とは、実は何なのか。身近なたとえ話からキャッシュベース、採算向上、透明な経営など七つの原則を説き明かす。ゼロから経営の原理と会計を学んだ著者の会心作。

内容(「MARC」データベースより)
キャッシュベース、一対一対応の原則、筋肉質経営など、フェアで公正な経営のモラルと会計のあり方を根本に据えた今こそ求められる「経営のための会計学」を、実学で体得した著者が説き明かす。





今月のひとこと2008年12月号

12月6日
今月は週の変わり目で遅くなってしまいました。 実体経済の落ち込みは予想以上に激しいみたいですね。 これだけ急激に落ち込むと実際の落ち込み以上に悪くなるのかもしれません。いずれにしても現状は忍の一字でしょう。 オバマの支持率は75%だそうです。 それに比べてわが国は不支持率が70%を超える勢いです。 さっさと総選挙をやっておけば良かったのですが、人のことはよく見えて、自分の事になると見えなくなるのが常ですね。

戦前の状況にだんだんと似てきました。 下手したら5・15や2・26のようなことが起きるのではないでしょうか。 元次官夫妻殺傷事件の時は真っ先にこれを思い浮かべました。 この時は世界恐慌で、大不況でしたが第2次世界大戦によって終わりました。 歴史は繰り返しませんが、似たような状況になる事が多いので、何かが起きても不思議ではありません。

空幕長のいわゆる論文問題で、ネットでは英雄扱いだそうですが、こんな粗雑なものの考え方で軍事をやられたらたまりませんね。 謀略説にしても、当時の政府や軍部はそれほど騙されやすかったのか? そんなにひ弱だったのか? その結果なんで戦争に負けてしまったのか? これこそ自虐史観だと思います。 当時は国民こぞって戦争を推進したので、政府軍部だけ良い悪いとは言えないと思います。 民衆と指導層を区別するやり方は、中国が言い出した事で、それに洗脳されているだけでしょう。

国際連合から脱退し、関東軍が暴走し、三国同盟に参加し、天皇が怒りまくったのですが、所詮国民の支持があったので、戦争に進んでしまったのです。 満州も、好意的な内容もあったリットン調査団の報告辺りで手をうまく打っておけば、戦争にならずに済んだと思います。 しかし、世界大戦規模ですから、日本とアメリカだけが埒外と言うのは無理だったと思います。

空軍は当時はなかったので、直接は関係ないでしょうが、空自のトップの軍人としては、何故戦争に負けたのか、当時の状況の中で戦争を含めてどうしたら最適解だったのか、これをまず分析すべきです。 ただ戦前はみんな正しかった、だけではプロ軍人のトップとしては情けない感じです。 TVで時々やっていますが、アメリカの例えば駐在アメリカ軍司令官なんかはきちっとした話をインタビューで答えています。 英語はこう言う説明調の時は便利だと思っていましたが、やはり下士官ぐらいになると論旨が怪しくなります。 わが空幕長の発言はお世辞にも論理的とは思えません。

13daysと言うキューバ危機を扱った映画の録画をたまたま見ましたが、現地の司令官が威嚇射撃をして、これが大統領命令の「許可なくして発砲するな」と言うのに違反しているかどうかで、現場にいたマクナマラ国防長官と口論になって、敵が誤解する可能性があると反論しています。 空幕長を見ていても政治感覚はゼロですね。 もっと国会に引っ張り出さないと駄目ですね。

話が軍事になってしまいましたが、本来のITの話です。 最近、またIP電話に挑戦しています。 以前のAsteriskは駄目でアキラメ。 今回は FusionのVoIPとSkypeの組み合わせです。 当初の目的のリモートの電話間の転送がまだ出来ませんが、概ね目的を達せそうです。

出来ることは、(1)Web画面からクリックすることで自動ダイアルで電話できる。 (2)また着信できる。 (3)内線に転送できる。 (4)不在時には自動で外線(主に個人ケータイ)に自動転送する。(5)個人ケータイからの電話料金は、会社にチャージされ、発信番号は個人ケータイの番号ではなくて割り当てられた050番号となる。 などなど。

(1)はSkypeを利用することで便利に使えます。 また、Web画面に、callto:// と言うタグを埋め込むとSkypeのプラグインをインストールしていないユーザにも使える様になります。 発信をFusion 経由で行うのか、SkypeOutを使うかも指定できます。 (2)もSkype で着信。 Skypeの状態(離席とか)で転送先とか動作を切り替えられます。 PCを落としたときはオフライン扱いになって、これも規定された動作を行います。 最大の問題は、Fusion で割当られた 050番号とSkype名との紐つけの変更が出来ないことです。 したがってSkype名を付けるときに慎重につけましょう。 着信はこの他に、ICOMのVoIPルーターを経由して、IP電話機でも着信します。 このIP電話機間で内線転送を行います。 Skypeでもプラグインで内線転送が出来るようですが、使い勝手が不明なのと料金がかかるので現状では日和見です。 (4)(5)はFusionの機能です。

最近のSkypeはかなり改善されて、音質が良くなりました。 チャットも出来るし、ビデオ会議も出来るので、非常に便利です。 特に国際電話が便利でしょう。 ファイルの送信も出来ますので、チャットしながら打ち合わせて、時々音声で会話。 必要になったらファイルを送る。と言うことが同時に行えます。 また誰がログインしてる、つまりPCを使っているか、と言うことが分かるので、リモートでもローカルで仕事をしているのと同じ感じになります。

今月の読み物は、コレステロールに薬はいらない! (角川oneテーマ21) 新書 浜 六郎 著 ¥720 税込。 秋の健康診断でコレステロールが高い、と指摘された方も多いと思います。 現在の基準値は220となっており、これ超えると有無を言わせずに薬を処方する医者がいます。 統計的に240-260が日本人ではもっともトータルの死亡率が少ないと言う結果が出ています。 私の家庭医は、多少(自分でも結構高いと思うぐらいでも)高くても、まあ様子を見ましょう、まず食生活からと言って薬も何もくれません。 コレステロールは脳髄の重要な材料ですし、大体コレステロールの高い人はテンションが高いような気がします。 また、食品に含まれるコレステロールより体内で作られるコレステロールが問題で、どうも私の場合は豆類ナッツが駄目なようです。 つまみにピーナッツと行かなくなって困ります。

内容紹介 「コレステロール値が高い」といわれた人、必読の一冊!
日本のコレステロール基準値は、心筋梗塞の多い欧米よりも低い。実は「コレステロール高め」が最も健康で長生きであること、薬で下げるとかえって死亡率が高くなることが明らかに。あなたの薬が分かる一覧表付き。
内容(「BOOK」データベースより)
日本のコレステロール基準値は220。これは心筋梗塞が5~10倍も多い欧米に比べても低い数値です。多くのデータから、コレステロール値240~260が最も健康で長生きであること、薬で無理に下げるとかえって死亡率が高くなることが明らかになってきました。「コレステロール値が高い」といわれた人、必読の一冊。

内容(「MARC」データベースより)
多くのデータから、コレステロール値240~260が最も健康で長生きであること、薬で無理に下げるとかえって死亡率が高くなることが明らかになってきた。メタボリックシンドロームに騙されないための一冊。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
浜 六郎 医師。1945年、徳島県生まれ。大阪大学医学部卒業後、大阪府衛生部を経て阪南中央病院に勤務。NPO法人医薬ビジランスセンター代表。医薬品の安全で適正な使用のための調査研究と情報収集・広報活動に取り組んでいる。専門は内科・治療学・薬剤疫学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

 

 

今月のひとこと2008年11月号

11月3日
いよいよ秋も深まってきました。 今週はアメリカ大統領選挙で、オバマ大統領が生まれるようです。 期日前の投票が3割を超えるという報道があって、これはオバマに有利に働くでしょう。 震源地のアメリカが大統領選挙をやっているのに、対極にある日本は、総選挙延期でなんとも締まりませんね。 どうせ今回の問題は長期化するので、少々バタバタしてもしょうがないと思います。 また、全世界的な不況なので、日本がジタバタしても外的要因の方が大きいでしょう。 円高と騒いでいましたが、あっという間に100円近くになって、輸出関連企業は当然に為替予約(早い話が先物)を手配しているので、そんなに急激な影響は出ないはずです。

今回の世界同時不況で、金融技術の全てが否定されているような感じですが、サブプライムローンにしても何にしても、リスク分散技術がうまく機能しなかった、もしくは過信したということでしょう。 あれだけの株価や原油先物価格の乱高下の中で、売る人がいて買う人が居ると言うのは良く考えると不思議ですね。 もっとも日本で株価の最大の下げをした時にちょうど株価を見ていたのですが、午前中はほとんど値が付きませんでした。 東証上場の株価があれだけ寄り付きで値が付かないのははじめて見ました。 それでも買い注文と売り注文は出ていました。

今回の問題は、リスクを引き受けるべき金融機関がその対応力以上のリスクを引き受けてしまった事に最大の原因があると思います。 良く調べていませんが、問題を起こした投資銀行に対する規制が甘かったと言う事でしょう。 通常の銀行はBIS規制として自己資本率8%とかの規制がありますが、投資銀行に対する、これが緩すぎたのではないでしょうか。

それにしても、ノーベル経済学賞はどうなっているんでしょう? 今回の金融危機の遠因になっているのは、ご存知ブラックショールズの式で、これでデリバティブの価値を計算できた事によって、現在の広範な証券化の端緒となったと思います。 その前にはLTMの破綻を切っ掛けにしてロシア危機があったのは記憶に新しいところで、このときもノーベル賞受賞者が会社を立ち上げて、それで失敗したと言う事で、この時は個人的な問題として捉えられていたのですが、今回はそれを遥かに凌駕する問題となってきました。

ちなみにノーベル経済学賞は、本当のノーベル賞ではなくて、後で追加されたものと言うことです。 さらにはノーベル賞には数学分野はありませんので、本来のノーベルの趣旨から言うと自然現象を扱わないノーベル経済学賞と言うのは平和賞と並んで胡散臭いもののひとつです。

ノーベル賞と言えば、今回は久々に理論物理の世界で受賞が決まりました。 ヨーロッパのLHCの建設で機運が湧いてきたのでしょうが、少しタイミングが遅かったです。 自発的対称性の破れの南部陽一郎は貰って当然と思っていましたが、本人も30年前までは貰って当然と思っていた、とインタビューに答えています。 CP対称性の破れを観測したリー・ヤンとは意味合いが異なりますが、1957年にノーベル賞を貰っていますので、これよりもっと根源的なので受賞してもおかしくなかった。 それにしても良く生きていた。 死んでいてもちっともおかしくない年齢だし、風貌も変わっていました。 流石に授賞式には行かないそうです。

小林・益川理論も当時は、クオークが6種類以上ないといけないと言う理論があるよ、と言う感じでしたが、トップクオークが発見されて実証されたということで、その時に受賞すべきだったと思います。 ヨーロッパのLHCでは物質に重量を与えるヒッグス粒子の発見が目標ですが、早くもこれが発見されたらノーベル賞だという声もあります。 小林・益川の先生の坂田昌三ももらっておかしくないと思いますが、少し外しているのと、すでに亡くなってしまいました。 残念。

理論物理は、大量生産で色んな可能性を理論的に追求して、それが当たると大きいが外すと何も残らないという感じです。 片方の実験物理は、だんだんと仕掛けにお金がかかるようになってきていますので、例えばヨーロッパのLHCは日本・アメリカ・EUの相乗りになっています。 日本からも若手の研究者が100人以上参加しているそうです。 北京で銀メダルを取ったフェンシングの選手が言っていましたが、世界レベルならほとんどレベルは同じ、思い切って突っ込んでいってそれがたまたまうまく行ったらメダル。 下手したら入賞も出来ない。 学問の世界も同じで、見極めて突っ込んで行って、それが当りなら世界で評価されるということでしょう。

 

 

日本の理論物理の草分けは、何と言っても湯川秀樹。 確かに天才と言って良いでしょう。 彼が中間子のアイデアを考え付いたのは第2次世界大戦の前ですから、大変なものです。 だから、敗戦国にも関わらず受賞できたと思います。 湯川的と言う言葉があるくらいですから。次は、朝永振一郎。 くりこみ理論をJ.S.シュウィンガー R.P.ファインマンと共同受賞しました。 くりこみによって、本来計算が出来ない粒子の電荷などを計算できるようになったのですが、単なる数学テクニックとも思えます。 そのせいか、ノーベル賞の紹介の中ではあんまり出てきません。 しかし、くりこみ可能かどうかは大きな問題で、重力子は繰込みが出来ないので研究が進んでいません。

3人目は江崎玲於奈。 トンネル効果を発見して、半導体の進歩に貢献しましたが、少し工学的な匂いが強いので、これなら他にも西沢潤一はどうだとなります。 貰っても不思議ではない人で、自分でもそう思っていると言うことです。

その後なにもなくて、2002年にニュートリノの小柴昌俊。 カミオカンデが有名ですが、本来は標準理論で予言されている陽子の崩壊を検証するために作ったもので、本人曰くニュートリノを観測したかったが、それでは当時の文部省がうんと言わないのでそうした、との事ですが、作って2-3年で銀河系のごく傍で新星爆発があると言う極めて運の良いめぐり合わせでした。 結局、陽子の崩壊の証拠は得られず、そのうちに検出器が大量に破損して、もしこの時に新星爆発があったら、ノーベル賞はありませんでした。

その後に今回の正統理論物理の系譜とも言うべき受賞で、朝永振一郎以来の40数年ぶりの出来事です。 10次元とかスーパーストリングとかいろいろ話はありますが、最近の理論物理は少し停滞気味ですね。 だからヨーロッパのLHCに期待が集まっているのでしょう。 新たな現象が出てくれば、また理論も進展するでしょう。

ちなみに、これを見ておられるインターネットとかWebサイトとかブラウザとかは、LHCを立ち上げたCERNと言う組織で、論文を共有しようと言うことで始まったのです。 ネットワーク自体は、アメリカで生まれたのですが、その上で動くいわゆるインターネットはCERNのTim Berners-Leeによって、最初のブラウザであるMOSAICが作られました。 その後、シリコングラフィックス (SGI) の創業者ジム・クラークがCEOを投げ打ってしてマーク・アンドリーセンらとモザイク・コミュニケーションズ設立。後にネットスケープコミュニケーションズとなりました。 意外なところで、ノーベル賞とインターネットが結びついているのです。

そう言えば、ネットスケープコミュニケーションズもAOLに買収され、そのAOLもタイム・ワーナー(CNNやワーナー・ブラザーズ等を傘下に持つ)を買収し、世界最大の複合企業体になったが、今はタイム・ワーナー社の一部門になってしまった。 栄枯盛衰。

今月の読み物は、少し古いですが、「入門 超ひも理論―物理学の最終理論をやさしく解説!」広瀬 立成 著 中古商品 ¥660より。 上記のノーベル賞と絡めて読めば面白さ100倍。 ひも理論だけでなくて、理論物理の初歩からの解説があります。 ちなみに南部陽一郎は対象性の破れのほかにひも理論も発表しています。 提唱したのは、大きなと言っても原子サイズのひも。 「超」と付くのはそれより遥かに小さい、極限の空間サイズと言うことです。

出版社/著者からの内容紹介
「この世のあらゆるものは振動するひもからできている」――この驚くべき理論が、いま物理学に革命を起こしている。これまで物質の究極の姿はクォークなどの素粒子であるというのが定説であった。しかし超ひも理論は、それよりもさらに小さい1種類のひもがすべての根源だという。

超ひも理論のすごいところは、これまで発見された色々な素粒子の性質をすっきりと説明できるだけではなく、自然界に存在する重力、電磁力、弱い力、強い力という4つの別々の力を統一――すなわち一つの力の異なる側面として記述することができるのである。

力の統一ということがいかに革命的なことであるかは、アインシュタインがその生涯をかけて取り組みながらも、ついに達成できなかったことを見ても明らかであろう。

本書はその難解な「超ひも理論」を一般向けに解説したはじめての本。相対性理論や量子力学の初歩からわかりやすく解説してあり、文科系の人でも読める。

内容(「BOOK」データベースより)
みんな“ヒモ”だった!?「この世のあらゆるものは振動するひもから出来ている」―この驚くべき理論がいま物理学に革命を起こしている。アインシュタインも成し得なかった、自然界の4つの力を統一する究極の真実とは。相対性理論、量子力学の初歩から学べる。

内容(「MARC」データベースより)
この世のあらゆるものは振動するひもからできている-。この驚くべき理論がいま物理学に革命を起こしている。アインシュタインも成し得なかった、自然界の4つの力を統一する究極の真実とは? 一般向けにやさしく解説する。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
広瀬 立成
愛知県生まれ。1967年、東京工業大学大学院博士課程修了。東京大学原子核研究所、ハイデルベルク大学・高エネルギー研究所などを経て、現在、東京都立大学理学部教授。理学博士。専攻は高エネルギー物理学実験(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

 

 

今月のひとこと2008年10月号





「今月のひとこと」の目次
毎月一回はその時々のトピックスをお送りしています。


本ページは最小フォントで最適化をしています。マイクロソフトのIEをお使いの方は、
「表示」メニューでフォントのサイズを「最小」にしてご覧ください。
絵や写真をクリックすると、そのページに行けます



10月4日
今週は急に寒くなって、最低気温は15℃にもなりました。 冷房と暖房を交互に切り替えないといけないような状況です。 アメリカ発の金融危機も混迷を深めて、日本の経験を生かすはずのアメリカでももたもたが続いています。 本稿を書いている時点で、やっと不良債権法案が通ったのですが、ダウ平均は通貨直後は300ドル以上の上昇だったのが、150ドル以上の下落で後場を終えたようです。 要するに効果は無いと市場が判断したものでしょう。 結局、銀行の資本不足になってしまって、後は資本注入しかないのでは無いでしょうか。 しかし、当の銀行の資産査定も行われていず、来月は大統領選挙で、具体策は打てず、日本の解散時期や景気後退と重なって、どうにも身動きが出来ない状態です。 左は急に有名になったリーマン兄弟。

まあ、日本はここまで来るのに、10年ほどかかっていますから、それに比べたら素早い方でしょう。 日本では、この時点で竹中大臣の半強制的な資本注入で日本経済はやっと底を打ったのです。 それにしても、つい最近まではアメリカは大騒ぎしているが銀行の資本は大丈夫だから、と言われてきたのですが、急速に状況は悪化してるようで、来年からの動きに注目する必要があります。 長期戦となるようです。

暗い話はさておいて、最近話題の5万円ノートPCの先頭を行く、ASUSTekの EeePC701 SD-X。 値段は税送料込みで37,890円。 画面が 7型ワイドTFTカラー液晶800×480ドットと小さいものの、無線LAN、30万画素カメラ、マイク、USB3ポート、SDHCスロットを持ち、グラフィックスもフルのRGBコネクタが付いています。 メモリ関連は、メインメモリが512Mbとまあまあですが、ディクスが無くてメモリ(SSD)になっていて高速だが、これが8Gbと小さい。 その代わり外付けのUSBディスクが30Gb付いています。 これに小型のマウスが付いているので、ディスプレイを除くとコスト的にギリギリ削ったという感じはしません。 最後にびっくりするのは、これにXPのHomeがインストールされていることです。

よくまあこの値段で出せるな、と思っていろいろ眺めてみました。 これにOfficeの代わりにOpenOfficeを乗せれば、通常のビジネスには問題なく使えます。 問題のディスプレイもフルのRGBコネクタが付いているので、そのまま通常のディスプレイに繋ぐと、1024×768は表示できました。 また、本体のディスプレイと2画面でも使えます。

最近の広告で、DELLが5万円を20円切るノートブックを出してきました。 DELLにはいろいろプラスαがあるので要注意です。 タワー型が安いと思って買うと、送料に5000円も取られてしまいます。 また、最近はXPにしたいと思うと、ダウングレード費用が必要で、これが6-7000円も必要になります。 さらにOfficeを乗せるとすぐに8万円ぐらいになってしまいます。 ここは先ほど言ったような OpenOfficeを使うべきでしょう。 最新バージョンは良くなっていて、Word、Excel、Powerpointの全てを含んでいます。 モノによっては(特にWord)は元のより出来が良いと思います。

先月号で紹介した、パンソニックの新しいビデオレコーダーが入ってきました。 しかし結果はあまり良くありません。 軽快だった操作が重くなって、他のレコーダーと同じようになってしまいました。 画面の表示も綺麗になったのは良いのですが、何か見難い。 前のものの方が綺麗ではなかったですが、見やすかったと思います。 アクトビラが見えるようになったのは進歩ですが、最大のポイントの操作性が落ちたのが残念ですね。

先日たまたま無線LANを探していたら、FONと言うのを見つけました。 それなりに有名らしいのですが知りませんでした。 要するに、Wi-Fi(通常の無線LAN)を使って全員参加型でアクセススポットを世界中に広げる、アクセスポイントを提供した人は、他の世界中のアクセスポイントで無料でアクセス出来ると言うもの。 ポイントは、やはりセキュリティ。 自分で引いたネットのルーターの内側に公衆アクセスポイントを繋ぐので、ここが心配になります。

端末はヨドバシを含むどこかの通販でいつでも買えます。 値段も安くて安いほうは2000円ぐらい、高いほうでも4000円程度(上位機種)です。 これでWi-Fiのアクセスポイントが買えるのなら、これだけでも安いものと思います。 2000円と4000円の差も結局たいしたことが無いので、2000円の分で十分です。 ファームは常に更新されているらしくて、電源を入れて30分はダウンロードなので処理が行われているようです。 Use OpenOffice.orgIDは自分のIDプラス追加で5個まで発行できますので、喫茶店などで一時的にIDを発行すれば5人まで使えることになります。 問題は、通常のプロバイダはこう言う使い方を想定しないと言うか、約款で禁止しているのが大半だとおもいますので、おおっぴらには使いにくいでしょう。 もっとも、現状でも通常のアクセスポイントを設置して使っているところもあるようなので、それほど特殊なケースになるわけではないでしょう。

上位機種では指向性のある外部アンテナを接続できるようで、100mぐらいは届くようです。 しかし認可を得ているわけではないようなので、電波法違反になる恐れがありますと表示されています。

全世界の、もちろん全日本のFONの設置されている地図を参照できますが、結構たくさんあるような感じです。 Wi-Fi用の無線IP電話機も発売されていますので、ある程度敷詰めが出来れば、ケータイに取って代わるかもしれません。

今月の読み物は、夏から読もうと思ってなかなか読めなかった、大東亜戦争の実相 (PHP文庫)瀬島 龍三 著¥650税込。 あれだけの戦争を実際に動かした人に興味があって以前から読みたいと思っていました。 単なる軍国主義や兵器オタクでは、あれだけの戦争を遂行できませんからそれなりの参謀がいたのだと思いましたが、そのとおりでした。 戦後は伊藤忠の会長までなった人ですから、何をやらせても出来たのではないかと思います。

出版社/著者からの内容紹介
なぜ日本人は大東亜戦争を戦うことになったのか。当時の日本人の苦悩に満ちた選択を、大本営陸軍参謀であった著者が虚心坦懐に語る。
六月、皇太后陛下が崩御され、これで昭和という時代が確実に終わったと実感した人は少なくない。しかし、一つの時代が終焉しても、語り継がれるべき歴史というものがある。

 本書は元大本営陸軍参謀将校として、大東亜戦争勃発の経緯をつぶさに見てきた著者が、日本がなぜ大東亜戦争を戦うことになったのかを、明治維新から日清・日露の戦争を経て、大東亜戦争にいたるまでの歴史を凝視しつつ、大東亜戦争は「自存自衛の受動戦争」であったという立場から、苦悩する近代日本の姿を、鮮やかに叙述したものである。

 本書は今から28年前の、ハーバード大学における講演録であるが、国家存亡の危機にあって当時の日本人が守り抜こうとした精神とは何であったかを問う著者の論点は、今、八方ふさがりの状況にある日本人への、危機に対する問題意識の喚起といってもよい。21世紀の国の形を考えるうえでの必読の書である。

本書は、1972年、米国・ハーバード大学で国際関係学者約50人を前に行われた講演を、20世紀末になってからまとめたものである。戦時中、陸軍最高統帥部の作戦部に勤務し、全軍作戦の企画立案指導に携わった瀬島氏の貴重な証言である。
著者はまず戦争の呼び名を太平洋戦争でなく、あえて「大東亜戦争」とする理由を語っている。それは、大東亜新秩序を建設するための戦争であるから大東亜戦争と呼んだのではなく、単に大東亜の地域において行われる戦争という意味合いに過ぎず、戦時中の法令や条規の随所に使用されていた歴史的事実によるものだという。このあたりは、大東亜戦争の名で戦争作戦に深くかかわった著者のこだわりが感じ取れる。
まず興味を引くのは、当時の大本営の姿が、その内部にいた者の証言として生々しく語られていることである。対等の立場という位置づけでありながら大本営に引きずられざるを得なかった政府。陸軍と海軍の内部対立。そうした中で、「自存自衛」のために開戦に追い込まれた当時の日本の苦悩が如実に示されている。
著者は、末尾で大東亜戦争を踏まえての7つの教訓を語っている。そこでは大陸政策の失敗、軍事優先の国家体制などが挙げられているが、特筆すべきは明治憲法下における国家運営能力が時代に適応しなくなったという点である。当時の国家運営は実質的には元老と呼ばれる勲功者たちによって運営されていたが、最後の元老といわれた西園寺公望は開戦直前の昭和15年に死去していた。いわば、明治維新以来の政治体制の崩壊が開戦に至った遠因の一つであるという指摘は、興味深いものがある。(杉本治人)