今月のひとこと2018年5月号

2018年5月3日

い~らかぁのなみとくもぉのなみ~で始まる鯉のぼりの季節で、思わずこの歌詞が頭に浮かびます。 1番は皆知っていると思いますが、2番3番はほとんど知られていないのではないでしょうか。 良く読むと、結構格調の高い歌詞です。

歌詞:こいのぼり 作詞:不詳/作曲:弘田龍太郎

甍(いらか)の波と 雲の波

重なる波の 中空(なかぞら)を

橘(たちばな)かおる 朝風に

高く泳ぐや 鯉のぼり

開ける広き 其の口に

舟をも呑(の)まん 様見えて

ゆたかに振(ふる)う 尾鰭(おひれ)には

物に動ぜぬ姿あり

百瀬(ももせ)の滝を 登りなば

忽(たちま)ち竜に なりぬべき

わが身に似よや 男子(おのこご)と

空に躍るや 鯉のぼり

もう一つの『こいのぼり』は童謡、唱歌。 作詞は近藤宮子、作曲は不明。

1番は皆よくご存じの歌詞ですが、鯉のぼりの成り立ちと時代に寄るのでしょうが、お父さんと子供たちだけで、お母さんが登場しません。

自宅の7mの鯉のぼり (リンクはありません)
真鯉はお父さん、緋鯉はお母さん、青と緑は子供たちで、江戸時代は、嫡男(長男)の真鯉1匹だけだったそうですが、その後追加された緋鯉は子供たちだったんです。 しかし現代では、誰でも私ですら、真鯉はお父さんで緋鯉はお母さんで、その下の青と緑は子供で子供が3人以上居たらどうするのか? と心配していましたが、一匹で子供たちだったんですね。 ちなみに色はオリンピックの色なので青と緑になったらしい。 以前は子供の数も多くて、それ毎に鯉を追加したら大変だったのではないでしょうか? 少子化で、子供のそれぞれの鯉が生まれたのでしょう。

1番

やねより たかい こいのぼり

おおきい まごいは おとうさん

ちいさい ひごいは こどもたち

おもしろそうに およいでる

2番

みどりの かぜに さそわれて

ひらひらはためくふきながし

くるくる まわるかざぐるま

おもしろそうに およいでる

比較的新しく付け加えられた3番。

5がつの かぜに こいのぼり

めだまを ピカピカ ひからせて

おびれを くるくる おどらせて

あかるい そらを およいでる

現代では、お母さんが登場しないのは、差別だと言われそうなので、お母さんが登場する2番の歌詞もありますが、こちらはお母さんと子供たち。

やねより たかい こいのぼり

おおきい ひごいは おかあさん

ちいさい まごいは こどもたち

おもしろそうに およいでる

子供が生まれたときに買ったが、行方が分からなくなっていた鯉のぼりをやっと見つけて、上げてみましたが、10mはないものの吹き流しのところで7mもあって、このサイズはサスガに迫力があります。 この大きい鯉のぼりのハンドリングに苦労したことを思い出して、今回は小さめの3mにしましたが、元のを5mと思っていたので、サスガに小さい。 一番大きな真鯉でも、以前に買った7mものの一番小さい鯉より2周りも小さいです。 けど、これくらいの方がハンドリングがラクです。

鯉のぼりやモリカケ気を取られている間に、朝鮮半島はあれよあれよという間に状況が大変化。 本来は、安倍首相が先に北朝鮮に行ってこの流れを先制しないといけなかったのでしょうが、妙なところで足を引っ張られてしまって、今では逆に追い込まれているのが日本と言う見方が多くなりました。 6カ国協議のうち、今回の話に入れていないのはロシアと日本。 日本はアメリカ経由と言うこともあるでしょうが、アメリカはトランプのアメリカファーストですから、置いて行かれる可能性は大です。 未完にも関わらずICBMだけは廃棄、核廃棄は目標になり、日本に届く中距離ミサイルは保有し、拉致被害者もうやむや、その上に戦後賠償として経済支援だけ押しつけられると言うシナリオが最悪で、しかもあり得る話です。

これらのうち拉致被害者の件は、何らかのカタチで玉虫色でも決着するとしても、他の部分はドウしようも無いです。 経済支援を拒否しても、戦後賠償を持ち出されると無碍には断れないでしょう。 最悪は北朝鮮、韓国、中国が一体となって、各種の補償を要求してくると、非常に苦しいことになります。

今回の6月初めとされている米朝会談の結果で、いずれにしても安倍政権の命運は決まるでしょう。 官僚機構が制度疲労を起こしているので、いろいろな問題が出てくる。 それの総責任者である総理大臣の責任は大きいと思います。 モリカケそのものはたいした問題ではないですが、防衛省を含めた役所の文書管理が余りにも杜撰。

一番機密保持が要求される自衛隊の日報が、後からどこから出てくるのは全くおかしいし、実質軍隊である自衛隊の機密文書が、そこらの役所の文書と同じ扱いであると言うのもおかしい。 根本的には、自衛隊を軍隊ではない、単なる行政組織であるとする、護憲派の意見が強すぎるのでこうなったのでしょう。 いずれにしても、文書管理をしっかりしないといけないです。 保存するものは保存する。 破棄するものはキチンと破棄する。 これが出来ていないので、探すとボロボロ出てくるのです。

ちょっと目を離しているとIoTが草の根でドンドン進んでいます。 スマートスピーカーが大流行ですが、これで何かを制御しようとすると、結構大変です。 単に電源を入れたり切ったりする機器は、その端末が1000ー2000円で売られているので、それを使うと良いのですが、最近の家電は、ほとんどがリモコン操作になっているので、電源を入り切りしてもダメで、リモコンをエミュレートする必要があります。

現在はスマートスピーカーにはこの機能は入っていなくて、別のメーカーの機器との連携で動作するようですが、一般の人にとっては敷居が高いと思います。 いずれはリモコン機能は、機能が簡単なので、スマートスピーカーに内蔵されることになると思います。

これらの機器の本場は中国で日本製はほとんどありません。 Amazonのクラウドサービスを使ったものが多く、中国で開発されたものを日本に持ち込んだのが一部あるくらいです。 しかし値段が一気に高くなります。 最近は中国版のAmazon見たいなものがあって、GearBestがその代表だと思いますが、ここで買うと2000円ぐらいのものが、日本で買うと6000円以上になります。 しかも中国で買ったものは、日本のスマホでは動かず、スマホを英文に直すと使えるようになっています。

一番ビックリしたのは無線式の温度計。 温室の温度管理に、10年以上前に開発した試作品をテスト代わりに使っていましたが、今回のものは、温度センサーも無線になっていて、中心となるWifiハブが必要ですが、その後はZigbeeで繋がって、ボタン電池で動作します。 中国製品の特徴で、仕様がほとんど明示されない、説明書も中国語だけしか無くて、何とか漢字を拾って解読するのですが、限界があります。 ボタン電池の寿命も現時点では不明です。

距離も意外に遠距離まで届きWifiと似た感じです。 伝送頻度は電池の持ちに影響するのですが、思ったより頻度が多くて、温度変化を捉えて送信するのかも知れません。 いよいよ中国語を勉強して、中国語のマニュアルを読めるようにならないといけなくなるようです。

これを作ったメーカーはスマホで有名な小米科技(Xiaomi、シャオミ)です。 小さいがキチンとデザインもされていて、ピクトもちゃんと表示されています。 Wifiハブからは、何かあると中国語でメッセージが発声されますが、聞き取れません。 自動音声翻訳機が必要です。 ちなみにWifiハブは3000円ほどで、端末の温度センサーは1200円ほど。 非常にリーゾナブルです。 他にも、ものすごい数の端末が用意されていて、どれで何が出来るのか良く分かりませんが、10年前に想定したM2Mの構想はほとんど実現できているようです。 サスガに中国だけあって、空気の汚染度を計測する端末が結構目に付きます。

送料はどうなっているか以前から不明ですが、小さなものは通常郵便で無料。 少し大きなもので500円ほどかかりましたが、送ってきたものを見ると中国の佐川急便が扱っていました。 アメリカのAmazonだと何千円もかかります。 それでも通関や運賃を考えると、中国の方はどうなっているか、非常に不思議です。

いずれにしても、日本が中国に負けつつあることは、これを見ても良く分かります。

今月の読み物は、「十一面観音巡礼」 単行本 2010/9/1 白洲 正子 著 ¥3,240

初版は50年も前で、これは再版ですが、長い間読まれている理由が良く分かりました。 それにしても良く見に行ったものです。 現在では有名になってしまいましたが、初版当時はだれも見向きもしなかったことであろうと思います。 国宝になっているのは別にして、これが? と言うのも中にはあって、それぞれの期待と拝観後の感想の落差があるかどうか。 それにしても正子は、良く見てますね。自分で発見したと思っても、良く本を読み直してみると既に書いてあったりします。 車が好きで日曜大工や農作業もこなした白洲次郎は尊敬する人ですので、その奥さんにも親近感があります。

内容(「BOOK」データベースより)

大和、近江、京都、若狭、美濃、信州の山里へ十一面観音を訪ね、美の魅力に迫る巡礼の旅。初版から35年、カラー写真と地図を増補、充実させた決定版の誕生。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

白洲/正子

1910年東京生まれ。幼い頃より能を学ぶ。十四歳で米国留学し、28年帰国、女性として初めて能舞台に立つ。29年白洲次郎(1902~85)と結婚。43年、初の著書『お能』を刊行。以降、古典文学、工芸、骨董、自然などについて随筆を執筆。『能面』『かくれ里』(ともに読売文学賞受賞)など著書多数。1998年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


今月のひとこと2018年4月号

2018年4月4日

森友問題で揺れる国会ですが、その間に世界は大きく動いています。 どうなるか分かりませんが、朝鮮半島問題は結局、日本は蚊帳の外で、頭越しにミサイルは飛ぶわ、米朝交渉は始まるわ、中朝も関係が改善しそうで、森友みたいな生産性の無い議論の間に、日本の国益の損失は大きなものがあります。 財務大臣のG20の参加も出来ずに、アメリカに対する関税問題への意見も伝えられませんでした。 ブッシュ(子)の時にイラク戦争をおっぱじめたネオコンのボルトンが国務長官になり、ますます先が読めなくなってきました。

日本の支持率の変化にも関わらず、市場はほどんど気にしていない様子です。 サスガにトランプの関税問題で、大きく揺れましたが、米朝交渉が実現しそうな状況で、リスク回避には向かっていなっていないようです。 しかし貿易戦争の方が市場にとってリスクらしく、何かの発言で相場は大きく変動します。

直接の問題は安倍政権でしょうが、継続すればアベノミクスも継続、財務省の力が弱まるので、消費税アップも延期になるかも知れないし、少なくともどのような政権になっても、財政緊縮政策は取りにくくなりました。

財務省の決裁文書の改ざん問題ですが、やった当人たちは余り深刻に考えていなかったのでは無いでしょうか。 そもそも鑑と称する表紙とその後のいわば添付文書、役所用語では別添と言うのですが、これの2本立て。 契約書なら割り印を押すのでしょうが、それもなく、いつでも変更できる仕組みになっている用です。 サスガに鑑の紙を変更すると、決裁の取り直しもしくは、印鑑偽造をしないといけないので、これは無いと思いますが、添付文書の変更はたまにはあるのでは無いでしょうか。

特に今回の改ざんと言うか変更は、単に削除しただけなので、財務省は最初は書き換えと言っていたのだと思います。 しかし、中には正反対の方に変更された部分があって、これは改ざんの何者でもないでしょう。 国会の議論などを聞いていると、この2種類がごっちゃに議論されていて、300箇所の改ざんとか言う話ばかりです。 もう少し突っ込んだ議論が、国会で無くても他でも可能だと思います。 いずれにしても、原状の国会は政治ショーのパフォーマンスばかりになっていて、真相究明には至らないでしょう。

50年近く前に買ったオリンパスのOM-1の抜けの良い画像のレンズを忘れられずに、コンデジよりマシかと同じオリンパスのOM-Dのエントリレベルのミラーレスを購入しました。 発売からかなり経っているので、65000円程度と安くなっているのも購入動機です。 しかも本体と広角ズームと標準ズームの2本のレンズが付いていました。

OM-1のレンズも使えるので、アタッチメントも買って繋いでみました。 OM-1は約50年前に買って、最後に使ったのが約30年前で、それからずっと仕舞い込んでいたのを引っ張り出しましたが、まったく劣化していなくて、そのまま使えるように見えました。 当時から気に入っていた200ミリの望遠を使いたいので、繋いで見ましたが、全体に白っぽい感じがします。 レンズが汚れているのかも知れません。 いずれにしても50年前の機器が、そのまま使えるのはたいしたものです。

マイクロプロセッサのセキュリティ問題が騒がれていますが、何とかソフトで対応しようと言うことで、セキュリティパッチが出回り始めました。 これにより大幅な性能低下が有るかも知れないということでした。 しかし最近分かったことは、あるセキュリティパッチを当てると、通常のメモリのセキュリティエリアが丸見えになると言う、頭隠して尻隠さずの状態で、さらに隠せなかったお尻の方が遙かに大きくて、影響がでかいと言うことです。 単なるチョンボだと思いますが、如何に、この問題で関係者が慌てた対応を迫られたのかと言うお話でした。 次から次へとハードレベルと言うかプロセッサ自身のマイクロコードレベルもしくはハード設計思想そのものにも関わるセキュリティ問題が出てきて、最終的にはハードウエアを根本的に修正する必要があると思います。

今月の読み物は、「日米同盟のリアリズム」 文春新書 2017/7/20 小川 和久 著

Kindle版 ¥950 単行本 ¥950

軍事評論家の筆者らしく、実際の事件も実態を詳しく解説。 新聞の何も知らない記者のいい加減な記事や何処まで本当なのか分からないネット記事にうんざりしている方に、この本も本当の所は分かりませんが、少なくとも新聞記事よりはかなりマシだと思います。

内容紹介

中国・北朝鮮は怯えている。 日本人だけが知らない 世界最強の「戦争力」の真実!

北朝鮮は核開発と弾道ミサイルの開発を続け、日本を標的にすると公言してはばからない。中国は海洋進出への野望をむき出しにし、東シナ海と尖閣諸島周辺での示威活動がニュースにならない日はないほどだ。そんな中、アメリカのトランプ大統領は在日米軍の撤退をチラつかせている。はたして私たち日本人は安全でいられるのか?

結論からいえば、日米同盟は中国・北朝鮮に対して、きわめて有効に抑止力として機能している。たとえば中国・北朝鮮の潜水艦は、すべて日米に行動を捕捉され、ニックネームまでつけられている。隠密行動が最大の強みである潜水艦がこの有り様では、日米の手のひらの上で遊ばされているようなものだ。中国・北朝鮮は日米同盟の強力な軍事力に怯えているからこそ、表向きの粗暴さとは裏腹に、実際の行動はおとなしい。

また、日米同盟はアメリカにとって死活的利益である。日本列島は地球の半分(西半球)でのアメリカの軍事力を支える「戦略的根拠地」として機能している。在日米軍基地は、出撃機能、インテリジェンス機能、ロジスティクス機能のどれをとっても米本土なみの戦略拠点であり、日本の基地負担は金額・割合とも世界ダントツである。

もし日米同盟が解消されれば、アメリカは太平洋から中東に至る地域での覇権を喪失する。日本を失ったアメリカの言うことなど、ロシアや中国どころか北朝鮮も聞かなくなり、アメリカは世界のリーダーの座から即刻転落するだろう。そんなアメリカが、日米同盟をみずから手放すわけがない。

本書は、日米同盟という世界最強の軍事力が、いかに中国・北朝鮮を抑え込んでいるかを具体的に解き明かす。

また、中国が日米同盟に仕掛けている現代版「孫子の兵法」ともいえる「三戦」、「A2/AD」の思考も詳しく紹介。著者ならではの最新データも盛りだくさん。

まさに本書1冊で丸わかり。防衛大臣より賢くなれる!

内容(「BOOK」データベースより)

もし日米同盟が解消されれば、米国は世界のリーダーの座から転落する。そして東アジアで挑発を繰り返す中国と北朝鮮は、日米同盟の真の凄みを熟知しているからこそ、最後の一線は越えられない…。日本人だけが無自覚な「世界最強の同盟」の真実を徹底解説!

今月のひとこと2018年3月号

2018年3月1日

最近は暖かい日が多くなったと思っていたら、突然の春の嵐です。 カミナリも鳴って、夜中に目が覚めました。 明けても強風が吹いて、しかしこれで春の訪れが確実になりました。

株価は為替の影響が少なくなったのですが、今度はアメリカの金利の影響が大きくなりました。 大きく下がると個人らしい買いが入り、日銀のETF購入も巨額ですので、なかなか底割れと言う状況にはなりませんが、スルスルと上がって行く状況でも無いようです。 しかし変動は大きく、日経平均の200円や300円の変動では驚かなく無くなりました。

仮想通貨のビットコインは完全な投機商品となってしまって、しかしその影響は大きいのか、とうとう主要経済指標の一つになってしまいました。 100万円近辺で上下を繰り返し、毎日大きな変化になっています。 デイトレをやっている人には堪えられない状況でしょうね。 上がっても下がっても利益を得るチャンスは転がっていると思います。 9時から3時までPCにかじりつかないといけないですが、これで毎日結構な額の利益を得ることが出来ると思いますが大変ですね。

今朝の新聞の大きなニュースは、新幹線の台車の製造不具合でした。 何となく違和感のあるのは、責任のほとんどを現場の班長に被せていることで、製造指示書に書かれている事の検査がないと言うのはおかしいと思います。 また、その設計もそれで良かったのかと思います。

元々の設計で 7mm しか厚みが無いと言うのも、感覚的には如何に強度の高い材料を使っても薄すぎるような気がします。 それを 3mm 削って 4mmにしたので破断したとのことですが、元々の 7mm の設計時の安全余裕はどれくらいあったのでしょうか。 推測ですが車両の軽量化が進んでいて、台車の設計もギリギリの所まで削ったせいではないでしょうか。 鉄道車両と言うのは製造メーカーの競合がほとんど無いところらしいので、この台車と言うマイナーな部品に関しては、あまり関心が無かったのでは無いか? 経験の浅い設計者が設計して、管理者もほとんどチェックせず承認していたのではないかと思います。

元の鋼材も大丈夫か? と思います。 最近では材料製造の偽装が多くありますので、コストダウンの影で、品質の低い部材が使われていたのかも知れません。 近年の傾向としては、材料の高性能化に伴い、材料の実力に依存して設計する場合が多いと思いますし、最近の若い設計者は、現場を全く知らず、CADの画面上と強度計算だけで設計する場合がほどんどで、ちょっと現物を知っていたら、強度計算もともかく、感覚的に大丈夫かと思って、見直すところですが、これがスルーする。

日本のものつくりの最近の傾向として、部材から製品までの各段階で品質を作り込むと言うことが徹底してきて、最終検査が疎かになって、儀式化している傾向もあります。 日産問題は、国の制度がおかしいのですが、一方でこのような最終検査を軽視する傾向もあると思っています。

もっとも隣の国のように取り敢えず最終検査で撥ねたら良い、ダメなら捨てるか修理すれば良いと言うのも問題です。 ある時に組み立て工場を見学したときに、ラインの不良率は何パーセントかと聞いたのですが、2種類あって検査で撥ねる前と後。 通訳を介していたので、これを理解するまでしばらくかかりました。 検査前で聞くと5%とのことで、これでは工場が機能しているとは思えませんでした。

今朝の新聞の情報だけでも川重での鋼材の入荷時の検査、製造完了時の検査、JR西の定期検査、問題発生時の対応など、問題が山積みです。 これにマイナーな部品である台車と言う要素が組み合わさった出来事だと思います。

最近は量子コンピュータの話題が多くあります。 量子コンピュータが実用化されると、マイナンバーなどでも使われている暗号が容易く解読できてしまい、その役割が果たせなくなりますが、今調子でいくと、10年後には暗号技術の世界も様変わりしていると思います。

量子コンピュータは2000年代にハードウェア開発に大きな進展があり、2008年に個々のイオンをレーザー冷却して捕捉することが出来、個々の量子もつれ状態にあるイオンをマニピュレーションする、イオン・トラップ型量子コンピュータの研究が進展ました。 2011年に突如として、カナダの企業D-Wave Systemsが量子コンピュータ「D-Wave」の建造に成功したと発表して話題になりました。 本欄でも紹介しました。 D-Waveは量子ゲートによるコンピュータではなく、量子焼きなまし法による最適化計算に特化した専用計算機であり、発表当初のものは128量子ビットでありました。 D-Waveが本当に量子コンピューティングを実現したものか否かは疑問となっていますので、少し割り引いて見た方が良いと思います。

2016年5月IBMは5量子ビットの量子コンピュータをオンライン公開し、 2017年5月、IBMは 16量子ビット・プロセッサを開発したとアナウンスしました。 中国のチームが光量子コンピューターの開発に成功し、初期の古典的コンピューターを超える量子計算能力を初めて示したと発表し、世界の同業者による実験の2万4000倍以上に達しているとのこと。 2017年9月、東京大学のグループは、究極の大規模光量子コンピュータ実現法を発表し、開発はドンドン進んでいるようです。 直近では20量子ビットのものが発表されています。

一方、量子コンピューターには、その原理からして発生するノイズを解決する必要があります。 つまりノイズを訂正する「 量子誤り訂正」が必要不可欠となりますが、それなりに高品質な量子ビットが数百個必要になります。 原状で10数個の量子しか実現できない中で、数千、数万の量子をコントロールするには、技術のシンギュラリティが必須となるでしょうが、原状では量子コンピュータは実現不可能と言う意見もあります。

この量子コンピュータの進展に対して新しい暗号技術が開発されてきています。 国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)は、格子理論に基づく新暗号方式「LOTUS」格子暗号、を開発したと発表しました。 量子コンピュータでも解読が難しい、耐量子計算機暗号として開発され、現在広く使われているRSA暗号や楕円曲線暗号は、ある程度性能の高い量子コンピュータを使うことで、簡単に解読できることが数学的に証明されているがこの暗号は、量子コンピュータでも解読は難しいとされていますが、新しい解読アルゴリズムが開発されるかも知れません。 通常のコンピュータで処理できるので、10年後ぐらいには、マイナンバーカードの暗号もこれに変わっているかも知れません。

今月の読み物は、「ブロックチェーン技術の未解決問題」 単行本 2018/1/18

松尾真一郎 他 (著) ¥ 2,592 Kindle版 ¥ 2,400

まだ全部読み切れていませんが、パラパラと斜め読みした感じでは、一般的なブロックチェーンとは? とか言う概説書では無くて、しかしコーディングレベルの細かい話でも無くて、ちょうど良いレベルの本です。 少し内容が古いと言う指摘もあるようですが、新聞の記事よりもう少し深く知りたい方には良いと思います。

【商品説明】より

ビットコインのコア技術である「ブロックチェーン」に注目が集まっている。

現在は主に仮想通貨としての用途に限られるが、実はその対象範囲は広く金融に限らない。

一番の特徴は「非中央集権」にある。従来のシステムでは、どこか1カ所で全データを集中管理し、安心安全を維持していた。 例えば銀行の預金では、勘定系システムの中にすべての預金データが管理されている。 ブロックチェーンはそうした常識を打ち破った。すべての履歴を全ノードに保有することで、1人の管理者が支配する構造を変えた。

ブロックチェーンはさまざまな分野で応用が考えられており、今後、次々と新サービスが登場するだろう。 ただし、ブロックチェーン技術の成熟度は高くない。インターネットでいえば黎明期程度にすぎないとの指摘がある。 そこで本書では、現時点のブロックチェーンに残されている問題を詳しく解説している。

著者は暗号などを専門とする日本の研究者たちである。

彼/彼女らは、ブロックチェーンの可能性が大きいからこそ、今そこにある懸念にあえて警鐘を鳴らす。ブロックチェーン技術者必携の1冊だ。

今月のひとこと2018年2月号

2018年2月1日
寒い日が続きます。 しかし考えてみれば子供の頃は、もっと分厚い氷が張ったように思います。 都市の周りは温暖化が進んでいますので、昔ほどは寒くないはずですが、やはり寒いのは身に堪えます

 

株価も神経質な動きになって来て、海外勢の売りが一巡した後は、国内の細々とした取引で、言ったり来たりになっているようです。 株価と円の連動は、以前はものの見事にありましたが、最近はほとんど連動せずに来ました。 しかし最近は少し連動してきていて、円高になると急に株価が下がります。 石油関連も値上がりして、寒いのも手伝って、先日買った灯油は82円/Lでした。

トランプ政権も発足1年にして、少しはまともになって来たように思えます。 TPPにも意欲を示し、減税は大きな結果をもたらし、この中間選挙を睨んだのか、巨額のインフラ投資を発表しました。 財政のつなぎ法案の不調により、政府機関の閉鎖も短期間で終了し、大きな混乱はありませんでした。 政府機関の閉鎖は、初期の頃は大騒ぎになりましたが、何回もやっていると、みんな慣れてきて、通常業務の一環みたいな感じで自宅待機とかやっているみたいです。

先日からマスコミを賑せている仮想通貨のNEM流出問題。 お陰で仮想通貨に詳しくなりました。 15種以上のたくさんの仮想通貨があるとは、思っていなかったことで、しかもそれぞれ数100億円単位の残高があると言うのもビックリです。

ビットコイン騒ぎの時と異なり、今回の対応は素早いです。 NEMを作ったNEM財団の技術者がしっかりしているようです。 流出が始まったのが夜中の3時頃。 それに気が付いたのが11時頃で、気が付くのが遅すぎると言う批判もありますが、その後15時頃にはNEMの取引停止、18時には全取引停止で、夜半の23時頃に記者会見で発表しています。 問題が出ても半年ぐらい放置する他の大手企業と比べて、素早いです。

仮想通貨の価値と言うのは良く分からないですね。 本来の価値は、マイニングを考えに入れなければ、ゼロですが、通貨として使えるので、その価値はある。 しかし、その価値は市場の取引で乱高下する。 この市場の取引は完全に投機的な性格でゼロサムゲームになっていると思います。 通常の通貨も基本的には同じですが、実際に使う量と投機的に扱われる量が圧倒的に異なるではないでしょうか。 通常の通貨も最近は投機的な動きが大きくて、この点でも余り違いは無いのかも知れません。 いずれしても一定の存在は示しているのですから、完全に無視は出来ないと思います。 現実社会の中にそれなりに、まともに取り込んでいかないといけないでしょう。

他方、既存の銀行などが発行を予定している仮想通貨は、銀行がその価値を保証し、主に海外送金などに利用されていくのではないでしょうか。 いずれにしても通貨は複数存在し、使う目的に応じて使い勝手の良い通貨が使用されていくと思います。

江戸時代の日本では主に金銀銭の3種類の通貨が流通していて、今で思えば非常に不便だと思うのですが、それが当たり前の社会だったのでしょう。 金は、例えば佐渡の金など、金の産出が多い、主に関東で良く使われて、小判がその代表で、その何分の1かの貨幣もあったようですが、銀の産出が多かった関西では主に贈答用だったみたいです。 銀が主に使われて、重量で支払われて、イチイチ重量を測るのは面倒なので、免許を与えられた業者が細かい銀をまとめて袋に入れて、その価値を袋に書いて、保証したと言うことです。 一般に使われていたのは銭で一文二文です。 時代で価値は変わりますが、大体一文30円ぐらいだと思います。

この3種類が日常的に流通していたので、これを両替しないといけなくて、これが両替商を生み、現在の銀行のルーツになったとされています。 さらにこの両替商は、為替を発行して、遠隔地への送金も出来たと言うことで、江戸時代は電気こそ無かったのですが、生活全般は現在と余り変わらず、100万都市であった江戸でもし尿を含めて完全にリサイクル社会が実現していましたし、女性の地位も公式には低かったのですが、実態は現在とあまり変わらず、手紙も専用飛脚で送るのには数十万円単位で料金がかかりましたが、金沢から江戸までの今で言う宅急便は3日で着いたと言う話もあって、多少は時間はかかりますが、現代とほぼ同じ社会活動が出来たようです。

シカゴの穀物先物市場に先立つこと約100年前に米の先物相場が大阪の堂島にあって、最近大阪の取引所で、やっと米の先物市場が復活しましたが何故か低迷しています。 当時の江戸は世界最大の人口を誇る都市でありましたし、鉄砲の保有数も日本の鉄加工技術の高さで、世界最大を誇り、世界最大の武器大国でありました。 世界の金の産出の30%を占めて、世界最大の金産出国でもありました。 だからヨーロッパから来た宣教師などは、この極東の島国がヨーロッパ諸国を遙かに凌駕していることに驚愕したわけです。

国民の大半が読み書きでき、大量の日記や公文書が残されていて、数学や天文学もレベルが高く、歌舞伎でも立ち見席があるくらい一般人の教育程度も高かったと思います。 一方で不得手もあって、理系は不得手です。 数学でも難問は解けるのですが、壮大な数学体系は作れなかった。 医学もあまり発達せず、芸術の世界でも、歌舞伎に代表される演劇は、形式美で一つの体系をなし、

絵画でも着物のデザインから来ている感じのする琳派などが体系を作りましたが、音楽は貧弱で音楽理論が作れなかった。 絵画も緻密なものが多く、活字が無くても、レベルの極めて高い彫り物師が版画で印刷物を作って出版したし、もの凄く細かい細工を施した陶器や彫刻が発達しました。 その結集が、明治になって現れ、万国博覧会などで、ヨーロッパの知るところとなりました。

ノートPCに3万円以上出すのは、罪悪感があったのですが、あまりの遅さに根を上げて、Yoga710の後継の Yoga720を購入しました。 ずっと前はレッツノートのユーザーであったのですが、どう考えても高価であるので、探していたら、やはりというかここしか無いかと言う感じでLenovoに突き当たり、85,000円もしたのですが、デスクトップを含めて異例の高価な買い物をしました。

CPUはAtom や Celeron に懲りたので、最低でもm3と思っていましたが、Yoga720は Corei5-7200U Kaby Lakeでした。 m ではないので、ファンが時々回り出して、少しうるさいです。 画面は 12.5インチ、で11インチぐらいが欲しかったのですが、他に良いのがありませんでした。

過剰スペックと思うのは、メモリが8G、ディスクが256GのSSD。 けど、値段で言うと格安だと思いますし、メモリを追加したり、ディスクを換装する手間も要らないです。

ただ薄いのでキーボードに不満が残りますね。キートップはあるもののストロークが短い。 配置も全体に右に寄りすぎ。 ファンクションキーがそのまま使えるのは良いです。 タッチパッドは少し違和感があります。 しかし軽いし、KBを180度於呂曲げるとパッドにもなるし、それより何よりPC専業なので、細かいところが良く出来ています。 専業で無いとパッドとの切り替えとかがぎこちないです。

今月の読み物は「ルポ 老人地獄」 (文春新書) 2015/12/18
朝日新聞経済部著 ¥842

オススメ度 ★☆☆ 老後に関心があれば一読を。

現時点で、これを紹介しようかと、少し迷いましたが、2011年頃の、かなり極端な事例だと思ってください。 現在ではかなり改善されているようですが、依然として特養に入居するのは至難の業です。 こんなことが日常茶飯事に起こっているとは思えませんが、そろそろ後期高齢者になる身としては、ここまでひどくは無いと思いますが、極端な過去の例として、またこれからの傾向として、一度は読んでおくべきと思います。

【内容紹介】「BOOK」データベースより)
絶望の老人社会を告発する、硬骨の社会派ノンフィクション!
川崎市の老人ホームで入居者が謎の連続転落死を遂げ、ヘルパーが老人を虐待する映像が公開されて世間に衝撃を与えた。
だが、これは氷山の一角に過ぎない。近い将来3人に1人が高齢者となる日本では、老人をめぐる状況が凄まじい勢いで悪化しているのだ。
たとえば……
・全国各地に「無届け老人ホーム」が増加。行政に届けを出さず、古い空き家を利用したホームが多い。男女混合で雑魚寝させる「お泊りデイ」施設も。排泄物の臭気が充満する不衛生な環境で、ノロウイルスが蔓延したり、転んでケガするケースが続出。それでも「安い料金」が魅力となり、入居させたい家族は後を絶たない。
・北海道には「老人下宿」なるものが増えている。狭い部屋が与えられ食事が出るが、経営者が逃げてしまい、入居者が突然放り出される例も。
・一方で、特別養護老人ホーム(特養)を経営する社会福祉法人のなかには、濡れ手で粟のボロ儲けをし、まさに「老人食い」で肥え太っているものもある。政治家の介在が見え隠れするケースも。
・個人の介護計画を立てるのはケアマネージャー(ケアマネ)。ところが、ケアマネが特定の施設にカネが落ちるよう誘導しているケースも多発。無意味に高い料金を払わされる老人が多い。
・未婚率の上昇とシングルマザーの増加により、低所得の独居高齢者は激増。年金をきちんと払っていても、年金基金が破綻し、実質無収入となる老人も増えている。
・国民健康保険が払えない老人たちも多い。だが、群馬県前橋市などの自治体は、低所得の老人からも無慈悲な「強制徴収」に踏み切っている。
……等々、枚挙に暇がない。
団塊世代が後期高齢者入りする2025年以降は、もっと悲惨な現実が待ち受けている。
はたしてわれわれは自分を守るためにどうすべきか? そのヒントが本書にある。

 

2018年 元旦 あけまして、おめでとうございます

昨年はトランプ騒ぎに北朝鮮挑発、日経平均株価の高騰、モリカケ騒ぎ、安倍政権の一強棚ぼた勝利、それとAIやEVの話題沸騰など「申酉騒ぐ」の格言通りでしたが、今年は「戌笑い」で良いことが多そうです。

米国は、すでに金融緩和を緩めて利上げ段階に入っているのですが、日本経済は景気は良いものの、物価水準が未だに目標の2%に到達しないまま、今年は日銀総裁の任期も来てしまいます。

物価もさることながら、あれだけ現金預金の内部留保があるにも関わらず、賃金が上昇しません。 政府が音頭を取って賃上げを推進するのは、若い頃に賃上げを圧縮しようとしていた時代を知るものにとっては隔世の感があります。 ここしばらくは金利も上がらないでしょう。 金利は政策的な事が大きいので、しょうが無いですが、これだけの人手不足のなかで賃金が上昇しないのは現経済の最大の不思議です。

賃金が上昇しないことは、思い出してみると20年以上前にアメリカで感じました。景気は良いのにレイオフが連日新聞に出ていて、賃金も思ったほどは上がっていませんでした。 アメリカはベンチャーが多いので、ベンチャーの立ち上げ時の給与は極めて低いのが当たり前なので、そうかとは思っていましたが、今になって思うと、賃金問題の要因は当時からあったように感じます。

本の賃金は支払賃金では増えていないが、雇用者負担の社会保険は増えているので、経営側から見た支払い賃金総額は増えていると言う議論もあるようです。 しかし全体の労働分配率は増えていないし、労働生産性は2000年以降下がってきていると言うことなので、その原因はともかく、経済理論的には不思議では無いようです。

それにしても労組の非力さは目を覆うばかりです。 企業内労組が多いからと言う理屈もついているようですが、バブル前でも企業内労組は多かったですが、スト権を含めて「闘う労組」だったと思います。 最近は非正規労働者の問題とかを連合が言い出していて、以前は組織労働者しか対応しないと批判されていましたので、進歩したと思いますが、本尊の組織労働者の労働条件の最大の要素である賃金を上げると言う任務を遂行できない労組は存在意味がないと思います。 どちらが原因か結果か分かりませんが、連合が支援する野党はガタガタになっています。

この中で本来リベラルの売り物である福祉の充実とか賃金の上昇とかの政策を与党が採用してしまうので、野党としては打ち出す政策が無くなってきてることが、与党がうまいのか、野党がだらしないのか、どっちにしても日本国の政治には余り良くない状況になって来ています。 中途半端な野党連合を言うより、寄り合い所帯の連合も半分に分かれ、既に分裂している野党も2つぐらいにまとまるべきだと思います。

安倍政権は内政では、いろいろ有りますが、外交は大成功ですね。 やはり長期政権で無いと外交は出来ないと言う証明です。 ただ安倍首相は少し内弁慶。 あの国会のやりとりを外国でも発揮して欲しい。 トランプや習近平との写真を見ていると、何か頼りないと言うかおもねている印象があります。 また、国会も何も無い中国に比べて、国会に出ないといけないのも足を取られる一因でしょう。 それにしてもこれだけ行くと政府専用機も使い甲斐があるというものです。 一方で外務大臣は民間機を使ってると初めて知りました。

外務大臣の「おねだり」と言って批判を浴びた右派新聞がありましたが、スケジュールが決まっている民間機では仕事にならないでしょう。 アメリカのちょっとした大手企業のトップはみんなプライベートジェットを使っています。 もっともアメリカではハブ式なので、地方から地方に行こうとすると丸1日がかりの旅程になってしまいます。 トランプなんか自分で飛行機会社を持っているくらいですので、外務大臣にはエアバスとは言わないまでも、ビジネスジェットは必須ではないでしょうか? 国益を考えると安いものだと思います。 政府専用機なみに空自の運行にすると大変なので、日航か全日空へ業務委託したら良いのではないでしょうか? それも一機運行で。

昨年はAIが大いに話題になって、AIによる自動運転が今にも実現して、AIによって仕事の大半がすぐにでも取って代わられると言うような報道がありましたが、なかなかすぐには進展しないと思います。 電気自動車EVも、ヨーロッパと中国がそれぞれの思惑で言い出していて、少し乗り損ねたトヨタが大慌てしていると言う図式でしょう。 トヨタは先の先で水素自動車を推進していましたが、急に電気自動車の機運が上がってきたので、あてが外れた格好です。 まあハイブリッドは、燃費向上のアイデアとして新入社員にやらせておいたのが棚ぼたでマーケットが出来たので、それはラッキーと思って、電気自動車もそれなりにやらないと行けないでしょう。

日産のゴーンさんはサスガにハイブリッドを飛ばして、最初から電気自動車を推進してミーブなどをだしていましたが、日本らしくグズグズしていたら、あっという間に中国勢にやられてしまいそうです。 勝手な想像ですが、中国では例えば電気自動車を半分に分けて、半分ずつ太陽光で充電して走らせれば、太陽光の不安定さも解消されるのでは無いでしょうか。 工場の操業も日中のしかも晴天時にしか許さないことにすれば、太陽光の不安定さも克服できるのではと、先日の中国大規模太陽光発電の番組を見て思った次第です。 APECの時の北京ブルーの空を見ていると、この国は多少の困難は指令一つで克服出来るのでしょう。

2018年は、インターネット2.0の始まりでは無いでしょうか。 インターネット2.0の最大の代表はブロックチェーンでしょう。 ビットコインなどで代表される仮想通貨で脚光を浴びましたが、これはこれで通貨とは何か?と言う問いを発する事と、新しい通貨の社会実験であると思いますが、これはブロックチェーンの応用の一つであって、本来の革命はブロックチェーンです。 基本的には、10年ほど前に大問題になり、制作者が裁判にかけられたWinnyに代表されるP2P技術がそのベースになっています。 P2Pはそれ以前から合ったのですが、使い道が分からず、最初の大きな応用が音楽の違法配信であったのが不幸の始まりで、その後は日陰者になっていましたが、ブロックチェーンで大きく花を咲かせた感じがします。

ビットコインで全てのトランザクションを各PCが持っているのも、いずれは限界に来ると思いますが、ちょっとしたデータベースであれば、極めて容易にサーバー不要でシステムを構築でききます。 その内にパッケージ化されたフリーソフトが出てくると思いますが、ビジネスにするには少し時間がかかるかも知れません。 元々フリーであったLinuxもサポートを付けて優良でビジネスになっていますので、うまく付加価値を付ければ良いと思います。

インターネット2.0で次に大きな役割を果たすのがAIです。 特に音声認識は目を見張るものがあります。 スマートスピーカーが話題になっていますが、普通のスマホでも同じ事が出来て、辞書に登録されていないと思われる語句を除いて、ほとんどの音声を聞き分けることが出来ます。

20年程まえに現在の使い方に似たような事を想定して、5年間ほど音声認識の開発をマネージしましたが、結局使い物にならずで終わりました。 話者の癖学習やマイクロフォンの選択や照合する辞書の効率化などをやりましたが徒労に終わってしまいました。 今回のディープラーニングで、性能は飛躍的に、それこそシンギュラリティ的に向上しました。 最初にスマホで音声認識したときは、あっけにとられました。 それまではまともに認識したシステムは見たことが無く、ジョブズが実演していた映像を見ても、半分ヤラセだと思っていたくらいです。

この音声認識は半分はディープラーニングですが、残りの半分はインターネットでしょう。 高性能のサーバーで認識してリアルタイムで応答するネット技術も非常に重要です。 ディープラーニングでテンプレート照合ではクオンタムジャンプしたのですが、次のジャンプはどうなるのでしょうか? 恐らく量子コンピューターがその鍵を握っているのではないでしょうか?

量子コンピューターも実用にはあと10年ほどかかると思いますが、その間に量子コンピューターに向いたAIアルゴリズムを考えないといけないでしょう。 ディープラーニングを開発した人も、ここまで行くとは思っていなかったようなので、ひょっとして次のステップでは、人間の思考能力に近いものが出てくるかも知れません。 ネットのお陰で、高価な量子コンピューターでも、携帯端末でその恩恵を受けることが出来るようになると思います。

技術的には余り高くないと思いますが、インターネット2.0の第3の要素はIoTです。20年くらい前にM2Mとして取り組んだ事があるので、大体のビジネスアイデアは当時考えたことと同じですが、これからは少しそれから発展したものが出てくるのでは無いかと期待しています。 NTTかドコモかのTVコマーシャルで、IoTの宣伝をしていましたが、ここで取り上げられている実例は、20年前にやったことそのもので、新しいアイデアはあまり出てこないのだと感じます。

一方で最近入手したのはエアコンのリモコンをIoT化したもので、AmazonのAWSで動作し、スマホから遠隔でエアコンなどの自宅の機器を操作したり、自動タイマー動作させることが出来ます。 これの優れた点は、いわゆるルーター越えを何の設定も無くやってしまうことです。 パナソニックのディスクレコーダーのDigaでも同じように、何の設定もなく、自宅のルーターの外でレコーダーの番組を視聴できます。 例えば、ネットと繋がっていれば、ワンセグ機能の無いスマホでも、TV番組緒をスマホで視聴できます。 しかもBSも視聴できるというおまけ付きです。

このIoTリモコンとスマートスピーカーをつなぐと、いろいろな設定は必要ですが音声で操作できるようになり、昔のSF映画のように、「電気を点けて」というだけで、照明を点灯させることが出来ます。 しかもこれが総額でスマートスピーカーを除いて1万円もせずに実現できると言うのが革命的です。

この様にインターネットそのものが大発明で、これだけ社会に大きなインパクトを与えているのにノーベル賞もしくはそれに匹敵する賞をを授与しないのは、単に受賞者がいないからでしょうか。 さらに日本人が発明者をされているビットコインやブロックチェーンには受賞の資格は十分あると思います。 受賞者が分からないと言うのも原因だと思いますが、この様な一種の数学であるコンピュータ科学は、素粒子や医学などの自然科学より一段落ちる応用科学だと言う認識があるようなので、ノーベル賞には数学部門がありません。

単に自然の法則を「発見」しているだけの自然科学と、基礎の前提から人間の頭脳が論理的に考える数学を比べると、数学の方がよりレベルが高いと思うのですが、こう言う論調は余り見たことがありません。 コンピューター科学の領域の末端に居たものとしては、もう少しコンピュータサイエンスの地位が上がってくれると、うれしいと思う初夢でした。

今月の読み物は正月休みです。


今月のひとこと2017年12月号

2017年12月1日
国会は北朝鮮のミサイル発射にも関わらず、相変わらずモリカケに固執する野党が居る反面、与党に質問時間を多く配分したので、いろいろな議論が国会中継で聞けるようになりました。 確かに安倍政権はには飽きが来たし、横暴なところもあるし、モリカケも納得できない点はあるものの、安定した政権が望ましいし、問題もたいした問題では無いと言うことでしょう。 支持率は余り大きく下がらないです。

 

 

 

ドイツのメルケルが怪しくなってきたので、ますます安倍さんの外交が光ってくるのでは無いでしょうか。 野党はことあるごとに外交解決を叫びますが、これも安定した長期政権と首相が居るためで、性急な政権交代は百害あって一利無しです。

相撲界も大揺れ。 真相は相撲協会と貴乃花の対立の構図が見えてきました。 けど理事長の「すんませんでした」は無いと思いますよ。 「申し訳ありませんでした」とか言えないものでしょうかね。 一応は相撲界のトップなんですから、元力士とは言え、それなりの物言いがあっても良いと思います。 また白鵬も、勝手な振る舞いが目立ち、そもそもモンゴル人ばかりの相撲になってしまったのが、問題で、結局日本人力士が弱すぎるのが根本的な問題でしょう。

やっと春闘の前哨戦が始まりました。 そもそも政府が3%もの賃上げを要請するというのは、社会主義国ではあるまいし異常です。 一番の責任者は労組と財界。 労組はそもそも賃上げのためにあるはずで、労働者の労働環境の向上の最たるものは賃上げでしょう。 企業側には支払能力があるのですから、ここはストを打ってでも、賃上げを獲得すべきでしょう。 その労組と関連が深い野党にもそう言う声は余り聞こえてきません。

次に問題は財界、特に経団連。 経団連こそ、こう言う大局的な、政治的なテーマを扱うべきで、個々の企業は利益を追求するので、しょうが無いとしても、経団連ぐらいは、旗を強力に振るべきです。 どうも今の経団連の会長は、出身企業の問題もあり、早期に引いて頂いて、次の日立出身の会長に引き継ぐべきです。 東レの問題にしても、自分が社長時代だったにも関わらず、自分は知らなかったとか、サラリーマン社長丸出しのコメントで、その時の責任を痛感すると言うような文言は無かったです。 本当にこの人は心の底から社長をやっていたんだろうかと感じました。 現会長は就任したときからイマイチだと感じていましたが、その通りになりました。

株価は23,000円が壁になって、その前で一進一退を繰り返しています。 北朝鮮のミサイルには、もうあまり反応しなくなりましたが、全体の動きが鈍いです。 単元株単位の売買も結構多くて、乗り損ねた個人が細々と売買している感じです。 いずれには3万円に到達すると言う話もありますが、時期はいつか分からない、いずれ、と言う話です。 オリンピックまではこの様な調子だと思いますが、オリンピック後がまったく想定できないですね。

今月のITの話題は、IoTとChromecastです 冷温室は元々エアコンがあり、メインの温室にも石油ストーブの代わりにエアコンを付けました。 最近はエアコンの効率がドンドン上がって、灯油を炊くより安くなったと言うことです。 それともっと面白いのは温度の制御が容易になったことです。 最近のエアコンには遠隔制御の機能の付いた物もあるようです。

温室の夜温を下げたいので何とか制御できる方法はないかと思って探したら、赤外線リモコンを遠隔で動かすものがたくさんネットの上にありました。 大分迷いましたが、eRemote と言うのがあったので、買ってみました。 温度制御が面倒だと思いましたが、どうもエアコンの赤外線リモコンはTVと異なって、1ボタンが1機能に対応していなくて、例えば暖房のボタンを押すと、電源オンと設定温度情報が一気に送られるようです。 つまりリモコン自体がそれなりの自立性を持っていると言うことが分かりました。

この端末とAmazonの AWS IoT の組み合わせで遠隔で制御できるようです。 NAT越えも容易で、LAN/WAN問わずにアクセスできるし、毎日の定期動作の様なタイマー機能もこのAWSで行え、スマホとは関係なく動くようです。 いま流行のスマートスピーカーとの連携もあり、仕様はあまり固まっていないようで、少し前の端末はいずれは動作しなくなるようです。

Chromecastは以前からありましたが、少し高いので、安い Anycast を買ってみましたが、最初は動作したのですが、最近は動作しなくなって、当初はこちらにも知識が不足していた事もあり、うまく使えませんでしたが、Chromecast は作り込みもしっかりしていて、容易に使いこなせます。 これでスマホやタブレットの画面を大きなTV画面で見ることが出来ます。

これに関連してPanasonicの Digaも キャストに対応しており、Diga自体でもネットアクセス可能なので、Youtube などはTV放送と同じ感覚で、TVのリモコンを使いながら視聴できます。 しかし、もともとスマホ用に作られているので、Chromecastを使ってスマホでコントロールしながらTVに映し出すのがやりやすいです。 またDigaは、外部でのスマホのアクセスも可能なので、ワンセグが付いていないスマホでも自宅のDigaをアクセすることで視聴できます。 おまけに録画したものやBS放送も視聴できるので、ヘタにワンセグが付いているより便利です。

今月の読み物は【2017年・第15回『このミステリーがすごい!大賞』大賞受賞作】 がん消滅の罠 完全寛解の謎 (『このミス』大賞シリーズ) 単行本 岩木 一麻 著 ¥1,490。

オススメ度 ★★☆ ガンに関心があれば一読を。

今年の初めの本で、少し古いですが、ガンの知識が少しでもあると、面白く読めます。 ネタが分かるとなーんだと言うことになりますが、その前のガンのいろいろな情報が面白いです。

がん消滅の罠ー完全寛解の謎 [著]岩木一麻
苦痛さえコントロールできるなら、がんが一番いい死に方だといわれる。余命を宣告されてから死ぬまでの間に、いろいろと準備できるからだ。もっとも、だからといって、発がん性物質をもりもり食べる気にはならない。やっぱり、がんにはなりたくない。

がんで余命宣告を受けた時点でお金が支払われる生命保険がある。では、余命宣告を受けた後で、がんが治ってしまったらどうなるのか。岩木一麻『がん消滅の罠』は、そんな「もしも」を題材にしたミステリーである。

余命半年と宣告された患者の病巣が、生前給付金を受け取った直後に消えてしまう。それだけなら喜ぶべきことだが、連続して4人もとなるとおかしい。たんなる偶然か、それとも新手の保険金詐欺なのか? 患者を担当した医師・夏目と、友人でがん研究者の羽島が謎に挑む。

浮かび上がってきたのは、政財官界のセレブたちが治療を受ける怪しい病院の存在だ。しかし、がんを治したり再発させたり、そんなことが自由にコントロールできるのか。誰が? 何のために? 謎は深まるばかりである。

本作の魅力は、がん治療とトリックとをうまく結びつけたところにある。医療ミステリーであると同時に、謎解きを楽しむ本格ミステリーでもある。がんとは何か、転移や治療法などについても、登場人物の会話というかたちで解説される。最後の最後まで読者を安心させない。

第15回「このミステリーがすごい! 」大賞受賞作。この賞からは、医療ミステリーの旗手、海堂尊がデビューしている。新たなスターの誕生を歓迎したい。 評者:永江朗 (週刊朝日 掲載)

内容紹介
選考委員絶賛、第15回『このミステリーがすごい! 』大賞・大賞受賞作!
・史上最高レベルの医療本格ミステリー。こんなとんでもない謎を正面に掲げるとは前代未聞、大胆不敵。(大森望)
・まったく見当のつかない真相。謎の設定がとにかく素晴らしい。(香山二三郎)
・最前線でがん治療に当たる医療現場が抱える今日的問題をテーマに、圧倒的ディテールで描く医学ミステリー。(茶木則雄)
・この小説の「売り」は「がん消失」の驚くべき企みとその真相だ。(吉野仁)

日本がんセンター呼吸器内科の医師・夏目は、生命保険会社に勤務する森川から、不正受給の可能性があると指摘を受けた。

夏目から余命半年の宣告を受けた肺腺がん患者が、リビングニーズ特約で生前給付金3千万円を受け取った後も生存しており、それどころか、その後に病巣が綺麗に消え去っているというのだ。同様の保険支払いが4例立て続けに起きている。不審を抱いた夏目は、変わり者の友人で、同じくがんセンター勤務の羽島とともに、調査を始める。

一方、がんを患った有力者たちから支持を受けていたのは、夏目の恩師・西條が理事長を務める湾岸医療センター病院だった。その病院は、がんの早期発見・治療を得意とし、もし再発した場合もがんを完全寛解に導くという病院。がんが完全に消失完治するのか? いったい、がん治療の世界で何が起こっているのだろうか―。

内容(「BOOK」データベースより)
治るはずのないがんは、なぜ消滅したのか―余命半年の宣告を受けたがん患者が、生命保険の生前給付金を受け取ると、その直後、病巣がきれいに消え去ってしまう―。連続して起きるがん消失事件は奇跡か、陰謀か。医師・夏目とがん研究者・羽島が謎に挑む!医療本格ミステリー!2017年第15回『このミステリーがすごい!』大賞・大賞受賞作。